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アメリカのソマリア出兵の本音の石油利権に日本も出資
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投稿者 木村愛二 日時 2006 年 6 月 08 日 14:08:46: CjMHiEP28ibKM
 

アメリカのソマリア出兵の本音の石油利権に日本も出資

以下は、12年前の拙著『国際利権を狙うPKO』のソマリア関係の抜粋である。
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『国際利権を狙うPKO』(木村愛二、緑風出版、1994)
第十章 ソマリアの石油資源とアメリカの「平和維持軍」出兵

 「希望回復作戦」は対イラク「砂漠の嵐作戦」の継続

 日本でPKO法が成立し、日本軍がカンプチアに出兵した一九九二年の十一月三十日、国連のガリ事務総長は、安全保障理事会に対してソマリアへの軍事介入容認を含む措置の検討を求めた。
 ソマリアへの米軍出動の際にも、日本の大手メディアでは、ブッシュ前大統領とアメリカの意図を疑う論評は見られなかった。実際にはまったく逆に、アメリカの大量宣伝攻勢に追随してしまった。以下まず、一応の経過をたどってみよう。
 十二月一日には安全保障理事会の非公式会議が開かれ、二日にはアメリカが武力行使容認と統一司令部設置を骨子とする決議原案を提出した。アメリカが提出した原案には、中国以外の常任理事国の残り全部、イリス、フランス、ロシアが名を連ねていた。三日には、そのアメリカ案に基づいてソマリアに対する各国の事介入の承認が決議されたが、指揮権は米軍司令官が確保した。
 決議の採択以前に、アメリカは三万人の部隊派遣を表明していた。十二月一日には国防総省のウィリアムズ報道官が記者会見し、インド洋にいた水陸両用船三隻が海兵隊員千八百人を乗せてソマリア沖に移動中だと発表していた。ソマリアへの軍事介入に関してはアメリカの国内にも、ニューヨーク・タイムズが社説で疑問を呈するなど、有力な反対の世論があった。だが、十二月九日未明、海兵隊は待ち構えた報道陣のカメラの一斉フラッシュに迎えられるという前代未聞の上陸作戦を敢行した。日本の大手メディアでも「海兵隊の本格上陸が米本土の夜のプライムタイムに合せ設定されるなど、米政府の側にも国民の関心をひきつけようという下心が見えみえ」(毎日92・12・9夕)という論評が見られたが、米本土のテレヴィ放送の夜のプライムタイムに合せて戦争を開始するのは、湾岸戦争の「砂漠の嵐作戦」の場合と同じ報道操作の手法だった。
 だが最初の華やかな報道とは逆に、以後、現地情勢はますます悪化した、一九九三年十月初旬現在、アメリカ国内からも強力な撤退論が出るにいたるまでに、作戦は破綻を来たした。それにもかかわらずクリントン政権は、来年三月の撤退をほのめかしながら、実際には五千三百名の増派を決定した。米兵は合計で一万三百名の派遣になる。
 だが、いまだに日本の大手メディアではまったく、アメリカのソマリア出兵の意図そのものに疑いをさしはさむ報道をしてはいない。アメリカの「人道的動機」という口実を枕言葉よろしく認めたままで、現地の況悪化を報道するのだから、結局、意図は良かったが「やり方」が上手でなかったと擁護していることになる。混乱の基本的原因は、いかにもすべて現地の無政府状態のみにあるかのように印象づける報道振りなのだ。

 なぜ「石油は?」と疑って調べ、本音を問わないのか

 私は最初からアメリカの意図を疑った。これは湾岸戦争の継続に違いないと思った。
 ソマリアは地理的にも戦略的要衝であるが、それだけではないだろう。アメリカは、内戦以前にソマリアに入りこんでいた。詳しい歴史的な事情までは知らなかったが、元石油採掘業者のブッシュが、大統領選挙で大敗北を喫しながら任期切れ間際に出動命令を下すという、実に際どい勝負をしたのだ。きっと石油があるに違いないとにらんだ。ブッシュの背後には、常にテキサスを本拠とする石油マフィアが控えているのだ。
 ソマリアはアラビア半島の対岸にある。地図を一見すれば分るように、大陸分離時代以前にはアラビア半島とつながっていたのだから、地層も一致しているはずだ。アラビア半島周辺にあれだけの石油の宝庫があって、ソマリアにないはずがない。そう思ってすぐに手元の平凡社版『世界百科事典』を見たのだが、「ソマリア」の項には石油のセの字もなかった。それでも私の確信は揺るがなかった。「アメリカ」「ブッシュ」「出兵」「地理的位置」、これだけのキーワードがそろっていて、石油がないはずはないのだ。
 だがその時期の私には、ソマリアの石油を調べる時間の余裕がなかった。前著『佐川疑獄/中曽根vs金・竹・小』の仕上げの最中だったし、翌年早々の一九九三年一月中旬にはカンプチア・ヴェトナム取材旅行を予定していた。気になりながらも、手が出せない状態だったのだが、労せずして情報は向こうの方から飛びこんできた。というのは、すでに本書で何度も記したように、私は湾岸戦争以来、経済専門紙誌の記事を見張っていた。特に重視していたのは、石油などのエネルギー関係の開発プロジェクトであった。
 アメリカの突然のソマリア出兵の翌年、一九九三年元旦の日刊工業新聞のエネルギー欄には、「今年はどうなる石油開発プロ」という囲み記事が載っていた。三段の大見出しは「地域紛争や国際緊張/探鉱事業、一段と厳しく」であり、世界各地の石油開発プロの状況を追っているのだが、記事に添えられていた絵柄はただ一つ、「日鉱共石のソマリア鉱区」の図解地図だけだった。内容から見ても、ソマリア出兵を意識した記事編集のようだったが、なんと、こともあろうに日本企業の日鉱共石が日鉱ソマリア開発を設立し、アメリカのコノコ社をオペレーターにして石油の探鉱作業をしていたのだ。
 ソマリア関係の部分のみを抜き出すと、次のようであった。
「アフリカのソマリア、アンゴラなどは、日本企業が鉱区権益を取得したにもかかわらず、両国内の内戦の影響を受けて、実質的な探鉱、開発作業はストップしたままだ。(中略)日鉱共石(旧日本鉱業)がソマリアの北部陸上鉱区で行っていた探鉱作業は九〇年七月より同国の政情不安が深まったことから中断したままだ。九二年十二月に入り、米国などの″多国籍軍″が″人道的理由″から同国の首都モガディシオやその周辺への展開を開始しているが、果たして今年、正常化が図られるのかどうか。同社は八八年にソマリアでの石油探鉱、開発を行うためのプロジェクト会社、日鉱ソマリア開発(権益比率一五%)を設立している。オペレーターは米国コノコ社(同五〇%)」
 その後、カンプチア・ヴェトナム取材旅行から戻って、不在の間に出ていた『エコノミスト』(93・1・19)を見ると、表紙に「特集・ソマリアが日本に問いかけているもの」とあった。早速ページをめくったのだが、これには大変失望した。二人の大学教授による「ソマリアとはどういう国か」という論文と、「ソマリアは国連改革の先例となる」という談話記事が載っていたのだが、その双方ともに、さまざまな留保はつけているものの、基本的にはアメリカの出兵に希望を託していた。しかも決定的なことには、双方ともに、石油のセの字も出てこなかったのである。
 私は最近、この種の肩書きつきの無名の筆者による記事に、何度も落胆させられている。書いた本人には気の毒だが、今後のこともあるので、一言しておきたい。
 私の友人にも数え切れないほどいるが、大学教授といえばいかにもエラソーに聞こえはするものの、要するに二十歳前後の子供の教育が商売だというにすぎないのだ。肩書きだけで最先端の情報が収集できるわけではない。雑誌や新聞の編集者は、なかなか適当な書き手がいないから、ついつい権威のある肩書きで読者を引きつけようとするのだろうが、それなりの水準の資料を整え、注文をつけて書いてもらわないと、結果として、筆者が恥をかくのである。出版界の友人に聞くと、編集者の水準も下がっているのだそうだ。情報洪水とか多メディア時代だとかいわれる昨今、かえって情報の整理が困難となり、なかなか中身が伴わないのが現状である。『エコノミスト』もそういう水準に落ちたのかな、いや、だったのかな、これからは気をつけて読もうというのが私の感想であった。
 もう一つ感じたのは、これらのお粗末報道の原因に、第三世界に対する視点の問題があるのではないかということだ。知らず知らずの内に、軽視して続けてきた過去の蓄積が、今、表面化しているのではないだろうか。

 人道的動機を論破したアラブのジャーナリスト

 ところが、三か月後のこと、世の中は面白いもので、なんと、湾岸戦争でもカンプチアPKOでも改憲論でも推進の立場を露骨に示し、右翼紙の名をほしいままにしてきた読売新聞に、一番胸のすくような記事が載ったのである。ただし、読売新聞の記者の取材によるものでもなく、筆者は日本人でさえなかった。
 読売新聞の一、二面にわたって時折掲載される大型コラム「地球を読む」に、エジプトのジャーナリスト、モハメド・H・ヘイカルの寄稿による「不透明な米の行動/対ソマリア/七つの座標から分析する」(3・1・1)が載ったのである。ヘイカルはアラブ世界を代表する最も著名なジャーナリストである。読売新聞の著者紹介には一九二三年生れとあるから、執筆の時点で七〇歳またはその直前になる。一九五四年から一九七四年までの二〇年間、エジプトの有力紙アル・アハラムの主筆兼編集主幹を勤め、その間の一九七〇年にはナセル政権で国民指導相に就任した。
 そのヘイカルが「七つの座標から分析」した上で、歴史的事実を紹介し、アメリカの意図への疑問を投げかける。
 たとえばアメリカは、第二次大戦後の「戦利品」分配を相談したカサブランカ会談で、「リビアとソマリアを信託統治地域として管理したい希望を表明した」
「もしこの任務が純粋に人道的な無償の行為だったら、米国は援助の重荷を他の有志国と分かちあうことを歓迎すべきであったろう。ところが米国は指揮権を国連に譲ることを拒む一方、部隊派遣費は五億ドル余にのぼる米国の国連分担金滞納分から差し引くと発表したのだった」
「あるいは、現在米国系企業四社がソマリアで石油の試掘に当たっていることからみて、米国の決定には石油が何らかの役割を果たしたのだろうか」
 ヘイカルはまた、記事の冒頭で、次のようにアメリカ大手メディアによる世界的な報道支配の危険性を指摘していた。
「永らくワシントン・ポスト紙の編集者だったベン・ブラッドリーによれば、いまや世界は何を考えたらよいか、いつそれを考えたらよいかまで、十ほどの米テレビ放送ネットワーク、新聞、雑誌から指示されているというのだ。(中略)連続数か月にわたり、ソマリアの飢餓に関する米マスコミの報道は息もつかせぬものだった。ソマリアの飢える子供らに関するぞっとするような物語や映像は、人間の悲劇的な苦痛という尺度からすれば同様に悲劇的な世界の他地域での危機(エチオピア、カンボジア、ボスニア、パレスチナなど)より優先権を与えられた。米メディアは、ソマリアの悲劇に世界の良心を目覚めさせるのに成功した。この点ではほめられてよいだろう。しかし同時にその成功ぶりは、いささか人を不安にするブラッドリー説の真実性を裏づけるものでもあった」
「飢える子供」の映像がふんだんに使われ、多くの理性が曇らされた。だがそれでもヘイカルはあえて、
「人道的動機だけで現実を説明しようとするのは、いささか無理があるように思われる」と結んでいた。
 さらに三か月後、六月二〇日発行の岩波ブックレット『ソマリアで何が?』の中に、石油に関しての記述を発見することができた。著者の柴田久史はIVC(日本ボランティアセンター)のソマリア・プロジェクトに一九八三年以来参加しており、現在、JVC東京でソマリアを担当している。柴田は次のように記している。
「川端正久志氏(龍谷大学教授)の指摘によると、米国のブッシュ政権は人道的目的で軍事介入すると発表したが、その影には米国の戦略と国益があったという。戦略的にはアラビア海から紅海にかけてのオイル・ルートの確保であり、国益としてはソマリアに有望な石油資源があるからだという。バレ政権時代には米国の石油企業は、領土の三分の二にあたる地域の石油探鉱権を獲得していた。『希望回復作戦』の目的の一つは石油企業の投資と利権を擁護することにあった。これを証明するかのように今回のソマリア視察で、私たちは米国の石油会社コノコが内戦中もモガディシュにとどまり、しかもその事務所はアイディド派の事務所の向かいにあるのを確認した」
 ソマリアのシアッド・バレ政権は一九九一年までの二一年間続いた。初期の社会主義をめざした政策は一時成功したが、連続する旱魃に苦しんだ。一九八〇年以後には主にアメリカからの援助の増大によって、かえって経済が崩壊した。

 貧困に巣喰う援助貴族のアメリカ国際開発局に疑惑

 もともとソマリアの食糧危機に関しては、一九八〇年代の旱魃の際にも、アメリカの援助の仕方に疑問があった。
『援助貴族は貧困に巣喰う』(朝日新聞社)によると、一九八七年の場合、世界最大の食糧援助を行っているアメリカ国際開発局の役割は「もっとも奇怪な部分」であって、緊急食糧援助の要請がなされて以後、食糧の到着が数か月も遅れた。しかもこの時期のソマリアの食糧危機を悪化させた原因は、それに先立つ一九八五、六年のアメリカの食糧援助のやり方にあった。アメリカの食糧援助のほとんどは、なぜかいつも遅れてソマリアの収穫期に、しかも不足分よりも大量に届いた。そのために食糧の市場価格が押し下げられ、農民の生産意欲が奪われ、ソマリアの農業は破壊されたのである。だがもっと注目に値するのは、このようになぜかいつも遅れて収穫期に届く食糧援助を、食糧メジャーの国アメリカがここ数十年にわたって、世界中で展開してきたという歴史的事実である。
「飢える子供」に最大限の「人道的援助」をと叫ぶアメリカが、なぜそのような食糧援助の「失敗」を何度も繰り返したのだろうか。そして、第三世界の農業を破壊しつくしたのだろうか。基本的な回答は、アメリカの農業経営の資本主義化、大型化がもたらす法則の中にある。工業の場合と同様に、農業においても弱肉強食の法則が貫徹しているのだ。世界中から「豪雨型輸出」の非難を浴びている日本の工業が、相手国の工業を破壊しているのと同様に、アメリカの農業「援助」は世界中の個人農家を破壊し続けているのだ。
『援助貴族は貧困に巣喰う』はさらに、西側大国の「援助ビジネス」の内幕を暴いている。テレヴィを利用した「お涙頂戴」キャンペインのごまかしは数知れない。そのごく一部だけ紹介すると、ワールド・ヴィジョンの場合はこうだ。
「煽情的なコマーシャルで、エチオピアから隣国のソマリアに大量の難民が流入したというニュースを全米に流したのである。コマシャルが触れなかったのは、そこで使われた写真と情報が三年前のものだったということである」
 ライヴ・エイドの場合はこうだ。
「スタジオで恥ずかしいプロモーション・ビデオがつくられた。ネズミがエキストラの足に這いよるシーン、ゾンビーがほこりのなかを必死になってとうもろこしの粒を探し求めるシーン、といった代物だ。こうしたビデオは、多くの人々の偏見 -- アフリカ人は自分を救うために何もできない無能力者だという偏見 -- を強めるだけなのだ」
 こういう歴史的事実の検証なしに、当局発表を垂れ流す大手メディアの役割は、今こそ根本的に問い直されなければならない。
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