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イラク戦争とAK-47 [暗いニュースリンク]
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投稿者 white 日時 2006 年 6 月 19 日 22:33:35: QYBiAyr6jr5Ac
 

□イラク戦争とAK-47 [暗いニュースリンク]

 http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/06/ak47_7232.html

06/19/2006

イラク戦争とAK-47

もっとも危険な“傑作品”
1941年10月、ロシア・ブリヤンスクにおけるナチス・ドイツ軍との激しい戦闘で重傷を負ったソ連軍戦車兵ミハイル・ティモヘビッチ・カラシニコフ軍曹は、病院で療養中に、オートマチック銃の欠如がソ連軍不利の原因であると考えた。軍備品発明の実績を持つカラシニコフ氏は、そこでサブマシンガンの開発を決意する。それから8年後の1949年、カラシニコフ氏の開発した“傑作品”AK-47アサルトライフル(通称カラシニコフ銃)はソ連軍に正式採用されることになる。

第二次大戦に間に合わなかったこのソ連の新兵器は、砂漠やジャングルでの戦闘に理想的な小火器だった。アメリカ製のライバル製品・M-16が苦手とするような、砂塵舞う中東やアジアの湿地帯でも、整備が容易で弾詰まりも少ない。しかもパーツが少ないので低コストで製造できる。

メーカー側の説明によると、カラシニコフ氏は発明品であるAK-47の特許を申請しなかったらしく、冷戦時代全体を通じて、AK-47モデルは世界中に流通し、ライセンス製品・模造品を含めると90年代までに世界でおよそ7,000万丁が製造されたという。

冷戦時代が終わり、ソ連が消滅した後もカラシニコフの栄光は途絶えることなく、現在でもロシア・イジェフスクを本拠とするイジェマッシ社により、AK-74、AK-101、AK-103等の後続モデルがロシアで製造されている。今年で86歳のミハイル・カラシニコフ氏は、現在でも同社の主席銃器デザイナーを務めているというから、驚かされる。

イジェマッシ社兵器工場所長、ウラジミル・グロデツキー氏が最新の製品発表会で説明したところによれば、カラシニコフ製のパーツやデザインを使ったライフルは世界中で数十億丁流通しているが、ロシア製は10−12%程度であるという。

戦争が継続しているイラクでは、当然ながらAK-47のような小火器の需要も高い。イラク国内ではAK-47の中古品が、ロシア製オリジナルで一丁290ドル、リビア製ライセンス品が110ドル、中国製ライセンス品は50ドルで、路上の武器商人から購入できるということである。


米軍も使うAK-47:用途は様々
イラク駐留米軍兵士も、故障の多い米軍正式銃ではなく、使い勝手の良いAK-47を個人的に使うことが多いらしいが、武器デザイナーが想像もしなかった使い方をする者もいる。例えば、今年4月に発生したアル・ハムダニヤ住民虐殺事件でも、AK-47は意外な用途で登場する。6月6日付けAP通信の報道を引用:


海兵隊員、イラク市民を殺害後、証拠を捏造

AP通信2006年6月6日付記事

米国防総省高官筋の語るところによれば、米軍の調査担当者らは、4月26日に発生したイラク市民殺害事件は、殺害を実行した後、現場にシャベルとAK-47ライフルを置いた海兵隊の小集団が計画したとみられているという。

米海軍犯罪調査局の調査を直接知る関係者の話では、海兵隊員達は1人の反政府運動家を捜索するためにハムダニヤの街にやってきて、捜索に失敗したとわかると、武器を持っていない一般人を人家から引きずり出して射殺したとのこと。

AK-47とシャベルは、被害者が路肩爆弾を設置するための穴を掘っている最中に発見され銃撃戦となり射殺されたように見せかける目的で、殺害前にあらかじめ他の人家から入手されたもの、と関係者は語る。(以下略)


これまで米国防総省は、「武装集団を殺害、現場でAK-47を押収」というパターンのプレスリリースを大量に配信してきた。そうした事例の中には、反米武装勢力との交戦と見せかけるためにAK-47を殺害現場に置くという手馴れた手法で、米軍兵士達によって行われたケースも相当数含まれているかもしれない。

ところで、無実で丸腰の市民を射殺した兵士の処分は?米NBCとウォールストリートジャーナル誌の行った最新世論調査によれば、米国民のおよそ半数(49%)は、ハディサ虐殺事件のような出来事は「戦争中にはよくあることなので、兵士は懲戒処分が妥当で刑事責任は問われるべきでない」と回答している。(犯罪として扱うべきとの回答は3人中1人)

つまり、アメリカ人のおよそ半数は、イラク市民の生存権よりも、米軍兵士の殺戮活動を擁護すべきであると考えているわけだ。こんな状況では、イラク市民はAK-47を手元に置く以外に身を守る方法がない。アメリカの言う「民主化」とは、なんとも残酷かつ過酷で、手前勝手なものである。


イラク駐留米軍、ボスニアから中古AK-47を大量にお取り寄せ
では、イラクに流通する中古のAK-47は何処から流れてくるのか?英ガーディアン紙2006年5月12日付け記事はこの問題にヒントを与えている。以下に引用:


アメリカ、秘密裏に武器を取引

米国防総省の下請業者がボスニアからイラクへ運び込まれた小火器を“紛失”

by イアン・トレイナー記者:英ガーディアン紙2006年5月12日

米国防総省は、国務省と国連から要注意企業と指定されている民間企業を利用し、過去2年間で数十万丁の小火器をボスニアからイラクへ極秘裏に輸送していたことが明らかになった。

武器販売を調査したアムネスティ・インターナショナルの報告によれば、2004年から2005年にかけて、米政府は少なくとも20万丁のカラシニコフ・マシンガンをボスニアからイラクに輸送していたという。輸送された武器は新生イラク治安部隊の装備と説明されているが、イラク政府側が荷を受け取った形跡はない。

バルカン半島の西側高官は、輸送された武器が間違った相手の手に渡った可能性を危惧している。

或るNATO高官の説明によれば、当該取引はボスニアから武器が輸出された事例としては第二次大戦以来最大規模のものであるという。

NATO高官はアムネスティに語っている:「荷物がボスニアを出たら、NATOには監視する手段がない。輸出された武器が誰の手に渡ったか監査する方法がないんです。輸送された武器が他に流用される懸念はあります。」

NGOとしてボスニアに駐留し、90年代のボスニア戦争時代から蓄積されている武器の処分と管理を担当するヨーロッパ側管理者達は、米国防総省が極秘に行うイラクへの武器輸出が、彼らの取り組む軍備縮小計画を損なうとして憤慨している。(中略)

NATOとヨーロッパ各国関係者は、ボスニア政府と米国防総省がイラクに武器を輸出する圏について違法性はないとしている。問題は、その透明性と武器取引の方法である。

「問題の取引にはスイス、アメリカ、イギリスの企業が関わっています。武器取引は駐ボスニア大使館の手配で、大使館付武官もふくまれています。ボスニアにとって脅威となる武器を、武器需要のあるイラクに運び出すという案でした。」高官は言った。(中略)武器取引にはブローカーや輸送企業等の民間企業組織が複雑に絡んでおり、イラクには「格安取引で」流入している、とアムネスティの調査員、ヒュー・グリフィス氏は言う。

ボスニア北東部トゥズラの米軍基地から貨物を空輸するモルドバの航空輸送会社は、無許可で飛行している。問題の企業はエアロコム社で、2003年の国連によるリベリアとシエラ・レオネにおける武器・ダイヤモンド取引事件調査によって同社は営業停止となったが、同社の資産と航空機は別のモルドバ企業、ジェットラインインターナショナル社名義で運用されている。

米国防総省の業務に携わる企業には、4年前にセルビアとボスニアからリベリアやサダム・フセインに武器を輸送し違法取引に関わった会社も含まれている。(中略)米軍の武器輸送は2004年7月からトゥズラの米空軍基地とボスニア国境沿いのプロース・クロアチア空港を通じて1年間に渡り行われた。

エアロコム社は、ボスニアの武器99トン−貨物の中身のほとんどはAK-47アサルトライフル−を2004年8月に米空軍基地から4機の輸送機で運び出した。EUの圧力により、エアロコム社は「安全・治安の懸念により」モルドバ政府から飛行ライセンスを剥奪されていた。アムネスティの報告によれば、武器が正規の受け取り手に渡った記録はないという。

グリフィス氏がバグダッドの連合軍担当者側に連絡をとると、ボスニアでの武器購入については全て否定した。当該武器取引は当時のサラエボにある米大使館武官の手引きで行われたとみられている。ボスニア側の書類では、「イラク駐留連合軍」が武器貨物の受け取り手であった。

アムネスティの報告によると、イラク治安部隊を訓練するイラク駐留米軍側の説明では「ボスニアからの荷物は受け取っていない」とのことだった。(中略)米国防総省は、米国民間警備企業、タオス社(Taos)とカチ社(CACI)−両社共にアブグレイブ刑務所拷問虐待事件への関与で知られる−に武器購入と輸送を外注している。両社は、米国防総省から請け負った業務を、さらにイギリス、スイス、クロアチア、モルドバ、ボスニア等の武器商人、輸送企業に孫請けさせている。
(以下略)


イラク治安部隊装備の名目で、ボスニアから中古のAK-47を20万丁も取り寄せて、しかもそれを『紛失』させた米国防総省。その費用はおそらく不正会計で捻出したものだろうが、わざわざ怪しい企業に輸入代行させるとは・・・まるで、イラクの武器市場を『規制緩和』して内戦を煽り、ティグリス河の土手に建設中の、中東『民主化』拡大(注1)の拠点となる超巨大要塞(注2)が稼動を始めるまで撤退できないように、長期駐留の口実を求めているかのように見える。

(注1:ブッシュ政権の中東『改革の本丸』はイラン・シリアである。イラン核開発問題に外交的解決の兆しを見せるブッシュ政権は、その裏でイラク侵攻でも活躍したネオコンの外注諜報員を使い着々とイラン侵攻準備を進めている。2008年大統領選直前の侵攻を狙っているとの噂も絶えない。)

(注2:建設中の建物は超巨大アメリカ大使館となっていて、2007年6月完成予定。一応は『極秘』扱いとなっている)


カラシニコフかく語りき
2006年6月26日に開催予定の国連小火器取引削減会議を前に、86歳の現役銃器デザイナーであるミハイル・カラニシコフは、AP通信の取材に答えて言った:「私が祖国防衛のために発明した武器がビン・ラディンや仲間の手に握られているのをテレビを観るたびに、私は疑問に思うんです:どうやって彼等の手に渡ったのだろう?とね。」

国連の調査によれば、世界に流通する突撃銃のおよそ80%が、同氏の発明した銃であるという。場所によっては、AK-47の中古品は最安値の場合15ドルで入手できる。

カラシニコフ氏は、自身の発明品が“テロリスト”の手に渡ることを深く懸念している様子だが、一方で2ヶ月ほど前の『製品発表会』の場ではこんなことを言っている:

「湿地で伏せていても、このライフルを使えば、思い通りに撃てるんです。銃に関する説明としてはそれで充分でしょう。本物の兵士なら、それでわかるはず。」

「ベトナムでも、アメリカ兵達はM16を放り出して、ベトナム兵の死体から奪ったAK-47を使ったもんです。アメリカとは気候が違ったので、ベトナムではM-16は正常動作しなかったんですよ。」

「現在の戦場を見てください。テレビを観れば、イラクに駐留するアメリカ兵が、装甲車の上で私のマシンガンや突撃銃を構えているのが確認できますよ。あそこでもアメリカ製ライフルはうまく動作しないんですよ。」
米軍のイラク侵攻以来、数万人のイラク市民が殺害され、米軍の戦死者数は2,500人以上、戦傷者は18,490人を超え、現在もその数は増え続けている。開戦後に祖国を脱出し、ヨルダンとシリアに難民として暮らすイラク人は64万人以上、アメリカ合衆国が911同時多発テロ以降に支出する総戦争費用はまもなく4,000億ドル(約46兆760億円)を超える見込みだ。

そして、カラシニコフ氏の“製品”が活躍する場も、結局は拡大し続けているというわけである。


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