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市民が死の渕から逃げるときバグダッドの崩壊が始まる(全文) [イラク情勢ニュース]
http://www.asyura2.com/0601/war82/msg/641.html
投稿者 white 日時 2006 年 7 月 17 日 23:13:15: QYBiAyr6jr5Ac
 

□市民が死の渕から逃げるときバグダッドの崩壊が始まる(全文) [イラク情勢ニュース]

 http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001311;jsessionid=d4gc0ny9j1

URUKNEWSイラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2006/07/16(日)

  [飛耳長目録 today'snewslist]

☆市民が死の渕から逃げるときバグダッドの崩壊が始まる (全文)

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☆★市民が死の渕から逃げるときバグダッドの崩壊が始まる
  Baghdadstartstocollapseasitspeoplefleealifeofdeath
タイムズ・オン・ライン 2006年7月13日
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http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2268585_1,00.html

 ※ 途中に前半・後半の区切りを入れました。
   webサイト掲載済み
   http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2006_Baghdad_starts_to_collappse.html


 受話器を置いたとき、友人であるアリと生きて再会できるだろうかと不安がよ
ぎった。3年間タイムズの通訳をつとめたアリは西バグダッドに住んでいるが、
その辺りはスンニ派の反政府勢力とシーア派民兵とのあいだで激しい内戦になっ
て今や崩壊のさなかにある。まったく統制がきかないのだ。

 私は数ヶ月の不在のあと10日にバグダッドへ戻った。二晩は電話で、不在期
間のことを聞き、死に直面しておびえるイラク人スタッフが私にバグダッドは今
にも崩壊するのだと説得するのだった。

 アリは11日夜、午後10時30分頃に電話してきた。武装した男たちを満載
した車が、彼のすむ住宅地を走りまわっているという。彼と隣人たちは必死にな
って情報交換し、その武装集団の身元を確かめようとしていた。

 アリはすぐにシーア派だと判る名前を持っている。だが彼の義兄弟は間違えよ
うのないスンニ派の名前を持つ。そこで2人は、もし武装集団がシーア派だと判
れば、アリが玄関で応対することで意見の一致をみた。もし彼らがスンニ派だっ
たら、義兄弟の方が対応する。

 返答がないときには、屋根の犬小屋に隠れることにした。

 彼らのもう一つの作戦は単純なものだ。つまり、10人の兄弟がいる隣人宅ま
で50ヤードを一目散に走る。慈悲もない現在の状況下では、すべてのイラク人
家庭に自営用の銃が備えてある。彼らはともに武装集団を撃退するだろう。それ
は無名のアラモ砦の1つであり、暗くなったイラクの通りで夜ごと戦っている。

 「私たちの宿命がどんなものか待ってみなければならない」とアリは言った。
爆弾と戦闘、誘拐にみちた3年のあいだに、このがっしりした筋肉質の若者が怖
がって話すのを初めて聞いたが、私には何の援助もできなかった。

 前日の夜には、運転手と同じような会話をした。彼はシーア派で西バグダッド
の別の地域に住んでいる。午後11時に電話してきて、家の外で戦闘が発生し、
家族は窓のない浴室に避難していると言った。

 その地域でスンニ派住民を捜して車を走らせていたマフディ軍が、近くの戦略
的な陣地を奪いあってスンニ派のムジャヒディンと戦闘になったのだ。電話越し
に銃声が聞こえてきた。

 私たちはその地域のイラク人治安部隊を指導している米軍の教官に電話した。
だが彼は、なすべきことは何もない、と言った。「夜になると、いつも銃撃はあ
るんだ。(いちいち対応するのは)幽霊を追いかけるようなもんだ」。

 事実、米軍は総じてイラク人治安部隊からの支援要請にしか応対しない。米軍
の多くは、シーア派の暗殺チームに目をつむるのは良い方で、悪くすると、彼ら
は連中と共謀しており、したがってアメリカ軍に助けを求めるのはいわば最後の
手段なのだ。

 西バグダッドでは爆弾騒ぎや殺人は珍しいことではないが、ここ数日のあいだ
に、民族浄化騒ぎのなかで、すべてのレストランが消滅してしまった。

 シーア派の武装集団は少数だがかつて優勢だったスンニ派を追い払おうとして
おり、そしてスンニ派には報復する力がある。モスクまでが攻撃を受けている。
何十人もの一般市民が殺され、その遺体は路上に放置されている。

 スンニ派もシーア派も何百人もが自分たちの家を捨てつつある。私の運転手は
、今では隣人がすべて避難し、彼らの捨てられた家は銃弾であばた状になったま
まカギを掛けられた、と話した。近所のモスクには、スンニ派とシーア派の落書
きが競うように壁に書かれている。

 西バグダッドにおける紛争地域のへりにあるヤルムーク病院の古参看護士は、
やりきれないと言った。「11日には1日で35の遺体を受け入れ、アル・フラ
ト地区だけでも16体あった。その全員が処刑スタイルで殺されていた」と彼は
説明した。「街はもう終わりなんだと思ったりした。彼らがいつ病院を襲撃する
か判らないので、私もいったんは荷物をまとめ、立ち去る準備をしたよ」。

 ※ 以上、前半
 ※ ここから後半 webサイトには全文を掲載しました

 昨日の昼前24時間のあいだに、議会が緊急協議を招集するなかで、87人の
遺体がバグダッドの死体保管所に運びこまれたが、そのうちの63人は身元不明
だ。ジハード地区における9日の虐殺事件以降では160人以上の市民が殺され
、6週間前にイラク政府が発足して以降の死亡者は総数で1600人以上に達し
た。それとは別に2500人の負傷者が出ている。

 6月初め、首都の秩序を回復する試みとして、マリキ新首相はバグダッド市内
に数万人の兵士と警官を配置した。

 最近では、彼は国民和解提案を発表し、スンニ派ゲリラへの恩赦とシーア派民
兵の解体を約束した。2つの提案ともに今やズタズタになっている。

 今週のイラク議会で、シーア派の議員アリ・アビドは、「祖国は急速に内戦に
むかっている」と述べた。クルド人議員サアディ・バルザニは、「治安が前例の
ないほど深刻に悪化している」と述べた。

 マリキ氏は次のように議会に述べた−−「抗争と流血を避けるうえで、互いに
和解し合意する最後のチャンスがある。それに失敗すればイラクの将来は神にし
か判らない」と。

 民主党議員ジョセフ・バイデンは米国上院の外交委員会で、最近訪問したバグ
ダッドの様子を「内戦初期」の苦痛に見舞われている都市と形容した。

 ほとんどのイラク人が既にそうなっていると考えている。「バグダッドからス
ンニ派住民を根絶やしにする作戦が展開されている」と、議会内のスンニ派勢力
であるイスラム党のオマル・アル・ジャブリが指摘した。彼は、(内戦は)シー
ア派の支配する内務省と警察、特殊部隊、それにシーア派民兵によって作られた
もので、宗派や民族によらない国民軍的な治安部隊を再建するというマリキの計
画を骨抜きにすることを狙ったものだと話した。

 西バグダッドのスンニ派地区であるアミリヤの住人アハメド・アブ・ムスタフ
ァは、11日夕刻、武装集団を満載した2台の警察車両(小型トラック)が猛ス
ピードで地元のモスクに突進し、政府が支給した機関銃でモスクを銃撃するのを
見て卒倒した。

 すぐにスンニ派の武装住民が脇道から現れて戦闘が始まった。「こんな事態は
聞いてはいたものの、警察がモスクを銃撃するのを見たのは初めてだ」と彼は言
った。「地元の武装住民がすぐに駆けつけたことにも驚いた。私は命が惜しくて
逃げた」。

 昨日、イラク駐留米軍のトップであるケーシー司令官が、米軍はバグダッドの
もっと多くの米兵を配置すると発表した。彼はアルカイダが関連していると描き
たくて、ザルカウィの死後、アルカイダがバグダッド市内で攻撃を強めてきたと
述べた。「いま対処しなければならないのは、もともシーア派の過激グループだ
った暗殺チームであり、それが報復として一般市民を攻撃している」。

 今週のことだが、ある地元ジャーナリストは私に、今では政府を構成する政党
の抱える民兵が毎日のように多くの市民を殺しているのに、サダム・フセインが
24年前に市民148人を殺したとして裁判にかけられている事態を、イラク人
は皮肉をこめて見つめている、と話した。しかし誰に笑う余裕があるのか。彼ら
は荷物をとりまとめ、どうやったら生き延びることができるかを思案するのに忙
しいのだ。

 私の運転手と家族(いわゆる大家族)は、今、バグダッド中心部にあるタイム
ズの事務所で避難生活をしている。

 それができる人々はイラクを離れつつある。バグダッド空港には、出発する飛
行機便の席を求めてイラク人が押し寄せている−−イラク社会の分裂を証言する
光景だ。

 1人の女性は、自分と3人の子どもは、かつてはバグダッドで最高級の住宅地
だったマンスール地区から逃げてきたと話した。バグダッドの恐怖から逃れるよ
うとダマスカス(シリアの首都)行きの飛行機に乗り込みながら、「戦闘と殺人
が毎日発生する」と彼女は説明した。

 妻を連れてヨルダンにむかう神経科医は、外国で仕事を探して、もう帰国した
くないと話した。「米軍がやってきた2003年4月9日は嬉しかった。だが、
もうあきらめた。イラクには民主主義への準備がないのだ」−−彼はこう言って
滑走路を眺めながら椅子に座った。

 イラク航空の予約事務所につとめるファレス・アル・ムフティは、タイムズの
取材に、「1日に1便の特別便を飛ばしているが、全席が予約済みだ。パニック
におちいった大量出国に対応して、ダマスカス便は週に3便から8便に増えたと
いうのに」と語った。

 ヨルダンへの長距離運送を経営しているムハンマド・アル・アニは、アンマン
行きの便は申込みが多すぎて、この2週間のうちに片道200米ドルから750
ドルに値段が上がった、と話した。

 スンニ・トライアングルを通過するのは大きな危険でもあるが、ヨルダン行き
のバスは毎日2便から40〜50便に急増した。

 アブ・アハメドは家族と一緒にガザリヤ地区を離れるところだったが、妻が勤
務していたシーア派の病院で死の脅迫を受けたことから、法外な料金でも支払う
用意があると言った。

 米軍侵攻以後にどれだけのイラク人が祖国を離れたかを調べた調査では、米国
難民・移民委員会が、先月、2005年には64万4500人がシリアおよびヨ
ルダンに滞在した(イラク人口の約2.5%)と発表した。総数では88万90
00人のイラク人が国外に移動し、同委員会のラビニア・ライモン委員長の表現
によると、「世界最多の新たな難民流出」となっている。

 そしてこの大量出国はまだ始まったばかりかもしれない。


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投稿者 white 日時 2006 年 7 月 04 日 18:12:17: QYBiAyr6jr5Ac

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