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ヒズボラに足元見透かされる軍歴乏しいイスラエル首相 [JANJAN]
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投稿者 white 日時 2006 年 7 月 24 日 23:51:44: QYBiAyr6jr5Ac
 

□ヒズボラに足元見透かされる軍歴乏しいイスラエル首相 [JANJAN]

 http://www.janjan.jp/world/0607/0607208192/1.php

ヒズボラに足元見透かされる軍歴乏しいイスラエル首相
2006/07/21
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 ランナー1塁、3塁。足の速い1塁ランナーは、これ見よがしの大きなリード。投手は1塁ランナーの牽制にてこずり、しまいに悪送球。3塁ランナーがホームを踏む。ベンチは相手守備の乱れを突き、とっておきの代打者たちを惜しげもなく続々送り込んでゆくーー。

 原ジャイアンツのふがいなさにつけ込む、落合ドラゴンズや岡田タイガースの試合運びを言っているのではない。軍歴らしい軍歴のないイスラエル・オルメルト首相の足元を見透かしたような、1塁ランナー「ハマス」と3塁ランナー「ヒズボラ」の連携プレーの巧みさを、言いたいのだ。この『試合』、ベンチで采配を振るっているのは、百戦錬磨の「シリア・イラン連合」だ。

ハマス、ヒズボラの「業務提携」

 先月25日、ガザでイスラエル兵を拉致したハマスの行動を、筆者は無謀であると指摘した(7月7日掲載の拙稿「地獄のフタが開いたパレスチナ」)。だが、実際のところは水面下で本筋の作戦が進んでいたのだった。20日も経たぬうち、今度はレバノンのヒズボラがイスラエル兵を拉致したのだ。「イスラエルは南北から挟撃されたな」というのがニュースに接した時の第一印象だった。

 スンニ派の「ハマス」とシーア派の「ヒズボラ」は、生い立ちも活動地域も違う。だが両組織は2004年、イスラエルによる占領に対して共同戦線を張ることで合意した。共通の目的を達成するために「業務提携」したのである。その象徴は「ハマス」政治部門トップのメシャール氏が、シリアで「ヒズボラ」に庇護されていることだ。

 拉致兵士奪回のためイスラエル国防軍(IDF =Israel Defense Forces)はレバノンへ空爆を始めたが、反撃する「ヒズボラ」の戦術は実に巧みだ。先ず14日、イスラエル第3の都市ハイファを砲撃した。ハイファは地中海貿易の窓口となる港町で、火力発電所もあるイスラエル経済の要の都市だ。「ヒズボラ」は16日もハイファを攻撃した。15日にはハイファ南郊外にあるイスラエル空軍基地が火炎に包まれた。

 イスラエルは海軍艦艇を出動させレバノンを海上封鎖すると共に、艦砲射撃を浴びせ、公共施設などを破壊した。猛空爆は連日実施されている。

イラン製ミサイルに神経尖らすイスラエル

 今回の戦闘で「ヒズボラ」が使用しているミサイルに、イスラエルは神経を尖らせている。主力の「カチューシャロケット」はハイファまで届かない。にもかかわらずハイファ攻撃に「カチューシャ」が使われたとか、イラン製短距離ミサイル「Fajr-3」が使われた、などと報道は混乱した。「ヒズボラ」は16日、ハイファ攻撃に使用したのはイラン製短距離ミサイル「ラード」、と発表した。

 イスラエルにとって、ベイルート沖に展開する最新鋭の艦艇に「ヒズボラ」のミサイルが命中したことは、大きなショックだったに違いない。最新鋭艦に備えた世界有数の防御システムを、イランの対艦巡航ミサイル「C-802」がかいくぐったのだから。このミサイル、もともとは中国製だ。

 「ヒズボラ」にはイランが資金と武器を援助し、シリアが後方支援基地となっている。今回の戦闘では「連携プレー」が、いかんなく威力を発揮している。

 補給路を断つためにイスラエル空軍は、シリアにつながる道路や橋を空爆で破壊する戦術を取っている。だが、「ヒズボラ」はイスラエルを相手にゲリラ戦を20年以上も続け、互角に戦ってきた組織だ。橋や道路を破壊されても、武器・弾薬、水・食糧を補給する手段はいくらでも持っている。

レバノン侵攻が失敗に終れば

 「ヒズボラ」の動きは、軍歴に乏しいオルメルト首相の足元を見透かしているようにも見える。「ヒズボラ」を叩けるだけ叩くことで、シリアとイランにプレッシャーをかける。そして交渉を優位に進める。これが基本戦略なのだろうが、どこをどれ位まで攻撃するのか、いつ兵を引けばよいのかは、実戦経験が豊富でなければ分かるまい。

 オスロ合意を達成したラビン首相、その合意の実施を巡ってアラファトとキャンプ・デービット(米大統領の山荘)で缶詰交渉を続けたバラク首相は、いずれも軍参謀総長(制服トップ)を務めた。ガザ撤退を敢行したシャロン首相も、将軍として名を馳せている。

 「常在戦場」のイスラエルでは、軍に対する首相の権限は明文化されていない。しかし、輝かしい軍歴を持つ首相たちは、その意志を明確に軍に伝え、軍は指示に従ってきた。だが、軍隊経験が浅ければ、そうはいかない。

 病に倒れたシャロン首相の後継としてオルメルト氏が選ばれた時、誰もが同氏の軍歴の乏しさを憂慮した。憂慮は現実のものとなりつつある。レバノンへの軍事侵攻でヒズボラを叩けず、拉致されたイスラエル兵も奪回できない、イスラエル市民の犠牲者がさらに増える……こうした結果に終れば、オルメルト首相は出口を失う。

 首相の選挙公約であるウエストバンクからの一部撤退政策にも、大きく影響してゆくのは必至だ。和平の基本路線は大きな見直しを迫られることになる。

 本記事は日本時間19日時点の現状です。「エルサレム・ポスト「ニューヨーク・タイムズ」「イスラエル国防軍ウェブサイト」などを参考に執筆しました。

(田中龍作)


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