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米国政府の言行不一致 ブッシュ大統領は戦略的転換を図れ [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 8 月 16 日 21:59:24: QYBiAyr6jr5Ac
 

□米国政府の言行不一致 ブッシュ大統領は戦略的転換を図れ [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2328594/detail

米国政府の言行不一致 ブッシュ大統領は戦略的転換を図れ

【アルジャジーラ特約14日】政治・軍事問題に詳しく、歴史家でもある作家、サンディ・シャンク氏はこのほど「漂流するアメリカ」と題する評論をアルジャジーラに寄稿した。イラクの反乱勢力と米国の対応についての情報は貴重である。以下はその全訳。

    「漂流するアメリカ」

 普段、CBS放送、NBC放送、ABC放送、あるいはフォックスの夕方の30分ニュース番組に頼っている米国人は時に、全く混乱してしまう。もっと詮索好きな人でも同じことである。

 ニュースそのものすら攻撃にさらされている。その例としては、米国憲法修正第1条と、同条が保障する報道の自由 対 元気の良すぎる戦時大統領のやりすぎという事態も含まれる。アルジャジーラ自体がこの国家元首の狂騒ぶりを体験した。昨年11月、ブッシュ大統領は米国の同盟国、カタールにあるアルジャジーラの本社を爆撃したいと望んでいることが明るみに出たからである。

 ユニークすぎて、はた迷惑な考え方をするもので、ブッシュはアルジャジーラが敵に支援と慰めを与えていると見なしたのである。幸いなことに、ブレア英首相がブッシュに、そんな滅茶苦茶なことは止めるよう話をしたということだ。こんな話がばれたことで、戦争の霧はますます深くなり、ニュースを見ている人の混乱は広がるばかりである。

 もっと最近では、米国政府の内部でさまざまな機関が対立していることをうかがわせる事態があった。普通のニュース視聴者にも詮索好きな人にも、こうしたニュースは物事の相互理解に役立たない。数週間前、上院はイラクからの戦力撤収に関する二つの、相互に結び付きのない決議について討議した。

 ブッシュ大統領は、イラクでのスンニ派抵抗勢力とアルカイダの旗の下に結集する外国人戦士に対し、今後どのくらい頑張ればよいのかを示すような終盤戦データを提供するようなことはしないと強烈に拒否した。結果として、上院は白熱した議論の揚げ句、両決議案を採決で退けた。

 この出来事自体はイラクの専門家たちにとってショックではなかった。ショックだったのは、同じ週にイラク駐留軍最高司令官のジョージ・W・ケーシー将軍が大統領に対して、密かに兵力削減計画を提出していたことだった。

 この戦争でまともに扱われていないと感じ始めていた多くの上院議員たちはカンカンになった。ボクサー上院議員は「今やわかったことは、われわれ(民主党)はケーシー将軍と意見が同じなことだ」と言明した。

 カール・レヴィン議員は「ワシントンで最も漏れ方のひどい機密の一つは、政府が11月の中間選挙までに兵力を撤退させようとしていることだ」と述べた。

 ホワイトハウスは、ケーシー将軍は対策案の一つを提出したにすぎないと反論した。確かに、対策案が何たるかは誰も知っているが、そこで私は質問したい。ケーシー将軍は、苦境に立つ、わがイラク派遣部隊の増強案も提出したのかね?

 最近、最高裁が議論に加わった。グアンタナモ基地拘留者、オサマ・ビン・ラディンの運転手の一人であるサリム・アハメド=ハムデンに関する事件で、最高裁の判事たちはブッシュ政権に反対票を入れ、最高裁は大統領の戦争権限は限界が無く、挑戦を受け付けないというブッシュの考え方を認めるつもりがないことを示した。スチーヴン・ブライヤー判事は「議会は大統領に対して白紙の小切手を振り出してはいない」と述べた。

 大統領に関するもう一つの危険な問題は、大統領の「署名声明書」として知られるやり方を周期的に利用していることである。過去200年間、そう認められてきたのだが、普通、議会が採択して、大統領が署名すれば、法案はこの国の法律になるのだが、ブッシュの場合はそうならない。

 大統領は国家の安全と憲法上の権原に基づいて、自分が署名した法を修正し、解釈し、あるいは無視する権利を保留したいると述べた別の声明書を出すことで権限を横取りしているのである。あえて言えば、署名声明書なるものがそれ自体、違憲であるが、ブッシュは750の法律に関して、こうした声明書を出している。

 アメリカ人は、こんな民主主義が他国に輸出したいのかどうか、考えねばならない。民主主義国家の指導者が自分の従う法律を決めることができるのか? 答えはもちろんノーである。

 人民の権力とその代表を通じて、米国は法治国家である。大統領にとっても、その真理は変わらない。面白いことに、大統領の共和党は11月の中間選挙で議会の支配力を失うかも知れない。そうなると、ブッシュに弾劾の可能性が出てくる。単一者の統治担当という考え方はアメリカ人が望むイメージではないのである。

 ブッシュ政権の内部でも対立がある。ラムズフェルド長官の下の国防総省は軍教典の一部を書き換えて、捕虜に「恥辱を与え、差別する行為」を禁じているジュネーブ協定を除去してしまいたがっている。国務省は軍部の決定に激しく反対しており、ペンタゴンとホワイトハウスに再考を迫っている。

 そういうわけで、わが国の指導者の言っていることとやっていることの間に食い違いがあるのが問題である。

 ラムズフェルド国防長官はこのほど、「われわれはいかなる期間も(イラクを)占領する意思はない。わが軍部隊は帰国を望んでおり、帰国するであろう」と言明した。

 すばらしい考えだが、わが国は今、バグダッドにでかい大使館のビルを建てている。8000人以上の政府職員を収容する21棟からなる。快適な環境のすべて、つまり大きなプール、屋内体育場、劇場、美容室、学校、それに住居棟6つ。これに加えて、どうやら「キャンプ・アナコンダ」と名付けるらしい巨大な軍事基地も建設中で、バグダッドの近郊でイラクの土地15平方マイルを占拠する。

 兵士2万人と数千人の契約労働者がそこを我が家と呼ぶ。また、空港はシカゴのオヘア空港に次ぐ、世界で2番目に忙しい空港だ。建設中か建設予定の米軍事基地は6カ所から14カ所も目白押しである。

 マージョリー・コーエンは「近くどころか、いつまでも撤退するようには見えない」と書いている。

 ブッシュの言うこととやることとは、いつも食い違っている。米国の独立記念日、7月4日、ブッシュは米軍部隊に短い激励演説を行い、6月のアブ・ムサブ・アル=ザルカウィの死以降、米国、イラク両軍はイラク全土で190回以上の襲撃作戦を実施したと述べた。そして、敵戦闘員700人以上を捕虜にし、60人以上を殺したと言った。これは最近、バグダッドの中央死体安置所が公表した最近の報告とはひどく違っている。同安置所は6月、1595遺体を受け取り、5月より16%増加したと述べている。

 これは主としてスンニ派とシーア派の宗派間の組織的な殺し合いによるものだが、民間人が殺しの矢面に立たされていることは別に驚くことではない。死者の70%は非軍事要員なのである。ブッシュの数字は疑いなく正確だが、事態の好転にはそぐわない。死体安置所の数字が物語っているのが真実だ。不幸にも、その数字は何の進歩もなく、イラクが内戦の迷路にはまり込んでいる事を示している。

 大混乱がイラクを支配している。第16旅団とアル=マヘディ軍がそれだ。第16旅団は兵力1000人のスンニ派旅団で、バグダッドの南郊を通る油送管を警備するため、昨年初め、国防省によって編成された。重装備だが監督が甘く、この旅団は「処刑部隊」になり果て、反政府勢力と一緒になって、イラク政府に協力する人たちを処刑している。

 多数派のシーア派の軍事部門を代表するのが、シーア派の指導者、ムクタダ・アル=サドルに忠誠を誓うシーア派民兵の「アル=マヘディ軍」である。同軍は拷問、殺人、誘拐、数十にもなる政党を静かにさせるのが専門である。この二つは互いにライバル同士なのだ。

 イラクで実際に敵味方になっている武装部隊の数は数えきれないだろう。その混じり合いの中に、さらにスンニ派抵抗集団を標的にする「狼旅団」あり、1ダース以上の抵抗武装勢力あり、さらに新しい指導者を頂き、外国人戦闘員で構成するイラク・アルカイダありなのだ。新指導者はアブ・ハムザ・アル=ムハジール、またの名、アブ・アユブ・アル=マスリで、爆発物が大好きで、民間人にも軍人にも災厄をもたらす計画を持っている。

 しかも、今や新たに「アバス旅団・イラク・イスラム軍」が登場した。この集団は、米軍が宗派間の暴力を扇動しているとして、米軍部隊に対する攻撃を誓っている。

 イラクの副大統領の一人、アディル・アブドゥル・マハディは「今は誰が誰なのか、誰も知らない。私はイラクの問題が民兵だとは思わない。国民は自衛せねばんらない」と発言した。

 アメリカ合州国南カリフォルニアの静かな郊外にある我が家の中庭に座って、彼の断言についてしばらく考えてみた。ああ、何たることか。われわれは何をしてしまったのだ。

 イラクの状況は見るからに暗い。わが国の統治諸機関、行政機関、立法機関、司法機関がばらばらで、大統領は史上最低の人気に苦しんでいる。

 ブッシュ大統領は転換を選択し、連邦政府を団結させ、アメリカ人を団結させる時だ。大統領は、人気があろうとなかろうと、イラクにおける殺戮(りく)と破壊を終わらせ、その活力ある国民と貴重な資源をもって、共和国の再建を始めるときである。

 3年半前、わが国がこの国に侵攻してから始まった血まみれの状況、そのいかがわしい日から暴力が一向におさまらないことを考えれば、米国が今、政治の都合で軍を撤収するようなことは、わが国が他国に侵攻した歴史の中でも最大の背信行為になるだろう。(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)


2006年08月16日17時37分

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