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http://0000000000.net/p-navi/info/news/200609152350.htm から転載。
2006.09.15
ガザ：「お店の棚は空っぽ」
「ここがうちの赤ちゃんのために粉ミルクを買おうとやってきた10軒目の店なんだ。どうしたらいいんだ？僕は1缶の粉ミルクに2倍の代金を払ってもいいと思っていたけれど、一つとしてないんだ」
とガザのアル・ザウィヤ市場で語っているのは32歳のオマールさん。 Gaza shelves bare （IRIN, 11 September 2006）を読むと、ガザが置かれている経済的、社会的危機状況がよくわかる。
http://electronicintifada.net/v2/article5720.shtml
EUや米国から禁輸措置を取られているうえに、物流の要であるカルニ国境検問所をイスラエルにより閉鎖されていて、輸出入ができないため、ガザの商店から商品が消えつつある。
イスラエルは7月の兵士拉致事件以来、「治安のため」という理由で、国境検問所をほとんど封鎖するという締め付けを行っている。
カルニ検問所のパレスチナ側治安所長であるフセイン・マンスール氏はこの封鎖がパレスチナ人からモノとお金を奪っていると言い、
「このような措置が、驚くべき貧困率を生んでいるんです。ガザの約85%の家族が貧困ライン以下の生活をしている。これは3分の2の人々が一日2ドル以下で生きていこうとしているということです」
と語った。
このレポートでは、子どもたちに1日1食をやっとのことで食べさせている父親が登場しているが、今のガザではそれも珍しいことではない。
［栄養失調の乳幼児については、JVCのレポートで継続的に報告されている。たとえば、 「弱い子どもから犠牲に」 。］
http://electronicintifada.net/v2/article5720.shtml
WFP（世界食糧計画）は、封鎖がガザの農業生産サイクルを崩壊させていると指摘する。輸出ができないうえに、イスラエルの攻撃によって、農地が破壊され、また潅漑用のパイプや温室も壊され、ふたたび農地を耕すためのサポートもまったくない。
発電所が攻撃されて、水と電気の供給が不安定になっていることも追い打ちをかけている。このために農家は水と電気にさらにコストをかけなくてはならなくなった。これが代金に反映され、農産物の値段は上がったが、ガザの人々はお金をもっていない。
別な側面をみると、商人、貿易業者もより厳しい締め付けに遭っている。
「パレスチナの商人は国外からの輸入に対し、400ドルを［イスラエルに］払ってきた。それが今は2000ドルにもなっている。」
とは、前述のフセイン・マンスール氏。
卵輸入業者のアーベド・ベルタジさんは、封鎖で商品が届かないうえに何千ドルもの損失を受けていると言う。
「なんと言ってよいのか。これは本当に破滅的だ。毎日、私は2000ドル以上を失い、そのうえ卵は時間通りに運送されないのでダメになってしまう…」
このような状況について、イスラエル側は「必要なモノはガザに入っている」「治安のため、封鎖は仕方がない」と語っている。
（以上、国連人道ニュース─ Gaza shelves bare （IRIN, 11 September 2006）─のまとめ）
http://electronicintifada.net/v2/article5720.shtml
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問題のカルニ検問所（物流の出入り口）は、10日に2ヶ月ぶりに開いたということなので、状況はやや緩和されるはずだ。
だが、それは表面のことでしかない。検問所はまた、イスラエルが閉鎖しようと思えばいつでも閉められる。
物流を含んだ経済的、社会的基盤が、すべてイスラエルによって左右され、パレスチナ人は自らの手でコントロールすることができない──このことが根源的な問題だ。
懲罰として経済的破滅の崖っぷちに、イスラエルがパレスチナを立たせることができる。ガザからの「分離─撤退」と言っても、この状況は占領下にあるのと変わらない。
（軍事的な攻撃に注目しがちだけれど、それに加えて、水資源の支配、農地の破壊、出入国の支配、このような経済的な支配がくまなく張り巡らされているところに占領の怖さを感じる。）
追加 ニューヨーク・タイムズにもガザの困窮状態をレポートした記事がでていた。
Cut Off, Gazan Economy Nears Collapse （Shawn Baldwin /STEVEN ERLANGER, The New York Times, September 14, 2006）
http://www.kibush.co.il/show_file.asp?num=16317
The United Nations is now helping to feed 830,000 people in Gaza, an increase of 100,000 since March, but to receive the relief agency's aid they have to be classified as refugees, who make up 70 percent of Gaza's 1.4 million people. The increase is largely refugees who work for the government and did not need assistance before.
The World Food Program helps to feed the poorest of the nonrefugees and now has 220,000 beneficiaries, an increase of 25 percent since March, which includes 136,000 people considered to be the chronic poor, who are not getting previous welfare benefits from the Authority.
We have a complete deterioration of the economic situation in Gaza, said Kirstie Campbell of the agency. People can't afford the basic things. Seventy percent of Gazans now depend on the United Nations for food aid.
【関連投稿】
崩壊の危機に瀕するパレスチナ経済−UNCTAD（UN RADIO News Service）
http://www.asyura2.com/0601/war84/msg/589.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 9 月 14 日 19:50:40
国連警告：パレスチナ経済は崩壊の縁にある（ロイター通信）
http://www.asyura2.com/0601/war84/msg/593.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 9 月 14 日 20:39:29
パレスチナ経済／崩壊の瀬戸際／ハマス政権誕生で援助停止／国連が警告 貧困率（しんぶん赤旗）
http://www.asyura2.com/0601/war84/msg/590.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 9 月 14 日 19:54:49
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