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【世界の社説】南フィリピンで起こっているイラクの二の舞(ザ ビジネス タイムズ/シンガポールのビジネス新聞)
http://www.asyura2.com/0601/war84/msg/954.html
投稿者 あっくん 日時 2006 年 9 月 27 日 07:45:33: hhGgKkD30Q.3.
 

The World Editorials
http://lancomnet.itbdns.com/rss_translated_link.php?media_id=6&item_id=205&lang_code=JPN&trans_seq=1

[メディア名:]
The Business Times
[記事のタイトル(日本語):]
南フィリピンで起こっているイラクの二の舞
[記事の見出文(日本語):]

米国の支援のもと、南フィリピンで行われているテロとの戦いは、第二のイラク或いはアフガニスタンの様相を呈し、流血の事態となっている。


[記事本文(日本語):]

米国の支援のもと、南フィリピンで行われているテロとの戦いは、第二のイラク或いはアフガニスタンの様相を呈し、流血の事態となっている。

一月以内に、20名を超えるフィリピン兵士が殺害され、82名が、イスラム武装組織、ワシントンがジャマーイスラミヤ(Jemaah Islamiyah)やアルカイダと関係があるとしている、あの恐ろしいアブサヤフ(Abu Sayyaf)との戦いで負傷した。戦いは今も続いている。

しかし、フィリピン軍高官を悩ませているのは、フィリピン人犠牲者ではない。反乱の温床となっているスールー(Sulu)イスラム自治区に駐屯する200名の米特殊部隊の兵隊達だ。もしたった一人の米兵でも殺されるか、負傷させられるか、もしくは拉致されれば、スールーにいる米軍は、その態度をたちまち急変させるだろう。米軍部隊の拡大を呼び、敵対心をさらに煽る結果となりかねない。

純粋に受動的で防御的な立場から一転し、米国はその持てる力存分に重火器を反乱軍に注ぎ込むことは十分考えられる。米軍の攻撃的姿勢が極まることを意味するが、これはフィリピン人が望んでいることではない。

公には、マニラ・ワシントン間で調印された駐留軍協定(Visiting Forces Agreement =VFA)に則り、米軍は実際の戦闘において交戦することを禁じられている。彼らの義務は、対テロ作戦におけるフィリピン兵に対する訓練、軍事物資の後方支援、技術情報の提供、及び人道的活動に限られているのだ。

VFAはテロに対する戦闘において、合同軍事訓練の定期的実施を含む、双務的協力を許している。

しかし、米国、フィリピン両政府とも、これを認めることはないであろうにも関わらず、対アブサヤフ掃討作戦で米部隊がフィリピン軍と行動を共にしているのは公然の事実である。そして、そうすることにより、米部隊は殺害されるか、負傷させられるかもしれないリスクを犯しているのである。

今のところ、スールーでアメリカ兵が殺害されたか負傷したという報告はない。それにも関わらず、その可能性が厳然とあるのは、そこが戦闘地域だからだ。さらに言えば、弾丸からアメリカ兵を守る甲鉄の保証などありはしないのだ。

テロリストから見れば、アメリカ兵も他の兵と変わりはしない、フェア・ゲームなのである。最近、アメリカの無人飛行機が、その偵察活動中にスールーで墜落した。

米国は特に、二人のインドネシア人、Umar PatekとDumatinを、生死を問わず捕らえることに熱心だ。両名は、多くは外国人であった200名の人々を殺害した、インドネシアのバリで2002年に起きた爆破事件を画策したとされる。

伝えられるところによれば、2名はアブサヤフにかくまわれており、米国は彼らの捕獲に1000万ドルの懸賞金をかけた。両名はまた、自身の爆弾製造に関する技術を、テロリスト集団に移転していると伝えられている。

軍事紛争であれば、何がおこっても不思議ではないし、ある恐ろしいシナリオとして、スールーへの米国のさらなる介入が、暴力への恐怖となって近隣地域に拡散する可能性がある。

テロ戦争がエスカレートし収拾がつかなくなった場合に備えて、米国は既にコンティンジェンシー・プラン(訳者注;危機管理計画、緊急時対応計画)を書き終えているようだ。

歴史的にスールーは、戦闘の最前線である。サバ(Sabah)の近くに位置するこの島は、国外勢力に対するフィリピン・イスラム民族の抵抗を象徴している。スペイン、日本そしてアメリカの帝国主義者達が植民地化しようと試みても、何世紀にも渡って失敗してきたのだ。

これは、フィリピン・イスラム民族の一つである、タウソグ族(Tausogs)の好戦的な性質に由来している。彼らは、どんな海外勢力にも征服されたことのない事実に誇りをもっているのである。

スールーの歴史をたどってみれば、どうやってタウソグの戦士達が、1906年にフィリピンに植民地法を課そうとしたアメリカの、何十人にも及ぶ兵士達を待ち伏せの上、殺害したかを思い起こせる。

その復讐としてJohn 'Black Jack' Pershing配下の米軍は、300名のタウソグ人を虐殺した。その出来事のおかげで、今でもスールーはアメリカへの憎しみに満ちている。

マニラから南へ1000キロの場所にあるスールーについて言えば、マニラ西部のリゾートから人質として連れ去ったアメリカ人の首を刎ねたグループ、アブサヤフだけの話ではない。そこは、より極端な分離主義者、反乱分子である、モロ民族解放戦線(MNLF)の本拠地なのだ。 

イスラム諸国会議機構(Organisation of Islamic Conference)によりイスラム反乱組織とみなされているMNLFは、フィリピン軍と長きにわたって、すさまじい衝突を繰り返してきた。アメリカ人と戦うことは、これと何の違いもないのだ。

筆者は、Business Timesのマニラ特派員である。

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