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政治を生活に引きつけて語る必要もあるでしょうね
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投稿者 heart 日時 2007 年 1 月 20 日 02:29:39: QS3iy8SiOaheU
 

(回答先: 政治的意見を持つ人の方が少数で、批判精神が最初からない人も多いです 投稿者 パルタ 日時 2007 年 1 月 19 日 13:58:59)

レスありがとうございます。
以下、結論部分がそれになっている私の文章です。
レスの代わりということにさせてください。

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昨年の臨時国会で、教育基本法の改正が審議された。この改正は、「教育を国家による国家のための教育にするもの」(高橋哲哉氏)、「戦争、格差、差別が日常的になる社会にするもの」(斉藤貴男氏)のように、批判の強いものであった。斎藤氏はまた、改正教育基本法の「国を愛する態度」との文言についても、「心に踏み込んでいるわけではない」を逃げ口上に、教育現場で反対の根強く残る「日の丸・君が代」を「崇める態度」を、また、「戦争に黙って行くような態度」を求めることにつながっていくとして、「『愛国心』より深刻」と述べている。他方、改正を強力に推し進めた安倍首相も、改正を「戦後レジームからの脱却」の「礎となるもの」と評しており(臨時国会終了を受けての記者会見)、この改正は国の根幹に関わる大きな問題であったと言える。
しかしながら、この問題に対するメディアの関心は総じて低調であった。雑誌メディアに関して言えば、「論座」、「諸君」、「週刊新潮」、「週刊文春」を含めほとんどが、いじめ・校長の自殺・学力低下といった、教育基本法とは無関係とされる教育関連の記事は掲載したものの、教育基本法に関する記事はほとんど皆無だった。改正を正面から取り上げたのは、「世界」や週刊金曜日など、反対の論陣を張ったごくごく少数の雑誌にとどまった。
そして、改正教育基本法は、国民的議論を呼ぶこともなく国会を通過し、12月22日、公布、施行された。
メディアは改正に関してもっと発言し、世論を喚起していくべきではなかったのか。斎藤氏は、「マスコミには骨の髄まで権力大好きの者がおり、100%アテにならない」とにべもない。しかし、改正後、例えば朝日新聞には「なぜもっと大きく取り上げてくれなかったのか」との抗議の声が殺到したという。これはそれだけ人々の間にメディアに対する期待が大きいということを示しており、メディアにはこの期待に応える責任があろう。
「朝日新聞の言論の部分を担っている」と自称する論座も、教育基本法改正について取り上げなかった雑誌の一つである。薬師寺編集長は、教育基本法改正の後に改正に基づき制定されることになる様々な関連法の整備については危機感を持っているが基本法の改正自体には問題を感じなかったため、扱わなかったと言う。これは詭弁であろう。また、改正の奥にある考え方については扱ったつもりだ、とも言うが、そのような迂遠な扱い方で、基本法改正自体に対する関心を呼び起こせるとも思えない。
このように、教育基本法改正は、メディアが無関心を決め込む中、大多数の国民が問題を知らされないままに行われてしまったと見てよかろう。メディアが政治に対するチェック機能を十分に果たさず、結果として、国民も政治に対し関心を持つ必要性をあまり感じなくなっているのだ。大多数の無関心・無知の中、政治が行われていく。これは、立憲民主主義国家において、あってはならないことなのではないか。
この状況をどう正していくか。雑誌メディアに焦点を絞って考えてみたい。
雑誌は、速報性の求められるテレビニュースや新聞と異なり、より大きな観点から重要なニュースをピックアップして掘り下げることができるメディアである。したがって、何が重要な問題かを見抜くセンスが求められることは当然であるが、それをどのような形で掘り下げていくかがポイントとなろう。哲学的な掘り下げ方では、一般大衆の関心を呼び覚ますことはできまい。いかに生活に結びつけて語れるか。ある政策により、生活がどう変わるか。その点がわかるような記述を心がければ、人々の関心も高まるだろう。そして、雑誌としても部数が増やせるはずだ。
また、一般大衆の関心を呼び覚ますといっても、受けを狙えばいいというものではない。例えば、スキャンダル系の娯楽を取り入れればよいというものではない。それは恐らく、政治家に対する失望と、政治というのはどうでもいいことをやっているところ、という先入観を国民に植え付けるだけで、政治に対して本当に必要な関心を呼び覚ますことは期待できないからだ。
右派、左派というイデオロギーの対立を乗り越えることも重要であろう。例えば教育基本法改正の場合、イデオロギー対立と見られがちであったが、斎藤貴男氏の言うように「戦争、格差、差別が日常的になる社会にするもの」であるのならば、単なるイデオロギー対立の問題とは捉えられない。すべての人に関わってくる問題である。
「塹壕から出ろ」と薬師寺氏は言った。左派は左派の「塹壕」から出て右派のところへ、そして右派は左派のところへ、という意味での言葉だったが、今後雑誌メディアが取るべき路線は、そこを一歩進めて、左派とも右派とも言えないような「大衆」の方にも出て行くことではないだろうか。
いかに雑誌メディアが政治を生活に引きつけて掘り下げて語れるか、そしてそれにより国民が政治に対する主体性を獲得することができるかどうか。これが、雑誌メディアの帰趨、さらには、よりよい政治、よりよい社会が築けるようになるかどうかを決するといえよう。

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