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現場100回 刑事のカン大切 秋田児童殺害2事件、分かれた捜査 [産経新聞]
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投稿者 white 日時 2006 年 11 月 25 日 13:24:47: QYBiAyr6jr5Ac
 

□現場100回 刑事のカン大切 秋田児童殺害2事件、分かれた捜査 [産経新聞]

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061125-00000000-san-soci

現場100回 刑事のカン大切 秋田児童殺害2事件、分かれた捜査
 秋田県で4月に起きた畠山彩香ちゃん=当時(9)=殺害と10月の進藤諒介ちゃん=同(4)=殺害事件は、ともに遺体に不審点が認められながら、捜査は対照的な方向に進んだ。その差は、遺体と現場の状況の矛盾を徹底して詰めたか、鑑識の結果に合わせたか−から生じた。彩香ちゃん事件では警察犬の追跡地点などを重視し、川への転落場所を誤った。鑑識や科学捜査に引きずられ、刑事の目やカン(経験)が埋没してしまった。

 同県藤里町の小4、彩香ちゃんは4月9日に家を出たまま失跡し、翌10日、自宅から約6キロ離れた川で水死体で発見された。県警は11日、「自宅そばの河原から誤って川に転落したとみられる」との見方を発表した。

 (1)目立った外傷がない(2)警察犬が彩香ちゃんのにおいを追跡した先の河原に、滑ったような跡が認められた(3)母親の鈴香被告(33)が「河原で遊ぶのが好きだった」と供述した−ことなどが根拠だった。

 しかし、遺体にはこの見方と矛盾する跡があった。6キロも流されれば途中の堰(せき)などに引っかかり、遺体には相当の外傷が認められるはず。だが外傷は少なく、着衣の乱れもほとんどなかった。外傷は少ないのに、頭部が骨折していた。

 遺体と現場の矛盾点は、発見場所からもっと近い地域で突き落とされた可能性を示す“SOS”だったが、置き去りにされた。

 県警は遺体発見まで80人態勢で捜査したが、発見後は20人に捜査員を減らした。転落場所とみた地点から発見現場まで人形を流し、遺体と同じような傷がつくかどうかの実験もすぐに行っておらず、鑑識に引きずられたことをうかがわせる。警察犬はにおいの対象がいなくなってからの時間や天候にも左右され、絶対とはいえない。

 彩香ちゃんの周辺を迅速に聞き込みすれば、鈴香被告の育児放棄情報が得られた可能性があった。しかし聞き込みは十分とはいえず、ここでも不審点を見逃した。結果として米山豪憲君=当時(7)=の事件につながった。豪憲君の遺族が県警を批判するのはこの点だ。彩香ちゃんが殺害されたと判明するのは、豪憲君殺害容疑で鈴香被告が逮捕された後だ。

 一方、同県大仙市の自宅から約400メートル離れた農業用水路の中で見つかった諒介ちゃんの遺体は、顔に殴られたような傷があり、頭部を骨折していた。肺に用水路の水はほとんどなかった。

 用水路と殴打跡という不整合。水深わずか数センチの用水路で単なる水死は考えにくい。聞き込みで、母親の美香容疑者(31)の虐待情報が浮上した。前日、当日に男と行動していたことなども分かり、早い段階で事件とみた。遺体と現場の矛盾点を大事にし、聞き込みをうまく絡ませた捜査だった。

                   ◇

 ■「科学」に埋もれず 点→線→面つなげ

 警察捜査に詳しいジャーナリスト、大谷昭宏さんの話 現在の殺人捜査は携帯電話の電波情報やNシステム(自動ナンバー読み取りシステム)、そしてDNA鑑定をはじめとする科学捜査が大きな武器になっているが、あくまで二次的な手段だということを忘れてはいけない。

 確かに携帯の電波が示す位置情報や通話記録、N情報は貴重な事実をもたらす場合が多いが、断片的な事実はそれだけでは何も語らない。「点」を結びつけて「線」にし、「面」にして、事件の筋と容疑者を割り出していくのはあくまで刑事たちの目やカンだ。もの言わぬ事実に、頭脳と経験を駆使して光を当て、雄弁に事件を語らせることこそが刑事の力量。

 刑事たちが「科学」に埋没してしまったマイナス面が出た象徴的なケースが、藤里町の彩香ちゃんの事件ではないだろうか。

 大仙市の諒介ちゃん事件はうまく解決したとはいえ、解決に至って当然のケースだ。現場を見て、遺体を見て、その不自然さを見破り、聞き込みをする。そうした原点にのっとって捜査すれば必ず容疑者が浮かぶ事件だ。

 時代の流れの中で、通信テクノロジーの発達に伴う警察の武器は増えていくだろう。しかし、いつの時代になっても事件を起こすのは人間。それを捜査するのも人間だ。人間対人間という捜査の主役は、あくまでも生身の刑事であることを、当の刑事たちはもちろん、警察の幹部たちはあらためて認識し直す必要がある。上手な聞き込み、取り調べの技術などは一朝一夕にはできない。警察は、先輩から後輩へ、こうした伝統的な捜査の武器をしっかりと伝えていかなければならない。

 ここのところ警察官の不祥事が目立ち始め、警察庁長官は「家庭訪問する」なんて言い出したけれども、大事なのは警察官一人ひとりが仕事に誇りを持つことだ。社会の尊敬を受けるためには、事件を解決していくしかない。そのためには刑事一人ひとりが強くなければいけないことを、警察幹部は肝に銘じるべきだ。
(産経新聞) - 11月25日8時1分更新

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