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声に出しては言えない何か [どん底あるいは青い鳥。]
http://www.asyura2.com/0610/nihon21/msg/579.html
投稿者 white 日時 2006 年 12 月 28 日 16:50:51: QYBiAyr6jr5Ac
 

□声に出しては言えない何か [どん底あるいは青い鳥。]

 http://donzokoblue.blog55.fc2.com/blog-entry-156.html

 2006/12/25

声に出しては言えない何か

「クリスマスに4人の死刑執行」という見出しをつけた記事(参照)もあった。何と罰当たりな国であろうか。
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061225-134875.html

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法務省は同日、死刑囚の名前などは明らかにせず、執行人数だけを発表した。(引用元)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061225-00000037-mai-soci
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国会を外して黙って執行すれば、論議は起きずに死刑も安泰ですからな。美しい国のやりそうなことだ。ちなみに米国では「終身刑支持派が初めて死刑支持派を上回った」という調査結果も出るようになっているらしい(参照)。

死刑問題特報室によれば、このたびの執行危険期間は12月20日〜27日とのことだったから、その点は当たったことになる。だが「誰が執行されるか」については半分しか当たらなかった。執行されそうな人は、以下のとおりであったとされる。
http://turedure-sisaku.blogzine.jp/sophia/2006/12/post_cbcc.html

危険度A:瀬川光三/萬谷義幸
危険度B:田中政弘/日高広明/小田義勝/竹澤一二三/岩本義雄
危険度C:福岡道雄

実際に執行されたのは、上のリストで強調体にした2人に加えて、秋山芳光氏、藤波芳夫氏の二人。なぜ危険度Aの人ではなく、C及びそれ以外の人が選ばれてしまったのだろうか。

「死刑確定囚リスト」「死刑囚リスト」などによれば、それぞれの事件の概要は以下のとおり。

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日高広明:1996年に4人を強盗殺害。供述どおりに遺体が発見されており、冤罪の可能性はない。

福岡道雄:1978年から81年にかけて3人を殺害。無実を訴えるも、真犯人を知っているとか、実は一人は殺したとか、言い分が迷走している。再審請求はしていなかった。

秋山芳光:1975年、妻に対する保険金殺人未遂、および近所の工場主に対する強盗殺人。共謀者の兄は無期懲役確定済。妻への殺人未遂はなく、また工場主の件では主犯は兄であるとして再審請求中だった。

藤波芳夫:1981年、親族2人を殺害して金品を奪ったもの。覚醒剤中毒患者だったこともあり、責任能力の有無が争点となった。再審請求中に死刑執行。
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こうしてみると「死刑問題特報室」氏は、再審請求中のケースであれば危険度は低いと見做していたようだ。だが実際には再審請求をしたり無実を訴えたりしていた人が4人中3人まで含まれていたという事実は、何を示しているのだろうか。

気になるのは、翌日26日に予定されている「名張毒ぶどう酒事件」の再審開始決定についての名古屋高裁の判断である。

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三重県名張市で1961年、ブドウ酒に入れられた農薬で女性5人が死亡、12人が中毒症状になった「名張毒ブドウ酒事件」の異議審で、名古屋高裁は26日、第7次再審請求審が認めた奥西勝死刑囚の再審開始決定に対する検察側の異議申し立てに、決定を出す。

異議審の主な争点は、再審開始決定が認めた▽凶器の農薬は奥西死刑囚が自白したニッカリンTではない▽物証の王冠は事件のブドウ酒瓶の王冠ではない▽2度開栓により奥西死刑囚以外の犯行が可能――とする弁護団の三つの新証拠と、自白の信用性などだ。

再審開始決定は、これらの新証拠を「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠」とし、「自白の信用性には重大な疑問がある」と認定した。

異議審で…弁護団は、新証拠とした2教授の鑑定書などで、ブドウ酒の飲み残りから、ニッカリンTに必ず含まれる成分が検出されなかったことから「凶器ではなかった」と主張。検察側は、含有量が少なく分解されて検出されなかったなどと反論した。(引用元)
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200612240222.html
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「再審をするかどうか」を決定するのではなく「再審するよ」という決定を2005年4月5日に出したところ、3日後には検察から異議が出たため、現在まで「異議審」というのをやっていた、という経過らしい(参照)。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/nabari-now.htm

26日に「再審をします」という決定が出たとしても、こちらのページによれば、検察はなおも異議申し立てなるものを行うことができるという。素人には「何じゃらほい」な手続きであるが、とにかく一度は再審が決定されているのだから、26日にも検察の異議はおそらく却下されるのではないだろうか。

すべては奥西さんの無実を信じて再審請求を根気よく続けてきた人々の苦労の賜物だろう。再審が決まれば無罪判決の出る可能性が高い。明日もし「再審開始」との決定が出れば、それはある意味再審請求の勝利であり、国が奥西さんは冤罪だったと認めることになる、ということだ。

だからこそ、この美しい国は、その決定の直前になって「再審請求中の他の死刑囚」を選んで死刑を執行する必要を感じたのではないだろうか。奥西さんはあくまで例外であって、再審請求したら執行されなくてすむなんて思わないでね、と告げるために。

実際、死刑囚の再審開始が決定されたあととなっては、再審請求をしていない死刑囚であっても執行はやりにくかっただろう。25日は最後のチャンスだったのだ。

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9月末に就任してからまだ日の浅い長勢甚遠法相が25日、一度に4人もの死刑執行を命じたことは、毎年執行の実績を積み重ねることで、死刑制度の維持を確かなものにしたい法務省の強い意向を反映している。…今月の執行を逃せば14年ぶりに「死刑執行なし」になるという事情があった。(引用元)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061225-00000037-mai-soci

裁判所が死刑判決を「量産」し、死刑確定者は06年は20人を超えた。一方、実際に死刑囚の命を奪うことになる命令書の署名には消極的な法相も多く、その結果、03年までは50人台で推移してきた未執行者は25日現在で98人に。法務省幹部は「100人を超えれば死刑制度の根幹が疑われることになる」と危機感を持っていた。(引用元)
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200612250144.html
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ここに登場する「法務省」だの「法務省幹部」だのは、己の顔や実名を晒した上でも、堂々と同じ台詞を言えるのだろうか?―「死刑執行のない年があってはなりません!」と。そんなことを叫ぶ人がいたら、ちょっとオツムを疑うが。

「死刑執行なし」の年があっても一向に構わないし、死刑囚が100人を超えても「死刑制度の根幹が」目に見えて揺らぐわけでもない。一人の死刑囚の再審請求が認められたところで、国の権威がどう傷つくというわけでもない。むしろ一人の命が遅まきながらも冤罪死から救われたことで、国民はこの国を誇りに思うだろう。

誰も困らないのに「何となく」困るように感じて「事情」だの「危機感」だのとうわ言を垂れ流しながら、人の寿命を勝手に「ここまで」と適当に決める不思議さ。一審無罪が二審で逆転したり、共犯が無期なのに片方は死刑にされたりと、死刑というのは厳かな顔をしているようでいて、実にイイカゲンなものである。

■名張毒ぶどう酒事件「奥西さんを守る東京の会」
http://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/mokuji.htm


▽関連記事

□クリスマスに4人の死刑執行 [日刊スポーツ]

 http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061225-134875.html

クリスマスに4人の死刑執行

 法務省は25日、4人の死刑を執行した。関係者によると、千葉県で2人を殺傷した強盗殺人事件の秋山芳光死刑囚(83=東京拘置所)らで、1人が執行された前回の05年9月以来で、安倍内閣では初めて。
 前法相の杉浦正健氏は浄土真宗の大谷派門徒としての宗教観などを理由に05年10月−06年9月の在任中、執行命令書に署名しなかったが、長勢甚遠法相が9月に就任後約3カ月で執行を命令した。
 死刑執行は、法相の執行命令が出なかったことによる約3年4カ月の中断を経て、後藤田正晴法相当時の93年3月に再開。再開後の執行は今回で51人となり、再開後に続いている「毎年執行」は途切れなかった。
 1日に4人の執行は、三ケ月章、松浦功両法相当時と並び再開後で最多。
 関係者によると、秋山死刑囚のほかに執行されたのは、東京拘置所で藤波芳夫(75)、大阪拘置所で福岡道雄(64)、広島拘置所で日高広明(44)の各死刑囚。
 死刑について長勢法相は就任後「確定した裁判を厳正に執行することは法秩序を守る上で大事だ」と述べ、執行に前向きな姿勢を示していた。
 杉浦氏は05年10月の就任時の記者会見で「(執行命令書に)サインしない」と明言。しかし11月1日未明になって撤回し、その後は「適切に判断する」としていた。
[2006年12月25日12時0分]


□<死刑執行>4人に 安倍政権で初 1年3カ月ぶり [毎日新聞]

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061225-00000037-mai-soci

<死刑執行>4人に 安倍政権で初 1年3カ月ぶり  

12月25日12時7分配信毎日新聞

 96年に広島県内で女性4人を殺害したとして、強盗殺人と死体遺棄の罪に問われた元タクシー運転手、日高広明死刑囚(44)=広島拘置所収容=ら4人に対して25日、死刑が執行された。法務省は同日、死刑囚の名前などは明らかにせず、執行人数だけを発表した。
 死刑の執行は昨年9月16日以来、1年3カ月ぶり。杉浦正健前法相が死刑執行命令書への署名を拒んだことで、後任の長勢甚遠法相の対応が注目されたが、就任から3カ月で執行を命じた。これで、93年から14年連続の執行となった。一度に4人の執行は97年8月以来。
 他に執行されたのは▽75年に千葉県内で知人を殴り殺したとして、強盗殺人や死体遺棄罪などに問われた秋山芳光(77)=東京拘置所収容▽81年に栃木県内で前妻の親族2人を殺害したとして、強盗殺人罪などに問われた藤波芳夫(75)=同▽78〜81年に高知県内で親族ら3人を殺害したとして殺人・死体遺棄罪などに問われた福岡道雄(64)=大阪拘置所収容=の各死刑囚。【森本英彦】
 ◇死刑制度の維持したい法務省の強い意思
 9月末に就任してからまだ日の浅い長勢甚遠法相が25日、一度に4人もの死刑執行を命じたことは、毎年執行の実績を積み重ねることで、死刑制度の維持を確かなものにしたい法務省の強い意向を反映している。杉浦正健前法相が死刑執行命令書への署名を拒否したまま退任したことから、同省としては今月の執行を逃せば14年ぶりに「死刑執行なし」になるという事情があった。
 かつては、90年12月〜91年11月に法相を務めた左藤恵氏が署名を拒んだケースがある。左藤氏と杉浦氏はともに真宗大谷派を信仰しており、署名拒否の背景には宗教的信念があった。これに対し、法務省内には「時の法相の信条で、死刑が執行されたり、されなかったりすれば、国民の不信を招き、死刑制度の根幹が揺らぐ」との懸念が広がっていた。
 今回の執行で、法務省は従来通り執行人数を明らかにしただけで、死刑囚の名や執行場所の拘置所を発表していない。杉浦氏も、執行を見送った自らの判断について語っておらず、死刑制度の在り方について論議が深まる契機とはならなかった。
 死刑は人の命を奪う究極の刑罰であり、執行が適正に行われているか国民が判断するためには、もっと積極的な情報公開が求められる。死刑囚が拘置所でどのように処遇されているかも不透明な部分が多い。09年に裁判員制度が始まれば、国民から選ばれた裁判員が死刑を選択するという重い判断を迫られる場面も出てくる。死刑制度の在り方についてもっとオープンな論議が求められている。【森本英彦】

最終更新:12月25日13時0分


□凶器の農薬が焦点 毒ブドウ酒事件、再審開始26日判断 [朝日新聞]

 http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200612240222.html

凶器の農薬が焦点 毒ブドウ酒事件、再審開始26日判断

2006年12月25日00時25分 三重県名張市で1961年、ブドウ酒に入れられた農薬で女性5人が死亡、12人が中毒症状になった「名張毒ブドウ酒事件」の異議審で、名古屋高裁は26日、第7次再審請求審(同高裁)が認めた奥西勝死刑囚(80)の再審開始決定に対する検察側の異議申し立てに、決定を出す。
 過去、死刑確定後、再審で無罪判決が言い渡されたのは免田、財田川、松山、島田の4事件。異議審が検察側の異議申し立てを棄却すれば、名張毒ブドウ酒事件が5件目となる可能性は高まる。
 異議審の主な争点は、再審開始決定が認めた▽凶器の農薬は奥西死刑囚が自白したニッカリンTではない▽物証の王冠(四つ足替栓)は事件のブドウ酒瓶の王冠ではない▽2度開栓により奥西死刑囚以外の犯行が可能――とする弁護団の三つの新証拠と、自白の信用性などだ。
 再審開始決定は、これらの新証拠を「無罪を言い渡すべきことが明らかな証拠」とし、「自白の信用性には重大な疑問がある」と認定した。
 異議審での最大の争点は、事件の農薬が、奥西死刑囚が自白し、確定判決が凶器と認定したニッカリンTではなかったかどうかだ。弁護団は、新証拠とした2教授の鑑定書などで、ブドウ酒の飲み残りから、ニッカリンTに必ず含まれる成分が検出されなかったことから「凶器ではなかった」と主張。検察側は、含有量が少なく分解されて検出されなかったなどと反論した。
 事件は61年3月に発生。奥西死刑囚はいったん犯行を認め、逮捕、起訴されたが、公判で否認。津地裁は64年12月、無罪を言い渡した。しかし名古屋高裁は69年9月に死刑を宣告し、3年後の最高裁で確定した。
 その後、7次にわたる再審請求のすえ、名古屋高裁が05年4月、死刑執行を停止し、再審開始を決定していた。名古屋拘置所の奥西死刑囚は「大きな期待を寄せている」と支援者に語っている。


□4人の死刑を執行と法務省が発表 05年9月以来の執行 [朝日新聞]

 http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200612250144.html

4人の死刑を執行と法務省が発表 05年9月以来の執行

2006年12月25日13時22分 法務省は25日、4人の死刑を執行したと発表した。長勢法相の就任以来初めて。杉浦前法相が在任中に死刑執行命令書への署名を拒否したまま任期を終えたため、執行は南野法相時代の05年9月以来1年3カ月ぶりとなった。1度に4人に執行されたのは、永山則夫元死刑囚らが執行された97年以来9年ぶり。執行されたのはすべて男性で、70代も2人いた。
 関係者によると、執行されたのは96年に広島県で4人の女性を相次いで殺害した元タクシー運転手日高広明死刑囚(44、広島拘置所在監中)、高知県で78〜81年、義姉ら3人を殺すなどした福岡道雄死刑囚(64、大阪拘置所在監中)のほか、千葉県で75年、工場主を殴り殺して現金約1000万円を奪った秋山芳光死刑囚(77、東京拘置所在監中)、栃木県で81年、別れた妻の親類2人を殺害して金品を奪った藤波芳夫死刑囚(75、同)。
 就任3カ月足らずの長勢法相が執行命令書に署名した背景には、執行されていない死刑確定囚が100人近くに上る現状で、「今年の執行数をゼロにすることは絶対に避けたい」という法務官僚の強い意志があった。
 裁判所が死刑判決を「量産」し、死刑確定者は06年は20人を超えた。一方、実際に死刑囚の命を奪うことになる命令書の署名には消極的な法相も多く、その結果、03年までは50人台で推移してきた未執行者は25日現在で98人に。法務省幹部は「100人を超えれば死刑制度の根幹が疑われることになる」と危機感を持っていた。

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