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身内が嘆く総理の変節 [AERA]
http://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/1020.html
投稿者 white 日時 2006 年 10 月 30 日 18:51:45: QYBiAyr6jr5Ac
 

□身内が嘆く総理の変節 [AERA]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20061030-02-0101.html

2006年10月30日
身内が嘆く総理の変節
歴史認識などで安倍氏の「慎重」な言い回しに、保守派のいらいらが募る。
長期政権狙いで早くも日和っているのか、大化けするための戦略か?
 北朝鮮が核実験――。
 あの暴挙がなかったら、安倍新政権は求心力を急速に落としていたかもしれない。教育改革、歴史認識、外交・安保……。重要な政策でタカ派色を封印し、無難な国会答弁に終始する総理の姿に、コアな支持者たちは、不満を募らせていたからだ。
「人選に異議あり」
 民間のシンクタンク「日本教育再生機構」(代表・八木秀次高崎経済大教授)のホームページに、憤りと失望がないまぜになった、こんな見出しの主張が載ったのは、首相の諮問機関「教育再生会議」のメンバーが発表された10月10日、その当日だった。
 主張にはこうある。
《――小野元之元文部次官らの人選は、教育再生会議に期待する多くの良識派を失望させた(朝日新聞ですら「安倍色薄い人選」と冷笑している)。特に国旗・国歌や教育基本法をめぐって左翼的主張を繰り返してきた義家弘介横浜市教育委員が事務局の担当室長についたことには強い疑問を抱かざるをえない。このメンバーで、安倍首相が総裁選で掲げた教育再生の具体策を示せるのか》
 そもそも、こう書いた再生機構の八木代表(「新しい歴史教科書をつくる会」元会長)は、安倍首相の有力なブレーン。「つくる会」の内紛で脱会した後、同会にかわる受け皿として、再生機構の立ちあげに奔走。政権誕生の前後には、教育改革実現への強い期待を語っていた。

予期せぬ人選に失望

 それが一転、予期せぬ人選で、失望へと変わったわけだ。
 ブレーンとして、どう思うのだろう。八木氏の評価を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「最近、ブレーンかどうか分かりませんね。再生会議の人選では、とにかく、ものすごい大きな力が働いていたようです」
 教育改革は新政権の目玉。あのメンバーで本当の改革ができるのか、と八木氏は不安を感じている。教育バウチャー(利用券)といった施策が検討されることにも懸念を示す。
「結論を急いで実施に移すというのであれば、将来に禍根を残すことになるでしょう。安倍さんが教育に関心を示してきたのは、歴史教育や愛国心、過激なジェンダーフリー、組合問題だったわけで、評価の定まらないバウチャーなんかをそこに持ち込むと、大やけどを負いかねません」
 組閣直後、八木氏はテレビの討論番組で、高揚するほかの出演者に対し、政権へ過度の期待をしないよう、いさめたことがあった。そう心していたはずの八木氏ですら、安倍首相の「慎重」な出足に戸惑いを隠せないでいる。
「総裁選であれだけの支持を受けたことが、逆にフリーハンドをしばってしまった面がある。多方面に配慮せざるをえないですからね。それでも、官房長官と総理とで、発言がこれほど変わるとは……」(八木氏)
 教育現場での国旗・国歌の徹底を訴え、都議会「タカ派三羽烏」の一人として知られる土屋敬之都議も、首相の路線転換にゆれている。就任後に感じ始めた違和感は、いまや怒りに近い。
「枝葉末節な政策ならともかく、歴史観、安全保障といった国の基本政策について、なんでこんなに譲るのか、納得がいきません。安倍さんは総理になって、保守的な理論の基軸を次々に妥協してしまったんです」

「譲れぬ一線越えた」

 土屋氏が指摘する妥協とは、首相の一連の国会答弁だ。
 首相は10月、アジア諸国への植民地支配と侵略を謝罪した村山首相談話や、従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた河野官房長官談話を、安倍政権でも「受け継ぐ」とはっきりさせた。
 中韓訪問直前の5日には、さらに踏みこんで、個人としても両談話を受け入れた。祖父の岸信介元首相が東条内閣の商工相当時、日米開戦詔書に署名したことについて、「判断は間違っていた」とも答弁した。
 土屋氏は嘆く。
「我々からしたら、村山談話の否定から入らなければ、教科書問題の解決にはならない、と思っているんです。談話が前提にある以上、従軍慰安婦を削除したり、大東亜戦争は自衛的な側面があったと記述したりすることに、抵抗が生まれてしまう。だから、そこは譲れない一線なわけです」
 中韓訪問直後には、靖国参拝に対する過去の発言との整合性を問われ、首相は「大局的な判断をした」とも述べた。
 土屋氏はそれにも否定的だ。
「訪中自体、朝貢外交みたいなもの。靖国神社だって、信念がぐらつくぐらいなら、行かないって言った方がまし。行くのだったら、堂々と行くべきです」

マスコミ報道は誤報だ

 こうした保守論陣のさまざまな思いに対して、CS放送「日本文化チャンネル桜」の水島総社長は、安倍首相を、優れた戦略で江戸時代を切りひらいた徳川家康にたとえて、こうエールを送り続けている。
「保守の人には、『なんだ前に言っていたことと違うじゃないか』という人もいる。しかし、戦後日本の現実を本当に変えたいのなら、一歩一歩やらなくちゃダメなんです。安倍さんは革命家じゃないのだから、そこを理解してやらないといけない。それに、彼の本質は何も変わっていません。大事なモノから一つずつ変えようとしている。しっかりと議事録を読めば、それが分かりますよ」
 水島氏が“議事録を読めば”と指摘したのは、個人的な思いつきからではないようだ。コアな支持者の一部には、安倍首相の「変節」は「マスコミ報道によるミスリードが原因だ」と訴える声があるからだ。
「悪意の『誤報』に惑わされるな」
 保守・右派の連合組織「日本会議」に近い「日本政策研究センター」は、首相の変節が一斉に報じられた直後、こんな主張をホームページに掲載した。
《(記事は)「私の政府」の「私」、「私を含めて政府として」の「私」を、いずれも「個人」だとすり替え、あの河野談話・村山談話を安倍首相が「個人でも踏襲」したと言い立てているのだ》
《そうした報道の意図は何か。これは推測だが、安倍首相をこれまで支持してきた保守層をがっかりさせようという、共通の意図があるように思える》
 批判は主に朝日、読売両紙に向けられているのだが、同じく《両談話を首相個人としても継承》と報じた産経新聞への論評は、この主張文の中には一切なし。この不思議な選別が、より一層、同センターの危機意識を際だたせているようにみえるから皮肉だ。

参院選に勝てば化ける

 ただ、こうした“解釈”とは裏腹に、安倍氏の変身ぶりは、もはや認めざるをえないものとして、反響は広がりを見せている。
 保守の論客、ジャーナリストの櫻井よしこさんは、
「考え方まで変えたのかは不明だが、発言は明らかに変わった。(中略)安倍政権への期待は持ち続けたい。しかし、重要な第一歩の踏み出し方は、明らかに間違えているとだけは言わざるを得ない」(12日付・産経新聞)
 と断じた。
 一方で、安倍首相の後見役、森喜朗元首相は早大の討論会でこう述べた。
「かつて彼(安倍首相)が言ってきたことと、まったく違うことを言い出した。これまでの若い政治家と、内閣総理大臣という重い立場と、これはやはりよく考えて話をしないといけないことを、やっと今、安倍君は分かってきた」(6日)
 ある人は、尖った「戦う政治家」像を若い安倍首相に期待し、ある人は、一国の宰相としての穏当な言動に期待する。期待の狭間で、安倍氏は今後、どちらへ舵を切るのだろうか。
 前出の八木氏は、再生会議で挫折を感じながらも、やはり、安倍氏に期待をかける。
「来年の参院選に勝てれば、安倍首相も独自色を出せるようになると思う。ただ、今のところは、誰がシナリオを書いているのか分からないけれど、私からみると、振り付けがあまりうまくない。あるいは、そこに大戦略があって、僕らを欺きながら、将来、化けさせるための仕掛けをしているのならば、いいんですが。本当にそうあってくれればいいなあと思っています」
編集部 藤生 明

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