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投稿 教育基本法改悪の採決を止めるには(保坂展人のどこどこ日記)
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 11 月 25 日 23:18:31: 2nLReFHhGZ7P6
 

投稿 教育基本法改悪の採決を止めるには


教育基本法 / 2006年11月25日


今日は大阪で開かれた社民党憲法学校(党大阪府連合主催)に日帰りで行って、「教育基本法」と「共謀罪」をめぐる緊迫した国会状況を話してきた。会場からは、「私たちはどうしたらいいのか」と問いかける声が続いて、何とか参議院審議段階で教育基本法の成立を阻止することが出来ないかと多くの人が真剣に感じ始めていると受け止めた。今日はメールでいただいた意見をふたつ紹介することにする。これからも、メール投稿の場合は「投稿・公開可」と書き入れて、匿名か実名かも書き込んでいただければ、政治家の一方的発信のブログではなく、「声と智恵の交差点」となるように場をつくり続けていきたい。

投稿1 『メディアを買い取る責任』  豊島耕一(佐賀大学理工学部教授)

要約
■教基法改悪を阻止するためには,少なくとも強力なテレビCMがどうしても必要だと思います.大規模な集会もメディアが意図的に無視するので,大多数の国民にとっては存在しないに等しく,世論を決定的に動かすことができないと思います.テレビCMは高額ですが,教基法擁護勢力の個人と組織にはそれだけの資金力は存在するはずです.
■この問題に取り組んでいる団体は早急に相互に協議して計画を練り,テレビ局に対して,国会期間中のCM時間枠を確保する行動に移ってほしいと思います.また,この文書を読んだ人は,護憲派の著名人や団体にこの計画をすぐに始めるよう要請してほしいと思います.
■時代を画するような重要な決戦というものは,その時代の最強の「武器」を使わなければ勝てません.教基法改悪を本気で阻止するつもりなのか,それとも「精一杯頑張った」つもりになればそれでいいのか,このことがいま問われています.

従来型の闘い方では負ける公算が大

現在,教育基本法の運命がきわめて厳しい状況となっています.よほど幸運なことがない限り,わが国は数ヶ月後には,この戦後民主主義の貴重な宝を失った未来を迎えることになります.政府・与党が「追い込まれている」とか,明確な根拠もなく,廃案に追い込むことが「十分に可能」というような,大本営発表のようなことを言っていてはいけません.教基法擁護の陣営を元気づけたいという気持ちは分かりますが,「追い込まれている」のはどちらかと言えば擁護勢力の方です.状況を冷静かつ正確に認識し,それを変えるのに「必要な」方針が必要です.本当に阻止しようと言うのなら,何かの幸運を当てにするわけには行きません.

この状態を挽回するにはよほどのことが必要だと思われます.従来からの,集会やデモ,ファクスやメールでの要請といった手段だけでは阻止は困難と思われます.過去,周辺事態法やイラク特措法など,護憲勢力は繰り返し大きな集会を開くなどの運動で対抗してきましたが,国会では負け続けました.それに比べて今回が特別に有利な状況があるという根拠はありません.これまでの轍を踏んではいけません.

必須な活動分野としてのテレビCM

「よほどのこと」とは,何と言っても教基法改悪の危険性を,短期間にしかも大多数の,数千万人の規模で国民に訴えることです.それにはどうしてもテレビCMが必須であると思われます.実際,改正案の内容や問題点はもちろん,現行の教育基本法そのものが一般にはほとんど知られていないのが実態です.これは憲法九条をめぐる状況とは全く異なります.憲法は学校で教えられますが,教育基本法はこれまで大学入試にも出たことはないでしょう.ほとんどだれも知らないと言ってもいい程です.したがって,この状況を急速に是正するにはテレビCMしかありません.

反対集会を繰り返し,それに多くの人を動員しても,それだけでは阻止することはまず無理と思われます.なぜならメディアはこれを意図的に無視するので,たとえ何万人集まっても,大半の国民にとってそれは無かったに等しいのです.メディアのこのような現状をこの一ヶ月で変えることは困難でしょう.であれば,我々でテレビというシステムの一部を買い取るしか方法はありません.繰り返しますが,集会などで盛り上げていけば止められると考えるのは「幻想」であり,危険です.法案が成立した後でいくら「メディアの責任が大きい」などと憤慨してみても何の役にも立ちません.メディアを利用しなかった私たちにも責任があるのです.

「非常事態」にふさわしい「非常手段」を

テレビCMには大きな資金が必要なため,個人や小さな市民団体ではとても不可能です.本来なら日教組などの大きな組織が動くべきです.日教組は教基法問題で「非常事態宣言」*を出しています.もしこれが言葉だけでないのなら,「非常事態」に見合った「非常手段」が取られてしかるべきでしょう.しかし今までに見られるのは,集会やデモ,ファクスやメールでの要請といった「通常手段」のみです.

どのくらいの費用が必要か私自身は不案内ですが,仮に1億円としても(松坂投手の「入札額」のわずか60分の1!),もし個人カンパなら1万人×1万円で達成できます.教育関係の労組は数千万円を出すべきです.反対勢力の個人と組織にそれぐらいの資金力は絶対あるはずです.素晴らしい印象的なCMであればだれでも惜しまずにお金を出すはずです.

そのCMの内容ですが,この法案が成立したらいかに息苦しい社会になるかということを,鮮やかに印象づけるようなものでなければなりません.そして話題性も持ち引きつけるものです.そのための有能なCM制作の人材を見つけなければいけません.このようなプロジェクトの成否はひとえにCM作家の才能にかかっています.護憲勢力ないしその手が届くところにもそのような作家はいるはずです.

保守層に浸透するテレビCMを

私なりにそのCMのイメージをスケッチして見ました.
現行教基法の抽象的な規定(人格の完成)と,徳目を強制する改正案を対比させる.
現行法が施行されたあとの日本と北朝鮮のイメージを重ねる.
現行法が「人格の完成をめざす」と抽象的であるのに対し,改正法案では,次に掲げる目標を「達成するよう行われるものとする」とあることを表示する.

伝統と文化を尊重し(1), 我が国と郷土を愛する

(1)の「実例」として,茶髪は「伝統」に反するとして,丸刈りにされるシーンなど.

これは若者向けを想定しましたが,他に中高年保守層向けなど,数種類のものが必要でしょう.排外主義の危険があろううとも,やはり北朝鮮のイメージ(たとえばあの極端に整然とした軍隊の行進)を使うことは今日決定的に重要だと思います.戦前の日本をオーバーラップさせるのがオーソドックスかも知れませんが,しかしこれでは“いつものサヨクのメッセージ”とフィルターされる可能性が大です.不可欠なのはやはり北朝鮮のイメージと思います.これこそがいま大量の人々の脳に,情報にスティグマを付けてインプットする最強の「ベクター」(生物学用語.細胞に目的の遺伝子を導入するための遺伝子の運び屋ウイルス)です.要は,保守層の人々に浸透するCMにしなければならず,そのためには保守層や右派の語彙やイメージを使用することが重要だと言うことです.

その時代の最強の「武器」で闘わなければ勝てない

優れたテレビCMが大きな効果を持つということはだれもが認めるところだと思いますが,護憲勢力は今までほとんどこれを使っていません.これは新聞の意見広告とは対照的です.その理由はまず第一に,費用が極めて高額なことが挙げられるでしょうが,それだけでなく,テレビやそのCMというものを蔑視する心情があって,そのためこの分野のことをあまり考えようとしないということもあるのではないでしょうか.しかし,民主主義は国民の多数の意見で動くものであり,そのためには国民の大多数にメッセージを届けなければなりません.集会や駅頭での宣伝だけでは,情報やメッセージをこの「大多数」に届けるのは困難です.現在のところテレビを超えるメディアはありません.インターネットがテレビの影響力に追いつくのは,この一ヶ月では無理です.ですから支配層はこれまでテレビを操って思うように事を進めているのです.彼らは,われわれがテレビに目を付けないことを「バカなやつらだ」,「しめしめ」と思っているかも知れません.

アメリカのメディア広告では商業目的とそれ以外とで料金設定が違うと聞きます.日本では,新聞広告の場合は名目料金は同じで,「値引き」というかたちで意見広告を安くしているようです.同様のことはTVでも行われるべきですし,この価格交渉も「メディア対策」の運動の一局面でしょう.さらに,アメリカのように名目でも別立ての料金設定を目指すべきでしょう.

教基法擁護勢力の「愛国心」が試されている

教基法に「愛国心」を盛り込むという教基法改悪に反対する人々こそが実は「愛国者」だと思います.つまり,この国を,国が法律で徳目を決めるような『イデオロギー国家』に転落させてはならない──私もそうですが,教基法改悪反対で立ち上がった人たちにはこのような思いがあるはずだからです.まさに「体制擁護勢力」の「愛国心」が試されていると思います.この貴重なる「国家財産」を保全するための一億円程度の「広告費」を惜しんではいけません.(2006年11月23日)

* 日教組の「非常事態宣言」
http://www.jtu-net.or.jp/news/06/10/26n1_1.html

投稿2 平成の「教育勅語」は慎重に審議を 岡 信
      
現在、教育基本法「改正」案の審議が行われている。もし「改正」案が可決「改正」された後、「新教育基本法」のもとでは保護者と教師の間に次のような会話が起こりうる。
 
教師が保護者に向かいこう言う。「あなたのお子さんはしつけができていな
いし、勉強に対しての意欲がないですね。これは新教育基本法『第6条学校教
育』違反ですよ」。保護者が反論する。「そんなこと言ったって、学校もちゃ
んと教育して下さいよ」。すかさず教師は言う。「何おっしゃているんですか。
あなたのその考えは新教育基本法『第10条家庭教育』違反です。第10条で
は、保護者が子の教育に対して『第1義的責任を有する』と明記されています
よ」。保護者は「エエー」と絶句。

 教師はだめ押しとばかり付け加える。「さらにご家庭は新教育基本法『第2条
 教育の目標』に違反しています。聞くところによれば、お宅では国民の祝日に
 玄関先に日の丸を掲げていないではないですか」。保護者「そんなー」。教師
 は強く警告する。「いいですか。新教育基本法『第13条、学校家庭及び地域
 住民の相互の連携協力』に基づき、地域の方がお宅に伺って指導しますから、
 言われることをよく聞いて『我が国と郷土を愛する』態度を養って下さい。そ
 れではお子さんと共にお帰り下さい。ああ、当分、学校に来なくてもいいです
 よ」。

 教育の目的として、現行の教育基本法は「人格の完成」や「自主的精神に充ち
 た心身」(第1条)をあげている。一方「新教育基本法」では、「国家及び社
 会の形成者として必要な資質を備えた国民の育成」(第1条)が教育の目標に
 なっており、現教育基本法の「個人のための教育」から180度転換し、「国
 家のための教育」を目指している。

 「新教育基本法」では、「国家の形成者として必要な資質」について、第2条
 「教育の目標」に20もの「徳目」(「道徳心を培う」など)が列挙されてい
 る。この徳目の一つに「我が国と郷土を愛する態度」がある。これは13の徳
 目をあげた戦前の教育勅語をはるかに超えている。
 
 「新教育基本法」の対象は、学校教育だけではない。そこでは大学、家庭、地
 域、社会教育すべてにわたり「必要な資質を備えた国民の育成」のため20の
 徳目が要求される。もし、学校で子供が「規律を重んじない」場合、その子供
 の教育の責任は家庭に押しつけられ、その子は学校から排除される。なんと息
 苦しい社会になることだろう。

 1890年に発布され、敗戦まで約55年間、教育勅語は、国民の祝祭日に朗
 読が義務づけされ、「忠臣愛国」の精神を人々に叩き込み、戦争遂行に大きな
 力を発揮した。
 今この「新教育基本法」は「平成の教育勅語」として、家庭を含む社会のあら
 ゆる場所で20の徳目を人々に要求し、人々を「調教」しようとしている。こ
 の「平成の教育勅語」が学校のみならず、社会にどのような影響を与えるか、
 十分な審議が必要だ。

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b0b8961e47ec45d333d899d6086d66ff

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