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キッシンジャーがホワイトハウスに20回も出向き、ブッシュチームに助言を与えていたが、ベトナムの過ちを繰り返すのはなぜか?
http://www.asyura2.com/0610/war85/msg/330.html
投稿者 TORA 日時 2006 年 10 月 07 日 14:38:38: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu129.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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キッシンジャーがホワイトハウスに20回も出向き、ブッシュチーム
に助言を与えていたが、ベトナムの過ちを繰り返すのはなぜか?

2006年10月7日 土曜日

◆ウッドワードの功績 10月4日 堀田佳男
http://www.yoshiohotta.com/

あのボブ・ウッドワードである。70年代初頭、ワシントン・ポスト紙の同僚記者カール・バーンスタインとウォーターゲート事件を追い続け、ニクソンを辞任に追いやった張本人がいま、ブッシュをコーナーに追い込んでいる。


その武器となっているのが新刊書『ステート・オブ・ディナイアル(仮訳:否認の事情)』である。彼にとってブッシュ政権について記した本は今回で3冊目で、本書がもっとも批判的トーンが強い。内容は、ブッシュ政権のイラク政策は明らかに失策であり、武装勢力とテロ活動の事実認識が甘く、現地にいる米軍から伝えられる窮状を認めたがらない、つまり「否認の事情」が政権内にあるというものだ。


イラク情勢については過去数年このコラムでも書いているように、出口が見えず、悪魔のウイルスに犯されたような病状にある。ブッシュ政権がいま新種の薬剤を開発しても、効く可能性はきわめて低い。ウッドワードは2007年になるとイラク情勢はさらに悪化するという報告を紹介してもいる。さらに、キッシジャーがホワイトハウスに20回近くも出向き、ブッシュチームに助言を与えていた事実も明かした。

 加えて、この本のすばらしいところは「評論」に逃げ込んでいないところである。ジャーナリストはおうおうにして、歳をとると取材でひとコマひとコマの事実を拾いあげることが億劫になり、机上論に流れやすい。ウッドワードは助手を使うが、自分で動く。

 3日夜の「チャーリー・ローズショー」というTV番組に出演した彼は言った。

「本の中ではブッシュ政権に対して『ああだこうだ』といった結論は述べていない。どうして(イラク政策が)失敗しているのか、いくつもの事実を拾い集めることでそれを解き明かそうとした」

 その事実が他の記者には拾えぬものであるだけに、説得力は一般の時事問題評論家の何倍もの重さがある。それはラムズフェルドから直接コメントをとる作業からでもうかがえる。

 ラムズフェルドもウッドワードという名前だけですぐにインタビューに出てくるわけではない。インタビューに答えるということは、政権の今後に暗い影を落とす可能性もある。そうしたマイナス要因がある中、ラムズフェルドはウッドワードの要求をのむ。そこには間違いなくインタビューに出てこさせる方法論があるはずで、ウッドワードはこう述べている。

「こちらが多くの情報をつかんでいることを知らせた。それによって答えざるを得ない状況になったのだろう」

 インタビューで、ラムズフェルドは政府間の協力システムがあまり機能せず、ブッシュ政権の司令系統の流れがスムーズでないことを認めた。ウッドワードは少しずつメッキをはがすように、ブッシュを追い詰めている。


政府間の協力システムが崩れたという点では、これまでも外交政策で国務省とペンタゴン、さらにホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)が利害を対立させることはよくあった。米外交官と話をすると、NSCに外交の主導権を握られ、さらにペンタゴンに強硬策をとられて共同歩調どころではないという憤懣が聴かれる。
 
 安倍内閣もこの点で注意が必要である。安倍はホワイトハウスを真似てNSCを作り、外務省とは別ルートで外交をはじめた。すでに外務大臣の麻生より先に小池百合子をワシントンに飛ばしてもいる。

真似は悪くはない。人の営みはすべては模倣から始まるからだ。だが、なんでもアメリカ流がいいわけがない。アメリカにはない日本だけの独自の外交スタイルがあるし、国益に見合った確固たる政策を練られるかが最も重要だ。さらに理想主義と現実主義の狭間で、柔軟にそれを外交に結びつけていけるかがカギとなる。
 
 しばらくは新首相のお手並み拝見である。(敬称略)

◆イラク戦争の秘密報告書 10月1日 ボブ・ウッドワード
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/0ffe0ffa84f3b4f287030c8e5bbab46c

(前略)
2003年6月18日、ジェイ・ガーナーはイラクで戦後計画局の長としての短い勤務の報告をするため、ドナルド・H・ラムズフェルド国防長官に会いに出かけた。侵略攻勢の間と戦争初期、退役陸軍中将のガーナーは、彼らのチームをイラクに入れるべく苦闘していた。彼がイラク到着して二日後、ラムズフェルドが電話をかけてきて、テロに関する61歳の専門家で、ヘンリー・A・キッシンジャーの弟子であるL・ポール「ジェリー」ブレマーが、大統領特使としてやって来て、事実上ガーナーと交代するのだと言った。

「我々は三つの悲劇的判断をしてしまいました。」ガーナーはラムズフェルドに言った。

「本当か?」とラムズフェルドが尋ねた。

「三つの恐ろしい過ちです」ガーナーは言った。

彼はブレマーが到着した時に署名した最初の二つの命令を引用した。最初の一つは、サダム・フセインのバース党の5万人もの党員を政府の職務に就くことを禁じるもので、二つ目はイラク軍の解隊だ。今や何十万人ものまとまりのない、無職の、武装したイラク人が動き回っているのだ。

第三は、ガーナー言った。アメリカ合衆国がこの国を短期間で治めるのに協力的だった臨時イラク人指導者集団を、ブレマーはあっさりと解任してしまったことだ。「ジェリー・ブレマーは、イラク人に対する政府の顔にはなれません。イラク国民向けに、イラク人の顔が必要です。」

ガーナー最後に言っておきたいことを言った。「まだ今なら改めるのに間に合います。まだ方向転換する時間はあります。」

ラムズフェルドはガーナーをしばし断固とした目つきでにらんだ。「ああ」ラムズフェルドは言った。「何もできることは無いと思うがな、事ここに至っては。」

ラムズフェルドは私が負けたのだと感じた。ラムズフェルドは私が負けたのだと感じたなと、ガーナーは思った。彼は私が全く間違っていると思っているのだ。ガーナーは負け惜しみを言っていると思われたくはなかったが、事実は事実だ。「すべて元に戻すことが可能です」ガーナーはもう一度言った。

「我々はやり直しはしない」ラムズフェルドはきっぱりと言った。

(中略)
◆キッシンジャーの授業

ブッシュのイラク政策に対して、強力な、ほとんど目には見えない影響力を持っていたのは元国務長官キッシンジャーだった。

「私がこの職務上、話をする外部の人々の中では」チェニー副大統領は2005年の夏に私に語った。「私はおそらく誰よりもヘンリー・キッシンジャーと話しをしている。彼はほど月に一度くらいやってきて、スクーター[彼の当時の主席補佐官、I. ルイス・リビー] と私は彼と一緒に話したものだ。」

大統領も私的にキッシンジャーとは2ヶ月おきに会い、キッシンジャーは、海外問題に関して、ブッシュの最も常連で頻繁な外部アドバイザーとなった。

キッシンジャーは対イラク戦の至る所に、不安定さを感じており、次第にベトナム戦争というプリズムを通してこれを見るようになっていた。キッシンジャーにとって、ベトナムの最も重要な教訓は「最後まで我慢する」ということだった。

彼の書き物、演説や私的コメントで、キッシンジャーは1972年にアメリカ合衆国は本質的に戦争に勝っていたが、国民と議会の覚悟がしっかりしていなかったが為に負けたのだと主張していた。

2005年8月12日「出口戦略の教訓」という題名のワシントン・ポストのコラムで、キッシンジャーは書いた。「反対勢力に対する勝利こそが唯一意味ある出口戦略だ」

キッシンジャーは、ホワイト・ハウスで、ブッシュ、チェニーとハドリーに直接メッセージを伝えた。

勝利こそが目標でなければならない、彼は皆に語った。同じことを繰り返してはならない。一歩たりとも譲ってはならない、さもないと、マスコミ、議会と困難を避けるというアメリカの文化に押し返されてしまう。

イラクにおける最終的な結果はベトナムのそれよりもっと重要だとも彼は主張した。イラクにおける過激なイスラム教、あるいはタリバン型政府は、中東と他地域の主要諸国の内的安定性を損なうモデルだ。

キッシンジャーは、ベトナムの場合、アメリカ政府は、時間も、焦点も、国内において、政策を整えるエネルギーも支持もなかったのだとライスに語った。それがトランプで作った家のようにもろく崩壊した理由だ。ブッシュ政権は、イラクにおいても、国内においても、きちんと政治を行うべきだと彼は主張した。部分的な軍隊を撤退には、それなりの危険性がある。どの部隊であるにせよ撤退という発想をすること自体、決して勝利とは言えない出口案への契機になってしまう、と。

2005年9月始め大統領の演説原稿作成者マイケル・ガーソンとの会見では、キッシンジャーはより明快だった。ブッシュは、アメリカ軍を撤退させるという圧力に抵抗する必要があると言ったのだ。キッシンジャーは唯一意味ある出口戦略は勝利だ、という自分の格言を繰り返した。

「大統領が、兵力削減を目玉として演説するわけにはいくまい」キッシンジャーは言った。「兵力を削減したいのはわかる」しかし兵力削減が目的であってはならない。「そこは強調すべき点ではないのだ。」

論点を強調するため、彼はガーソンにリチャード・M・ニクソン大統領に書いた1969年9月10日付けのメモの写しを渡した。

「アメリカ軍の撤退はアメリカ国民にとって塩味ピーナツのようなものになってしまう。より多くのアメリカ軍が帰国すればするほど、もっと多くの帰国が要求されてしまう」と彼は書いた。

キッシンジャーは書いていた。アメリカ国民が迅速な決断を求めているので、戦闘を南ベトナム軍にまかせるという「ベトナム化」政策は、戦争を終わらせる圧力を増す可能性がある。軍の撤退は敵を元気づけるだけだ。「ますます、駐留している兵士の士気を維持することは困難になろうし、まして彼らの母親の士気は言うに及ぶまい。」

ガーソンの会見の二ヶ月後、政権は35ページの「イラク勝利の為の国家戦略」を発行した。キッシンジャーの脚本そのままだった。唯一意味ある出口戦略は勝利だ。 (後略)


(私のコメント)
安倍新総理はリアリストであり、従来からの自民党路線を継承して、まずは訪中訪韓を果たすことを第一の目標にしているようだ。まずは政権と自民党を固めてからでないと独自色は出せない。野党は歴史観論争に引きずり込んで揺さぶろうとしましたが、従来路線に後退した事で野党の追及をかわした。ここまでは議会戦術として分かりますが、問われるのは訪中した際の対応だ。

何しろ中国4000年の歴史で、人を調略する事にかけては実績があるから気をつけなければならない。日本の国会議員は様々な手練手管で調略されて取り込まれてきた。金や女や利権や名誉など国会議員の弱いところをついてくる。一度取り込まれてしまえば二度と抜け出せぬ蟻地獄だから訪中にはくれぐれも用心が大切だ。

アメリカには小池総理補佐官が訪米して露払いをしていますが、小泉首相のようなパフォーマンスで外交を切り抜けるような器用さは安倍総理には無い。小泉首相は日本では変人と呼ばれたが、アメリカでは変人が普通であり回りとの協調第一とする人は少ない。日本人は異常なほど回りを気にしすぎる国民はいない。

ブッシュ大統領も最近は影が薄くなっているようですが、イラク問題がデットロックに乗り上げてしまって軍を引くに引けない状況に追い込まれてしまった。ボブ・ウッドワードの記事によればガーナー元中将はバース党やイラク軍をそのまま残して統治するつもりが直ぐに首になり、後任のブレマーはそれらを解体してしまった。キッシンジャーの指図によるものらしい。

結局はそれが元でイラクの警察や軍の建て直しに非常に時間かかかるようになり、治安が元に戻るのは何時になるか分からなくなっている。長期占領するためにわざとそうしていると言う事は考えられない。アメリカにそんな余裕は無くイラクは内戦の様相を呈してきた。しかしキッシンジャーは決して引くな、勝利しか出口はないと言っている。

イラクから一部でも撤退すれば敵を勇気付ける事になり、ベトナム戦争でも撤退が南ベトナム崩壊のきっかけになった。キッシンジャーは天才的外交戦略家と言う評判ですが、イラク戦争に関する限り最初からへまばかりしている。日本のテレビ番組でもイラクはすぐに収まると予言していたが内乱はひどくなる一方だ。

キッシンジャー氏は確かに元国務長官であり、その人脈と情報網は他の人には決して真似のできないものですが、いくら正確な情報が集まってもキッシンジャー氏の判断が間違えばただの阿呆でしかない。状況から判断すれば9,11テロ事件もイラク戦争もキッシンジャー氏がシナリオを書いたのかもしれない。9,11の調査委員会が出来た時も委員長に推薦されたが、回りから疑られているので辞退せざるをえなかったほどだ。

ベトナム戦争の時もニクソン政権の国務長官でしたが結局はアメリカは何を得ることも無く撤退せざるを得なかった。外交の天才なら戦闘では負けていなかったのだから外交で勝利を得ることも出来るはずなのにキッシンジャーは何も出来なかった。

おそらくキッシンジャーはベトナム戦争の敗北もそうですが、イラク戦争の敗北も国民のせいにして言い逃れるつもりだろう。キッシンジャー氏の業績としては米中外交の道を開いた事ですが、これも長期的に見ればアメリカにとっては命取りになりかねない事であり、アメリカの覇権に印籠を渡すのは中国になりかねない。

つまりはキッシンジャー氏はアメリカにとっては疫病神であり、ベトナム戦争で負け、イラク戦争で負け、中国を強大化してアメリカの覇権を脅かすようになった。キッシンジャー氏は私が見るところによれば中国の二重スパイではないかと思う。キッシンジャー氏はそれほどアメリカにとっての疫病神であり、ブッシュ大統領をはじめとしてどうして未だに外交面でのアドバイザーとして活躍できるのかが不思議だ。

キッシンジャー氏といえば日本人を非常に馬鹿にした発言で有名ですが、この程度のへまばかりしている人物を日本の政治家は恐れおののいているが、要するに張ったり屋であり見掛け倒しなのだ。例えて言えばアメリカの松岡洋右みたいな人物であり、彼がアメリカを滅ぼしかねないおろかな人物である事は、ボブ・ウッドワードの記事を見ても推察できる事だ。


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