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レバノン危機 中東めぐる覇権闘争に ―東京新聞 核心(11/21)
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/294.html
投稿者 天木ファン 日時 2006 年 11 月 22 日 17:24:33: 2nLReFHhGZ7P6
 

(回答先: レバノン 産業相 殺される―東京新聞 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 11 月 22 日 17:22:00)

レバノン危機
中東めぐる覇権闘争に

 この夏、激しい戦闘の舞台となった中東の小国レバノンが政治危機に陥っている。イスラエル軍と死闘を演じたイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが、親米のレバノン政権から閣僚を引き揚げて野党に転じ、政権打倒へ動きだしたからだ。戦闘による中東政治の激変を受けた政争からは、レバノンをめぐる各国の思惑が鮮明に浮かび上がる。 (カイロ・萩文明)

■シーア派増長

 ヒズボラ指導者ナスララ師が十九日、支持者らに訴えた。「現政権は米国の代理人。倒す」

 危機の発端はヒズボラとシーア派政党アマル所属の閣僚が、現政権への不満から辞意を表明したこと。各宗派が混在するレバノンでは憲法上、ポストの各宗派への配分が必要。シーア派不在のシニオラ政権は大きく揺らぎ、まひ状態に陥った。

 シーア派は旧敵のキリスト教マロン派と共闘し閣僚枠の拡大を要求。実現すれば、全閣僚の三分の一を超えるポストを得て閣議決定への拒否権行使が可能となり、国連安保理決議のヒズボラ武装解除要求を拒む切り札となる。米国や、アラブの親米スンニ派政権と結託してヒズボラ弱体化を目指すシニオラ首相に、受け入れる余地はない。

 議会少数派のヒズボラ側による攻勢の背景に、レバノンの構造変化がある。最新調査では、台頭するシーア派は全国民の約30%を占める。キリスト教徒主流のマロン派と組めば、計算上は多数派となりかねない。

■三正面

 イランを訪れたアマルのベリ党首にイラン最高指導者ハメネイ師が「レバノンでシオニスト(イスラエル)と米国は敗れる」と支援を確約。ベリ氏も「米国の帝国主義が消滅するカウントダウンが始まった」と応じた。

 ヒズボラを配下に置くイランは「陰の主役」といわれる。今夏の戦闘に続くヒズボラの「連勝」はイランの核開発に有利な環境づくりに役立つ。

 イランは、米国かイスラエルによる核施設への先制空爆をおそれる。イスラエルのオルメルト首相は激しい口調でイランを非難し、軍事行動の可能性を排除しない。

 ヒズボラのレバノン支配はイランにとって、攻撃回避の抑止力となる。ヒズボラに加え、イランが支援するパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス、そしてイラン自身による三正面からの報復−。レバノン危機の深層にイランの警告が潜む。

 一方、昨年までレバノンを支配したシリア。ハリリ元首相暗殺への関与が疑われるだけに、ヒズボラを通じて内政関与を再現すれば、暗殺事件を裁く国際法廷をめぐる国際的動向を、けん制することが可能となる。

 さらに、シリアのアサド大統領は、イスラエルに和平交渉再開への複雑なシグナルを発信している。ヒズボラの伸長を利用し、イスラエルに「脅威拡大か、交渉再開か」を迫る構図だ。

■延長戦

 米国の中東民主化戦略にとって、シリアの直接介入がない選挙で誕生したシニオラ政権は、唯一ともいえる成功例だ。イスラエルの隣にようやく樹立された反シリア派政権の安定は欠かせない。

 だが、米国が泥沼イラクからの出口を探るため、治安改善の鍵を握るイラン、シリアとの対話に踏み切るとの観測が、両国の攻勢とヒズボラ支援を後押しする。そこにもイスラエルと、シニオラ政権の不安がある。

 「イラン・シリア」と「米国・イスラエル・親米アラブ」の覇権闘争−。ヒズボラをめぐる政治危機からは、今夏の戦闘の「延長戦」としての対決構図がにじみ出る。ヒズボラも、反ヒズボラ勢力も妥協の構えを見せない中、武力衝突の可能性も懸念され、出口は一向に見えない。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20061121/mng_____kakushin000.shtml

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