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大戦末期に比で生体解剖 元海軍衛生兵が証言(東京新聞)
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/441.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 11 月 26 日 22:20:07: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006112501000355.html から転載。

大戦末期に比で生体解剖 元海軍衛生兵が証言


旧日本軍が行った捕虜の生体解剖を証言した元海軍衛生兵の牧野明さん

 太平洋戦争末期に、旧日本軍がフィリピンのミンダナオ島で行った捕虜の生体解剖を、元海軍衛生兵の牧野明さん(84)=大阪府枚方市=が25日までに証言した。

 戦時中の生体解剖は旧満州(中国東北地方)の731部隊や九州大病院のケースが知られているが、フィリピンで行ったという証言はこれまでなかったという。

 61年余り家族にも言えず、夢に見るなど苦しみ続け、「なぜ今更」と証言に反対する戦友もいたが「このまま埋もれさせては亡くなった人が浮かばれない」と決意。戦争体験の語り部として、悲惨な歴史を伝えていくつもりだ。

 牧野さんは海軍の第33警備隊の医務隊に所属。1944年8月、ミンダナオ島サンボアンガ航空基地に配属された。生体解剖が始まったのは同年12月。22歳だった。

 「捕虜を連れてこい」。上官の30代の軍医に命じられ、米軍のスパイとして捕まった住民男性2人を連れて行くと「これから解剖する」と告げられた。場所は病院にしていた学校。おびえきった2人に服を脱ぐよう命じ、手足を手術台に縛りつけた。顔に布をかけエーテルをかがせると、数分で意識を失った。

 「おれが死んだらおまえが治療をしなくてはならないから」と軍医に言われ、震える手で腹にメスを入れた。「これが肝臓だ」。軍医に示されたが、頭に入らなかった。「命令とはいえ、罪のない者に何とむごいことをしているのか」。心の中でわびた。

 手足の切断、血管縫合、開腹手術−。生体解剖は翌45年2月まで続き、女性や子どもを含む約30人が犠牲になった。軍医の「おい、やるぞ」という一言で始まり、息を吹き返すことがないよう最後にロープで首を絞めた。遺体は部下が運び出して埋め、解剖は医務隊だけの秘密にされた。

 「命令に逆らえば殺される。そんな時代だった」と牧野さん。45年3月、米軍がミンダナオ島へ上陸。日本兵はジャングルを敗走した。「必死で逃げながら空を見上げたら、真ん丸な月が出ていた。故郷でも見てるのかと思うと、心細くて涙が出た」

 牧野さんは数年前から枚方市の小中学校で語り部活動をしている。「生々しすぎ」生体解剖の話はしなかったが「こんな悲惨なことを二度と繰り返してはいけない。1人でも2人でも戦争の真実を伝えていきたい。機会があれば、償いの証言を続ける」と話す。

(共同)
(2006年11月25日 19時08分)

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