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□サダム・フセインの助命を望むロシア [JANJAN]
http://www.janjan.jp/world/0611/0611265376/1.php
サダム・フセインの助命を望むロシア 2006/11/27
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【モスクワIPS＝ケスター・ケン・クロメガ、１１月１５日】
ロシアの政治家とイスラム教指導者は、イラクの元大統領サダム･フセインの死刑判決に反対であり、再審を行なうために独立した国際法廷を開くよう提案している。
ロシア外務省のミハイル・カミニン報道官は「国内問題の裁判は海外からの影響を受けてはならず、元大統領の裁判というような重大な問題は、政治的環境に左右されない明快な司法に基づくべきである」と同省のウェブサイトで公式声明として語った。声明では米国やその他の国を名指しせず、実際に他国からの影響があったとまでは言及していない。
ロシア国家院（下院）のボリス・グリズロフ議長は、死刑判決が民主主義の原則に矛盾するとした。ロシア連邦院（上院）のミハイル・マルゲロフ外交委員長は、「フセインはイラクにとって重要な証人であり、死刑判決にはフセイン政権時代の真実を語られたくないものの意図が推測される」と語ったと、ロシアのインタファクス通信は伝えている。
ロシア自民党（LDPR）のウラジミール・ジリノフスキ党首は「欧州連合は死刑廃止を唱道しながらフセインの死刑判決は容認している。フセインは選挙で選ばれた大統領であり、植民地支配からイラクを解放した英雄だったことを忘れてはならない」とIPSの取材に応じて語った。フセイン政権と強い結びつきのあったジリノフスキ党首は、石油資源を狙うブッシュ政権が中東情勢を悪化させたと非難している。
ロシアのイスラム聖職者協会も判決を非難し、「イラクは無法な国際的テロにより混乱している」とイラクの指導者に書簡を送った。イスラム諸国会議機構（OIC）のオブザーバーであるロシアは、イラクに対して復興協力と可能な限りの人道的支援を行なう用意があるとし、OICが特別イスラム最高法廷を開いて裁定すべき問題だとしている。
中央アジアイスラム協力機構（CAICO）も判決の棄却を求め、プレスリリースで、元独裁者に同情するわけではなく、イスラム国で外国人が正義を裁くことが侮辱的であり、さらにイスラムでは死は重罰ではないとした。ＣAICOの指導者は、「イラク侵攻後に崩された民主的な欧米のイメージを修復するためにも判決は再考されるべきだ」と語った。フセインの死刑判決に対するロシアの反応について報告する。（原文へ）
翻訳/サマリー＝加藤律子（Diplomatt）／IPS Japan松本宏美
IPS関連ヘッドラインサマリー：
イラク：UAE各紙、フセイン大統領死刑判決に異なる反応（ＷＡＭ）
米とイラク：「フセイン死刑判決」タイミングに疑問
死刑廃止を世界に求めるイタリア、NGO
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□イラク：UAE各紙、フセイン大統領死刑判決に異なる反応（ＷＡＭ）
http://www.janjan.jp/world/0611/0611174884/1.php
イラク：UAE各紙、フセイン大統領死刑判決に異なる反応（ＷＡＭ） 2006/11/18
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【アブダビWAM＝１１月６日】
１１月５日イラク法廷が下したフセイン元大統領の死刑判決に対して、アラブ首長国連邦（UAE）の英字新聞３紙は異なった反応を示した。
ドバイに拠点を置く『ガルフ・ニュース(Gulf News)』紙はこの裁判を「３０年にわたって自国と近隣諸国を苦しめた専制君主を裁く正当な行為」と褒めちぎり、『カリージ・タイムズ(Khaleej Times)』紙は「いんちき法廷」による「勝者の裁き」だと断じた。
シャリジャに本部を置く『ガルフ・トゥデイ（The Gulf Today）』紙は６日の社説で、有罪判決が下されてもアメリカが望むように反乱が治まることはないと述べた。
さらに、「フセイン元大統領を断罪してアラブ世界に大きな影響を及ぼすと考えることは、中東において理にかなわない」とし、結局はシーア派とスンニ派の争いが激化するだろうと論じた。
ドバイの『カリージ・タイムズ』も同様な論調で、裁判を「最悪の形で勝者の裁きを下すつるし上げの場」と述べ、「私たちは国民と人権に対するフセイン元大統領の罪を厳しく糾弾するものの、この裁判はイラクと憐れなイラク国民にもたらされた不正な戦争と切り離して捉えることはできない」と指摘した。
さらに、アメリカとイラク政府が、本当にフセイン元大統領を舞台から消すことができれば、戦火にまみれた国に平和がもたらされると期待するのは認識不足であり「サダムがいても、いなくても、イラクの苦難の道は長く続く」と論じる。
しかし『ガルフ・ニュース』紙の論調は異なり、イラク史における暴力の章を閉じる可能性を裁判に認めている。
「フセイン裁判を復讐の場と見るべきではない。イラクの歴史における暴力の章を閉じ、継続可能な民主主義を再建する機会である」と同紙は記述する。
同紙は、イラク国民にとって重要なのは権力の座を負われた独裁者の運命よりも国の統一とし、イラク国民は死刑に賛成であろうと反対であろうと、罪を犯せば何者であっても裁かれるような民主的政権の構築を間違いなく望むと述べている。（原文へ）
翻訳＝角田美波（Diplomatt）／IPS Japan浅霧勝浩
関連記事：
公正でない裁判がサダムを処刑？（IPS）
(ＩＰＳJapan)
□米とイラク：「フセイン死刑判決」タイミングに疑問
http://www.janjan.jp/world/0611/0611154731/1.php
米とイラク：「フセイン死刑判決」タイミングに疑問 2006/11/16
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【カイロIPS＝エマド・メカイ、１１月６日】
米国が支援するイラク高等裁判所は、１９８２年にドゥジャイルのシーア派大量殺害を命じた罪でサダム・フセイン元大統領に死刑判決を下した。同判決は自動控訴処分となるが、弁護側は３０日以内の動議提出が必要で、指示命令は１月半ばになる模様だ。
ブッシュ米大統領は、１１月５日の中間選挙集会において「死刑判決は、独裁から司法支配への転換に努力するイラク国民にとって記念すべき出来事」と発表。
これに対し、フセイン裁判に取り組んできたニューヨーク市弁護士協会国際法委員会のスコット・ホートン議長は「死刑判決が中間選挙前日に下されたのは、意図的なもの」と言う。「この裁判は初めから終わりまで米国の監視下に置かれ、米議会承認の１億３８００万ドルの資金とバグダッドの米大使館内に設立された特務班が取り仕切ってきた。ブッシュ政権は、８月の裁判をテロ攻撃が行われた９月１１日に延期するなど、特に裁判のスケジュールを厳しくコントロールしてきた」と同氏は言う。
エジプトのアル・アハラム戦略研究所のディアア・ラシュワン上席研究員も「イラク問題は選挙の重大関心事であることから、判決のタイミングには明らかに政治的意図が見て取れる。判決のニュースは共和党には役立ったかもしれないが、イラクにとっては最悪だ。今やほとんどのイラク人が、国よりも民族・宗教的アイデンティティを優先しているのだから。シーア派裁判所が下した判決は、国内の分裂を一層強めることになる」と語っている。
エジプトでは、裁判の正当性に関する疑問が高まっている。リベラル派日刊紙「ワフド」のコラムニスト、モハンメド・アミン氏は「ショーは終わった。米国は安堵しているかもしれないが、アラブ諸国は、国を占領し、女性を賤しめ、イラク市民を脅している米国の手によりサダムが裁かれるのを喜ぶことはできない。米国は、人権侵害の罪でサダムを裁判にかけたが、米国自体が人権を侵害しているのだから」と述べている。
一方、米国寄りのサウジアラビアの影響が強い湾岸地域では、判決を支持するあるいは問題の本質、影響に関する分析を避ける報道が殆どだ。サダム・フセイン死刑判決に関する諸意見を紹介する。（原文へ）
翻訳/サマリー＝山口ひろみ（Diplomatt）／IPS Japan浅霧勝浩
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(ＩＰＳJapan)
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