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【全訳】米国の本当の大統領はオルメルト:偏在するユダヤ・ロビー(IAR-Notocias)
http://www.asyura2.com/0610/war86/msg/828.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 12 月 12 日 09:25:11: SO0fHq1bYvRzo
 

【全訳】米国の本当の大統領はオルメルト:偏在するユダヤ・ロビー(IAR-Notocias)


12月9日付の情報誌IRA-Noticias(アルゼンチン、スペイン語)は、『胸糞の悪い結論:ブッシュはイスラエルの命令に従うのみで、米国の本当の大統領はオルメルト:偏在するユダヤ・ロビー』と題する記事を掲載しました。
(原文:下の記事群の一つ)
http://www.iarnoticias.com/noticias_2006/sintesis_informativa/sintesis_internacional.html
Una tesis de pesadilla
Bush sólo obedece órdenes de Israel y el verdadero presidente de EEUU es Olmert: el lobby judío omnipresente
(下はそのコピーを掲載する他のスペイン語情報誌)
http://aporrea.org/imprimir_noticia.php?docid=87675


これは米国のジェイムズ・ペトラス(James Petras)が12月3日に発表した論文をスペイン語に抄訳して紹介したものです。下がその原文(英語)です。かなり長いものですが、その「左右」のユダヤ・ロビー批判はなかなか読み応えがあります。

http://www.informationclearinghouse.info/article15800.htm
The US and the Middle East:
A “Grand Settlement” Versus the Jewish Lobby
By James Petras 

しかしこちらを翻訳するのは少々骨が折れますので、簡潔にまとめたスペイン語記事の方を翻訳してご紹介します。


ペトラスは、ユダヤ・ロビーを通してイスラエルが引きずりまわしている部分(共和党から民主党まで)と、それに反対する部分(ここではベイカーのグループがそれを代表する)とに、米国の支配層が割れており、現状では圧倒的な親イスラエル派に米国がほぼ完全に乗っ取られている、といった観察をもとに論じているようです。

私にしてみればこの二つの「対立」もまた茶番なのですが、しかし確かに、ブッシュ政権・共和党と同時に民主党を自由自在に操るイスラエルの力は、米国を完全に属国とするだけの実に巨大なものです。なお現イスラエル首相のエフッド・オルメルトは前任のアリエル・シャロン同様に、かのユダヤ・ファシスト、ウラジミール・ジャボチンスキー直系のファシズム政治家です。

巷には「ネオコンは消えた」などと愚論を吐く「評論家(痴識人)」がいるのですが、消えたどころか、同根の流れとともにその「持ち場」を変え、第1期ブッシュ政権時のネオコンどもはもはやブッシュ政権内に留まる必要がなくなっただけのことで、実際にはネオコン(シオニスト)路線はますます徹底化・先鋭化しているわけです。ましてや民主党に何らかの期待を寄せるようなトンデモ御人好しは救いようの無い盲目としか言いようが無いでしょう。

なお、ペトラスは米国の左翼に属すると見なされている人物ですが、いわゆる左翼の大部分はシオニスト左派(ペトラスはZiolib「リベラル・シオニスト」と呼んでいる)の影響下にあり、ここまではっきりと「左の」ユダヤ・ロビーについて語る者は極めて少ないでしょう。彼の論文をIAR-Noticiasだけではなくレベリオンが採り上げたことは、スペイン語圏の論者のレベルの高さを表しているのでしょう。


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胸糞の悪い結論

ブッシュはイスラエルの命令に従うのみで、米国の本当の大統領はオルメルト
偏在するユダヤ・ロビー

IAR-Noticias
2006年12月9日 土曜日

2006年12月9日、土曜日、IAR-Noticias/特別報道
左翼の思想家ジェイムズ・ペトラス(James Petras)が伝えるところに厳密に従うならば、米国人たちは今まで誤った人物に投票し誤った国旗の元に住んできたことになる。ブッシュはブッシュではない。ブッシュはオルメルトなのだ。米国の国旗は50の星のそれではなく、ダビデの星のそれなのだ。そしてこの北米にある資本主義帝国の決定はワシントンではなくテルアヴィヴで行われているのである。

雑誌レベリオンで翻訳されたその最近の論文の一つ、「ユダヤ・ロビーと面するベイカーのグループ」の中で、ペトラスは次のように告げる。『中東における米国の政策の方向に変更が行われる可能性はほとんどありえない。理由は以下の通りである。議会で強大な権力を持つユダヤ・ロビーの子分ども、情報媒体でのシオニスト・プロパガンダの巨大企業、オルメルトがブッシュに「牛の鼻輪」を取り付けていることとそれに関連する膨大な活動。』

中東政策について触れながらペトラスは次のように警告する。『オルメルトはブッシュ大統領に対して自分の勝手さを上図に押し付けた。かつて元首相シャロンが鼻にかけていたようにである。オルメルトと会合した後でブッシュはその友好の感情を繰り返し世界に対して「核への野望を捨てる」時までイランを孤立させるために団結するように訴えたのだ。』

ペトラスはその結果を次のように断言する。『最終的な結論は、議会はイラク戦争での米軍を引き上げることも資金を減らすこともしないだろう、ということである。マッケインとクリントン、リーバーマン、レイド、ホイヤーの助けを得て、ブッシュはバグダッドを全面的な血の海にするもっと多くの部隊派遣を認めるようにすることだろう。』

そして言う。『ネオコン・シオニストとリベラル・シオニストに包囲されたベイカーのイラク研究グループは、パレスチナ人に対するイスラエルの暴力の問題を処理する方法を知る能力は無いし、シリアやイランとどのようなテーマに関するものであれ対話を始める能力なども無く、できたとしてもほんの限られた言葉の範囲でしかなく成功するようなものではない。』
【訳注:「ネオコン・シオニストとリベラル・シオニスト」と訳したものは、英語の原文では“Zioncon/Zionlib”となっている。米国ネオコンの実体であるシオニスト「右派」のことは以前からZioconと言われていたが、彼は米国民主党および左翼“オールタナティヴ”勢力を操るシオニスト「左派」のことをZiolibと表現している。】

ペトラスはユダヤ・ロビーの「右」も「左」も語るごく少数の人間の一人なのだが、次のように強調する。『イスラエル首相であるエフッド・オルメルトは、全米主要ユダヤ人組織代表者委員会(CPMAJO:The Conference of Presidents of Major American Jewish Organizations)関係者および親イスラエル団体関係者たちと固く一体化している。11月13日のワシントン訪問時に彼はブッシュのイラク戦争政策とイランとの対決戦略に対する断固たる支援を表明した。』
【訳注:CPMAJOについては以下のサイトを参照のこと】
http://www.blinkbits.com/en_wikifeeds/CPMAJO

『オルメルトはブッシュに、イランと話し合うというベイカーの提案とは折り合わない姿勢とると約束させた。それはイランの孤立化、制裁そして軍事的な脅迫であり、イラクの安定化のためにイランとシリアの協力を求めるためのどのような開かれた有意義な対話とも、明らかに両立し得ないものである。それどころか、オルメルトがはっきりと断言したように、敵を弱体化させ破壊しながら中東の支配権を拡張するイスラエルの「戦略的利益」にきっちりと沿ったものなのだ。』このようにペトラスは語る。

そして彼はロビーに対する民主党の同様な態度について次のように告げる。『外国首脳が米国内の政治に対して行うこの明白な干渉を前にして、民主党が表明するその臆病な沈黙ほどに、ユダヤ・ロビーの米国の政治に対する力を見事に表わすものは無い。民主党議員ペロシは黙って苦笑いしながら受け入れた。議員達の唯一の批判はオルメルトがブッシュの側に付いた「党派主義」に対する文句であり、オルメルトが米国の主権を侵害していることは容認する戦術だった。それはまず50名の上院議員とユダヤ系議員と数多くの親シオニスト・キリスト教徒の支持者達によって幅広く受け入れられたのである。』

『民主党員を傷つけたものは、オルメルトが彼らに、イスラエルに対する卑屈極まりない重視というきまりの悪い思いをさせたことである。ブッシュの戦争政策に悪態をついたにもかかわらず、オルメルトを批判する記者会見をただの一つとして行うことすら敢えてしなかった。ただ民主党の資金の65%をあてがう親イスラエルの大金持ち達が離れることを恐れるのである。』

『オルメルトがこれほどおおっぴらに米国の政治に介入し、ブッシュがそれに実に素直に従ったような事実は、米国とイスラエルの関係を知る者にとって大した驚きでもないだろう。それに加えて、民主党員が「驚き」や嫌悪感を表明したのは偽善の絶頂である。彼らはすでに、イスラエル国家がそのロビーの背後から毎日のようにありとあらゆる政策を中東に向けるように干渉を加えていることを、自らの経験を通して知っているのである。AIPACは、法律案を書いていること、議員の圧倒的多数を手中に収めていること、そしてイスラエルの政権に対してその政治戦略に同調するための幅広い「協力体制」のあること(要するに、従順に言うことを聞く、ということ)を、自慢しているのだ。』ペトラスは断言する。

さらに彼は次のように強調する。『オルメルトのイラク、イランそしてシリアに対する戦争を望む姿勢に先立って、Wall Street Journal、Foreign Policy、Washington Post、New York Times、New Yorker そしてChristian Science Monitorといった主要な報道メディアのほぼ全てで「右」「左」シオニストの主要なイデオローグを総動員しての思いがけないプロパガンダ作戦が展開されていた。(ペトラスが採り上げるメディアが実際にはイラクからの撤退のキャンペーンに相乗りしていることを明らかにしておかねばならない。それらは内輪もめの中でブッシュごとホワイトハウスをコントロールしようとする民主党のプロパガンダ機関である。)

Wall Street Journalは右派シオニスト・ロビー最大の広報ジャーナルの一つであるのだが、これについてペトラスは次のように言う。『Wall Street Journalはベイカー・グループのある編集者を断定的な形で攻撃した。彼がまだ何も発言をしないときからである。そしてイランとの戦争を起こすこととイラクでの戦争を続けることへの支援、そしてパレスチナ人の民族的大掃除に関するイスラエルの姿勢への支持を表明したのである。』

『イスラエル人たちはホワイトハウスの内側を知り尽くしておりそこに通じる道を持っている。そして大統領府にその対決政策を強制してきた。さらに、大統領に対してその戦争政策を「続けて保持する」ように応援してきた。米国の有権者の多数派と世界の国々の国民、そして自国の長官の一部までもが「イスラエルの進路」に反対しているときでさえもそうしてきた。イスラエル人たちは、そのメシア的な虚構に「人々は最終的には従うだろう」と信じ込むブッシュのキリスト教原理主義者たちと心を合わせてきた。あらゆる事実が逆のことを示しているにもかかわらずである。』

『ユダヤ・ロビーの堅固な権力によってホワイトハウスはイスラエルによるイランへの奇襲攻撃に対して支持を与えるのだが、このことはつまり、ブッシュが単にライス国務長官の顧問達を無視しているだけではなくその不吉な結果をすら念頭に置いていないことを意味している。それはイラクでの米国占領軍に対するイランの報復攻撃であり、これは非常に多くの死者をもたらすかもしれない。そして中東全域での石油事情と政治における混乱、湾岸諸国の不安定化と石油価格の上昇をもたらすかもしれないのだ。』ペトラスはこう強調する。

ペトラスは例を挙げて説明する。『ネオコン・シオニストの指導部は国家安全保障ユダヤ委員会(JINSA:Jewish Institute for National Security Affairs)である。トーマス・ニューマン(Thomas Neumann)が、ホワイトハウスに覆いかぶさるこの前例の無いシオニストのコントロールを作り上げた。「米政府はいまや私の生涯の中で[私がその証人だが]他のどの政府にも無いほど強いイスラエルとの関係を持った」(JTA、2006年11月14日)』

『ユダヤ・ロビーは、米国からイランへのあらゆる接近に対して「炎の遮断機」を立ち上げた。特にベイカーのイラク研究グループが企てるどのような主導権に対してもである。』このようにペトラスは警告する。そして強調する。『ホワイトハウスの支援を得て、イスラエルはその米国での政治装置(ユダヤ・ロビー)を上図に動かした。選挙に際してイスラエルに対する無条件の擁護者にキャンペーンの財源を都合するためにである。選挙戦で民主党の財政担当者はイスラエル籍米国人の議員であるラーム・エンマニュアル(Rahm Emmanuel)および「イスラエル第一」の擁護者で上院議員のチャールズ・シューマー(Charles Schumer)なのだが、買収に必要な大量の資金調達はウォール・ストリートが支えた。(タイム、ニューズ・ウィーク、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道するようにである。)』

この帝国の中で「命令する者」という概念を広げてペトラスは次のように述べる。『今年(2006年)11月に中近東を訪問した後で、英国首相トニー・ブレアーは中近東の全面的な和平合意のために対話と交渉を呼びかける声明を発表した。それは全ての利害関係者、特にシリアとイランを含むものであった。イスラエル政府はこの提案を即刻はねつけた。「ロビー」はそのパトロン達の政策を繰り返し、その後にホワイトハウスと議会はそれに付き従ったのだ。』

ペトラスによれば、『米国のユダヤ・ロビーは、同時にイスラエル国家の命令であり手でもあるのだが、米国が国連での経済制裁措置を勝ち取れるように、シリア・イラン悪魔化の集中的なキャンペーンを張ってエスカレートさせ、部分的には成功している。』

『ジョン・ボルトンは国連へのクローン大使だったのだが、イランに対する軍事公的を最も強く推した。AIPACのアジェンダにとって、イランに対する戦争は絶対的な優先課題である。この3年来AIPAC関連の全ての機関は、イランのウラン濃縮計画に対するイスラエルの「軍事解決」を信奉する候補者に資金をつぎ込んで支援するように勧告してきた。米国主要ユダヤ組織代表者協会(the PMAJO)の広報をご覧いただきたい。

最終的にペトラスはこう結論付ける。『ベイカーのグループは、有利な国際的状況と幅広い国内的支持にも関わらず、米国の中道政策での新しい視野を開こうとするその試みの中で、ユダヤ・ロビーの巨大な権力と反対に直面している。それぞれの具体策は、「イスラエル第一」好みで決定されるロビーイストの軍隊、議会とその政治部の中に配置されている忠実なメンバー達によって詳しくチェックされなければならず、そして指導部メンバーの敵対に直面しなければならない。その指導部の中にはジョージ・W.ブッシュ自身とユダヤ国家に連なる者達がいる。』

『ベイカーのイラク研究グループは米帝国を守り拡張させるための別の道を提案している。特定して言うならばこのグループは、米国の金融投資家たちと石油企業に対して中東を開放するためにイラクを「安定させる」ことを求めているのだ。この戦略は、メディアと上院・下院の議会と選挙対策者、特に民主党の中で、射程の長い影響力を保持するユダヤ・ロビーが形作っている物凄い妨害の中で、その限界が明らかになっているのだ。』ペトラスはこのように断定する。

【翻訳終り】

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