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<資料>「所得税法違反」事案にかこつけた朝鮮総聯への政治弾圧/日韓ネット@渡辺(薔薇、または陽だまりの猫)
http://www.asyura2.com/07/asia7/msg/201.html
投稿者 gataro 日時 2007 年 2 月 08 日 21:45:03: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/db7f7230191ef3cc1e7073831aa2a0b9 から転載。

2007-02-06 22:43:13

「所得税法違反」事案にかこつけた朝鮮総聯への政治弾圧/日韓ネット@渡辺 [北朝鮮]



朝鮮総聯北海道本部朴鐘民委員長は北海道警と札幌地検が5日朝鮮総聯北海道本部と傘下の諸団体事務所に対する強制捜索を行なったことに抗議し6日、同本部で記者会見を行い談話を発表した。

以下は談話の全文。
北海道警と札幌地検、国税局は、2月5日早朝、70名の警察官と捜査員を動員し、同胞飲食業者の「所得税法違反」容疑を口実に、朝鮮総聯北海道本部をはじめ傘下の諸団体事務所に対する大々的な強制捜索を行った。

 「所得税法違反」容疑と朝鮮総聯はまったく無関係である。にもかかわらず、今回、捜査当局は、弁護士の立会いも認めないまま朝鮮総聯本部、同札幌支部、青年同盟、女性同盟などの事務所に踏み入り、無関係の職員の引き出しやロッカーまでも強制的に開くなどの不当な捜索を11時間にわたっておこない、容疑とは何ら関係のない数百点もの書類などを押収していった。

 これはまさに、法の名を借りた捜査当局の不当な権力の乱用であり、許しがたいファッショ的暴挙である。
 われわれは、北海道の全在日同胞の名で、こみ上げる民族的怒りをもって捜査当局の蛮行を断固糾弾し、強く抗議する。
 今回の強制捜索は、朝鮮に対する制裁と圧力を強化するために準備されたシナリオにそって計画的に行われた政治的弾圧行為である。
 漆間警察庁長官は「北朝鮮への圧力を担うのが警察」、「北朝鮮が困る事件の摘発に全力を挙げる」と公言している。

 警察当局が今回の強制捜索をふくめ全国で大々的に行っている朝鮮総聯関係機関への強制捜索には、朝鮮総聯があたかも「犯罪組織」であるかのごときイメージを故意につくり上げ、民族排他的風潮を煽りながら、朝鮮総聯と在日朝鮮人を政治的に弾圧しようとする卑劣な意図がある。それはとくに、今回警察当局が朝鮮総聯や商工会があたかも「不正に得た金を北朝鮮に送金している」かのごとき捏造情報を故意にマスコミに垂れ流してしていることからも明らかである。
これは、朝鮮総聯と在日同胞に対する許しがたい冒涜であり、人権蹂躙行為である。
 また、これは2月8日から6者会談が再開され、朝鮮半島の関係諸国の間に対話と和解の気運が高まりつつある流れに逆行する無謀な敵対行為である。

 われわれは、捜査当局が今回の不当な強制捜索に対し謝罪するとともに押収物を即時返還することを強く求める。
 われわれは、広範な日本の方々が、在日同胞の生活と基本的人権を擁護し、朝・日友好親善に尽くしている朝鮮総聯と在日朝鮮人に対し、変わらぬ理解と支持を寄せてくださることを切に願う。

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日韓ネット@渡辺です。

1月30日に共同声明への賛同のお願いを流しましたが、僅か1週間で多くの団体・個人が呼びかけに応えてくれています【下に2/6現在の賛同一覧】。

2月8日からは6カ国協議が再開され、6カ国共同声明を履行するための初期段階の措置について協議される模様です。安倍は「拉致問題の進展がなければ、核施設凍結などの進展があっても(対北)支援せず」などとと発言しており、来日した米首席代表ヒルからさえ「日朝の交渉枠組みを設けるべき」と言われる始末です。

この間、朝鮮総聯に集中的にかけられている政治弾圧は、こうした彼らの姿勢を集中的に示すものです。

私たちは、さらに多くの心ある皆様に共同声明への賛同の輪を広げていただき、金権腐敗・女性差別でボロボロの安倍内閣に(「美しい国を作るならまずお前らが消えてなくなれ」とさえ言われていますが…)、この課題でも一致して要求を突きつけていきたいと思いますので、ぜひご協力をお願いいたします。

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【共同声明への賛同のお願い】

 安倍政権の対朝鮮半島・東北アジア政策にNOの声を挙げ、私たちの隣人である在日コリアンへの人権侵害の中止、戦争も核もない東北アジアの平和を目指して以下の共同声明への賛同を呼びかけます。
  この共同声明は、全賛同団体・個人の連名で安部内閣に提出し、申し入れ行動を行います。
  *第一集約を2月末日とし、3月中旬頃に安部内閣への申し入れ行動を行います。ぜひご協力ください。
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対北朝鮮制裁・在日コリアンへの人権侵害の中止と
対話による 戦争も核もない平和な東北アジアの実現を求める共同声明 

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 小泉内閣を引き継いだ安倍新内閣は、公然と任期内の改憲を掲げ、昨年末には教育基本法改悪、防衛省昇格と自衛隊の海外派遣を本来任務とする法律を通過させました。

これらの動きは、世界的規模の米軍再編や米ブッシュ政権によるイラク侵略戦争への無条件支持と追随、そして対北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)強硬策、在日コリアンへの弾圧や人権侵害などと表裏一体です。
また一歩「戦争のできる国」への道が強まったと言わざるをえません。

 北朝鮮のミサイル演習と核実験発表で、いま安倍政権はここぞとばかりに好戦的態度を示し、独自制裁まで強行しています。これらは在日コリアンの祖国往来に障害となるなど人権侵害をもたらしています。さらに政府・公安当局は、こうした雰囲気に乗じて在日コリアン、とりわけ在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)と関連団体に対する政治的な弾圧を集中しています。

 日本政府の政策が、日本社会に今なお根深く残る在日コリアンへの差別を再生産し、朝鮮学校生徒たちに対する嫌がらせ、暴行・暴言、朝鮮総聯施設に対するテロ的攻撃をも助長していると言わざるをえません。日頃「テロ対策」を声高に唱える政府やマスコミが、在日コリアンに向けられたテロに対しては沈黙し続けているのはなぜでしょうか。

 朝鮮半島の平和と非核化の鍵は、形式はどうであれ、実質的な米朝交渉により、半世紀以上にも及ぶ米朝の停戦(準戦時)状態を終わらせて恒久的平和体制へ移行し、対話による米朝・日朝国交樹立、検証可能な形での朝鮮半島の非核化など、朝鮮半島問題の包括的な解決を実現する以外に道はありません。だからこそ、2005年9月の「六カ国共同声明」も、@朝鮮半島の検証可能な形での非核化、A米朝・日朝国交正常化に向けた措置、B朝鮮半島の恒久的平和体制に向けた協議の開始−等の包括的実現をめざすことで六カ国すべてが合意しているのです。

 この間、六カ国協議再開のため、米国が新たに設けた障害である金融制裁の解除問題を含め、米朝二国間協議が繰り返し開かれるようになっています。対話なき圧力一辺倒政策をとる安倍政権は、今や米国政府を含む六カ国協議参加国の中でも孤立した存在となりつつあります。
 私たちは、日本と朝鮮半島、アジアの人々との真の和解と友好を心から願い、戦争も核もない平和な東北アジアの実現を求める立場から、共同して以下の要求を行います。

1. 日本政府は制裁を解除し、在日コリアンへの人権侵害・弾圧を直ちに中止すること。
2. 日本政府は圧力一辺倒政策を転換し、ピョンヤン宣言を基礎に対話を通じて日朝国交正常化の実現を速やかに図ること。

【呼びかけ】
日韓民衆連帯全国ネットワーク
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)
基地はいらない!女たちの全国ネット
新しい反安保行動をつくる実行委員会\
許すな!憲法改悪・市民連絡会
在日韓国民主統一連合
北朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンク・ネット

 ●郵便送付先 東京都文京区小石川1-1-10-105 日韓ネット気付
 ●E-mail nrc07479@nifty.com
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【共同声明に賛同します】

 氏名(団体名)
氏名公表 可・不可   *どちらかに○をお願いします
 肩書き
 住所                                   
電話                               
E-mail nrc07479@nifty.com
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【賛同者一覧 2/6現在】略

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 【日韓ネットニュース1月号から】
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ミサイル・核実験以降の在日朝鮮人への人権侵害
−今、求められている日本民衆の抗議の声−

渡辺健樹(日韓ネット共同代表)

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル実験(7月)、核実験(10月)に対して日本政府は独自の制裁措置を発動している。だが、これらは在日朝鮮人への著しい人権侵害をもたらしており、「制裁で最も被害を被っているのは在日朝鮮人」とさえ言われる状況となっている。さらに政府・公安当局は、こうした雰囲気に乗じて在日朝鮮人、とりわけ在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)と関連団体に対する政治的な弾圧を集中している。

 日本政府の政策が、今なお根深く残る朝鮮人差別を再生産し、朝鮮学校生徒たちに対する嫌がらせ、暴行・暴言、朝鮮総聯施設に対するテロ的攻撃をも助長している。日頃「テロ対策」を声高に唱える政府やマスコミが、在日朝鮮人に向けられたテロに対しては沈黙し続けているのは何故か。
 こうした事態は、日本民衆自身に向けた抑圧体制作りのための「序曲」でもある。現在、在日朝鮮人に集中的に行われている人権侵害に、私たち日本民衆自身の抗議の声が求められているのではないだろうか。

●在日朝鮮人に対する人権侵害の実態

(1)政府の「制裁」による影響

 7月5日の北朝鮮のミサイル発射実験に対して、日本政府は直ちに万景峰(マンギョンボン)92号の六ヶ月間の入港禁止、北朝鮮当局の職員の入国禁止、日本の国家公務員の渡航自粛と民間に渡航の自粛を求めること―など九項目の「制裁」措置を発動した。

 @とくに万景峰号は過去十数年の間、祖国に親類・親族を持つ在日朝鮮人にとっては、安価な渡航費で祖国往来でき、また朝鮮学校生徒の修学旅行などで欠くことのできない存在となってきた。しかし、7月5日の入港禁止措置により、祖国訪問を心待ちにしていた多くの人々が訪問を断念し、多くの修学旅行も中止に追い込まれている。飛行機による祖国訪問の場合、10万円以上もの負担増となるばかりか、多くは中国など第三国経由となり、高齢の祖国訪問者には肉体的負担が重なることになる。また、北朝鮮の養護施設などの子どもたちへ粉ミルクを送る運動を行っている私たちと協力関係にある日本のNGOも、安価な輸送費ですむ万景峰号を利用してきたが、輸送費の負担増という新たな困難に直面しているという。

 そもそも国際慣行では、国際港として指定された港への外国籍船の入出港は自由とされ、航行の自由、入港の自由が原則的に認められている。唯一ポート・ステート・コントロール(PSC)による安全検査制度があり、国土交通省による検査で船内設備の一部不備が指摘されたことはあるが、改善後も問題なく運行されてきた。
 今回の万景峰号入港禁止措置の法的根拠とされている「特定船舶入港禁止法」は、こうした国際慣行も一切無視した戦時状態の「一歩手前」の準戦時法というべきものだ。

A7月5日の「制裁」発動に伴い、同日付で法務省入国管理局長名の通達が各地の地方入管局長宛に出された。「在日朝鮮人(再入国許可書所持者)からの再入国許可申請があったときは、渡航目的、渡航先、日程等を詳細に把握」し、「数次再入国許可を希望する場合には、最低でも二回以上の渡航日程を提出させた上で、数次再入国を許可する。二回以上の渡航日程の提出のないものについては、一回限りの許可とする」というものである。

これにより、従来は数次の再入国許可申請をした場合でも即日交付されていたものが、「朝鮮籍」の人々については即日交付されないケースが出てきており、さらに当面の旅行だけでなく次の旅行についても旅行社の発行する計画書などを提出しなければ許可しないなどというケースも相次いでいる。

これらは朝鮮半島に多くの親類・親族を持つ在日朝鮮人の祖国往来や第三国への渡航の自由に対する重大な侵害行為である。報道によれば、政府は核実験後の「追加制裁措置」として、現在の「北朝鮮籍者の原則入国禁止」「在日北朝鮮当局職員の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」から「在日朝鮮人の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」に広げることを検討している(朝日新聞12月9日)というが、このような人権侵害は絶対に許されない。

(2)在日朝鮮人に対するテロと嫌がらせの横行

 この問題に取り組んでいる日本人NGOの「在日朝鮮人・人権セミナー」(事務局長・前田朗東京造形大教授)の集計によると、7月5日のミサイル発射報道後、約1週間に間に朝鮮学校や生徒に対する暴行事件4件、暴行未遂一件、「殺すぞ」「日本から出て行け」「火炎瓶を投げてやる」「政府に代わって制裁してやる」等々の暴言五件、その他嫌がらせ12件、施設破損2件、脅迫電話30件、無言電話56件、誹謗メール10件の計120件が発生した。さらに10月3日の核実験報道から同十三日までの間に、施設破損1件、脅迫電話35件、無言電話11件、その他嫌がらせ2件の計49件が発生している。

 朝鮮総聯各機関に対するテロ行為も相次いでいる。8月2日、朝鮮総聯神奈川湘南西湘支部(同胞生活相談総合センター)に対する放火事件。8月13日、総聯滋賀湖東支部能登川分会事務所への侵入、看板・掲示板等の破壊。9月4、5日、総聯山口県本部への侵入、車両を破損しゴミを投棄。
翌日バイクから缶・ビンが入ったゴミ袋を投棄。9月16日、朝鮮総聯議長宛に切断した小指と脅迫文が送付。10月11日、総聯茨城県本部にペンキ入りの飲料水ボトルが投げつけられ、17日には本部敷地内の竹林で不審火発生。10月11日にはさらに総聯三重県本部にも爆竹が投げられる事件もあり、10月末現在で八件が発生している。その他、右翼の押しかけや脅迫文などは、全国各地に広がっている。

(3)石原都政を先頭とした自治体による課税問題

 さらに各地の朝鮮総聯関連施設の固定資産税等の減免措置の見直し問題が広がっている。2003年に石原東京都知事が拉致問題等を理由に課税に踏み切ったのを皮切りとして、各地で動きが始まったものだ。現在では、総務省通達などにより、「実効的な制裁手段」として拡大している。熊本市の朝鮮会館への減免措置を違法とする訴訟では、熊本地裁は2005年4月、「公益性を備えた公民館類似施設に該当」すると認め、減免措置見直し請求を棄却した。しかし2006年2月、福岡高裁が公益性を否定する判決を下したため、最高裁に継続中となっている。横浜市では、7月のミサイル発射演習直後に市内の複数の朝鮮会館の固定資産税減免申請を不許可にしたが、「公益性がない」という表向きの理由とは裏腹に、中田市長は記者会見で「朝鮮総聯は北朝鮮と一体の関係にあり、横浜市の市民の安全を守っていくためにも今回の措置を決めた」と公言している。

前述の在日朝鮮人・人権セミナーが独自におこなった調査では、10月末現在、全国22自治体で固定資産税の減免措置取り消しが行われているという。 朝鮮総聯が北朝鮮の日本国内における窓口としての役割を担っているのは事実だろう。だが、それは未だ国交すらない状況の中でこそ生み出されたものである。同時に、過去の植民地支配の結果、日本に渡った人々とその子孫の権益擁護、これらの人々の地域コミュニティを担う組織としての二重の性格を持っている。そして、各地の朝鮮総聯関連施設は、在日朝鮮人の地域社会における福祉や文化の拠点として利用され、また地域の日本人との交流の場としても機能してきたのである。だからこそ、これまで各自治体もその「公益性」を認め、固定資産税の減免措置を行ってきたのではなかったか。 こうした実態を無視し、朝鮮半島をめぐる緊張関係と関連付けた在日朝鮮人狙い撃ちの政治的、差別的圧力は許されない。

●在日朝鮮人問題と日本民衆の未来

 在日朝鮮人問題とは何か。読者の皆さんには百も承知の話だと思うが、TVのキャスターなどが「朝鮮籍」の在日朝鮮人を「北朝鮮籍」などと述べているような現実もあり、あらためて触れておきたい。

 「朝鮮」籍とは、かつて日本の朝鮮植民地時代に日本に渡ってきた人々とその子孫に適用されたものだ。かつて「帝国臣民」であることを強要した日本は、敗戦後、1947年の外国人登録令によりすべての在日朝鮮人の登録表記を「朝鮮」とした。翌48年、朝鮮半島に南北分断国家が成立すると、外国人登録に「韓国」籍が登場、とりわけ65年に韓国だけとの国交正常化により日本が朝鮮半島の南北分断に体制的な関与を開始すると、「韓国籍」への誘導が行われ、在日社会にも大きく分断と亀裂が持ち込まれた。
こうした経緯から、北朝鮮に帰属意識を持たない人々で「朝鮮籍」の人もいる。しかも日本政府は、「朝鮮」籍は国籍ではなく「符号」に過ぎないとの立場をとり続けているのである。

戦後、歴代の日本政府は米国の指図の下、朝鮮戦争下の再軍備を皮切りに、朝鮮半島の南北分断と軍事緊張を最大限利用して再軍備と軍拡の道を歩んできた。その際、常に在日朝鮮人団体への弾圧と監視が伴ってきた。そこには、過去の加害の責任を清算しようとするひとかけらの姿勢も見られない。しかも日朝間に国交もなく在日朝鮮人の法的地位すら未だ曖昧なまま放置され続けている。これらが日本社会に根深く残る差別を温存・助長し、時にむき出しの敵意すら生み出す土壌となっている。 

 現在、前述のような人権侵害とともに、北朝鮮と関連付けた在日朝鮮人、朝鮮総聯に対するきわめて政治的な弾圧が集中し始めている。警視庁公安部は11月27日、75歳の在日朝鮮人女性の「薬事法違反容疑」を口実として、大量の警察・機動隊を動員し、朝鮮総聯東京都本部、同渋谷・世田谷支部、女性宅など数箇所を大々的に強制捜索した。「軍事関連物資」持ち出しのようにマスコミで大々的に報道されたが、朝鮮総聯側の発表では、女性は数年前に甲状腺がんと婦人病の手術を数回受けたことがあり、以前の祖国訪問の際にも体調を崩し現地で2ヶ月間入院したことがあるため、祖国訪問の際、医師から購入した点滴薬「栄養剤―強力モリアミンS」を持参しようとしたものだという。五月の祖国訪問の際、新潟税関も「持参はできない」としながら健康管理上の問題として五パックの携行を認めたものだという。半年も経っての強制捜索騒動は、直接には万景峰号の半年の入港禁止期限が迫る中で、現在の緊張を背景とした犯罪行為と関わりが
あるように描き出し、入港禁止延長に結び付けようとの狙いがあるだろう。 

 だが、政府・公安当局が、こうしたこじつけにも等しい、共謀罪の先取りとも言うべき政治弾圧を大々的に行えるのも、在日朝鮮人への人権侵害に対する日本民衆の抗議の声が少ないことを見越してのことでもある。この問題は、韓国のインターネットメディアなどでも取り上げられ、抗議の声が挙がっている。 戦前、関東大震災時の朝鮮人虐殺から、さらに治安維持法下で「赤狩り」が繰り返された挙げ句、やがて自由主義者や宗教者などにまで弾圧体制が拡大していった歴史がある。これらの歴史を二度と再び繰り
返さないために、そして和解と平和・友好の未来のためにも、私たちは外国籍の隣人たちへの不当な人権侵害を許さない眼差し向けていくことが必要ではないだろうか。

*本稿は東京自治問題研究所(渡辺治理事長)発行の『月刊東京』1月号に寄稿した原稿に若干手を加えたものである。

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