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【コラム】坂井泉水さんの死と韓国歌謡界 [朝鮮日報]
http://www.asyura2.com/07/asia8/msg/290.html
投稿者 white 日時 2007 年 6 月 05 日 11:58:00: QYBiAyr6jr5Ac
 

□【コラム】坂井泉水さんの死と韓国歌謡界 [朝鮮日報]

▽なぜ坂井泉水さんの死が韓国で関心を集めたのか

 http://www.chosunonline.com/article/20070604000064

記事入力 : 2007/06/04 18:16:58
なぜ坂井泉水さんの死が韓国で関心を集めたのか
【コラム】坂井泉水さんの死と韓国歌謡界(上)

 1990年代のJ‐POP界を代表する音楽ユニット「ZARD」のボーカル、坂井泉水さんが5月28日に死去した。享年40歳。

 彼女の死についてはさまざまな説が飛び交っているが、90年代のJ‐POP界を象徴する最大の存在が消えたという点で異議を唱える者はいないだろう。

 デビュー後17年で活動を終えることになったZARDは、日本のアーティストのCD販売枚数で歴代8位、女性アーティストとしては浜崎あゆみ、松任谷由実に次いで3位を誇る。転落死のニュースが報じられて以来、CDの売り上げが急増し、死後にランキングが上がるという現象も起きつつある。

 坂井さんの死は、J‐POP界にとってショックな出来事であり、韓国国内の多くのJ‐POPファンにとっても、悔やまれる出来事だった。だが、坂井さんの死について、こうしたこととは別に、見極めるべき点が韓国にはある。

 それは、韓国で広く知られていたようには思えなかった坂井さんの死が、なぜ韓国メディアや韓国人の関心を集めたかということだ。

 実はその理由は簡単だ。ZARDはこれまで思われていたより広く韓国人に知られたアーティストだったというわけだ。それなら、日本でも表舞台に姿を現さず、極端な神秘主義路線をとっていたことで有名なZARDが、これほどまでに韓国人に親しまれていたのはなぜだろうか。

 まず、ZARDはJ‐POPファンだけにアピールするようなアーティストではなかった。ZARDはまれなことに、「日本の音楽」そのものに関心のない層までも魅了した。ZARDは日本のアニメが好きな韓国人に親しまれていた。かなり多くのZARDファンは、人気アニメ『SLAM DUNK』第4期エンディングテーマ『マイ フレンド』や、同じく人気アニメの『名探偵コナン』第4期オープニングテーマ『運命のルーレット廻して』といったテレビや劇場版アニメの主題歌で初めて彼女を知った。

 またZARDは、スポーツファンにもお馴染みの存在だった。坂井さんのシングルとしては最大のヒット曲『負けないで』は日本の代表的なスポーツ応援ソングだ。第66回選抜高等学校野球大会の入場行進曲にも選ばれたこの曲は、その後も日本でスポーツの応援ソングとして確固たる地位を築いた。覚えやすく軽快なテンポと前向きな内容の歌詞は、スポーツの応援歌に「うってつけ」だった。韓国で言えば、ユン・ドヒョン・バンドが2002年の韓日ワールドカップで歌った応援ソング『オー必勝コリア』のように、誰もが口ずさんだ。

 このため、韓国VS日本のさまざまなスポーツの試合でも『負けないで』が熱唱される姿がよくテレビで紹介され、韓国でも関心を持ち始めた人が非常に多かった。

イ・ムンウォン(大衆文化評論家)

NEWSIS/朝鮮日報JNS


▽アニメの挿入歌で韓国人ファンを獲得したZARD

 http://www.chosunonline.com/article/20070604000065

記事入力 : 2007/06/04 18:17:38
アニメの挿入歌で韓国人ファンを獲得したZARD 
【コラム】坂井泉水さんの死と韓国歌謡界(中)

 そしてZARDの曲は、韓国で2曲カバーされている。人気女性シンガー、イ・スヨンがZARDの『GOOD DAY』を『グッドバイ』というタイトルでカバーし、『負けないで』にも韓国語の歌詞が付けられ、KBSの青春ドラマ『四捨五入』の主題歌『負けるな』として使われた。

 イ・スヨンのファンや、ドラマ主題歌に関心を持っていた人々もZARDの名を知っており、所属レコード会社の親会社ビーングで進められた韓国の女性アイドルグループJEWELRYとの出会い、パク・チョンアによる『負けないで』の熱唱などにより、女性アイドルグループのファンにも幅広く親しまれた。

 このように、アニメ・スポーツ・曲のカバーなどにより韓国で人気の出たZARDのファン獲得プロセスは、K‐POP界の海外進出に従来とは違った路線を示している。覚えやすいメロディーやミュージシャン自身の海外進出だけが世界へ飛び立つ方法ではないということだ。こうした中でも、日本で「タイアップ」と呼ばれる映像コンテンツへの曲の挿入は注目に値する。

 韓流ドラマブームに乗り、ミュージシャンが主題歌や挿入歌を通じ紹介される方式は、十分考慮に値する。韓国語で歌われたシングルCDのうち、日本で最も多くの売上を上げたのはRyuによる『冬のソナタ』の主題歌『最初から今まで』だったことを思い起こせば納得がいく。『宮廷女官チャングムの誓い』の主題歌『オナラ(来てください)』もアジア各国で人気を集めた。

 これまで、韓国ではドラマ主題歌の選定があまりにもお粗末だった。CD売り上げに直接つながらないという判断からか、ミュージシャンへの参加オファーも低かった。だが、やはり韓国を除くアジアの市場では「タイアップ効果」は大きい。

 すでにアジアで確固たる地位を築いている韓流ドラマというジャンルとタイアップし、ミュージシャンを自然な形で紹介する方法も十分可能性がある。同様に、スポーツの応援歌にふさわしい曲を全面的にバックアップし紹介する方法や、海外でのカバーをしっかりサポートするのも「間接的な進出」戦略で、検討する価値は高い。ミュージシャン自身の進出は、その後で行うほうがはるかに安全で賢明だ。

イ・ムンウォン(大衆文化評論家)

NEWSIS/朝鮮日報JNS


▽ZARDに見るアイドル性とアーティスト性の結合

 http://www.chosunonline.com/article/20070604000066

記事入力 : 2007/06/04 18:18:20
ZARDに見るアイドル性とアーティスト性の結合
【コラム】坂井泉水さんの死と韓国歌謡界(下)

 一方、ZARDという音楽ユニット自体の魅力や成功要因についても見直す必要がある。坂井泉水さんは「音楽ユニットZARDのボーカル」として紹介されているが、いつの時点からか、坂井さん自身がZARDそのものになった。実はユニットとして始まったが、4枚目のアルバム以降はユニットが解散し、坂井さんを中心としたプロジェクト・チームになっていた。作曲は専門家に依頼したが、作詞は坂井さん自身が手がけ、プロデュースや編曲にも全面的に参加していた。坂井さんは女性シンガー・ソングライターと呼ばれている。

 ここで注目すべきなのは、女性シンガー・ソングライターとしての坂井さんの位置付けだ。坂井さんは「美人シンガー・ソングライター」の草分けと呼ばれている。歌手デビュー前はグラビア・モデルやレース・クイーンとして活躍するほど、アイドルとしても通用していた坂井さんの美しさに、「シンガー・ソングライター」という一見何の関係もなさそうな肩書きが付いた。

 その結果は、ZARDのCD売り上げがはっきり示している。シングルCD1745万枚、アルバム1870万枚、計3615万枚を売り上げた。アイドルが得意とするシングルと、アーティストが得意とするアルバムの売り上げがほぼ同じなのだ。

 アイドル性とアーティスト的な位置付けの結合は、男性の関心と女性の憧れを同時に得て、超大型の新市場を開拓した。大塚愛やYUIといった、後に登場した女性シンガー・ソングライターたちは、皆ZARDの美人シンガー・ソングライター路線に沿ったものだ。

 もちろん、こうしたことに対する反発も少なくない。アーティストでさえ容姿で評価されるという現実は、ビジュアル時代の歪曲(わいきょく)された現象と言えよう。しかし、ZARDが切り開いたこの路線は、K‐POP界、特に瀕死の状態にある女性ミュージシャン市場にとって、新たなモデルになるのではないか。

 これまでのK‐POP界は、女性ミュージシャンにとってアイドルとアーティストの真っ二つに方向性が分かれていた。この両極端な市場分割が生んだのは、惨憺たる結果だけだった。アイドルとしてプロデュースされた歌手はビジュアルを強調する方向がセクシー路線だけに偏り、「シングルCDを出すごとに露出度が高まる」という戦略に没落した。基本的な歌唱力すらない歌手も続出している。アーティスト系列は音楽的な完成度とは関係なく、「容姿のせいで」実力派と呼ばれながらもだんだん質が下がり、どれも同じようなR&B的な歌い方になってしまった。結局、どちらも妙策にはならず、市場を潰してしまったのだ。

 前記のとおり、ZARDの美人シンガー・ソングライター路線は絶対的な妙策ではない。だが、崩壊寸前の音楽市場に「活(かつ)」を入れるきっかけにはなるだろう。市場の結合は単に1+1の効果ではなく、それ以上の相乗効果を生み出す可能性がある。拡大した市場はスムーズな市場の流れにつながり、スムーズな市場の流れはアイドル産業とアーティスト産業の間でバランスの取れた市場の住み分けにつながる可能性を持っている。

 つまり、坂井さんの死により高まった関心が韓国に本当に示しているのは、一人の美しい女性ミュージシャンを失ったというセンチメンタルな感傷ではなく、新たな市場、新たな概念としての「音楽商品路線」を開拓したシンボル的な人物に関する研究の必要性なのだ。

イ・ムンウォン(大衆文化評論家)

NEWSIS/朝鮮日報JNS

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