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【既に共産主義でも共産国でもない】マルクス「資本論」記述の児童労働【いくつかのブログより】
http://www.asyura2.com/07/asia8/msg/371.html
投稿者 皮肉屋 日時 2007 年 6 月 16 日 11:44:55: 0dIQZfg1bPDtc
 

(回答先: 中国・山西省、児童1000人以上に強制労働=中国紙 [朝鮮日報] 投稿者 white 日時 2007 年 6 月 16 日 11:15:03)

http://blogs.dion.ne.jp/sakaicarp/archives/5564180.html
・堺泉北カープ会
広島カープと日本共産党の話を中心に!世の中の事色々書いてま〜す

資本論☆千一夜物語☆第28夜
第一部 資本の生産過程
第三篇 絶対的剰余価値の生産
第八章 労働日
第三節 搾取の法的制限のないイギリスの産業諸部門

前節では労働法によって規制された労働の分析をしたマルクス。この節では工場法の適用範囲外の業種を報告書を元に分析します。
分析には判事や医師などの報告を元にマルクスは告発的に文章を綴ります。
工場法は現代日本の労働基準法のようにあらゆる業種を対象としていたわけでは無く、指定した業種での法律でした。
ですから法規制の対象とならない産業分野がどうなっているか?に目を向けるというわけです。

・・・。ジーザス。
読んでるだけで胸くそ悪くなる話のオンパレードです。日本でも有名な富岡製糸工場がまだ可愛くなる話がいくつも続きます。

@ノッティンガム市のレース製造業。
9歳〜10歳の児童が朝の2時、3時に起こされて働き深夜12時前まで労働している。彼らはやせ細り、表情は無く、人間性は石のように硬化している。

A児童労働調査委員会の報告
9歳のウィリアム=ウッドは働き始めた時は7歳だった。彼ははじめから型運びをした。(重いものの運搬だと思います)彼は週に六日は朝の6時〜夜の9時まで働いた。つまり7歳の少年が15時間労働をしていたという事だ!
また10歳の少年ファーニーハフの言葉
「私はまる一時間を昼食の為に貰えるとは限りません。30分だけの事もしばしばで、木金土曜はいつもそうです。

Bマッチ製造業
1833年にリンを使用してのマッチ製造は始まる。資本論出版当時ですでにマッチ製造業に特有の痙攣病が蔓延する。12時間〜15時間の労働日をリン毒の蔓延した部屋で過ごす。
誰もこの仕事に就きたがらないので、極貧の人間や寡婦などの弱者が就く・・。

その他、壁紙製造、製パン、製陶業、鉄道労働者、仕立て、様々な業種でのありえない報告が続きます。
キーワードは「長時間過密」「児童労働」「労働者の権利は最初から無い」
・・・その結果の短命。

淡々と各分野の人々の言葉を連ねてこの節は終わります。
今、日本では規制緩和の名の下に「新自由主義経済」という現代の野放し資本主義が現われており、自民党はこれを応援しています。マスコミの世論操作の力もあり、規制緩和=良いこと、みたいな受け止めの人も労働者の中にも多いようです。
でも!
野放しにされた資本主義が何をするのか?過去の歴史が実によく教えてくれているのではないでしょうか?

よく「日本人は働くのが好き」という世間的なイメージがありますが、これを読むと「イギリス人も相当働くのが好き」だったんやなあ(もちろん皮肉)となります。
つまり、こういう過去の忌まわしい状態から出発して現在の欧州の労働者保護の法律があるのだと思いました。
そして!
日本は欧州にくらべて産業の近代化が遅かった事もあり、それ故に労働者の団結も欧州よりも遅れていて当たり前です。
法による規制は戦いの道半ばだと思う次第です。

第28夜 完

http://blog.tatsuru.com/2007/01/20_1145.php
・内田樹の研究室
さよならマルクス

教育再生会議の第一次報告案がまとまった。
主な論点は
(1)「ゆとり教育」を見直し、授業時間数を増加
(2)いじめる子どもには「出席停止」措置。体罰に関する基準の見直し。
(3)高校で奉仕活動を必修化。
(4)教員免許制度の厳密な運用で、不適格教員を排除。社会人教員を大量採用。企業から学校へ課外授業講師派遣。
(5)教育委員会、学校を外部評価。
(6)家族や古里の価値を考える機運を効用。
などである。
要するに、「学校の中」と「学校の外」を同じ基準で律するということである。
これまで学校には世間には通用しない「学校だけのルール」があった。
世間は弱肉強食・競争原理のガチンコ・ルールで運営されている(はずである)のに、学校はそうなっていない。
そういうローカル・ルールはなくして、グローバル・スタンダードでいこうじゃないか、ということである。
どこかで聴いたような話である。
そう、これはあのなつかしい「小泉構造改革」「グローバリゼーション」の教育ヴァージョンである。
どうして、学校には学校のルールがあり、それは世間のルールと違っているのか、それには何らかの理由があるのではないか、という疑問は教育再生会議の委員諸君の頭にはどうやら浮かばなかったようである。
どうして公教育制度というものができたのか、それはほんの150年ほど前のことであるが、その理由をみなさんすっかりご失念のようである。
公教育制度ができたのは、弱肉強食・競争原理「世間のルール」から子どもを守るためである。
委員のみなさんは『資本論』という本を読んだことがおありだろうか。
19世紀なかばのイギリスの児童労働状況について、マルクスはあるレポートを引用している。
「1866年の児童労働調査委員会の最終報告にはこう書かれている。『不幸にして証言全体から明らかになることは、男女の子供を、誰にもましてまず親から守る必要があるということである。』児童労働一般、そしてとくに家内労働を際限なく搾取するシステムは『幼く弱い子供たちに対して、親が自制心も節度もなく身勝手で容赦ない権力を行使することによって維持されている。』」
ランカシャの工場での児童労働については次のようなレポートをマルクスは引いている。
「幼い児童の小さくて器用な指がなによりも要求されたので、すぐにロンドン、バーミンガム、その他のあちこちの教区の救貧院から、徒弟を連れ出す習慣ができあがった。幾千も幾千もの幼い寄る辺なき子供たちが北部に送り出されたのであって、その年齢は七歳から十三歳ないし十四歳までであった。雇い主は、自分の徒弟たちに委嘱を与え、工場付近の『徒弟小屋』に泊まらせるのが慣わしであった。仕事を監視するために、監視人がおかれた。彼らの関心は児童を極度に酷使することにあった。(・・・)多くの工場地帯、ことにおそらくランカシャでは、こうして工場主に委ねられた無邪気で孤独な児童たちに、最も凄惨な虐待が加えられた。彼らは過度の労働によって死の淵まで追いやられた。」(『資本論』第一巻)
明治維新の頃のイギリスの話である。
1857年におけるリヴァプールの有産階級の平均寿命は35年、労働者の平均寿命は15年であった。
これはもちろん幼児死亡率が高かったせいもあるが、それにしても労働者は若死にしたのである。
マルクスを「資本は生きた労働を吸い取ってはじめて活気づく吸血鬼である」という反資本主義の論へ導いた動機の一つはこの児童労働の実態を前にしたときの彼の憤りであった。
公教育制度が導入されたのも、それと同じ理由からである。
それは「子供を、誰にもましてまず親から守る」ために創られた。
「親」というのは「世間のルール」のことである。
自分の子供を「商品」とみなし、それにどのような「付加価値」を与えれば、「労働市場」でどれだけの値段で売れるかを優先的に配慮するような意識のありようのことである。
公教育の第一の存在理由はそのような弱肉強食の競争原理から子供を守ることであったし、今もそうであると私は思っている。
教育再生会議の結論は、それとは逆に、学校教育の中に競争原理を導入するということである。
子供も教師も教育コンテンツも、すべてを「商品」として「市場」の中で競合させ、コストパフォーマンスのよいものだけが生き残り、そうでないものは「廃棄」される。
国内のすべてのシステムをグローバル資本主義に合わせて再構築しなければ、国際競争に勝ち抜けないというのがその論拠である。
だが、すべての国家を「市場」の中で競争させ、コストパフォーマンスのよいものだけが生き残り、そうでないものは「廃棄」されるというルールは誰が作って、誰が了承したのであろうか?
そのルールを国際基準にすることによって、いったい誰がどのような利益を得るのであろう?
そういう問いを立てる知的習慣はもう日本のエスタブリッシュメントにはない。
教育再生会議の報告を読んで、日本人がマルクスを読む習慣をほんとうに失ってしまったのだということがわかった。

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