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【参考】米国務省人権関連報告における日本への言及【リンク付き】
http://www.asyura2.com/07/asia8/msg/524.html
投稿者 一市民 日時 2007 年 7 月 01 日 12:35:10: ya1mGpcrMdyAE
 

(回答先: Re: スーダンでの虐殺問題や人権問題でアメリカ議会は何十回も非難決議を出しているのに、全て無視する中国。 投稿者 ペッパーランチ 日時 2007 年 6 月 30 日 18:17:56)

http://www.hurights.or.jp/news/0706/b15.html
米国務省の「2007年人身売買報告書」公表される
〜日本の外国人研修生制度の問題指摘

  米国務省は、世界各国の性的搾取や強制労働などを目的とした人身売買に関する年次報告書を作成していますが、07年6月12日に2007年版を発表しました。07年版は、151カ国・地域を対象に、加害者訴追、被害者保護、予防の3要素を柱として、(1)米国「人身売買被害者保護法」に基づく最低限の基準を十分に満たしている(第一分類、28カ国・地域) (2)同基準を十分には満たしていないが、それらを満たすためにかなり努力している(第二分類、75カ国) (3)同基準を満たすためにかなり努力している一方で、成果が出ていないなど(第二分類の監視対象、32カ国・地域) (4)同基準を満たしておらず、改善努力もしていない(第三分類、16カ国)の4段階で評価しています。
  それらに加え、情報不足などを理由にランク付けしていない13カ国に関する情報、およびこれまで対象外とされてきた米国の状況に関しても報告されています。
 日本は、2005年以降3年続けて第二分類にランクされました。内容としては、低賃金や酷使など数々の人権侵害が明らかになってきた外国人研修・技能実習制度の問題が今回初めて取り上げられ、強制労働の状況に置かれている労働者の状況把握や問題解決などを指摘しています。
 また、例年同様に、中国、韓国、東南アジア、東欧、ロシア、ラテン・アメリカから性的搾取を目的に女性や子どもが人身売買されていたり、人身売買のメカニズムとしての偽装結婚などに加え、日本人の少女や女性が国内で商業的・性的搾取を受けていることが問題であるとしています。さらに、児童ポルノの購入・所持が日本では犯罪化されていないことの問題点が指摘されています。
  日本政府は、人身売買の被害者へのカウンセリングを提供するためにNGOが運営する専門的なシェルターと密接に連携をとるとともに、日本人の男性旅行者による子ども買春ツアーを防止するために、これまで以上に資源を投入すべきである、と勧告しています。
 同様に、アジア・太平洋地域の多くの国々は、第二分類にランクされています。しかし、マレーシアは商業的・性的搾取を目的に、おもにインドネシア、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナム、ビルマ、中国などの女性や子どもの受入国、中継国となっているものの、解決に向けて目立った努力をしていないとして、 06年の第二分類の監視対象から今回は第三分類へとランクを下げられました。

出所:報告書の全文 Trafficking in Persons Report 2007 (英語)

参照:
・2006年のフィリピンから興行資格での入国者数は8,600人に激減 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ (2007年2月)
・2006年は47人が人身取引の被害者として保護-法務省 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ (2007年3月)
・日本は第2分類-米国の「2006年人身売買報告書」 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ (2006年6月)

http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20040615-50.html
(駐日米国大使館のサイトより)
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

2004年人身売買報告書(抜粋)

国務省人身売買監視対策室

2004年6月14日

(下記は、国務省発表の2004年人身売買報告書から日本の項目を抜粋した仮翻訳です。)

日本(第2階層監視リスト)

 日本は、アジア、中南米、および東ヨーロッパから、強制労働や性的搾取のために売買される女性や子供の目的国となっている。また、アジアおよび中南米の男性が、犯罪、労働、性的搾取などのために日本へ密入国させられるケースもある。日本における人身売買は大きな問題であり、国際的に活動をする日本の組織犯罪集団(ヤクザ)が関与している。日本政府は、国内におけるこの深刻な人権犯罪に取り組むために人的資源や資金を十分に活用し始めなければならない。

 日本政府は、人身売買撲滅のための最低基準を十分には満たしていないが、満たすべく相当な努力をしている。日本が第2階層監視リストに入っている理由は、日本が今後1年間で追加的な措置を取ることによって最低基準を満たすよう努力しているためである。日本政府は、人身売買犯罪の捜査、起訴件数を増やし、より多くの有罪判決を下し、そして被害者支援を改善するなど、深刻な人身売買問題と闘う取り組みを強化する必要がある。日本政府は、日本の人身売買の背後にいる組織犯罪の大物・重要人物を起訴する努力を続けるべきである。日本政府は人身売買防止のための国際的プログラムや国際会議に対する支援を行ってきたが、日本が持つ人的資源や資金を考慮すると、日本は、性的奴隷となっている多数の被害者を保護するためになし得ることは多い。日本は、人身売買防止法案の検討を急ぎ、人身売買に関連する懲罰を、そうした深刻な犯罪に相応するものにしなければならない。

起訴

 日本には、人身売買を防止するための包括的な法律がなく、最近まで、人身売買防止の取り組みを統合する明確な政策もなかった。日本の総理大臣と内閣は、人身売買問題に取り組むために官僚の人的資源を動員すべく多大な努力をし、2004年3月、人身売買防止に取り組む省庁間横断の委員会統括者として、政府高官を調整役とした。日本政府は現在、刑法および労働法、入国管理法、児童福祉法、児童保護法などさまざまな法律を適用し、人身売買に関連する起訴を行っているが、その数は限られている。これらの法律では、10年以下の懲役刑および高額の罰金が規定されているが、これまで実際に科された刑罰は、それよりはるかに軽いものであった。日本の人身売買対策の法規を改善するための法案作成の作業が進行中である。警察庁は、各都道府県警に対して、人身売買業者に対する法的処置を強化すること、疑わしい場所や組織犯罪とのつながりの可能性を調査すること、人身売買された可能性のある外国人が売春で逮捕された場合にはそれを報告すること、女性の被害者からの事情聴取は女性警察官が行うこと、そして必要に応じてカウンセリングと医療援助を提供すること、を! 指示した。2004年初めには、こうした人身売買防止活動を遂行するため、警察内に組織犯罪対策部が設置された。

 警察庁は昨年、人身売買関連の罪で41人を逮捕したが、そのうち8人が人身売買業者であった。これらの逮捕者のうち36人が有罪判決を受け、その結果14人が懲役刑、17人が罰金刑、そして5人が罰金と懲役刑を科された。2003年2月、17の道府県警と警視庁がストリップクラブ24カ所を一斉摘発し、人身売買の被害者68人を救出した。また、警察庁は、16件の多国間捜査に参加した。通常被害者が人身売買業者に対する捜査または起訴に関わるよう働きかけられることはなかったが、入国管理局は、被害者の適切な扱いと事情聴取を含め、担当者用の研修プログラムの改良を進めている。また、人身売買の主な送出国から日本に入国する旅行者の審査を強化し、人身売買業者が被害者を日本へ入国させるために使うことの多い興行ビザの発給基準を厳しくするための取り組みも行われている。

保護

 過去1年間にわたって日本政府は、性的奴隷の被害者に対して、法的な助言や、精神的または財政的支援を、ほとんど提供してこなかった。通常、被害者は、不法滞在者として強制送還される。今年、日本政府は、被害者を直ちに強制送還できる犯罪者としては扱わないという行政決定を下した。被害者に短期の猶予期間を与えることによって、政府は人身売買業者に対する起訴のための立件の準備ができる。一部の被害者は、強制送還される前に、不法滞在者のための拘留施設に一時的に収容される。暴力行為の被害者である女性や、人身売買の被害者である外国人は、各都道府県にある政府のシェルターを利用することができるが、人身売買の外国人被害者は、入国管理局の収容施設へ送られ強制送還されることを恐れて、こうしたシェルターをほとんど利用していない。東京都と神奈川県は、東京および横浜で人身売買被害者のためのシェルターを運営する非政府組織を支援するため、少額の資金提供を行っている。日本政府は、シェルターや非政府組織を支援する新たな手段を検討している。

防止

 内閣府は2003年に、女性に対する暴力と人身売買問題に対する国民の意識を高める運動を実施した。また警察庁は、人身売買に対する警察の認識を高めるために、人身売買に関する教育用ビデオを制作し、すべての警察署に配布した。しかし、人身売買被害者に対する国内の需要を減らす努力はほとんどなされていない。2004年には、人身売買被害者の主な送出国であるコロンビアの国民に対して、興行ビザ発給基準と入国管理手続きの強化が実施された。日本政府は、貧困を軽減し、人身売買の危険性に対する意識を高め、さらに女性のための他の経済的機会を推進するため、国連児童基金(ユニセフ)、国際労働機関(ILO)、国連開発計画(UNDP)、およびフィリピン政府に対して、300万ドルを提供した。


http://subsite.icu.ac.jp/cgs/article/0504008j.html
(国際基督教大学ジェンダー研究センターのサイトより)
記事ID:0504008 更新:2005/05/17
人身売買「監視対象国」日本の対応
ICU学部 : 清水雄大

米国務省が2月に発表した世界の人権状況に関する報告書は、日本におけるトラフィッキング(人身売買)の深刻さを浮き彫りにした。報告書は、タイ、フィリピンなど東南アジアをはじめとする世界中の女性や子どもが、年間20万人のペースで、性的搾取や強制労働の目的で日本に「密輸」されていると指摘。日本を先進国で唯一の人身売買「監視対象国」とした昨年6月の別の報告書に続き、政府の対応を厳しく批判した。

国際社会の反・人身売買の潮流に同調する形で、政府は「人身売買罪」の新設を今国会に諮るなど対策を進めつつある。こうした動きは一定の評価ができる一方、人身売買発生の根本原因とも言える、日本の移民政策の二重性に焦点が当たっていない点が問題である。表面上外国人労働者を拒みながら、実際は社会の底辺を彼らに支えられているという構造が改善されない限り、人身売買問題が解消されることはないだろう。

母国で貧しさに窮している女性を日本でいい仕事があるなどと言葉巧みに誘い、運び屋が偽造パスポートなどを駆使し日本に移送。暴力団などに監禁された後、風俗店などに売り渡され、移送料などの名目で平均300〜500万円の借金を背負わされる。被害者はどのくらい返済したのかも知らされることなく、別の店へ次々と「転売」され、性労働を強制され続ける-----米国務省が2月に発表した人権状況に関する2005年度国別年次報告書は、日本におけるトラフィッキング(人身売買)の深刻さを浮き彫りにした。

報告書は、タイ、フィリピンをはじめとする東南アジアや、東欧、南米など世界中の女性や子どもが、性的搾取や強制労働の目的で日本に「密輸」されていると指摘している。正確な統計はないものの、一説によると、その被害者数は年間 20万人にも上るという。また、報告書は、その人権侵害の深刻さに比して日本政府の対応は十分ではないと批判。当局は、保護すべき対象であるはずの人身売買の被害者を、「不法」な入国者だとして逮捕・強制送還する対応に始終しているという。母国で貧困に喘ぎ、日本で性産業の雇い主に搾取されたあげく、日本政府や日本人に冷たくあしらわれる被害者は、まさに四面楚歌の状況である。

国際社会では、2000年に「人の密輸議定書」を含む「国際組織犯罪防止条約」が国連総会で採択されるなど、反・人身売買の潮流が生まれているが、日本はその条約に署名こそしたものの未だ批准していない。また、人身売買防止のための法整備や被害者保護の状況に関する昨年6月の米国務省報告において、日本は、G7の中では唯一の「分類2」(3段階中の2番目)に指定されるばかりか、その中でも「分類3」に転落する危険性のある「監視対象国」42カ国中の一国とされている。「分類3」は、人身売買防止・被害者保護の基準を満たす努力すらしていないため米国による経済制裁の対象となり得るというような分類であり、北朝鮮やキューバなどわずか10カ国が指定されるのみである。

このような国際社会からの非難を受け、日本政府は、労働基準法や出入国管理法などの現行法の運用を強化したり、被害者をすぐには強制送還しないという方針を打ち出したり、「人身売買罪」を新設する刑法改正案を今国会に提出したりするなど、ようやく重い腰をあげ始めた。これらの対策を進めることで国際社会の要望に答え、上記条約の早期批准・発効を目指すことがまず必要である。

しかし、日本の人身売買の深刻さの根本原因は、移民政策および経済体系の二重性にあるように思える。すなわち、表面上は外国人労働者の移民を厳しく制限しているにもかかわらず、実際には、「不法」滞在の外国人がいわゆる3K労働を担う最底辺とも言うべき階層を構成し、日本経済を支えているという矛盾である。その二重性がより多くの「不法」な労働者を欲するため、それを介在することで利益を得ようとする犯罪集団が発生し、人身売買による強制労働・性的搾取の憂き目にあう被害者が生まれているというのが実態ではないだろうか。

私自身もわが国の人身売買の実情を今まで認識しておらず、調べてみてまさかこんな非人道的なことが今も起こっているのかと愕然としたものであるが、それと同様に、人身売買の被害や外国人の不当な労働環境などの現状は、日本国民に認識されていないものと推測される。近年の人口変動や社会環境などの状況から見れば、日本の経済体系から移民を全て排除するということは不可能な選択肢であるというのが通説となっており、まずは、外国人労働者の過酷な現状をよく見つめ、その上で共生の道を探るべきではないだろうか。

もちろんその過程で、ジェンダーの視点から、女性が性産業への従事を強いられるという社会構造の見直しも欠かせないということは言うまでもない。昨年12月に行われたジェンダー法学会でも人身売買はトピックとして取り上げられ、熱い議論が交わされたが、今後も議論を深めていく必要があるだろう。

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