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【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】 [ゲンダイ]
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投稿者 white 日時 2007 年 4 月 12 日 01:14:39: QYBiAyr6jr5Ac
 

□【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】 [ゲンダイ]

▽使い方守らず「弁償しろ!」

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31090

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月19日 掲載

使い方守らず「弁償しろ!」

 私は大手百貨店に34年間在籍し、そのうち8年間は「お客様相談室」を担当しました。その間に処理したクレーム数は約1300件。真っ当なものもありますが、ここに紹介する理不尽極まりないものもかなりありました。悪質なクレーマーは今もどこかの店を狙っています。
「おまえは帰れ!」
 いきなり大声で怒鳴られました。
 代替品を持参してないというのだ。怒鳴られた係長も私も唖然。そんな約束はしていないのだ。さらに大声で、「すぐに会社に戻り持って来い」「それを待つ間、自分の時間が無駄になるので、ここに1万円置け」と言うのだ。“授業料”だそうである。
 数多くのクレームを処理してきた私も、その論法は初めて聞く。理屈は分からないでもないが、正常とは思えない。
 この男、70歳に近く、無職で小さな平屋に奥さんと2人で住んでいて、過去の事業の栄光を再三口にする。
 トラブルは「言った、言わない」に端を発した苦情だが、男はクレーマーであり、狙いは弁償代金か慰謝料だ。
 中身は、「卓上水コンロ」の受け皿に水を入れずに使ったため、伝わった熱でテーブルの塗料が少し変色。男は販売員が「使い方を説明しなかった」からだと絡んでいる。
 確かに販売員も間違うことはある。しかし、担当した販売員は売り場の責任者で、何よりもそのときのやりとりをしっかり覚えていた。

 最初の訪問では、この不始末をどう対処するのかと、こちらの対応力を探る感じだった。男は話の中で、他店ではクレームにどう対応したかを羅列し、自分は“いつも正しく販売員の教育をしている”と自慢する。
 こう言われたら折れるわけにはいかない。また、悪質なので、今後のご来店を遠慮願いたい人だ。途中で、脅かしのつもりか、「最初からの経緯、あなたの対応、そして誠意のない態度をすべて書いた手紙を社長に送る。あなたは職を失う」と繰り返す。
 2度目の訪問も接点が見いだせず物別れに終わり、「あなたは誠意が足らないし、私の困った点も理解が足らないので、担当を代わってほしい」と要求してきた。
 これもクレーマーが自分の思い通りに進まないとよく使う手だ。人を代えれば、要求が通りやすいと踏んでいる。
 男の家には3カ月で合計6回訪問したが、歩み寄りはなく対応を打ち切った。トラブルから1年後、男から社長あてに手紙が届いたが、詳細はすべて報告しており、会社も対応することはなかった。

◆せきね・しんいち 69年から03年8月まで大手百貨店に在職。昨年10月に自らの体験を元にした「苦情学」(恒文社)を出版。現在、苦情・クレーム対応アドバイザー。


▽「夜9時に説明に来て」と言い出した20代OL

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31109

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月20日 掲載
「夜9時に説明に来て」と言い出した20代OL

イスを持ち出し玄関先で延々2時間半

「指輪のサイズ調整ができ上がりました。ご都合のよいときにご来店ください」
 販売担当者は2回目の連絡をした。商品は婚約用のペアリングである。
 これに対し苦情が入った。
「彼がフランスに出張中で一緒に取りに行けないことを知っているのに、なぜ何回も取りに来いと意地悪するのか。説明にきてください」と20代のOLからの電話だった。
 訪問日時を確認すると「明日の夜9時にしてください」と常識外の時間を指定してきた。
 顧客の詳細を接客した販売員に聞いてみると、感情の起伏が激しく、女性には敵対的な態度や言葉で接し、男性には普通に話すという。クレーマーは男性が圧倒的に多く、女性は珍しい。
 訪問は夜遅いため、女性係長ひとりでは不用心であり、付き添いで同伴した。
 延々2時間半のやりとりは、同じことの繰り返しと自分が勤めている会社の自慢だった。
 当方としては失礼を詫(わ)びたが、その光景は異常だった。説明は玄関で行った。説明を受ける彼女は、私たちの訪問と同時に一度部屋に消え、椅子を持ち出し自分だけ腰掛けて話を聞いた。私たちは寒い玄関で立ったままである。
 その夜のお詫びで気が済んだのか、後日、女性はひとりで来店し、ペアリングを持ち帰ったが、売り場は戦々恐々だった。
 これで一件落着と思っていたら、2週間後、“大事件”に発展する。
「フランスにいる彼の元に私の方の指輪を郵送してしまった。何で間違えるような意地悪をするの。せっかく2人で時間を合わせて指輪の箱を開封しようと決めたのに台無しになった」
 唖然としたのは店側である。こじれたお客さまであり、間違いのないように男女別に印をつけたケースにそれぞれ指輪を収めた。しかし、女性は「そんなマークは付いていなかった」と主張する。クレーマーは自分の過失を平然と販売員に転嫁するのも特徴だ。
 百貨店としては、間違いがなかったことを証明するのは難しい。説明を続けるより、現状をどうするかを女性と話し合ったが、全責任は百貨店側にあると言い張る。フランスの配送業者と自社の配送関係者の協力を得て、何とか交換にこぎつけたのは、事件が発生して10日後。指輪が手元に届いたはずだが、クレーマーからはなしのつぶてで、その後、店に見えても何事もなかったような態度だったという。


▽難クセつけブランド品と交換させた大手企業40歳社員

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31128

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月22日 掲載
難クセつけブランド品と交換させた大手企業40歳社員

ちゃっかり高速道路代金も要求

「不良品の交換に来いと言われた。いま高速道路を車で走っている。30分後に到着するから駐車場を用意しておけ」
 これがクレーマーの第一声だった。
「いま着いた」。プツッと携帯電話は切れた。ナンバーディスプレーに表示された電話に折り返す。「今、どちらの駐車場ですか」「西だ!」。プツッとまた切れた。急いで西駐車場に向かう。入り口に大柄な男が立っている。
「松尾様ですか」
「そうだ、あんたは」
 名刺を出しながら初対面の挨拶をした。この男、子どもと奥さんの3人家族で、大手企業に勤めている40歳。県下で有名なクレーマーだと知るのは後のことだ。
 話が始まった。
「おたくの係長が不良品の交換に来いというので来た。なぜ客が持参しなくてはならないのか説明しろ」
「こちら方面に来る予定がございますか」と言った係長の言葉の揚げ足を取っている。「これだ」と言い、男性用スカーフを出した。商品にはかすかな織りムラがある。普通は気が付かない程度だ。
 私は来店までの30分間じっと待っていたわけではない。このクレーマーを知る社員の情報で、紳士服売り場の担当者が商品を売ったと聞いて、さっそく確認した。
 男は1週間前に問題のスカーフを買ったが、その際、「こっちのにも同じような柄があるのか」と高級ブランド品を手に取っていたのを店員が見ていた。狙いは商品交換だと察した。最初の電話で「高速道路を……」とわざわざ話したのは、暗に高速道路代金を請求しているのである。
 クレーマーはしばらく代替品を探したが、「気に入った物がない」と言う。
 そこで、何も知らぬふりをして「別のブランド品にはありませんか」と誘いをかけると、「エッ、そっちと交換ができるの」と一瞬、笑みを浮かべた。
 客は狙ったスカーフと交換したが、高速代金は受け取らない。領収書が片道しかないからだ。
 帰り際、男の前で係長への指導をやらされ、やっと解放されたが、このまま終わらないと直感した。
 案の定、1時間後、「家に帰ったら家族が居ない。あの係長のせいだ、謝罪に来い」と電話が入る。これは「高速代金の受け取り準備ができた」というシグナルだと思った。
 自宅を訪問し、40分ほど会話を交わした後、隣の部屋から戻ったクレーマーは、やはり2枚の高速代金の領収書を手にしていた。


▽酔っ払って絡む57歳の地方公務員

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31140

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月23日 掲載
酔っ払って絡む57歳の地方公務員

オレがまだいるのに正面ドアを閉めた!

 そのクレーマーは、閉店10分前に来た。男が起こした過去のもめ事はすでに把握していたが、初対面である。
 この男、つい最近も、閉店時間は過ぎたが、自分がまだいるのに正面ドアを施錠しようとするとは何事かとガードマンとやり合った。そのとき、少し酔っていた。
 クレーマーは57歳の地方公務員だ。
 まず挨拶した。
「お客様相談室の関根です。何かございましたか」
 男は椅子に掛けたまま、顔だけこちらに向け「私はあなたを知りません」と言い放った。ここでひるんだら相手のペースにはまる。
「申し訳ございませんが、私もお客さまを存じあげません。今日初めてでございます」
 男はあっけに取られた。
「あなたもここに掛けなさい」
「申し訳ございません。まだ営業中ですので、お客さま用の椅子に腰掛けるわけには参りません」
 腰を折った姿勢のままで、男に顔を寄せて話を伺った。

 男はもめたガードマンの横柄な態度などをブチまけた。あの時は“お客様相談室長”が出向いても収まらず、建物を管理する第三セクターの責任者まで同行し謝罪した経緯がある。
 男は閉店時間を過ぎても帰る様子はない。ここで気付いた。そうか、今日は事件後、百貨店側の管理が徹底されているかどうか確認しにきたのだ。
 男にはこんなトラブルもあった。買い物をした手提げ袋に催事の案内チラシが入っていた。その時も「客の意見も聞かずにチラシを入れたのはけしからん」と30分も抗議した。
 また、問題を起こしたガードマンがいまもいるのは「どういうことか、説明しろ」と絡む。
 閉店から延々50分もしゃべった。過去の非礼を詫(わ)びた私に対して「よく分かりました。これからもよろしくお願いします」と立ち上がった。
「ところで私の出口はどこですか」
「正面の出口ですが、何か」
 彼は苦笑した。
 今回の訪問の意味を察知した後、隣にいた部下に耳打ちし、正面出口を閉めぬよう命じた。そのまま消灯・施錠してしまっていたら男からまた猛烈なクレームを付けられていただろう。
 そう思ったら、冷や汗が出た。


▽「毛皮が虫食っていた」と60代のご婦人

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31171

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月26日 掲載
「毛皮が虫食っていた」と60代のご婦人

買ったのは2年も前…

 購入した30万円の毛皮を持参した上品なご婦人は60代後半。
「毛皮は2年前に買ったものだが、昨日洋服ダンスから出したら虫に食われていた。どうしてこうなったのか説明してほしい。それとすぐに直してください」
 虫食いは持ち主の責任だが、女性は自分のミスを認めようとしない。
 売り場責任者が対応したが、ラチが明かなかった。このため販売課長が自宅を訪問したが、玄関さえ開けてもらえずガラス越しで話したそうだ。
 その後も、説明するため電話を入れると、「いま消費者センターと話している」とか、「県の行政に話をしているので何も話せない」などと対話を拒否。
 3週間経過した頃、百貨店側に「代金を受け取りに行く」と突然の電話が入った。私の出番である。
 彼女の顔は相当こわばっている。私が挨拶すると、いきなり「こんな簡単な処理にいつまでかかるの」と言った後、「2年しか着ていないのだから、弁償するか虫食いをちゃんと修復してください」と詰め寄る。
 こういう時は、いきなりの反論は相手の感情を逆なでするだけなので、聞くだけに徹する。女性クレーマーはさらに続けた。
「もともと、その虫は買ったときから付いていたんですよ」
 こう言われたら、今度は対抗しないといけない。慎重に言葉を選び説明を始めた。
「当店では虫食いに関して一切の責任は負いません。虫食いはお客さまの責任です」
 クレーマーの形相がサッと変わる。
「さっきも言ったでしょう、虫は最初から付いていたんですよ」
「お客さま、申し訳ございませんが、販売時に虫が付いていることはございません」
 クレーマーは「なぜ分かるの?」と迫る。
「当社では、お客さまと同じ毛皮が19点売れていますが、虫食いの情報は今のところまったくございません。分かっているのは、いまもお客さま宅の洋服ダンスに虫がいることです。虫はやわらかく質のよい毛を使用した衣料から食べますので、急いでご確認することが大事です」
 顔色が変わり、話は終わった。
 その後、女性から店長あてに「お客さま相談室長は態度が悪い」という内容の手紙がきた。この手のお客さまにはよくある上司へのうっぷん晴らしだ。


▽賞味期限切れの菓子で「腹こわした!」

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31192

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月27日 掲載
賞味期限切れの菓子で「腹こわした!」

65歳の白髪男は保健所員同行

「オタクのお菓子を食べたら腹の具合がおかしくなったので、表示を見たら賞味期限が切れていた、どうなっている」と電話が入った。食品の苦情ではよくあるケースだ。
 男に対応したのは現場の係長で、客の要請で取引先の所長も同席した。相手は市営団地に住む65歳。
 この席で男は、一方的に管理の不備を攻めたて何の進展もなかったが、体調を崩していないことだけは分かった。
 後日、課長が男の家に出向いた。実はここでミスを犯す。初回で見せた相手のけんまくにおののいて、取引先と話し合い、お詫びとして代金に見合った現金を差し出したのだ。これは社則に反する。
 白髪のクレーマーは、攻勢に出て食品衛生法を引用し揺さぶる。揚げ句のはてに、後日、保健所員を同行して店頭点検を行った。
 ここに至り、店長からお客様相談室に「助けて」と泣きが入る。詳細を確認すると、クレーマーはもらった贈答品のお菓子を2週間手元に置いていたのだ。これでは販売側に非はない。なぜ対応したのか疑問だ。またまずいことに新人を担当させた。
 クレーマーはくみしやすしと見て、慰謝料の引き上げのため焦らし作戦に出た。数回訪問したが、歩み寄りはなかった。

 すでに騒動発生から40日が過ぎていた。店長には「私のやり方でよいですか」と告げた。
「任せる」
 まずクレーマーに担当が代わったので、ご挨拶の電話をし、翌日、百貨店で会うことになった。
 当日は先任担当者と一緒に席に着いた。
 担当者と男が話し合い、私は隣で聞きながら経緯を再確認する。
 2時間30分が過ぎた。私は初めて口を切った。
「当社はお客さまへの対応は必要ではないと考えます」
 クレーマーの形相が変わる。
「何を言っているのか」
「当社で購入いただいたお客さまと話をします」
「お前は不愉快だ。帰る」
 賞味期限の切れたお菓子を持って立ち上がった。
「お待ちください、ここで帰れば今後の対応を打ち切ります」
 翌日電話をいただくことで話は終わった。
 男は電話をしてきたが、対応する必要がないことを繰り返した。これで一件落着した。


▽担当者不在を狙う高級ブランド詐欺師

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31224

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月28日 掲載
担当者不在を狙う高級ブランド詐欺師

2年前のメガネ代金返せ

 高級ブランドのジャケットとパンツ、エルメスの大型バッグ、靴はフェラガモで身を包んだ中年男が来た。
 この客は2年前、東京の本店で購入したダンヒルのメガネフレームを支店で返品したいと要求してきた。男は本店に確認したら、返金を受けてくれるのは本店ではなくこちらの店でと言われたという。通常、百貨店はそんな対応はしない。しかも2年前ということは、領収証はすでにないと言っているようなものだ。この手合いは、何とか短時間に“詐欺”を終えたいので些細(ささい)なことで声を荒らげたり、恐喝めいた言葉を口にする。
 こうした時は、相手のペースに乗ってはダメ。しかし怪しい客であっても、いきなり拒否はできないのがサービス業のつらいところである。
「失礼ですが、本店に確認します。誰にお聞きになりましたか」
「昨日、金子さんという男に確認した」
 さっそく本店に電話を入れたら、「金子は本日休みです」と言われた。さすがはプロだ。その名前の社員は存在するし、休みで話が進まないことも確認済み。私は慌てることなくメモで部下に指示した。
〈このフレームは何本売れているか、購入者の名前が分かるか確認しろ〉
 再び男と話を続ける。なかなか対応しないのでそわそわしだした。そして周りにガードマンを配備。さらに保安課員も待機させた。それを察したクレーマーは目の動きが速くなる。

 本店から返事が来た。
〈この5年で16本売れているが、その名前の該当者はいない〉
 ここで切り返す。
「お客さま、お店をお間違えではないですか」
「何でだ」
「本店には黒田様のお名前でのご購入記録がございません」
「そんなはずはない」
「間違いございません」
 私がガードマンや保安課員に目配せしていることに気付くと、さらにそわそわする。時間にして30分弱、「今日は予定があるので、また来る」と慌てて立ち去った。
 ところが1週間後、クレーマーは「返品に行った際の交通費を支払うと、○×支店のお客様相談室の関根から聞いたので取りに来た」と別の支店に現れた。
 その日は通常なら私は休みだったが、たまたま出社していた。支店からの問い合わせに、そんな約束はしていないと返事をし、被害を防止できた。それにしても詐欺師の手口は巧妙だ。


▽話し相手が欲しかったリタイア管理職

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31240

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月29日 掲載
話し相手が欲しかったリタイア管理職

難題ふっかけ延々100分

 その男のクレームは異様だった。説明のため出向いた課長に対して「あなたの身分は何だ」「課長です」「それではダメだ」と一蹴した。
 苦情の中身は、購入した3000円の半袖シャツを自宅で洗濯したら縮んだという。シャツを預かり、検査して許容範囲内の縮みだったことを2週間後に伝えた。
 そうしたらこんな答えが返ってきた。
「実はクレジットカードで決済したが、検査で商品が手元にない間に銀行口座から代金が引き落とされている。これはおかしい。納得のいく説明をしてほしい」
 さらに「その間に生じた、そちらの利息はどうなるのか」と詰め寄った。とにかく販売課長に何が目的か確認のため、男の家を訪ねてもらったが、帰社した課長からの報告が冒頭の会話だった。
 完全に“絡み客”だ。接客した販売員に男の様子を聞いた。年齢70歳くらい、大柄で紺系統のスーツにノーネクタイ。にこやかで感じはよかったという。
 直感で“話し相手”を求めていると思った。サラリーマン時代は管理職で、部下を指導する立場だったのだろう。
 主な主張は手元に商品がない時に、代金が引き落とされたので、その間の利息分を支払ってほしいということだ。難題をどう解決するか見もの……そんな相手の顔が浮かんだ。
 3000円を3週間預けた利息を計算しても、ロクな金額にならない。意味はなかった。

 私は家を訪問した。玄関を開けて迎えてくれた男性は、恰幅(かつぷく)がよかった。
 招かれた客間のテーブルにはお茶とお菓子が用意されていた。
 それから延々100分も話が続いた。ついには「同化話法」(相手と同じ立場に自分も置き、2人で会社を非難するマジック的話法)を用いて相手に同調した。
 私の説明に納得しないまま時間が経過。そろそろ奥さまが帰ってくる時間らしく、急に態度がソフトになった。彼はサラリーマン時代に部下を叱責した感触を味わったことに満足したのか、「この件は許す」と言った。
 でも、最後に一言発した。「何か狐(きつね)につままれたような感じだな」
 単なる時間つぶしのクレーマーに付き合うのは精神的にヘトヘトになってしまう。
 退職した団塊世代の中からこんな方が出ないことを願っています。


▽「カネ目当て」か「ストレス解消」か見極め

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31266

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年3月30日 掲載
「カネ目当て」か「ストレス解消」か見極め

「うるさい客」はすべて迷惑なのではない

 私は「クレーマー」という言葉をきちんと定義する必要があると思います。一定の条件を決めないと、うるさい客はすべてクレーマーとされる危険性があるからです。
 どう定義するかによって、店側の利益と損害のバランスに大きく影響します。うるさい客でも建設的な意見は、危機管理を突いていることもあり、そこから企業のコンプライアンスにまで及ぶことは、過去の大きな事件でも実証されています。
 私の考えでは、自社の利益よりも営業妨害の方が勝るお客はクレーマーです。
 さて、クレーマーへの対応は、相手で変わります。クレーマーは「金品目的型」と「ストレス解消型」に大別でき、金品目的型はいろいろ手段を変えて臨んできます。狙いを苦情担当者ひとりに絞って、恫喝(どうかつ)したり、同情したり、呼び出したり、不意に来店して長時間居座ったり……。うまくいかないときは、担当者を代えろと要求してきます。
 また、上司や社長の名前を出して揺さぶりをかける。こちらが言いなりにならない場合によく使う手です。
 対策は経過の詳細を会社側にすべて報告することで、動じる必要はありません。しかし金品が目当てである以上、なかなか妥協はしません。
 ストレス解消型の方は、違った意味で厄介です。職場とか生活のうっぷんをぶつけてくる人が多く、店側はむしろ犠牲者です。
 先日大きくモメたのに、今日はにこやかにあいさつする、しかし翌日はすごいけんまく……なんていうことは日常茶飯事。
 表面的な対応ではいつまでも振り回されるばかりです。従って組織は一丸となり、対応に優れたひとりの社員を窓口にすべきです。
 組織が一丸になるということは、どこで誰に聞いても返事は同じだということです。また、場数を踏んだ社員なら、失言やミスする可能性は低い。
 彼が相手の懐に飛び込んで、仕事の中身、家族構成、住まい、性格、癖、趣味、そして「弱点」をつかんだ上で対応していく必要があります。
 金品目的型にしろ、ストレス解消型にしろ、普通のお客さまに矯正するか、あるいは「招かれざるお客」として切り捨てるか――どちらかにします。


▽難クセつけに来られたらどうするか?

 http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=31291

【関根眞一「悪質クレーマー」ホトホト困ってます】
2007年4月2日 掲載
難クセつけに来られたらどうするか?

店員の皆さんにアドバイス

 最終回は被害を最小に食い止めるための対策です。クレーマー担当者を決めても、苦情は現場で発生します。対応が後手に回らないためには、札付きクレーマーが店内に入ったら連絡が入るシステムをつくることです。連絡が入ると同時に、担当者はどこで何が起きてもすぐに駆けつけられるように待機します。
 トラブルが発生したら、販売責任者が対応している間に、他の社員が苦情担当者に連絡します。担当者が到着するまでは、複数で対応し、確実にメモを取る。
 お詫(わ)びのためや呼び出しを受けて訪問することになったら、家族構成を調べるのはもちろん、近所のウワサを聞くこともお忘れなく。
 また、既婚者なら、夫や妻が普通の考えの持ち主かを見極める。親や兄弟と住む独身者の場合、家族で誰が一番“常識人”かをキャッチする。どちらも話がこじれたときの解決の糸口になり得ます。
 クレーマーの癖も承知しておきます。クレーマーは対応の担当者が代わると必ず現れます。そこで口にするのは「前任者は良くやってくれた」です。本当はどうだったかは別として、「だから、あなたも良くしなさい」と牽制するわけです。
 初対面で大事なことは、前任者が仮に規則を曲げて特別に何かやっていることが分かったら、「私になりましたので、今後、その件はお断りします」とくぎを刺す。
 相手が「あの店は対応がなっていない」と漏らしたら、店の名前をしっかりと覚えておく。
 その店に対応を拒否された可能性があり、相談できる心強い味方になるかもしれません。
 金品目的型のクレーマーの背後には仲間がいることが多い。交渉が長引くと、仲間が代理人や仲裁と称して登場してきますが、毅然としてお断りする。ただ、法的に通用する代理人証明があったときだけ受け付ける。
 また、解決を急がすのは、こちらの判断ミスを誘うという魂胆ですから、ペースを乱さないこと。さらに言質をとられないよう十分考えたうえで返事する。
 もし失言したら、ダメもとでいいですから「訂正させてください」と大きめな声で言ってみてください。成功したことがありました。
 最終的には、組織の判断で回答する。そしてそれが最終対応であることをはっきり告げることが大事です。

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