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鈴木邦男:投票と民主主義と私
http://www.asyura2.com/07/bd48/msg/545.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 4 月 23 日 07:22:24: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/2007/shuchou0423.html

(1)婦人も若者もナメられたもんだ!

 投票と民主主義について考えた。真面目に考えた。「一人一票」。これは当たり前で、民主主義の基盤・前提になっている。しかし、以前は、制限選挙だった。身分の高い人や高額納税者だけが選挙できた。それが、25才以上の男子に与えられ、さらに戦後は婦人参政権も認められた。つまり、以前は「25才以下の男」や「婦人」は「一人の人間」に認められなかったのだ。

 婦人参政権も、日本の人民が闘いとったものではない。アメリカから与えられたものだ。「女に参政権なんてとんでもない」と言って反対した人もいた。平成2年の「朝生・日本の右翼」の時だって、「婦人参政権はいらない!」と言っていた右翼の長老がいた。
 でも、戦後、婦人参政権は、すんなりと認められた。「これで保守派の票が増える」と思ったからだ。つまり、「女は夫の言う通りに投票する」と時の政府は思った。だから、「我々の票が二倍になる」と踏んだ。女性は20才頃には結婚するものだと思われてたから、大部分は「妻の票」だ。
 「アメリカさんも粋なことをしてくれる」と喜んだのだ。20才になってまだ結婚してない娘もいる。でも、それは父親の言う通りに投票するだろう。そう思われていた。夫の意志に逆らい、父親の意志に逆らう日本女性などいるはずがない。そう思われたのだ。こうした従順な女性が「大和撫子(やまとなでしこ)」だと思われた。女性もなめられたものだ。
 そして今回の「国民投票法案」。どうも18才以上に投票権を与えるらしい。これだって、「若者は保守的だ」「右傾化している」という前提があってのことだ。若者の票がドット、政権党に入ってくる。いいじやん。という読みだ。そのうち、普通の選挙も「18才以上」にするだろう。その布石ですよ。
 20年前、30年前なら考えられなかった。18才以上にしたら、皆、社会党や共産党に入れちゃう。若者は革新的だから。だから、自民党だって「18才以上」なんて考えもしなかった。でも今は、若者も保守化で、「じゃ、18才以上に与えよう」となったんだ。なめられてるよ。

 ただ、〈誤算〉が一つあった。ネットだ。今回の都知事選を見るがいい。ネットという、この怪物は暴れ回り、ある「特定候補」が大ブレークしたのだ。選管も、これは想定外だった。対策に頭をかかえた。
 「特定候補」というのは勿論、外山恒一氏だ。でも「産経新聞」(4月11日)では、そう書いている。。名前も出したくないのだ。都知事選の連載の中で、ネットのことを取り上げている。タイトルも凄い。

〈売名助長。暴走止められず。
ネット画像に右往左往〉

 あわてぶりがよく分かる。

〈3月29日、特定候補の政見放送をインターネット上の動画サイトで見た都選挙管理委員会の担当者は一瞬、目を疑った。
 「こんな国は滅ぼせ」「選挙なんか多数派のお祭りだ」
 特定候補が繰り返す過激な発言を収録した政見放送をそのまま録画したもののほか、アニメ画像や音声とのコラボレーション。オーケストラのBGM…。コミカルな出来栄えを競うようにいじり回された“もう一つの政見放送”がそこにあった〉

 なるほど、「もう一つの政見放送」か。でも外山氏は全くタッチしてない。誰か分からん人々が勝手にやってるのだ。面白いから取り上げる。それだけだ。支持者もいるだろうが、ただ、からかってる人もいる。これを面白がってる人が皆、支持者なら、何十万票にもなった。いや、もしかしたら、当選したかもしれん。選管は、この「もしかしたら」を考えた。ネットを使って、「大激変」が起こるかもしれない。私も、その「予兆」はある、と見た。

〈公職選挙法は本来、文書や図画の頒布も制限。政見放送も映像を流す回数なども決まっているうえ、ネットを利用した選挙活動は認めてない〉

 だから、石原、浅野も、外山氏もHPは持てない。でも、誰かしらん者が勝手にやる。選管はこれにも文句をつけた。特定候補の政見放送が自由に閲覧できるのは「公平性を欠く」といって、動画の削除を選管は文書で要請した。でも削除しても削除しても、次から次と現われる。モグラたたきだ。
 多分、これからはもっと強権的な対策を考えてくるだろう。選管vsネット。これからどうなるのか。


(2)「公平」「平等」って何だろう

 ここで気になったのは、選管のいう「公平性を欠く」という言葉だ。彼らがそんなことを言う資格があるのか。そう思った。だって選挙の報道を見てみい。全部が全部、「公平性を欠いてる」ではないか。
 民主主義とは、誰だって当選できる。誰だって立候補できる。それが建前だ。でも都知事選に出るには300万が必要だ。供託金が必要だ。この大金を出さなければ、出れない。不公平だ。機会均等ではない。
 この大金は、ほとんど国庫に入る。税金と同じだ。つまり、立候補者たちは、国のために莫大な金を出してくれた「愛国者」たちだ。だったら、その人たちには100%、公平な機会を国は与える義務がある。選管は言うだろう。
 「だからNHKでは政見放送させている。選挙公報も好きに書かせている」…と。
 でも、これを見る人は、ほんの一部だ。政見放送はNHKの夕方4時頃からやっているらしい。いつ誰が出るかも分からん。見逃したからといって、好きな時に見直すこともできん。「政見放送は全部ビデオに録っておけ。そして、キチンと見ろ!」と言ってるようだ。それ位の熱心な人間でなければ投票する資格はない、といっているようだ。
 でも、そんな熱心な有権者はいない。皆、テレビで見て判断する。新聞を見て判断する。このメディアが又、〈不公平〉そのものだ。「こいつは主要候補だ」「こいつは泡沫候補だ」「単なる売名だ」と決めつけて報道する。おいおい、お前らにそんなことを決める権利があるのかよ、と思う。こういうメディアこそ選管は注意すべきじゃないか。警察も選挙違反で逮捕すべきじゃないか。

 具体的に言おう。今回、都知事選に14人が立候補した。テレ朝のサンプロは石原慎太郎、浅野史郎、吉田万三、黒川紀章の4人を呼んで政策論争をさせた。これに対し、ドクター中松は抗議した。「4人だけに限定したのはおかしい。俺も入れろ!」と。これは正しい。他の候補も言うべきだった。
 じゃ、新聞はどうだ。ある新聞では石原、浅野、吉田、黒川の4人を「主要候補」として毎日の選挙運動を報道した。ある新聞では中松も入れて、5人を「主要候補」として報道した。週刊誌やスポーツ新聞は、桜金造や外山恒一を少し報道した。

 つまり、誰を「主要候補」とするかはメディアが勝手に決めている。「こいつは泡沫」だと初めから落選させている。「でも、実際そうじゃないか」という人もいるだろう。石原、浅野、吉田、黒川だけが真面目に選挙しようとして、他はやる気がないし、「売名」だろうと。何となく、そう思ってしまうところが怖い。
 でも、300万という大金を供託金として取るようにしたのは、「泡沫を防ぐため」だった。だったら、300万出し、国の為に金を出した人々は、決して「泡沫」ではない。だから、同じチャンスを与えるべきだ。
 「しっかし、やる気のない人もいるよ」というのなら、それをチェックしたらいい。たとえば300万出してもNHKの政見放送にこなかった人。実は一人いた。これは、「やる気がない」といって落としていい。でも、300万出した人だ。国は(都かな)は、「感謝状」を出したらいい。
 では、あと13人だ。全くポスターを作らない人。これも落としていい。「全く貼ってない奴も多い。こいつらは、やる気ないだろう」と思われるだろう。でも、ポスターを作り、貼ったんだけど人手がなくて貼り切れなかっ、という候補もいる。だから、「一割以上貼らなかった人はダメ」という線引きをしてもいい。そうすると、7人位だ。この7人は、どんな時も公平に出せばいい。サンプロでも他の番組でも、新聞でも…だ。サンプロなどに呼んでも来ない人がいるかもしれん。それは落とす。その上で、完全に平等、公平な「機会」を与える。
 NHKの政見放送も、誰も見てない時間じゃなくて、夜の10時から1時間、全員の放送をやり、そして、順番を変えて、毎日、流す。又、見逃したら、いつでも見れるようにNHKのHPでやる。ネットも全て自由にする。それでこそ、真の民主主義だ。違いますかね。


(3)だから私も立った!

 「東京新聞」(4月11日付)で取材されたんで、そんなことを喋った。「こちら特報部」の「都知事選が映した深層」という特集だ。

「守勢野党、元気なく」
「強者に寄り添う。利害で行動」

と見出しが出ていた。「守勢野党」は私が言ったのだ。

〈「総じて言えるのは現在の改憲問題にも通じることだが、保守派が攻撃的で、左派や野党が防衛一辺倒。本当は左派が『公安警察の廃止』なんて言ってもよいのに、そんな言葉は聞こえない。野党に勢いがない」〉

 そして外山氏の話をした。
 「僕は泡沫扱いだった外山恒一君を応援した。彼はインターネット上では注目されたが、メディアは無視。そんな不平等な扱いも問題」

 300万もの大金を国家に収める「愛国者」たちなんだから、全員、同じチャンスを与えろ。全て平等にしろ。そうしたら、組織も金もない人間でも、いい人間は出れる。それこそ民主主義だろうが。
 15年前、野村秋介さんは「風の会」を立ち上げて、10人の候補を出した。凄い人気だった。もしかしたら、と思った。でもダメだった。しかし、今だったら、確実に当選するだろう。「右翼の代表」が国会にいたら、いいだろう。右翼の事件が起こっても、その議員に聞けばいい。又、議席があるんだから、「もうテロはするな」とも言える。右も左も、言論の場で勝負できる。何なら、参議院は「職能代表」で選んだらいい。右翼、左翼、プロレスラー…各5人の枠にして…。

 そうそう。最後に紹介しとこう。私の「区議選立候補」のポスターだ。ついに選挙に出たんですよ。「やっぱり」と思った人もいたでしょう。これでは、誰が見ても私が出てるようですね。
 まき・やすとも氏は中野区で地道にがんばってます。私も応援してます。「推薦人になってくれ」と言われたので、「僕でよかったら」と快諾しました。選挙のパンフかチラシの最後に、多くの人と一緒に私の名前も出るのだと思いました。
 ところが、ポスターだったのです。ギョッと思いましたが、まァ、これも面白いなと思いました。候補者が、自民が安倍さんと、民主派小沢さんと握手してるポスターがありますね。あんな感じなんでしょう。私はそんな大物ではありませんが。まき氏は熱心だから、中野区中に貼ってます。家の近くのコンビニの横にも貼ってます。ちょっと恥ずかしいです。万引きも出来ません。
 でも、いい記念です。中野区在住の人たちから、「見たよ。出るんですか」「とうとう、出るんですね。頑張って下さい」と言われました。うれしかったです、。「昔、お父さんは選挙に出たんだよ」といつか子供に自慢してやろうと思います。
 「間違って私の名前を書いたらマズイな」と思いましたが、告示になると、このポスターは貼れません。はがして、まき氏個人のポスターになります。それに、掲示板にも、まき氏一人です。投票所もそうです。「あれっ、鈴木の野郎は途中で下りたのかな」と思う人はいるでしょうが。
 何もしないで、「立候補気分」だけ味わいました。楽しかったです。まき氏にも感謝します。

 さて、もう一人、推薦したんです。渋谷区長選の快楽亭ブラックさんです。私は推薦文をしっかり書きました。落語家のブラックさんが当選したら、渋谷は文化の街、芸術の街になる。日本のフィレンツェになると思いました。ブラックさんが当選したら私は渋谷区に引っ越します、と宣言しました。
 でも、ギリギリになって、立たなかったんですね。かわりに宅八郎さんが出ました。宅さんも知り合いです。私が「週刊SPA!」に連載をしてた頃、宅さんも連載してました。でも、小林よしのりさんと喧嘩して、「SPA!」をやめました。あの時は、小林さんもやめました。鶴師編集長もやめました。何とか仲直りさせようと私も必死に説得しましたが、私の力じゃダメでした。そして、しばらくして私の連載も打ち切りになりました。勿体ない話ですね。私はともかく、宅、小林、鶴師…という実力者が「SPA!」を去ったんですから。得をした人は誰もいません。
 その後も宅さんには時々、会いました。それにしても、ここで渋谷区長選に出るとは思いませんでした。想定外の展開でした。

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