★阿修羅♪ > Ψ空耳の丘Ψ50 > 325.html
 ★阿修羅♪
ディズニーランドにはなれない「セカンドライフ」 [IT-PLUS]
http://www.asyura2.com/07/bd50/msg/325.html
投稿者 white 日時 2007 年 8 月 03 日 16:21:27: QYBiAyr6jr5Ac
 

□ディズニーランドにはなれない「セカンドライフ」 [IT-PLUS]

 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000002082007

 http://it.nikkei.co.jp/digital/column/gamescramble.aspx?n=MMITew000002082007&cp=2

ディズニーランドにはなれない「セカンドライフ」

 3次元仮想世界サービス「セカンドライフ」の成功が本当に実体のあるものかどうかという議論が、最近ひそかに交わされ始めた。単純に数字から見ると、セカンドライフは「砂上の楼閣」と言われても仕方のない側面がある。広告宣伝媒体といった視点から見るのであれば、そろそろ冷静に数字を精査してから考えてみてもいいだろう。セカンドライフは、公表されている全体の登録ユーザー数に対して、実際に活動しているアクティブなユーザーの数が驚くほど少ないのだ。(新清士のゲームスクランブル)

■二度とアクセスしないユーザーが大半

 セカンドライフは8月2日時点で853万人の住人(登録ユーザー)を抱えているが、過去60日間にアクセスした人数はそのうち168万人。単純計算では約20%となる。
 一方、公式ページで公開されているデータを見ると、5月末の段階での住人数は686万人だったので、この2カ月で新規住人が約167万人増加したことになる。新規ユーザーは最低でも必ず1回はアクセスするわけだから、ここ60日間のアクセス人数から新規住人の数を引き算をすると、1万人。つまり新規でない住人は60日間でわずか1万人しかログインしていないことになる。
 若干荒い概算とはいえ、過去60日間のアクセスユーザー数がほとんど新規ユーザーで占められているというのは、かなり異常な数値であるといわざる得ない。
 さらに気になる数字がプレミアム会員になっている住人の数だ。月額9.95ドルを支払いプレミアム会員になることで、土地を購入したり自分の作ったオブジェクトを自由に保存したりする権利を持てる。セカンドライフの魅力は自分で創造する楽しさを味わえることにあり、この権利がないと面白くない。
 ところが、このプレミアム会員のユーザー数も増えてない。同じく公式ページのデータによると6月末の段階で9万4607人で、4月末からの2カ月間で約1万1500人しか増えていない。有料で土地を手に入れる権利を持つユーザー数は住人全体の1%余りにすぎない。

■あまりに少ない同時接続者数

 また、一つのゲームにどれぐらいのユーザーが同時にアクセスしているかを示す同時接続者数も、全世界に向けてサービスを展開している割に少ない。セカンドライフを運営する米リンデンラボは公式データを公開してないが、筆者の確認した限りでは2万―4万人の間に収まっている。
 同時接続者数という指標は、現在は必ずしも万能といわれなくなったが、韓国でオンラインゲームの規模を測る際に一つの指標として使われる。大雑把に、この数の10倍のユーザーが、そのゲームに積極的に関わっているとされる。この韓国方式をあてはめると、セカンドライフの実体的なコミュニティーは、実数としては40万人規模ではないかと思われる。全世界でこれだけと考えると本当に少ない。
 セカンドライフには住人が853万人もいるはずのに、この同時接続が4万人というのは、信じられないぐらい少ない数字だ。例えば、韓国NCソフトの大規模オンラインRPG「リネージュ」なら、2002年3月の段階で韓国国内だけで35万人の同時接続者数を記録している。
 国別にサービスを展開しており、台湾でも14万人、日本でも01年末段階で1万人を記録しているので、合計すると50万人に達することになる。韓国国内だけで当時、登録ユーザー数は2300万人で、アクティブなユーザー数は900万人といわれていた。現在でもビジネスモデルは変わっていないが、有料のネットカフェからアクセスするか、家庭でプレーする場合は月額の有料課金制度を使ってアカウントを作成しなければならないにもかかわらずである。
 同時接続者数は、大規模オンラインRPGの元祖「ウルティマオンライン」でも4万5000人、「エバークエスト」で10万人を記録している。どれも月額課金が基本であり、無料のアカウントは取得できない。
 セカンドライフに行ったことのある人はわかるだろうが、他のユーザーとほとんど出会わないことが多いし、店舗などを訪ねてもいつも閑散としている。だが、人がいないのは当たり前なのである。なぜなら話題性から参加する新規ユーザーがどんどん増えているだけで、料金を支払う必要のないユーザーは結局すぐにアクセスしなくなり、定着もしない。そのため、継続的な経済効果についてはかなり怪しいと考えざる得ない部分がある。

■セカンドライフ自体の魅力でなく話題によって支えられる広告効果

 セカンドライフへの企業の出店に伴う広告宣伝効果は、セカンドライフ内だけで生みだされるわけではない。出店コストは、一つの島の初期投資が1675ドルで、維持費が月299ドル。3次元コンテンツの製作コストは別途かかるだろうが、通常のマス広告の出稿料金に比べると安価ではある。企業はテレビや新聞などの媒体に広告を直接出すことなく、「○○社がセカンドライフに出店」とメディアに報じてもらうことで、広告に近しい効果を出せることになるのだ。
 セカンドライフ内で大きなイベントを開催するにしても、1つのエリアには50人程度しか集まれないという技術面で絶望的な制約条件を抱えている。例えばコンサートを開いても、実際のライブのように何千何万ものユーザーが集まって楽しむことはできない。ロックバンドのU2がセカンドライフの中でアバターとしてコンサートを行ったのがかつて話題になったが、セカンドライフ内で実際にライブを見た人よりも、その録画が動画サイトの「YouTube」にアップされそこで視聴した数の方が圧倒的に多い。
 そのため、マスコミがセカンドライフに飽きてセンセーショナルに扱わなくなれば、この構造は当然成り立たなくなる。少なくともこの方法による広告価値は早晩崩れてしまうだろう。
 インタラクティブ性を持ったオンラインのサービスは、よくテーマパークに例えられることが多いが、悪い言い方をすると今のセカンドライフは、地方のテーマパーク的な存在であるといってもいいかもしれない。

 日本のテーマパーク市場は全体で約6000億円、うち東京ディズニーリゾートだけで2800億円で、5割近い数字を占めている。残りを他のすべてのテーマパークが競って争っているという状態だ。TDLが強い理由はいうまでもない。圧倒的なリピーター数の存在である。
 テーマパークといったものは開業の最初の年は話題になるが、だんだんと人数は減少するのが一般的だ。多くのテーマパークにはリピートする理由がない。そのため、常に新規ユーザーを取り込まなければならないという運営上の厳しい課題を抱える。
 今のセカンドライフはそれに似た感じがする。マスコミでは大きく話題として取り上げられるため、1度はアクセスしてみる。しかし、無料ユーザーにできることは基本的に大したことがない。一通り空間のなかを観光してみると満足してしまい、コミュニティーに参加したり、自分でオブジェクトを作成したりというところまでたどり着かず、大半のユーザーは二度とアクセスしない。約100万人の新しいユーザーが毎月訪れ、約100万人のユーザーが二度と来なくなる。それを繰り返しているというのが実体ではないだろうか。

■話題になった日産の島はそんなにおもしろいか

 例えば、北米の日産自動車が作成した島には、自動車の出てくる自動販売機があることが繰り返し報道され話題になったが、果たしてその島は何度も行きたいという魅力のある場所だろうか。出てきた日産の自動車を運転できるといっても、実際の車とはほど遠い動きをするこの車が、本当に車を買いたいと思っている人にとって、そんなに嬉しかったり、参考になったりするだろうか。もちろん、対象となるユーザーは違うといってしまえばそれまでなのだが。
 今週、「Xbox360」用のレースゲーム「フォルツァモータースポーツ2」(マイクロソフト)でプレイできる日産の最新の自動車3台の追加データがネットで配信された。プロモーション的な意味を持たせてあると思われ無料だ。10月に「プレイステーション3(PS3)」用に発売になる「グランツーリスモ5プロローグ」(ソニー・コンピュータエンタテインメント)では、リリースの翌週に開催されるモーターショーで発表になる新型車を収録することが予定されている。

 どちらも本物の車のエンジン音まで再現したシミュレーターである。ユーザーを繰り返しプレイしたいという気にさせるのはどちらだろうか。日産のマーケティングにとって、どちらが価値があるだろうか。
 もちろん、家庭用ゲーム機の場合は、そのゲーム機とソフトを持っていなければ運転できないというハードルはある。しかし、セカンドライフも3次元表示に適した高性能なグラフィックチップを搭載したPCでないと快適にアクセスできず、そうしたPCを持たないユーザーの方が多い。その点でゲーム機との間に大きな差があるとは思えない。

■今後も増加は見込みにくい積極的なユーザー数

 セカンドライフ内での経済活動に、無料のアカウントを取得しているユーザーが参加するようになる可能性は今後も低い。理由は単純で、無料アカウントでアクセスするゲームユーザーはそもそもお金を支払う気がないからだ。
 「オンラインゲーム白書2007」(メディアクリエイト)には、ゲームのポータルサイトなどを利用しているユーザーがそこで月にどの程度支出しているかを調べたデータがある。
 実に79.33%が払ってない。アバター課金を払ってないユーザーを含めた平均客単価は月192円。払っているユーザーだけで計算しても月930円にとどまる。リピート率が低いセカンドライフでは、今後もリンデンドルを購入してまで関わり続けるユーザー数が容易に増えることはないだろうと予想できる。
 アイテム課金型のサービスでは、多額のお金を支払う特定のユーザーに売り上げを依存する傾向がある。今のリンデンドルの経済活動にしても、約1万人の一部のプレミアム住人に集中しているのではないかと推測できる。
 私自身は、セカンドライフが切り開いた可能性を否定したいわけではない。リンデンラボはサーバー側のシステムまでオープンソース化することを明言しており、現状のサービスの形が変わっていくとも予想できる。ただ、今のように広告媒体としての価値ばかりに関心が集まるセカンドライフは何かいびつな状態だと思う。

 そんなに時間を使って、金を払って、広告をわざわざ見るためにセカンドライフにアクセスしたいだろうか? このリピート数の圧倒的な少なさは、ユーザー同士がオブジェクトを作り出すことによる本当の楽しさがどこかに置き忘れられつつあるセカンドライフの本質を示しているように思う。

[2007年8月3日]

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > Ψ空耳の丘Ψ50掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。