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マイケル・ムーア最新作「SiCKO」鑑賞記 = 独立系メディア「今日のコラム」
http://www.asyura2.com/07/bd50/msg/510.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 9 月 02 日 19:56:05: mY9T/8MdR98ug
 

http://eritokyo.jp/independent/ikeda-col0569.html

日本版公式WebSite http://sicko.gyao.jp/


 8月25日から全国一斉封切りとなったマイケルムーア監督の話題作「SiCKO」(シッコ)が面白い。

 アカデミー賞を受賞した「ボウリング・フォー・コロンバイン」、カンヌでパルムドール賞を受賞した「華氏911」に次ぐアメリカ社会の抱える闇を鋭くえぐったドキュメンタリー作品だ。

 「SiCKO(シッコ)」とはSick(病気・疾病)のスラングであり、タイトルそのものが実際の病気の裏にアメリカ社会そのものの病巣が潜んでいることを物語っている。

 今年の5月19日、「第60回カンヌ国際映画祭」にて、アウト・オブ・コンペティション特別招待作品として世界初上映されたとき、本編終了後に15分近くスタンディング・オベーションが続いたとほど大好評を博したそうだ。

 2時間があっという間に感じられるほど引き込まれる内容だった。

 あまりの酷さに呆れるのを通り越して滑稽ですらあるが、同時になぜか涙をもさそう深刻さ、残酷さを描いている作品でもある。

 それは、アメリカでの実態が人ごとに思えないという恐ろしさが背景にあるからだ。

 日本でも被保険者の負担割合はじわじわ増加しているばかりか、保険金の支払ができずに、無保険の人も増加しており、病気になっても医者にかかれずに病気がさらに悪化したり、自然に衰弱するのを待つだけといった悲劇も伝えられているからである。

 また、医師不足、医師の偏在、高度専門分化した医療による弊害など枚挙にいとまがない。

 この映画が取り上げているのはアメリカの健康保険制度の実態である。

 よく言われるように、アメリカには日本や一部ヨーロッパ諸国のような国民皆保険的な健康保険制度はない。

 極度に社会主義的な制度を排除してきた結果、現在、5700万人ものアメリカ人は健康保険に加入していない。その健康保険はすべて民間の保険会社が運営するものであり、加入するのも簡単ではない。

 万一、運良く?加入できたとしても、実際に病気や怪我のときにそれによって治療費が支払われる保証はないのである。保険会社は、加入時の審査を超きびしくしているが、それ以上に支払い時の審査は厳しくし、狭き門にしているのである。

 保険会社の審査員や審査に当たる医師たちは、いかに保険金の支払いを抑制できたか(支払拒否をしたか)によって地位と給与が上がる仕組みとなっているという。肥え太る巨大保険会社(金融ビジネス)や製薬会社、それらに荷担する医者、その一方で増え続ける医療難民と無保険者の悲劇の数々、行き過ぎた資本主義・自由主義社会アメリカの抱える闇は深い。

 映画はムーア監督が一般から公募した健康保険制度に係わるトラブル事例を元にして作られているので、やや極端な例ばかりが紹介されているという批判の向きもあるようだ。しかし、ひとつひとつの事実や証言がアメリカ社会の現在の闇をするどく切り取ったものであり、決して無視できない現実なのである。

・足に数センチの切り傷をつくった男性が医者に行って治療(縫合)をうけると 高くつくからといって自分で、傷を消毒しまるで裁縫のように傷口を縫うシー ン。

・電動のこぎりで指を2本切断した男性が、指の接合手術に際して、医者から、 「中指の場合は何百万円、薬指は百数十万円ですが、どうします?」と聞かれて、安い方の薬指を接合し、中指はあきらめたという事例。

・心臓発作を数回おこした旦那と癌になった妻が、ついに病気のために家を競売 にせざるを得なくなり、子供の家に着の身着のまま転がり込む悲劇・・・

・金を払えない入院患者を車に乗せて路上に捨てる病院・・・。

 どれも笑えない事実である。こうした事例を紹介しながら、国民皆保険制度の下で、医療費が原則無料のカナダ、イギリス、フランスの医療の実態を監督自身が取材しながら紹介する。

 ほんとうに無料で医療が受けられるのか、社会主義国のような割当制、給付制でひどい医療サービスではないのか、などムーア監督の「素朴な疑問」をひとつひとつ医療関係者に直接インタビューする中で、改めて自国の保険制度の異常さに目覚めていくプロセスがなかなか感動的ですらある。

 アメリカには医療サービスが無料の隣国カナダで診察・治療を受けるためにカナダ人との偽装結婚をすすめるWebサイトもあるとか。まさになりふり構わぬ医療難民の実態も報告されている。

 最も皮肉が強烈なの事例が、9.11の時に被害者救済に当たった消防士たちの実態である。

 彼らの多くはそのときに猛烈な粉塵、化学物質を吸い込んだことが原因で、今でも呼吸器疾患に苦しんでいるが、「英雄」と国中からもてはやされた彼らにすら健康保険の適用はなく、高額な薬、高額な医療に悩まされているという。

 しかし、一方で、9.11の首謀者であるとされるアルカイダが収容されている施設では、最新の医療機器による健康チェックや健康管理が行われていることも報じられ、そのギャップに米国民が唖然とされられるのである。「せめて、収容されているテロリストと同じ程度の医療を受けさせて」という訴えには、笑えない彼の国の人々の叫びが込められている。

 細かく内容を紹介すると営業妨害となるのでこの辺でやめておく。

 我々日本人こそが是非とも見るべき映画である。

 健康保険や医療保険とはどうあるべきなのか、他山の石とすべきである。世界一の長寿国でありながら、ほんとうに健康なのかどうか、過剰な医療付け・薬漬けがある一方で、財政面からの医療保険制度は破綻に向かいつつあるのではないか。改めて自国の実態に目を向ける時である。

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