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『人物A』を考える  〜ある人物の凋落について〜
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投稿者 たそがれ竹べえ 日時 2007 年 3 月 18 日 16:43:51: EzRc1UvJydDio
 

私にはかつて、Aという人物と親交を結んでいた時期があった。この男は、中学生であった当時に隣のクラスにいたのだが、二十歳の頃に偶然再会して、付き合いを持つようになった。再会した頃は、この男の性格はとても明るく、気さくな面が目立っていたので、正直、一緒にいて心地が良かった。だが、その後、この男は段々と坂を転げ落ちるように品性が下劣になってゆき、先日、私はついにこの男との関係を絶った。

それで、今回はこの男が現在のような醜悪な存在に成り下がった原因等について考えていこうと思う。
まず最初に思い浮かぶのが、家庭環境を原因とする本人の無気力の問題だ。この男は、中学時代から無気力な面が目立っており、特に勉学に意欲がなく、結果として、三流高校に入学し一年で中退した。私は、その原因は家庭環境にあると考えている。どうも、両親あるいは片方の親が新興宗教信者であり、それがこの男に悪い影響を及ぼし続けているように感じるのだ。新興宗教信者二世シンドロームとでも言い表しうるだろうか。

次に、高校の中退は、この男が社会に敷かれたレールから完全に脱線したことを意味したが、その後、ある一定の期間を経て、非常にポジティブな時期が現出した。高校を中退してからニートの状態にあったこの男は、しばらく経って後にファーストフード店でのアルバイトを始め、格闘技の道場に通い始め、好きなジャンルの音楽に熱中した。私は、ちょうどこの頃にこの男と再会し、好感を持って付き合い始めたのだ。この時期が、この男にとっての黄金時代であったかもしれない。

だが、その後のこの男は、“野ざらしの食物が腐っていく”ように転落していったのだった。音楽好きが影響してクラブに出入りするようになり、“スーパーフリーまがいの”たちの悪い集団と関係をもち始め、ついには、「合法ドラッグをやった」などとのたまい始めたのだった。そして、大事な精神の感覚が麻痺したのか、他人の迷惑を顧みなくなった。また、学歴に対するコンプレックスも、本人に屈折した価値観を植えつけることに一役買っているように感じられた。

この頃になっても、この男は二十歳の頃と同じように、誰にでも愛想よく接する態度は継続していたが、私には、そういう繋がりを利用する為に、そういう振る舞いをしているようにしか感じられなくなっていた。

ある時は、「俺の職業はDJ」などと自慢げに言うのだが、実際には、この男はファーストフード店でのアルバイト以外は働いていないのだった。確かに、自費でスペースを借りて、一度か二度、クラブ・イベントを共催したことがあるのだそうだが、職業というよりは趣味のレベルなのだった。

ある日、この男がエイズだといううわさ話が、私の母親からもたらされた。町中で噂になっていたのだそうだ。本人に会ってその話題をすると、精神的にショックを受けているようで、発言も要領を得るものではなかった。しかし、当時の私は本当にこの男を信頼していたので、そういう事件があっても付き合いを継続することにし、そのことを本人にも伝えた。

だが、この男はもう駄目だった。何年かつきあっている彼女がいたのだが、暴力をふるい続けて関係を切られた。私に対しては、「俺エイズだから、わがままきいてもらってもいいだろ?」とのたまってくる始末だった。

もうこの頃には、会って話をしても話題が少しも合わず、面白くもないし、他人の迷惑を少しも考えない人間になっていたので、私はもう会いたくという意思を伝えた。すると、「もう付き合わないんだったら、今まで車に乗せてやっていたから、その分のガソリン代を払え」と言ってきた。確かに、私は当時、この男の車の助手席に乗せてもらってファミレスかどこかに行くことが多かった。だが、私はガソリン代がかかっていることを承知していたので、毎回のようにガソリン代を半分払う旨申し出ていたのだった。しかし、その度に、この男は断っていた。

その後、車で家にまでやって来るので嫌々会うと、この男は「俺やっぱりエイズじゃないよ」などと、聞きもしないのに喋りはじめ、ファーストフード店でアルバイトしている女性とコンドームを付けないで関係を持ったことなどを私に告げるのだった。私は、この男がエイズであるかどうかはしらない。しかし、確実にいえることは、この頃にはこの男は私にとっては少しも必要な人間ではなくなっていた。そして、会って話をするのが精神的な苦痛になっており、この男の発言に関しては聞く価値を全く感じなくなっていたのだった。

現在の私は、この男とは別の地域に住んでいるので顔を合わせることもない。しかし、その後この男は私の実家に五回も六回も車で押しかけ、私の両親に迷惑をかけたことを母から聞いた。母によると、目線がギョロギョロ変わって気持ち悪かった、怖かったという。私はその時、もう、この男は大事な感覚が麻痺しているのに違いないと感じた。そして、母には、再度現れたら注意して接するように伝えたのだった。

私は、この男は、家庭環境と、新興宗教団体、及び、よからぬ人間関係によって人生が台なしにされた人間だと考えている。まず、家庭環境が無気力な状態を生み、それが学歴的なハンディに繋がっていったことが要素として大きいのではないか。そして、そこには両親と新興宗教団体との関係があり、本人に対する影響と、本人の反発という要素があったはずだ。そのような経緯があり、本人の性格がそれらに影響されないはずもなく、性格に屈折した部分が現れていったように感じるのだ。

この男には、非常にポジティブな意識を持っていた時期があった。その頃は、良い方にレールを敷き、そのまま悪びれずに生きていくことができそうに感じられるほど生き生きとしていた。だが、結局、そのような方向に人生の舵を取り続けることができなかった。それは、1つには、無知であることが災いしたのであり、次に、家庭と社会環境が本人を蝕んでいった。そして最後に、よからぬ集団とのつながりがくさびを打ったのではないか。私は現在、そう考えている。

この男、現在三十一歳。既に死者も同然。

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