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尾辻かな子さん(ラブピースクラブ)
http://www.asyura2.com/07/dispute26/msg/347.html
投稿者 茶々 日時 2007 年 8 月 05 日 10:14:24: 6YmOfrLmcqc3Q
 

(回答先: 同性愛を嫌悪するのは何故か? 投稿者 ワヤクチャ 日時 2007 年 8 月 04 日 21:23:33)

http://www.lovepiececlub.com/kitahara/archives/001129.html
より引用
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●尾辻かな子さん

「レズビアン、国会へ一撃!」
ラブピースクラブ店内に飾っていたポスターを、今日、はがした。
尾辻さん、お疲れさまです。
尾辻さんを身近で支えていた人たち、お疲れさまです。

少し前、ドキュメンタリー映画「選挙」を観た。「改革!」という言葉を華々しく掲げた小泉純一郎に恋した男が、ひょんなことから、川崎市市議の補欠選挙に立候補することになる。男の仕事は「切手商」。実家は「特定郵便局」。趣味は「切手」と「鉄道」。人と争うのを好まずに、子どものころから親しんだ切手の世界をこよなく愛し、どこまでも平行に続く二本のレールにロマンを感じる類の男が、超体育会系の自民党選挙対策本部に翻弄されていく様子は・・・ものすごく笑える。

自民党は、幼稚園の運動会があると聞けば幼稚園に出向き、園児の前でマイクを持ち「子育て支援」について演説する。老人会の運動会があると聞けば、朝早くから老人の行進に合わせて手拍子をし、一緒にラジオ体操をする。祭りがあると聞けば法被を着てかけつけ、町の男たちと共に御輿をかつぎ「男をあげる」。それが「日本の選挙」であると、映画は鮮明にうつしだしていく。

「こうやって、みんなが力を合わせて、当選させるんだよ。だから、造反議員なんてとんでもねぇんだ」

映画途中、対策本部の男が語るシーンがある。その言葉に、そうだよねぇ、と思わず説得されてしまうほど、日本の選挙は、一つのグループが一つの目標に向かって一糸乱れず直進するときの怖いほどのエネルギーに溢れている。政策など関係ない。誰が立候補しようが関係ない。「誰の代表」であるかが、大切だ。

尾辻かな子さんは、明確に「レズビアン」の代表だった。セクシュアルマイノリティの代表だった。ストレートの知人はハッキリとこう言っていた。
「レズビアンの代表に、私が入れる理由は?」
セクシュアリティに関して何の生きがたさも実感していない人に、尾辻さんの言葉が届くわけがないなとは私も思った。とはいえ、それでは「生きがたさ」を感じている人であれば尾辻さんに入れるのかといえば、それはあまりにも単純な希望だった。

それをハッキリ感じたのは、尾辻さんの結婚式が報道された時のこと。白いウェディングドレス姿の二人は、涙でマスカラが流れっぱなしの目で晴れやかに笑っていた。「一緒に生きていこう」と友人が「決意」するのを見て、私は単純に嬉しかった。女友だちをツマラナイ男に取られるような哀しさを味わなくていい結婚式は初めてで、それも嬉しかった。それが選挙を意識したパフォーマンスであったとしても、よかったね、宣伝になってよかったね、だった。

それでも、この結婚式に対してはレズビアンの中からも強い批判があったと後から聞いた。というか、実際に私の周りでもそういうことを言う人はいた。ふだんスカートをはかない尾辻さんとパートナーの木村さんに対して、「なぜドレスなのか」と。「なぜ化粧をしてるのか」と。

例えば尾辻さんたちが普段着で結婚式をしたとしても。例えば尾辻さんたちがタキシードを着て結婚式をしたとしても。たぶん、同じような批判はきっとあったのだろうと思う。私は、批判をした人を批判したいのではない。「尾辻さん、ステキー」の声しか聞こえない方が気持わるい。
ただ、マイノリティであることの代表は、自民党の代表と訳が違うんだなぁ、と実感したのだった。訳が違い過ぎる、としみじみ実感したのだった。
私、この結婚式の後、尾辻さんはもしかしたら難しい選挙になるのかな、とイヤな予感がしていた。

マイノリティとして生きてきた時に味わう痛み。どんなに説明しても、説明できたと満足することができない悔しさ。マイノリティにしか分からないその思いを、一人の代表に託すことなど不可能だ。だからこそ、100%無邪気に尾辻さんに入れることができたレズビアンは、私は少数派だと思う。尾辻さんに投票した人の多くは、自分の痛みを見つめ、自分の人生を思い、これからのこと考え、「尾辻かな子」の名前を書いたはずだ。
「ウチはオジイチャンの代から自民党だから」 
映画「選挙」の中でそう話す人がいた。思考停止とはこういうことで、「レズビアンだからレズビアンに入れる」というのは、やっぱりそれもある意味思考停止なのだろう。それが分かっているからこそ、「レズビアンを公表して国政に出た初めての人を応援したい」という思いと、「自分がレズビアンであること」の間を、行ったり来たりしながら選挙に行った人の迷いを、私は信頼できると思う。
自民党は論外だけど、民主党はどうなのか。という思いを封じ込めて一票をいれた人。尾辻さんの政策に100%賛成できないけど、レズビアンの「可視化」に協力したい、と一票をいれた人。迷い抜いて、迷い抜いて、やっぱり尾辻さんには入れられなかった人。今回の選挙で、私は、色んな一票の話を聞いた。

尾辻さんの今回の結果を、「現実は厳しい」と言う人に何人か会った。
たいていの場合、その意味は「レズビアンであることを公表して当選するのは難しい。世間=マジョリティは厳しい。レズビアンは差別されている。」というものだったが、私はそういうことでもないように思っている。なぜなら、レズビアンであることを公表して戦った尾辻さんは、そもそも、マジョリティなんて相手にしていなかったと思うから。むしろ、潔いほど「レズビアン」「セクシュアルマイノリティ」の代表であることを訴え続けてきた。年金問題、憲法9条、安倍政権の失言問題。今回の選挙で多くの人が関心を持っている事柄を「利用」することなく、尾辻さんは誠実に、尾辻さんの立場でしか言えないことを大切に語り続けていた。

その尾辻さんが落選したということは、マイノリティが「代表」を選ぶことに対する、複雑な「現実」がここにある、ということなのだと思う。そういう意味で現実は厳しい。
もっと数がたくさんいれば、レズビアンの代表なんて珍しくもなんともなければ、イヤなレズビアンもいれば、気持いいレズビアンもいれば、アホなレズビアンもいれば、清廉潔白なレズビアンもいれば、性欲のかたまりのようなレズビアンもいれば、超頭のいいレズビアンもいれば、心穏やかなレズビアンもいれば、鉄道オタクのレズビアンもいれば、ネコしか関心のないレズビアンもいれば、憲法9条を守り抜くレズビアンもいれば、自民党好きのレズビアンもいれば・・・・・。いろんなレズビアンがいてあたりまえ、というものすごく当たり前のことを気軽に受けとめられる世界であれば、複雑な「現実」など薄れてしまうものかもしれない。

尾辻さんが、これからどのように戦っていくのか。そしてどのようにその戦いを、私はサポートできるのか。そして、いつか尾辻さんがまた「代表」として出て行く時に、今度こそ、「私たち」の側が、準備ができていれば。そんなことを思ったりする。その準備には、何が必要なのだろう。

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引用終わり

このコラムを書いた北原みのりさん(ラブピースクラブ代表)も、現在女性のパートナー
がいます。私も基本的にセクシュアリティは、ゲイだろうがレズビアンだろうが、好きに
なったんだから別にいいではないか、といいたいのです。が、上記の尾辻さんにしても、
結婚したことでさえも、同じレズビアンの中からでさえ批判が出るわけです。そして、
ゲイ同士、レズビアン同士のカップルで子どもが欲しいという話もたくさん聞きます。

それもその人の人生だからいいじゃないか、というのなら、むしろゲイやレズビアン
でも結婚したければすればいい、子どもが欲しけりゃつくればいいじゃないか、という
のでないと筋が通りませんが。

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