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政治の主体は国民であり、政治家の責任は限定的。
http://www.asyura2.com/07/dispute26/msg/398.html
投稿者 松浦 日時 2007 年 8 月 19 日 21:34:20: nX3mGLaD7LQUY
 

(回答先: 松浦さん、小沢一郎がそこまで危険だと思うのなら何故もっと批判をしないのですか? 投稿者 ワヤクチャ 日時 2007 年 8 月 16 日 22:12:35)

学ぶ内容の無い、誰も資する事の無い議論はすべきではない。
批判は、それを正す答えを提供して為さなければ意味が無い。私は、学ぶ意欲のある人なら、知るべき内容、もしくは改める方向を示した上で批判する。

したがって、ここでも、話を摩り替えたり自己の不分明を棚に上げて、国民をバカと言う人格の悪質を問題にはしない。それは個人の問題であって、私を含めて社会にとって重要ではないからだ。

過去19年間、政治家小沢については折に触れて批判をし、それに迎合する者に警告をしてきたので、此処のみでの事は関心は無いが、掲げられてる前言を見ると、これほど強い警句を他には知らない。短文で、読む人の疑問に答えていない唐突さはあるが、その時々の時事的関心ではできない、将来に於いても修正の必要のない内容だ。

この機会に改めて答えを提供しておく。これは、予測でも誰かの考えでもない。今理解できなければ、将来の確実な経験となる。誰でも理解できるだけの説明は、政局論の域を越えてこの場では無理なので、結局結論だけになるのは止む終えないが、承服か否かに関わらず、この国の政治を考える上で常に念頭に置く事を勧める。
そうすれば、大きな間違いを犯す事は避けられる。

既に報じられてもいるが、世論調査を見ても、好ましい政権として自民と民主の連立政権を挙げる国民が多く存在する。体制内二大政党制どころではなく翼賛体制希望者ということだが、未来の現実として、図らずもこれは事実となる。

簡潔に説明するが、国民経済が現在の小康状態を維持している間、民主党には政権獲得の機会は無い。かつて以上に今の自民党は野党になる耐性は失われており、政権からの脱落は如何なる手を使っても阻止するし、実際、彼等はその手段を持っている。
民主党が政権を獲得する時は、政治的な手段を越えて自民党が自己防衛をできなくなった時だけ、即ち、国家経済の破綻の時になる。そして、それは確実に訪れる。
だがその時、国民のみならず小沢自身も民主党単独での政権担当は望まない。国民にしてみれば、国難時に初めて政権を担当する党に政府を預けるには不安があるし、小沢自身も最初から挙国一致を念頭に入れている。その方が遥かに自由が利くからだ。

一言で言えば、彼は真の国家主義者だ。
国家主義とは、国民のために国があるのではなく、国家のために国民が存在する。国家在っての国民であって、民在っての国ではないという原則のことだ。

彼がテロ対策特別措置法延長に難色を示すのも、イラクへの自衛隊派遣に反対したのも、ハト派だからではなく、米軍の指揮下で補完部隊として活動する事が、いずれ国軍化を目指す自衛隊の弱体化に繋がるからで、自立した指揮系統の保持こそが軍の強化に不可欠である事を知っているからだ。軍事化をアメリカ軍の指揮下ではなく、独立して成し遂げたいという強い意向を持っている。

また、行革もその文脈で考える。かつて、自由党が自民党との連立を解いて野に下った理由を覚えているだろうか。保守党でありながら、敢えて政権の座を捨てる。日本には利権を持つ政党と持たない政党の二種しかないと云われる政治水準の中にあって、これは小沢にしかできない事だろう。彼の並々ならぬ自信と政治目標が垣間見えるエピソードだ。事実この事で、自民党の指導者達は大変なプレッシャーを感じている。もちろん、これまでも、これからも小沢に敵う保守政治家は日本には現れない。

その目的は、権力の一元化だ。議員定数の削減も、官僚の影響力を排除するのも、省庁を減らすのも、全ては権力の一元化、権力分散を嫌って集中を目指すために他ならない。目先の金銭勘定で、行革賛成、公務員削減を求めていると、気付いた時には、国民は、予想もしない所に連れて行かれることになる。

言うまでもなく、自民党はそこまで政策的でもなければ、戦略的でもない。結果的に国家主義的にも成り得ない。小沢に比べればただの利権政党に過ぎない。ここで、利権政党と言ったが、小沢はただの利権屋ではないゆえに、自民ではできない国内利権配分のドラスティックな付け替えができる。それが、小沢政権初期の国民支持の目玉となる。「飴と統制」の「飴」の部分を成すというわけだ。まず飴、そしてその後が本番の始まりだ。

国難を救う、救国の士を確信する国家主義者に迷える事など何も無い。そして、その時、国民にはそれを抵抗する気概も理由も、何も無い。既に、自由主義経済とそれに続く経済破綻に疲弊した国民は、権力へ救済を求める以外、何一つ為す術を持たない。そこに、満を持してこの時とばかりに、隠し持っていた実力を発揮する政治家が現れる。

まさに、ファシズムの到来だ。

その時の小沢は、今君たちが知る彼ではない。それがこの男の宿命だ。実力が無いから陰に隠れる事を好んだのではない。その時が来ていないからこそ、大局でないからこそ、陰に隠れた方がやりやすいからこそ、そうしていたまでだ。

また、これは、既に定義してきた国民の民度が引き起こした結果だが、彼は、本質的に国民を恐れていないばかりか、尊敬もしていない。長い野党経験がその思いに拍車を掛ける結果になったのは残念だが、不分明な国民を軽蔑するに至っている。

本来、ここからが本論なのだが、憲法改正問題も含めて、上記に至る理由と必然がどこにあるのかについては、別の機会に説明する。結論の一端に触れれば、彼は、国民社会の行動の蓄積が必然的に生み出した構造の駒に過ぎない。彼がいなければ別のアクターが用意されるまでの事だ。

間違っても、一人のファシストが軍国国家と、その滅亡を招来するのではない事は、重ねて強調しておく。
したがって、私は、国民のあり方を問題にしても、誰か個人を問題にするような皮相的な議論は、今も、そして将来もすることはない。

それが、国民を顧客にして生計を立てる論者との、決定的な違いだ。

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