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横須賀港12号バース浚渫裁判〜原子力空母母港化問題その後(1)   2007/06/26   JANJAN
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投稿者 Kotetu 日時 2007 年 7 月 12 日 20:23:07: yWKbgBUfNLcrc
 

横須賀港12号バース浚渫裁判〜原子力空母母港化問題その後(1) 2007/06/26

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不在中の電話
 今月初めのこと、一通の電話があった。わたしは不在だったが、電話の主、呉東(ごとう)正彦さん(弁護士)とは以前から面識があった家人るりが、電話の趣旨を聞いておいてくれた。横須賀港12号バースの海底を掘り下げる「浚渫(しゅんせつ)」が、不法であるとして裁判を提起する、ついては「原告団」を結成するので、参加して欲しいということであった。

 これだけだとほとんどの人には、何のことだか分かるまい。そこで以前「JanJan」に連載したDr. Gordon R.Thompson(*1)との議論の中味、それ以前に2日間に亘って10時間以上交わした、Dr. Ernest E.Sternglass(*2)とMs. Leuren Moret女史(*3)との議論、またわたし自身が広島・長崎・ビキニ被災と格闘してきた経緯を踏まえて、ここで再度全体像を提供することにしたい。

(*1)補注=Dr.Thompsonは英国籍。主としてアメリカで活動している。クラークス大学教授。一方、シンクタンク「資源安全保障研究所」の執行役員を兼ねている。業績として、特に1990年に提出した「海軍原子力推進原子炉・原子炉事故の可能性に関する設計上の特徴」という報告書で著名。

(*2)補注=Dr. Sternglassは、ピッッツバ−ク大学医学部名誉教授。低線量内部被曝の危険性を訴え続けている。特にα・β・γ線被曝、中性子誘導核種の被曝を「ペトカウ効果」(被曝血液の活性酸素化)の観点から解明した。FASの主要メンバーの一人。

(*3)補注=Ms.Leuren Moretは元バークレー国立研究所研究員。米エネルギー省が計画・建設している高レベル放射性廃棄物処理場に関して、土壌・岩石学の見地から「建設不可」とレポートしたことで有名である。


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原子力は危険ではないのか‥‥?
 答えは「危険」である。危険ではないという誤解は、今回の場合、横須賀市が提出して日本政府が「ファクトシート」へ回答してきた内容と、横須賀市を訪問して説明した麻生外務大臣が、記者会見において「原子力空母の原子炉は米海軍が安全だとした上で、日本政府回答書が記述しているとおり、「放射線被曝には『閾値(しきいち)』があるので、一定限度を越えない限り原子炉からの放射能漏れは安全だと言い切った。この「閾値」を云々するのは、専門家でない政府高官の発言としては不適当な「放言」である。これが「放言」である理由を以下に示す。

(1) 問題の発端
 最初に、この問題の全体の「流れ」を簡略に示す。米軍の再編(transformation)(*4)に伴い、現在横須賀港を母港としている通常型空母キティーフォークを2008年に「原子力空母CVN73ジョージワシントン(CVN68ニミッツ級4番艦)」に交換して、母港化すると通達してきた。日本政府は通例のとおり「合意」した。地元横須賀市、周辺自治体には事前の連絡がなかった。

(2)市民運動の盛り上がり
 この時点で、横須賀市民と周辺自治体市民間に、「容認派」と「反対派」に分裂。「反対派」によるデモ行進、ビラ配布などの活動が行なわれ、わたしも呼びかけに応じてウェルニー公園での集会、デモ行進、米軍ベース前でのシュプレヒコールに参加した。

 折から行なわれた横須賀市長選で「反対」を旗印にした蒲谷亮一氏が当選した。当然、市民はジョージ・ワシントン母港化に反対するものだと考えたが、日本政府官邸筋(横須賀出身の小泉純一郎首相など)、外務省が主体となる説得工作が行なわれ、次第に蒲谷市長の態度が軟化した。基地対策費が引き換えに受け取れるからである。

 ここで「原子力空母の横須賀母港化を考える会」は、数多くの集会・講演会を主催して、抗議活動を先鋭化した。その会の事務局長が、前記呉東正彦弁護士である。

(*4)補注=“transformation”は、英語的には「再編」ではなく、「変容」など完全に姿を変えることである。商業マスコミの訳語は間違いに近く、政府発表に依拠していることの何よりの証拠である。


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 こうした中で、横須賀市は「ファクトシート」を日本政府宛に送付し、米海軍に伝達してもらった。これに対して駐日米大使館はそのHPに、「ファクトシート」に対する回答を掲載、同文の回答書が横須賀市にも送付されてきた。と同時に、麻生外務大臣が訪横し、前記の「放言」を行なったのである。

 「原子力空母の横須賀母港化を考える会(以下考える会と略称)」は、積極的に原子力関係者、梅林宏道氏を始めアメリカから前記したDr.Gordon Thompsonを招待し、講演会を催した。呉東正彦君からの呼びかけに応じて、わたしはこの講演会に参加した。その折のDr. Thompsonと交わした議論は、すでにこの蘭で書いた(*5)。

(*5)補注=「原子力空母母港化・その後(1)〜(5)」。最終回(5)「トンプソン博士との対話」参照。


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 「原子力空母母港化・その後(1)〜(5)」記事とできるだけ重複を避けながら、今回の記事を書いてゆきたい。(つづく)

(田口汎)

JANJAN
http://www.janjan.jp/area/0706/0706227749/1.php

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