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「想定外」という逃げ道〜原発と地震              弱い文明 
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投稿者 Kotetu 日時 2007 年 7 月 27 日 06:37:55: yWKbgBUfNLcrc
 

「想定外」という逃げ道〜原発と地震
2007年07月20日 | Environment
 中越沖地震の翌日、フジの昼間の番組で、宮崎哲弥とかいう見るからに怪しいメディア芸者的風貌の男が、柏崎刈羽原発の事故や東電の対応のあいまいさを批判しながらも、
「想定外の激しい揺れだったにも関わらず、この程度の被害で済んだということが、逆に日本の原発の安全性を証明した形になった」
などと語っていた。
 不祥事であることは認めながら、一方で安全性の証明に(皮肉にも)一役買ったという、クサイ論旨が成り立つのも「想定外」の為せるワザか。つなげて司会のタレント何某が「そうですねえ。まあ何にせよ、日本にとって原発は必需品とも言えるものなんで、安全管理はしっかりしてもらわねばねえ」ときれいにまとめてくれた。これでパーフェクト。
 この番組に限らず、TV・新聞でのこの事件の扱いはどこも似たようなものだった。個別の事故としての柏崎刈羽は批判し、総論としての原発は擁護する、ということだ。こうして原発世論は作られる、という一つの典型である。

 しかし言うまでもなく、脱原発に取り組む人々の報告から見えてくるものは全然違う。総体として無理がある事業をやっているから、個別の原発で「不祥事」が続発せざるを得ない。実に当たり前の現象が起きているに過ぎないのであって、柏崎刈羽が特殊なわけでも何でもない。

 事は原発に限らない。ここのところ、地震による建築物の被害を報じられる際に、必ずといっていいほど「想定外の揺れだった」という言葉が使われる。
 「想定外」だったのは事実かも知れない。ただどうもその背後には、「想定が甘かった」ことを批判されても、同時に「想定外だったんだから仕方ないけどね」という形で許してもらえる、という読みがあるような気がして仕方ない。トータルの損得で言えばやや得だ、安くつく、という読みが。だから関係者がこうもひんぱんに、あっさりと「想定外」を口にできるのではないか。

 しかし、原発vs地震という場合、そもそも「想定」すること自体に無理があるようなものを「想定」しているという側面が大き過ぎる気がする。
 一つに、現代の地球科学においてすらまだ全貌が明らかでない地震動の「想定」の難しさ、ということがある。二つに、原発─核技術において事故を未然に防ぐ、あるいは起きてしまったことをコントロールすることの難しさ、ということがあるはずだ。

 僕は科学に関して素人である。ただ少なくとも、地震動というものが単に強い・弱いというだけでなく、周期の長短、振動時間の長短など様々な成分を含み、それに地上の地盤の条件までが組み合わさった複雑なものであることは知っている。過去の地震の「何倍」を想定したから大丈夫とか、そんな単純なものではないし、コンピューター制御につきものの「複雑系」の事故、加えて人為的要因のミスもある(そもそも「過去の地震」についてすら、何もかもが判っているわけではない、という話もある)。
 そんなことを言い出したら建物なんか作れなくなるじゃないか、と思う人がいるかも知れないが、そうではない。どんな建物も、災害や事故のリスクを負っているのは当たり前である。問題は、原発ではいざ事故が起きた際のダメージがケタ外れであることだ。そういう意味で、通常の建築物の「耐震性」の問題と、原発のそれとを同一線上で論じることがそもそも無茶だと思う。
 くり返される原発の事故、その度に関係者が口にする「想定外だった」という言葉。そんな原発に安全性を求めるというなら、つまり「想定外」のことも「想定」せよ、ということになる。ありえない、明らかな矛盾。こういう矛盾を、最初から抱え込まざるを得ないのが原発というものの宿命なのだ。
 裏を返せば、だから原発というやつは、存在自体無理がある。しかしその無理を一般市民に感じさせないよう、「矛盾」を隠蔽する必要がある。そのために、他の建築物の延長上で「想定」がなされる。
 「想定」できるのであれば、後はその「想定」が的確かどうか、だけの問題である。普通の建築物より「想定」の程度を何割か、もしくは何倍か厳しくすればいい。的確なら問題はないし、甘ければ「不祥事」として露出し、社長以下関係者が記者会見で頭を下げ、カメラのフラッシュがたかれる。それだけのこと、というわけだ。

 だが地震によるものであれ何であれ、これほど頻繁に「不祥事」が続いているということは、とりもなおさず、原発に他の建築物のような「想定」を当てはめるのが無理だということを示しているのではないか。そんなものが稼動していること自体が不祥事だし、そのうえに地震動を「想定」するという二重の不祥事が行われているようなものではないか。そんな、「想定」できないものを「想定」した責任は、誰がいつ取るのだろう。

 柏崎刈羽の事故をめぐっては、原子力資料情報室7月17日付の記事「原発の耐震安全性は根底から崩れた」から、建屋内で起きたことや、発表されている事柄が意味することは何かという推察までも含み、マスコミが伝えている表面的な「大事」のニュアンスとの落差がはっきりわかると思う。またシートン俗物記やペガサス・ブログの最新エントリーでも「放射能漏れ」にまつわる発表の杜撰さ、隠蔽の可能性が指摘されている。

弱い文明
http://blog.goo.ne.jp/civil_faible/e/e196e61da5775a5693f56a6c38dc9106

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