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タミフルもったいない計画     (洙田靖夫)
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投稿者 mei 日時 2008 年 10 月 21 日 23:49:29: NXmHNZ/QqaRFE
 

http://www.rescuenow.net/other/tamimm.pdf
タミフルもったいない計画
Tamiflu MOTTAINAI Plan
—タミフル備蓄計画の最適化—
洙田靖夫¤
1 序章
H5N1鳥インフルエンザが話題になっている。これまでにもH5N1鳥インフルエンザは、家禽や野鳥の間で時折り流行を呈しているものの、鳥から鳥へ感染しているだけであれば、人の健康に関しては特に問題はなかった。しかし、鳥から人への感染が現在確認されており、リスクが高まっている。
さらに、人から人への感染が可能となるような鳥インフルエンザウイルスの変異が起これば、爆発的な流行、すなわちパンデミックが生じることになる。パンデミックはWHO新型インフルエンザ流行段階区分の流行期フェーズ6「ウイルスが人への感染性を完全に獲得し、人の間で容易に感染が広がっている状態」
に相当する。
本稿は、インフルエンザの治療薬として知られているリン酸オセルタミビル(商品名:タミフル、以下「タミフル」と表記) の備蓄計画の最適化を目指すものである。国家備蓄のうち、行政備蓄に係る費用を1=3 程度に削減できると見込まれ、その節約額は5 年間で300 億円程度となる。
また、倫理的にもより好ましい状態に導くことが可能になる。なぜならば、行政備蓄のタミフルは有効期限を過ぎれば、廃棄することになっているのだが、これでは貴重な医療資源を無駄にすることになる。この問題に対しても合理的な解答を与えることになろう。
わが国には、「勿体(もったい) ない」という美しい言葉がある。私は、これを「物を大事にすることで、人間を活かす」と理解している。
表題の「タミフルもったいない計画」(Tamiflu MOTTAINAI Plan) とは、タミフルの無駄を省くことにより、財政(すなわち国民負担) に対する寄与のみならず、倫理面の向上を目指すというものである。
2 平成18 年時点でのわが国のタミフル備蓄計画の概要
政府は、タミフルを2007 年までに2,500 万人分を備蓄するものとし、計画を立てている。全人口の25%が罹患するという予測を元に、この中から医療機関を受診すると見込まれる患者の想定数である。
表3 にタミフルの備蓄予定数を示している。ここで、流通在庫が400 万人分あるという想定をしており、政府や都道府県が予算をつけて備蓄するのは、合わせて2,100 万人分となっている。
一方タミフルの供給元の中外製薬は、政府や都道府県に対して、表2 のような供給計画を作成し、実施している。親会社のロシュ社の先進国備蓄用価格に準じて、1 人分15 ユーロ相当額(10 カプセル) で中外製薬が直接供給することとしている。
15 ユーロは、市価の約2=3 である。恐らくは、値崩れによる市場の混乱を懸念したものと思われるが、備蓄用タミフルはパンデミック以外では流通市場に出さない契約になっている。そのため、有効期限を過ぎたタミフルは廃棄処分されることになる。
¤医師・労働衛生コンサルタント

表1: 各レベルでの備蓄予定数
備 蓄 量
政  府1,050 万人分
都道府県1,050 万人分
流  通400 万人分
合  計2,500 万人分
表2: 中外製薬の備蓄用タミフル供給計画
備蓄用途実績または予定
2005 年政 府 用7 万人分・供給ずみ
2006 年政 府 用743 万人分・供給予定
2007 年政 府 用300 万人分・供給予定
都道府県用1,050 万人分・供給予定
合  計2,100 万人分     
3 タミフル備蓄計画の功罪
立ち後れていたわが国の危機管理政策も、阪神・淡路大震災以来、次第に整えられてきた。新型インフルエンザの蔓延に備えて、有効と考えられているタミフルの備蓄計画が作成され、実施に移されているのは悦ばしい限りである。
その反面、国家財政や地方財政に対する負担と倫理面での問題を抱えることになった。
3.1 財政(すなわち国民負担) に関する検討タミフルの製造元である中外製薬によると、タミフルの有効期限は5年であった。上記のように、有効期限の過ぎたタミフルは廃棄されるので、5年が経過すれば、備蓄用タミフルの購入に投じた税金はなくなってしまう。
ここで、表3 のように試算を行ってみると、タミフルの備蓄費用として約470 億円に上る税金が投入されることになる。ただし、1 ユーロ= 150 円として計算している。現行のシステムでは、この金額が5年後に無価値になるので、毎年90 億円以上(9; 450; 000; 000 円=年= 47; 250; 000; 000 円=5 年) が失われることとなる。
では、備蓄しなければどうなるかと言えば、わが国が新型インフルエンザ・パンデミックに襲われた時、対応に窮するであることは間違いない事実であろう。
ちなみに同量のタミフルを流通価格にて備蓄するのに要する費用を表4 に示す。
表3: タミフルの行政備蓄費用
備蓄人数21,000,000 人
1 人分の行政備蓄費用15 ユーロ2,250 円
総行政備蓄費用315,000,000 ユーロ47,250,000,000 円
1 ユーロ= 150 円として計算

表4: タミフルの流通備蓄費用
備蓄人数21,000,000 人
1 人分の流通備蓄費用22.5 ユーロ3,375 円
総流通備蓄費用472,500,000 ユーロ70,875,000,000 円
1 ユーロ= 150 円として計算
3.2 倫理面からの検討
5 年間で2,100 万人分のタミフルが廃棄されるのは、倫理面から検討したとしても異常な事態である。
このシステムが継続される限り、1 年間に420 万人分のタミフルが廃棄されるわけだ。発展途上国の国民から見れば、日本は何という無駄遣いをしているのか、ということになろう。
「限られた医療資源をカネにあかせて買い占めている。そして、その貴重な薬を使わずに捨てているのはなぜだ?」と発展途上国の市民や指導者から正面切って非難されたとしたら、どのように回答するのであろうか?
わが国は、世界各国との通商がなければ、存立し得ないという条件下にあるのを忘れてはならない。エネルギーや食糧の輸入が止まれば、日本国民は数年と生存することはできないだろう。
こと新型インフルエンザ問題に限ってみても、発展途上国との良好な関係が停止すれば、情報や対策に関する協力関係が損なわれるだろう。
つまり、医療資源を独占することは、長期的に新型インフルエンザ問題の解決に悪影響を及ぼすと示唆される。
4 解決への前提条件
解決策を提示する前に、その前提条件を提示しなければならない。まずは、読者に問い掛けたい。
悪者を探し出し、それを罰すれば解決するであろうか?
4.1 行政
わが国には、言論の自由がある。だから、法に触れない限り、何を言っても罰せられない。もちろん、行政を批判することは自由である。これに対して、行政がその批判者を法によらずして不当に罰するのは違法である。
このため、わが国では何か問題が起きると行政に責任があるとされ、批判が集中する。しかし行政の担当者を捕まえて罰しても、それがこの問題の改善に結び付くであろうか?
この案件はケチな贈収賄事件ではない。わが国が、新型インフルエンザ・パンデミックという社会の根幹を揺るがしかねない、健康危機に挑戦状をたたき付けられているのである。
つまり、解決策を考えずして、行政内部に悪者を見い出しても無意味である。
4.2 製薬企業
製薬企業は言うまでもなく、営利を目的とする民間企業である。ただ、営利を追及しすぎると、顧客が離れるという結果に結び付くことがあるので、自ずとその行動は制約されるのが通例である。
このケースでは、恐らく各国政府からの要請もあり、備蓄用タミフルを市価の約2=3 の価格で販売したと推測される。

これ自体は、悪くない判断であろう。しかし、その一方で流通市場への放出により値崩れのリスクを抱えることになった。これを解決するには、備蓄用タミフルを封印する必要があったと思われる。
企業価値を毀損することは、当該企業のみならずその株主にとっては耐え難いことである。また、企業の事業継続にとっても悪影響をもたらす。
将来的に新薬を開発しようと思えば、莫大な研究予算が必要になる。この予算分の金額を稼げなくなれば、将来の可能性を潰してしまうに等しくなり、それは市民生活にも跳ね返ってこよう。
企業は経済のルールに従って行動しており、これを下手に規制すれば、全体のシステムを壊してしまいかねない。
5 解決策の一案・・・タミフル循環備蓄システム
前章で示唆したのは、犯人探しではなく、全体を通してのより良い解決策が優先することであった。ここで、解決策の一案として「タミフル循環備蓄システム」を提示する。
内容の骨子は次の2 項目である。
² タミフルの流通在庫を必要量まで増量する
² 必要な費用を国や都道府県が支弁する
以下、説明を加える。
5.1 流通在庫の増量


製薬企業卸:流通在庫医療機関
行政備蓄
5年の有効期限が切れると廃棄される   
図1: 現在のタミフル備蓄システム
図1 に2006 年12 月時点のタミフル備蓄システムを示している。
図2 のようなタミフル循環備蓄システム(Tamiflu Circulated Storage System) を用いると、タミフルの廃棄がなくなると予想される。この理由として、わが国のタミフル消費量が多いことが挙げられる。
表5 のように、わが国では、2005 年に900 万人分のタミフルを消費した。これに対して、現行の行政備蓄量は2,100 万人分である。タミフルの有効期限は5 年であるので、年に均すと420 万人分のタミフルが廃棄されることになるわけだが、それを上回る消費量があるので無駄にならない。実際の運用では、余裕を持たせるため、4 年目で消費することとすれば、毎年525 万人分となるが、これも十分消化できる量である。


製薬企業
卸:流通在庫
医療機関
有効期限の古いタミフルから順に市場に放出される  
図2: タミフル循環備蓄システム
表5: 世界のタミフル消費量(2005 年)
消 費 量
日  本900 万人分
米  国200 万人分
日米以外40 万人分
合  計1,140 万人分
ところが米国では、タミフルの消費量が200 万人分であり、日本に比べて少ない。その一方で、備蓄を7,500 万人分としているので、年平均1,500 万人分のタミフルが廃棄される。これでは、1 年のタミフル消費量である200 万人分を大幅に超過するので、「タミフル循環備蓄システム」を用いても、1,300 万人分のタミフルを廃棄する必要に迫られる。
日米以外では、その全てを合算しても、タミフル消費量は40 万人分なので、「タミフル循環備蓄システム」はほとんど有効ではないだろう。
5.2 必要経費の公費負担
「タミフル循環備蓄システム」は、民間の医薬品流通業界(卸) に余分な負担を求めるものである。医薬品流通業界(卸) に限らず、ほとんどの業界で不良在庫の圧縮が経営上の重要な課題になっている。
このシステムは、社会全体の負担の軽減に役立つので、どんどん推進していただきたいものであるが、特定のグループに著しい負担を強いるのは、根本的な問題がある。当然、政策的な調整が必要となろう。
とは言っても、備蓄量に相当する金額がすべて必要となるわけではない。いずれは流通市場に放出され、消費されるタミフルを蓄えるだけなので、金融機関からの借り入れで賄えばすむ。金利等の借り入れコストは、利子補給を予算化すればよい。また、担保は購入したタミフルとし、政府の債務保証をつける。
また、保管等に係る費用も負担する必要がある。多量のタミフルの保管に、別途経費が必要と考えられるからである。情報公開は必須事項である。医薬品流通業者は、自社ホームページで在庫状況を公開するとともに、都道府県に届け出る。情報公開費用も公費で支弁する。その代わりに、虚偽の情報公開や届け出をなした際には、業者名を公表した上で、懲罰的な制裁金を課す。
万一、医薬品流通業者が破綻した場合は、一旦政府が全量を買い上げた後、他の医薬品流通業界に再配分する。透明性を確保するためである。
金利を2〜3%、保管・情報公開等を1〜2%、合計3〜5%とみなして、「タミフル循環備蓄システム」による節約額を試算すると、表6 となり、1 年間で約59 億〜73 億円になる。


表6: 「タミフル循環備蓄システム」の諸経費
備蓄人数21,000,000 人
1 人分の流通備蓄費用3,375 円
総流通備蓄費用70,875,000,000 円
必要経費率3% 4% 5%
必要経費2,126,250,000 円2,835,000,000 円3,543,750,000 円
タミフルの廃棄額(現行のシステム) 9,450,000,000 円
節約額7,323,750,000 円6,615,000,000 円5,906,250,000 円
節約割合77.5% 70% 62.5%
5.3 製薬企業の利得
「タミフル循環備蓄システム」は製薬企業にとっても、大きな利得があると思われる。備蓄用タミフルは、現在安く販売しているが、製造設備の増設等、余分の費用がかかっているので、利益率を下げていると推測される。これは、株主の利益を損なうので、経営陣にとってはリスクの高い行動である。
その一方で、備蓄用タミフルを、有効期限が過ぎれば、廃棄することを前提として各国政府に供給しているが、貧困な発展途上国にとっては、許し難い行為ではないだろうか。すなわち、有限の医療資源の無駄遣いという倫理面のリスクをも背負っているといえよう。
これらのリスクを軽減する方策である。
5.4 発展途上国への支援
また、「タミフル循環備蓄システム」によってお金の余裕ができるので、全額国庫返納ではなく、一部を発展途上国の新型インフルエンザ対策に振り向けることができれば、より一層の国際貢献となるだろう。
発展途上国への支援においても、タミフルを買い取って備蓄するだけでなく、有効期限間近の備蓄タミフルを流通市場に流すという仕組み、いわゆる「タミフル循環備蓄システム」の応用も可能ではないだろうか。
5.5 国際協力の可能性
わが国のタミフル使用量は多いので、備蓄分からの放出だけでは半分強を占めるのみである。逆に、外国では、使用量が少なく備蓄量が多い国ばかりである。
そこで、外国政府より、有効期限が迫った備蓄タミフルをわが国に通常の流通価格で譲り渡すという取り決めはできないだろうか。
もちろん、ロシュ社に対して、清算がなされるものとするわけだが、これが実現すれば、「タミフル循環備蓄システム」の利得をわが国だけでは外国に対しても配分できると思われる。
6 結論
タミフルを廃棄することを前提としたシステムは、経済面や倫理面からの批判に耐えられないと思われる。「タミフル循環備蓄システム」(Tamiflu Circulated Storage System) は、この両者の問題を解決するための提案である。上記のように、1 年間で約59 億〜73 億円(5 年間で約295 億〜366 億円) の節約が可能であると試算されている。また、製薬企業や外国政府に対しても利得の可能性があり、発展途上国の新型インフ
ルエンザ対策の充実に寄与することが示唆された。

7 おわりに
捨てられるタミフルを勿体(もったい) ないと感じる気持ちは、多くの人々や関係者に対する優しい眼差しを基礎としている。「タミフルもったいない計画」(Tamiflu MOTTAINAI Plan) によって、地味ではあるが、「美しい国、日本」の一助となることを願っているのは私だけではないだろう。
なお、本稿のアイデアは洙田が独自に考えたものではあるものの、先行するアイデアや事例があるかどうかは調べ切れていない。世界には、100ヵ国以上の国や地域があり、地方政府に至ってはそれこそ、無数にあるからだ。それゆえ、知的所有権に関しては留保したいと考えている。
多くの人の援助があり、この文書は完成した。それらの人々に感謝の念をささげたい。
なお、ご意見等は下記宛にお願いいたします。

最後に、早朝にゴソゴソと起き出して、パソコンに向かっている私を暖かく見守ってくれた妻に感謝をささげます。
 


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