★阿修羅♪ > 国家破産49 > 525.html
 ★阿修羅♪
『アメリカ経済終わりの始まり』 松藤民輔(著) ゼロ金利解除が意味するもの 2006年現在、円は世界の基軸通貨になった
http://www.asyura2.com/07/hasan49/msg/525.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 3 月 09 日 10:31:20: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu139.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
『アメリカ経済終わりの始まり』 松藤民輔(著) ゼロ金利解除
が意味するもの 2006年現在、円は世界の基軸通貨になった

2007年3月9日 金曜日


◆ 100円が75円に 3月7日 松藤民輔 の部屋
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/2007/03/7.html

この図を眺めれば、いかにサブプライムローンの話が深刻か解かる。2006 年8月には100あったサブプライムモーゲージボンドの価格インデックスが先週は75ポイントまで下げているではないか!!


サブプライムモーゲージボンドとはサブプライムという比較的信用度が低い消費者層に対し、少し危険だけど金利が高いので・・・という理由で銀行がこの数年、積極的に貸し出していたローン。そのモーゲージ(住宅ローン債券)を証券化した債券の価格である。
100円のものが75円になった。(実際は2月27日に73まで下げた。)100兆円残高があれば25兆円が損した事になる。今年、住宅ローン関係の借換えが1兆ドル(120兆円)はあるという。だとしたらサブプライムローン債券からの損失は膨大なものであろう…。
全てのローン債券の劣化が始まっている。これらの債券を持っているのが、金融機関関係だとすれば、金融株が1ヶ月で21%下げた理由はこれだろう。流動性の危機は始まっている。

◆サブプライムローン 3月2日 松藤民輔 の部屋
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/2007/03/2.html

HSBCという世界3位の銀行がサブプライムローンの件で100億ドルの貸倒引当金を積んだとの事。2月20日に、フォークロージャー100件と書いたが…。


今週末、トールブラザーズという高級住宅販売会社の前期の売上が67%減と発表された。明らかに米国不動産販売は減速というより急ブレーキがかかってしまった。フォークロージャーとは物件差し押さえの事。ニューヨークで前年同期比18%増のフォークロージャー。ブルックリンとクィーンズで毎週100件のフォークロージャーが起きている。
ブルックリンからクィーンズまで歩いたことはないが、大変なスピードでサブプライムローンの市場で変調が起きている。
という事は、日本の10年前、銀行がおかしくなった時と似ていないか。銀行がおかしくなり、銀行の手持ちの株や債券を売却しなければならない。貸しているお金は相手に物件を売らせても返してもらう。米国の金融のトラブルが実はドルを強くしていく構造なのだ。ユーロは207円かな…。

◆『アメリカ経済終わりの始まり』 松藤民輔(著)
https://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062137240.html

◆ゼロ金利解除が意味するもの

円は世界の基軸通貨になった

目を転じて日本の金利の変遷を考えてみると、1989年12月に4・25パーセント、翌90年に6パーセントに上がる一方、株価は89年から90年にかけて3万8000円台から2万5000円台にまで下落して、いったん戻る。

「国債が売られながら株価は反転する」という事態である。日銀が公定歩合を上げるとインフレが沈静化する、と思っているエコノミストや投資家は少なくないが、先にも述べたとおり、じつは金利を上げると株価も上がるのだ。

というのも、インフレには「資産インフレ」と「商品インフレ」の2つがみるからだ。80年代に株価が上昇した要因は、資産インフレ、すなわち不動産価格と株価のインフレだった。しかし、それ以降は一貫してデフレである。2006年7月、日銀は金利をようやく0パーセントから0・25パーセントに上げたけれども、これを契機として、日本の株価は上下動をくり返しつつ、結局、上昇していくことになる。

ところで、過去の「金利0パーセント」ということがいったいどんな意味を持っのかといえば、じつは「円は世界の基軸通貨になった」ということなのである。日本の資金流出は年問1兆ドルもある。NYダウの上昇にしても、不動産価格の上昇にしても、短期金利が上昇しているのに長期金利が低いままで推移したことにしても、すべて、日本からアメリカヘの資金流出がなければ起こりえなかった現象ばかりである。

アメリカ人は消費好きだから、2000年に可処分所得に対する負債比率が120パーセント以上になり、貯蓄率は1929年の金融恐慌時と比較してもマイナス4パーセントである。家計も国家財政も債務超過であり、いつ金融恐慌が起こってもおかしくない。一方、アジア、とくに韓国は現在ものすごく不景気である。06年夏ごろから、街を歩いてもタクシーの空車がとても目立つ。

アジア諸国は基本的に不動産価格がどんどん下落している。アジアはアメリカの住宅投資に支えられているが、その恩恵をいちばん受けているのは中国だ。アメリカは対日本、ドイツ、カナダには140億-180億ドルの貿易赤字である。ところが、中国だけで800億ドルもの貿易赤字なのだ。アメリカはG7ではなく、中国との間で大きな貿易不均衡があることに注目しておきたい。

ただし、これからも引き続きアメリカからの需要を期待できるかどうかはわからない。中国政府はそれがよくわかっているから、外国人や外資系企業に頼らない政策に方針転換しつつある。 (P73〜P75)


◆ゼロ金利でも世界のマネーは日本をめざす

金持ちのいない国が繁栄したことはない!

ドルの価値は、この30年間で実質的に3分の1になっている。いわゆる「ドルショック」により変動相場制になったおかげで、為替はどんどん円高に振れた。

1ドル=360円が1ドル=120円になったのであれば、それだけでドルは従来の3分の1しか購買力を持たないことになる。ドルの弱体化であり、逆にいえば、円がそれだけ強くなったということだ。いわゆる、円高ドル安である。

すでに円はこれだけ高くなっているのだから、1ドル=140円、1ドル=160円になったところで、30年前と比較すれば円高基調であることに変わりはないのである。

これだけ弱くなったドルに対して最も上がっているのは円なのだ。たとえ超低金利でも、人気があれば世界中から資金が集まってくる。一方、通貨の弱い国は、金利をどんなに高くしてもお金は集まらない。たとえ「金利20パーセントで回します」といわれても、元本が返ってこなければ話にならない。危なくてしかたがないからだ。

たとえば、もしあなたがアジアや南米、アフリカを旅したことがあれば実感しているはずだ。現地で通用するのは現地通貨とドル、そして円だ。しかも現地の人々は、自国通貨よりもドルや円をほしがる。なぜか?自国通貨は、ドルや円に比べて価値がないからである。

通貨も商品の1つだから、人気のある通貨には価値があり、人気のない通貨には価値がなくなる。円は戦後、どん底からドルの3倍も価値を高めてきた。1995年4月には、1ドル=79円75銭という超円高になったことさえある。

ドルが不人気になるのには理由がある。たとえば、その後、98年10月には、わずか数日間で1ドル=135円から1ドル=111円台まで急激に円高が進んだことがある。この年、ドル暴落の要因はルーブルの切り下げ、対外債務凍結といったロシアの通貨危機に端を発し、先に述べた巨大ヘッジファンドであるLTCMの破綻があった。当時、アメリカはドル高政策で株式市場をバブルにしていたものの、中南米の通貨不安の影響まで受けて先行き不安が強まり、一気に円高ドル安へと進行したわけである。

ゼロ金利でも買いたいと世界中から人気の円は、2006年現在、すでに基軸通貨になっている。日本の政治家には世界を支配しようという野心などないから自覚がないけれども、すでに日本は円という通貨で世界をコントロールしているのである。

世界のお金はどこに向かっているかといえば、もちろん、もっともっとお金持ちになれるところである。すなわち少しでも税金が低いところ、少しでも利回りの高いところである。

いままでは、優良企業の誘致合戦がくり広げられていたけれども、今後は「お金持ちの誘致合戦」になるだろう。関西弁でいうところの"えげつない〃ほどの誘致が展開されるのではなかろうか。もちろん、アメリカも例外ではない。これまでも、アメリカは金利を高めに誘導することで世界の資金を自国に誘致していたのである。利率が上げられなくなったら、今度は税金の引き下げ競争になることは間違いない。

世界史の中で、金持ちがいない国が栄えたことはない。世界が日本にやってもらうと困るのは、国債を非課税にしたり、所得税をゼロにしたりすることである。税制は国家の戦略だから、日本国債をある程度購入したら相続税を免除するとか、資産家の外国人に永住権を与えたり、国債の購入額によってビザを用意したりすることだってできる。しかし、それをされたら世界中の資産家が日本に集まってしまい、ほかの国々は困ってしまう。

しかし外国を見れば、たとえばカナダでは、25万ドルでビザを発給している。おおいに消費してくれるからぜひ住んでほしい、というわけだ。これだけの資金で資産家として歓待してくれるのだ。

言葉も通じない、職業教育も受けていない不法移民とは歓迎度が百八十度ちがうが、それは当たり前なのである。資産家のたくさんいる国はそれだけで税収が増えるし、消費も期待できる。ビジネスでも展開してくれたら、自国の労働人口も吸収してくれる。なにより、資産家は自国民の労働機会、平たくいえば「職場」を奪うことがない。つまり、国にとって歓待すべき人間たちなのだ。資産家をたくさん抱え込めれば、その国は経済的に豊かになる。

「清貧の思想は?」というなかれ。「恒産なくして恒心なし」のほうが現実的ではなかろうか。 (P80〜P83)


(私のコメント)
欧州中央銀行が金利を0,25%引き上げて3,75%にしましたが、ユーロが独歩高の中での利上げは日本銀行の常識では考えられない事ですが、欧州中央銀行の本当の狙いは何だろうか? 更なるアメリカからの資金流出を加速させているのだろう。

日本も二度にわたる金利の引き上げで徐々にアメリカから資金を引き揚げさせようとしているように見える。日銀と欧州中央銀行が共同歩調で金利を引き上げればアメリカも金利を引き上げる環境が出来ましたが、実はアメリカは「松藤民輔の部屋」で指摘されているように、サブプライムローンが破綻の危機にある。

サブプライムローンについては、2月28日の株式日記での「ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」でも指摘していますが、要するに住宅ローン破綻が生じ始めているのだ。このような状況でアメリカのFRBは金利を引き上げる事ができるだろうか?

株式も世界同時株安でニューヨークの株式は一時サーキットブレーカーが働くほどの暴落が起きて株式市場も亀裂が生じてしまった。いわばミニブラックマンデーが起きてしまった事であり、1987年のブラックマンデーはドイツ銀行の利上げが引き金になっている。

ブラックマンデーの余波は世界を何週も回り、結局は東京市場がそれを食い止めた。しかし当時の日本はバブル発生の真っ最中であり、ドイツ銀行のように金利を引き上げるべきであった。そうすればバブルの発生は防げたのだ。しかしブラックマンデーでアメリカ経済を支えざるを得なくなり、政府日銀は金利を引き上げなかった。

当時の私は千葉にマンションを建て、都内にオフィスビルを建てていましたが、鉄筋工や型枠工が確保できないほど建設ラッシュが始まっており、これほど景気が過熱しているのもかかわらず日銀は金利を引き上げないのは何故だろうと感じていた。

ブラックマンデーの再発を恐れたアメリカから猛烈な利上げに対する圧力がかかっていたのだ。ドイツ銀行は利上げが出来たのに日本銀行は利上げが出来なかった事がバブルを発生させて失われた15年を日本にもたらしたのだ。

当時と現在の状況も似ている。日本は企業業績も回復して一部にミニバブルも発生している。EUもインフレ気味で利上げでインフレを押さえ込みたい。このような状況で日本とEUとが金利を引き上げれば、アメリカからの資金引き揚げが行なわれてアメリカも金利の引き上げで食い止める必要が出来ている。しかし住宅ローンバブルの崩壊が始まっている。

このような状況は松藤民輔氏の「アメリカ経済の終わりの始まり」を読めばよくわかるだろう。ニューヨークの株式も28日の世界同時株安の時からの反発力も弱く、アメリカの株バブルの崩壊が始まったように見える。欧州中央銀行の利上げと日銀の利上げがきっかけとなったと後世言われるほどの暴落が起きるかもしれない。

株式日記では2000年頃もアメリカの株式は天井を打ったから近いうちに暴落すると何度か書いてきましたが、ナスダックの崩壊や9,11テロの暴落などがありましたが、イラク戦争という公共事業や日本のゼロ金利による資金流入でアメリカの景気は支えられてきた。

ところが欧州と日本の利上げはアメリカのバブルを崩壊させる事になるだろう。ブラックマンデーもFRB議長がボルカーからグリーンスパンに代わったばかりでしたが、今回の世界同時株安もグリーンスパンからバーナンキに代わったばかりだ。

1987年当時と現在とが一番違う事は、当時はドルしか世界の基軸通貨がなかったが、現在ではユーロが出来ていることだ。松藤氏の『アメリカ経済の終わりの始まり』によれば『円』が世界の基軸通貨になっているということですが、28日の世界同時株安は円キャリートレードの逆流によるものですが、円も実質的に基軸通貨になっているようだ。

基軸通貨とは紙に印刷すればそのまま通貨として通用する通貨体制ですが、ドルも円もその条件を満たしている。日本政府や日銀は円高やゼロ金利が何を意味しているのか気がついていないようだ。だから財政再建などと財務省のバカ官僚は言っているようですが、日銀総裁もその事に気がついているのだろうか?

アメリカがドル安で通貨価値を年々失い始めて、金利を高くして日本や欧州からの資金流入でなんとかアメリカ経済を支えてきましたが、アメリカ経済が破綻すればドルは世界の基軸通貨でなくなるだろう。アメリカはもはやパソコンソフトと農産物しか売るものがない。

アメリカが誇る軍事力もイラク戦争を見る限り作戦能力のある陸上部隊は数千人の海兵隊しかいない。これではイランに攻め込めといっても出来るわけがない。北朝鮮への譲歩もアメリカの軍事力が空洞化していることの証明だ。日本の政治家も早くこのことに気がついて日本の自主防衛を考えるべきだろう。

パックスアメリカーナは終わりの始まりの時代が来ているのだ。


 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産49掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。