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サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。日本の土地本位制を真似たものだ
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投稿者 TORA 日時 2007 年 3 月 28 日 16:23:12: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu140.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の
民主化と呼んだものの一部だ。日本の土地本位制を真似たものだ

2007年3月28日 水曜日

◆米国住宅市場: 「大宴会」の後、世界で二日酔いが始まる 3月28日 エコノミスト
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070327/121826/

6月は米国で、「全国住宅所有者月間」である。「全国差し押さえ月間」とした方がふさわしいかもしれない。住宅ローン市場の一角、特に信用度の低い人向けの「サブプライム」ローン市場は、ひどい焦げ付きに見舞われている。サブプライムローンの借り手の8人に1人が返済遅延に陥っており、さらに多くのローンで返済初期だけの低金利が期限を迎え、毎月の返済額が借り手の月収を上回るようになるにつれ、何十万もの人が街頭に放り出される運命にある。

 ほんの数週間前まで、米住宅市場の落ち込みは最悪期を脱したとの声がちらほら聞かれた。今はなかなか聞くことができない。経済全体について悲観的になるのは早すぎるにしても、不動産鑑定士なら誰もが、信用引き締めと住宅の供給過剰を見て取るだろう。経済の基盤もさして良くない。住宅価格の下落は、経済を押し上げてきた個人消費を冷やす。

 他国もまた、心配そうに米国を見ているかもしれない。実際、遅すぎたくらいだ。今のところアジアと欧州の経済が自力で健闘しているものの、米国の景気後退は到底歓迎できない。だが懸念の真因は、米国の住宅ブームが低金利を呷る世界的な大宴会の一部だったように、その破綻もまた世界的な物語の一部かもしれない、という点にある。

◆長い長い宴の後で

世界各地で耳を澄ますと、住宅価格の急落はまだ始まっていないにせよ、米国の苦境のこだまが聞こえてくる。まず、サブプライムローンの借り手から話を始めよう。米国では、この人たちは当然ながら、住宅融資をより低利かつ固定金利で受けられる人たちよりも貧しい(そして白人でないケースの方が多い)。彼らの多くは住宅市場の大パーティーに、既に価格が高騰したころになって遅れてやってきた。

 多くの人が、顧客の返済能力よりも自分たちの手数料を気にする仲介業者に勧められて住宅融資を受けたようだ。そして、融資した貸し手――そのうち数十社が店じまいを強いられた――は、債務不履行の比率を甘く見積もった。寛大に見れば、これはサブプライム市場が比較的未成熟だったことに帰すことができる。厳しく見れば、貸し手側の動機として「証券化」効果を指摘できるだろう。つまり、融資は一まとめにして売却し、さらにそれを小分けにしてパッケージし直し、再販売できると知っていることが甘い判断を生んだわけだ。

 英国人にとっては、不安を抱かせるほど馴染みのある話に聞こえるだろう。借り手、特に最初の家の購入を望む若者や不動産が年金の役割を果たすと考える家主たちが予算を無理に拡大するために、「自己証明」による住宅ローン(米国人向けに翻訳するなら、「証明書類なし」あるいは「嘘つき」のローン)及び一定期間は返済が金利のみのインタレスト・オンリー・ローンが以前より一般的になった。

 スペインでは、貸し手が若い移民集団を勧誘している。大抵、信用履歴が短いか不完全で、しばしば彼ら自身が建設現場で働いているような人々である。

 米国のもう1つのテーマは、住宅購入者とローンの貸し手が金融緩和政策の報いを受けているということだ。ITバブルの崩壊後、米連邦準備理事会(FRB)が金利を引き下げた時、FRBは別のバブルを住宅市場で膨らませた。欧州でも同様の筋書きが見られる。単一通貨はユーロ圏の経済成長の旗手スペインとアイルランドに、その好況に見合わない低金利を提供し、過去10年間で、スペインで180%、アイルランドで250%という住宅価格高騰をもたらした。

 今や両国とも住宅に依存し過ぎているように見える。住宅価格のインフレが緩和して――緩和して――9%程度になったスペインでは、住宅投資がGDP(国内総生産)の7.5%を占めている。もしこの比率が例えば6%に下がったら――それでもユーロ圏の平均よりも高い――、住宅建設部門の雇用喪失が年間の雇用の伸び率を1%押し下げるだろう。

 アイルランドはもっと危ういように見える。驚異的なことにアイルランドでは住宅建設が直接、国民所得の15%、雇用の12%を占めている。住宅価格は高騰したのに賃貸料はここ数年、低迷しており、ダブリンの4%という賃貸利回りは借り入れコストさえカバーできない。今では住宅価格も落ち着き始めている。ダブリンにあるユニバーシティ・カレッジのモーガン・ケリー氏によると、住宅価格と賃貸料の比率を2000年前後の水準に戻すには、今後8〜9年で実質価格が40〜60%下がる必要があるという。

◆次に何が起きるのか?

米国やその他諸国の人々は、英国とオーストラリアの軟着陸らしき様子に安心感を見いだしたいところだろうが、それは間違いだ。確かに、英国の住宅市場は2005年の想定外の利下げ以来、息を吹き返した。しかし、それ以降の利上げの影響はまだ表れていないようである。そしてオーストラリアの住宅価格は地域によって大きなバラつきがある。シドニーのアパートを買って貸す投資家は、物件価格が値下がりしており、着陸はかなり荒っぽいと感じるかもしれない。

 当然、米国人たちは、政策立案者に何ができるのかと問うだろう。数年前の金融政策を元に戻すのは、もはや手遅れだ。今利下げをすれば、間違いをさらに大きくする恐れがある。FRBの主な懸念はインフレであり、それは正しい。特にサブプライム市場を中心とした融資基準の緩さを考えると、ノンバンク住宅金融会社への監督を、それも州レベルよりも連邦レベルで引き締めるべきだという主張もある。

 また混乱の多くを証券化のせいにしたくもなるだろう。だが、証券化はあらゆる融資市場の流動性を高めることで、総じて恩恵をもたらしてきた。そして、返済遅延や差し押さえはあっても、サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。おかげで、より多くの米国人が融資を受けて住宅を買えるようになった。そして大部分の米国人は何とかやっている。

 それでも経済的な悪影響は大きいものとなりかねない。政治的な悪影響も同様だ。米国の最近の経済的成功の大半は、上層部、特に金融業界の人たちによって吸い上げられてきた。下層の多くの人たちは今、返済できない債務と家の喪失に直面している。

 大衆迎合型の政治家は「ハンプトンの別荘*」と「持ち家なし」を対比して大騒ぎするだろうが、それより彼らはむしろ、持ち家への執着を作り出すのをやめるべきなのだ。人々が望むのであれば、融資を受けて自分の家を買う自由があるのは結構なことだ。政治家が、所有自体が目的の持ち家を奨励するのはよろしくない。米国のように、政治家が税控除でそれを助長するのは、愚の骨頂だ。

*=ハンプトンはニューヨーク近郊の高級リゾート地で、金持ちの別荘が多い

◆微妙なライン 3月27日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/

100万戸を大幅に切るのではないか、と予想していたのはぐっちーとその仲間だけだった・・・・という昨日の米国新築住宅販売件数(一戸建て)。

巷のエコノミストがいかに不勉強かということを露呈したようなもんで、我々のようにここ数ヶ月、マニアックに住宅セクターを見ている連中の間では簡単に予想できた数字です。

あの手のエコノミストに何億円も払っている投資銀行や証券会社というのは本当にカネをどぶに捨てているようなもんですな。皆さんは当てにしてはならんですぞ・・・

ということで、この84.8万戸(年ベース)というのは結構な数字。アメリカ経済がかなり微妙なラインにきているという可能性を示唆するものです。

住宅の値上がりがどの程度消費に影響を与えているかは極めて蓋然性の高いデータしかありませんので、正確には言えないのですが、実感としてはかなりの部分を占めているような感じがします。私の周りにも頭金なしで家を買ったのに、なぜか車の代金まででたよ、という笑い話のような話がごろごろありますし(まさに日本のバブルの頃と同じで1億円のマンションを買うと、値上がりするであろう分まで貸してくれた。実際私のところには2億円融資するから、この1億のマンションを買え、なんて話がたくさん来ました。さすがに臆病な私は乗りませんでしたが、この話にのって残りの1億でオーストラリアに家をかったり、ポルシェを買ったりする輩はごろごろいました。結果がどうなったかは皆さんご存知の通りです)インパクトが少ない筈はないのです。

もう一つ、アメリカは日本とは違う、という意見もありますが、これもどうなんでしょうか。要はアメリカは人口が増え続けているので住宅価格は日本のように下落する事はない、という論理なんですが、どっかで聞いたような話ですよね(笑)

結局今回の騒動の根幹であるサブプライムを見ているとそれもかなり怪しい。つまり、元来融資対象にならんような移民などの低所得層にローンを出して無理やり住宅を買わせている・・・値上がりするから大丈夫よ、ってなことなんでしょうが、これが今回のように、いつかはあがるぞ、と我慢比べをしている最中にデフォルトが増えてくるさすがに投げざるを得ない、というあまりに当たり前の事実に直面してみると、やはりこの種のローンはやばいよな、ということになる訳です。

いくら人口が増えているといったって、低所得の移民ばかりでは意味がなく、彼らが本当の消費者に転嫁するか否か、そういった社会制度的な問題を含んでいると考えざるを得ません。そうであるなら、アメリカの成長も中国並みに怪しい訳です。中国がそのもくろみどおり「先富論」を実現できるのか、という命題を実はアメリカも抱えていて、その試金石として住宅市場をウォッチする、といった見方が必要と思われます。

さて、その中国もいよいよチャレンジが始まります。先富論から30年。豊かになるものは先に豊になって国を引っ張れ、といってきたものが先の全人代では遂に「社会公平、正義の維持」と来ました。これよりは、「豊かになったものはその富を配れ」、というメッセージが歌われています。

実はアメリカはこれに失敗しており、全消費の90%以上をトップの数パーセントの所得層が賄うという国になっています。これに(富の分配に)成功したのは戦後日本だけ。中国は実は共産主義ですからイデオロギー的にはこの分配システムに最も適している筈です。なにせ「社会主義市場経済」で、土地すら私有できないのですから資本主義といわれても笑うしかありませんが、本当に富の分配がなされ、5億人の消費者が生まれるならこれは革命的出来事である事は間違いありません。

そういう目で見ると中国経済の底力もまたわかろうと言う物です。日本ではなぜか過小評価する方が多いのですが、中国が単なる「世界の工場」から「世界の消費国」に転換できるかどうか、これはアメリカ経済の趨勢に勝るとも劣らない大命題であるということも忘れないで下さい。

(私のコメント)
エコノミストの記事やぐっちーさんのブログ記事などを見ると、日本で1980年代に行われていた事が欧米でも行われていた事がわかる。日本では資産活用ローンとか住活ローンなどと呼ばれて、不動産を担保にすれば低い金利で都市銀行でも金を貸してくれた。

私も何箇所かの土地を持っていたので遊んでいる土地を担保に金を借りて株式投資などをしていた。おそらく欧米でも自宅を担保に金を借りて株を買っている人が多いだろう。欧米の株式が堅調なのはそのせいだ。アメリカなどは新高値をつけるほどになっていますが、住宅市場が堅調だったから株式市場も堅調だったのだ。

不動産担保ローンは今でもノンバンクなどがやっていますが、株や不動産の値上がりが当たり前の頃ならともかく、今では借りてまで株や不動産を買う人は少ないでしょう。日本でも90年の株の大暴落からバブルの崩壊が始まったのですが、不動産ブームは92年頃まで続いていた。株とは違って不動産には実態的な価値があると思われていた。

アメリカのサブプライムモーゲージローンもアメリカの景気を支えてきた事は間違いない。いわゆる低所得者向けの住宅ローンなのですが、住宅の値上がり分などでさらに金を借りて消費に回していた。これで値上がりが続いていれば問題は無いが、いつかは転機が来るのであり、焦げ付きローンが多発してきてローン会社が倒産し始めた。

アメリカでは2000年のITバブルの崩壊の後は、イラク戦争や住宅ローンバブルで景気を梃入れしてきた。しかしそれも限界が来て、新たなるバブルを作り出さないと景気はハードランディングを免れない。しかし最早そんな魔法のような事はできない。政府も双子の赤字を抱えて景気梃入れ策も打てなくなっている。

金利を下げれば住宅需要も盛り返せるがインフレとドル安が景気を直撃する。金利を上げれば海外からの資金を呼び込めるが住宅ローンバブルが崩壊する。日本やEUが金利を上げているからアメリカは単独で金利を下げられない。このような背景で2月28日の世界同時株安や500ドル以上下げるような急落がありましたが、大暴落の前兆かもしれない。

問題はサブプライムローンの規模ですが、現状ならまだ問題ない額でも金利が上がってりして景気の落ち込み次第では焦げ付きはさらに拡大して問題は長期化する。このような低所得者の破綻は消費にも影響して業績の落ち込みで株も下がる。このような問題が複合してきて日本のような失われた10年が来るかもしれない。

アメリカの家庭は貯蓄よりもローン残高の方が大きくなっているから、株や不動産の大暴落が起きれば担保を処分しても債権が回収できなくて貸したローン会社も破綻する。ローン会社も破綻すれば銀行も破綻して、ドミノ倒し式に問題が拡大するだろう。やがてはアメリカ財政も資金が回らなくなってハイパーインフレとドル暴落がセットでやってくる。

住宅ローンが破綻すれば住宅建設業者も仕事が無くなって建設会社も倒産して失業が拡大する。日本もバブルの頃は建設業者が数十万人足らないとか言われていたがバブルが崩壊した後は逆に数十万人失業した。結局は日本のバブルの発生と崩壊の教訓は欧米でも生かされなかったのかもしれない。中国でも林立するビルを見ると不動産ブームの崩壊を予感させる。

結局は現代のようなペーパーマネー経済では、金本位制のような歯止めがないからインフレを前提にした借金経済が当たり前になってしまう。インフレだから株や土地もどんどん上がっていくが、借金のほうが大きく膨らんでパンクする。パンクした後は不良債権の山が出来上がる。

借金が収入の内から払えれば問題はないが、株や不動産の値上がりに期待したローンは担保割れして借金だけが残る事になる。だから収入が1000万円ある人なら持ち家もいいのだろうが、収入が300万円の人はアパートで生活した方がいい。

私がバブルの崩壊をかろうじて生き残れたのも住宅ローンを借りなかったからだ。もし借りていたら体を壊して銀行を退職していたから生活は破綻していた。幸いにして千葉にマンションを建てたり、都内にオフィスビルを建てたおかげで生活しているが、利回り採算を計算して建てたものだ。しかし超低金利で満室で運用しても、借金返済して生活費を除くと何も残らない。アイルランドの4%の賃貸利回りではとても経営は成り立たない。日本のバブルの頃もそれくらいの賃貸利回りだった。

計算すると千葉のマンションは8%の利回りだしビルの方は7%の利回りだ。これほど堅実経営でもバブルの崩壊は厳しかった。日本も国内的には財政赤字で大変だが貿易収支は大黒字だし経済力はダントツの強さだからバブルの崩壊も乗り切れた。

しかしアメリカがバブルが崩壊したらどうなるのだろう? 個人も大赤字だし政府も大赤字だ。1930年代の大不況はアメリカ経済が上り坂の時であり、第二次世界大戦に勝って世界の工場となり大不況を克服した。しかし今度アメリカに大不況が来たら克服できるのだろうか? アメリカを再建できるだけの経済力はもはや無いように見える。

一部のエコノミスト達がアメリカやイギリスの景気がいいのは新自由主義経済のおかげだと言っている。だから竹中平蔵氏も日本に新自由主義経済を持ち込もうとしているが、アメリカやイギリスが景気が良かったのは、日本の土地本位制を真似た資産活用(モーゲージ)ローンのおかげだろう。

サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。おかげで、より多くの米国人が融資を受けて住宅を買えるようになった。そして住宅価格の値上がりが消費の増大と景気の拡大を支える仕組みが働いていただけなのだ。しかしその限界は来つつある。

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