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「資産デフレ終焉」の実相・“公示地価16年ぶり上昇”からは見えない選別の脅威 = NBonline
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/117.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 4 月 11 日 17:22:13: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070406/122294/

国土交通省は3月22日に、2007年1月1日時点の公示地価を発表した。16年ぶりに全国平均地価が上昇したため、報道には「もはや資産デフレは終わった」という論調も見られた。だが、みずほ証券の石澤卓志・不動産アナリストは、水面下では厳しい選別が進んでいると指摘する。公示地価からは見えない実相を聞いた。
(聞き手は、日経ビジネス オンライン=谷川 博)

NBO 公示地価が16年ぶりに全国平均で上昇し、「ようやく日本の資産デフレが終わった」と言われています。

石澤 それほど大騒ぎすることではありません。既に東京都の都心部など一部地域では3年ほど前から地価の底打ち感が出ています。そうした状況を見ている不動産専門家からすれば、資産デフレはとっくの昔に解消されています。「今さらなんだ」という印象です。公示地価はリアルタイムの指標ではないので、実態より遅く傾向が出てくるのです。いわば、実態の後追いなんですね。おおむね1年半遅れといったところでしょうか。

 ですから、不動産取引が盛んになっている時には、前年までの公示地価と実態との乖離がものすごく大きくなる。国交省の委託を受けた鑑定員は、公示地価の評価の際にこのギャップを埋めようとします。その結果、今回の公示地価では前年の価格と比べた「地価上昇率」が実態よりも高く出ました。前年比伸び率40%以上のところがゾロゾロありますが、これは実態よりも2〜3割高いと見ています。

 国が一般土地取引の指標として毎年発表している公示地価を眺めているだけでは、日本の不動産市場の実相は見えてこないのです。


外国人投資家が東京の地価高騰を牽引

NBO では、実際にはどのようなことが起こっているのですか?

石澤 既に東京都心部では地価が相当に高くなっています。例えば、REIT(不動産投資信託)は最近、以前のように他社と競争して入札で不動産を買うことを避け、設立母体である不動産会社などから物件を割安に譲り受けている。従来のやり方では購入価格が高すぎて想定利回りを確保できないからです。新規投資を抑制しているREITさえあります。

 また現在、首都圏の賃貸マンションの平均月額賃料は1坪(3.3平方メートル)当たり約9000円ですが、REITが運用対象にしている東京都内のハイグレードな物件は坪1万2000〜1万4000円。そうしたREIT物件の中で最も賃料が高いのが東京都港区にある「元麻布ヒルズ」です。日産自動車のカルロス・ゴーン社長が以前住んでいたことで有名ですが、ここが坪2万4000円もします。

 ところが、もっと高い賃貸物件が出てきた。3月末に東京都港区にオープンした大規模複合施設「東京ミッドタウン」の住居棟です。ここには何と賃料が坪3万5000円もする住宅がある。ミッドタウンに入居する外資系ホテルには1泊200万円のスイートルームもあるそうで、この施設は全般的にかなりの高級感を売り物にしています。

NBO そんなに高額な住宅やホテルへの需要があるのですか?

石澤 外国人投資家にすれば、「日本でもようやくグレードの高い物件や値段の高い物件が出始めた」という感覚なんですよ。彼らの目には「日本の不動産はこれまで出遅れていた」あるいは「日本の不動産には割安感がある」というふうに映っているようなのです。

 そう思うのも無理はありません。米国では超高級マンションが続々と建てられていて、ニューヨーク、マンハッタンの一等地であるバッテリーパーク周辺の高級住宅になると、日本企業の駐在員などにはとても手が出せないほど高い。また、英国ロンドンの金融街シティでも、この1〜2年間にビジネスマンが平日の“ネグラ”として使うための賃貸住宅が多く供給されています。住戸面積は30〜40平方メートル、10坪前後ですが、その月額賃料は日本円で70万〜 80万円。坪単価で、東京ミッドタウン住居棟の倍以上にもなる。


オーストラリアで日本狙う不動産ファンドの上場が相次ぐ

 こうした世界的な不動産価格の高騰を目の当たりにしている外国人投資家が、「日本の不動産はまだ割安だ」と感じるのは当然でしょう。彼らの積極的な投資が東京都心部の不動産価格の高騰をもたらしているのです。実際、オーストラリアの証券市場では2005〜06年に日本専門の不動産ファンドが3つ上場しました。つい先頃も4つ目の上場予定が公表されたばかり。日本の不動産市場への海外マネーの流入が盛んになっています。

NBO オーストラリア資本と言えば、北海道倶知安(くっちゃん)町のスキーリゾートへの投資で有名ですね。

石澤 そう。倶知安は2006年に国交省が発表した「基準地価」で住宅地地価上昇率が全国1位になった所です。オーストラリア資本のリゾート会社が東京急行電鉄グループが開発したスキー場を買収して、自国からスキー客をどっと町に呼び込んだ。それで町への観光客が一気に増えた。倶知安のスキー場は雪質が良いため、オーストラリアのスキーヤーに好評のようです。町を訪れる外国人観光客の実に9割がオーストラリア人だそうです。

 その結果、住宅地の地価も上がった。そのため、今では倶知安に続けとばかりに、オーストラリア資本の誘致に乗り出す自治体が長野県内など全国にいくつかあります。


九州全域を尻目に一極集中型で投資呼び込む「福岡」

NBO 倶知安のように、地方の不動産市場にも海外マネーが流入しているのですか。それが地価上昇につながっているケースはありますか?

石澤 あります。今回の公示地価で30〜40%の高い地価上昇率を示した福岡市はその代表例です。44.1%と全国3 位の上昇率となったJR博多駅周辺では、外資系ファンドなどの不動産投資がかなり盛んになっています。地元不動産会社のアナリスト向け説明会で、「このところ外資が高値で買うのでやりにくい」と社長がさんざん愚痴をこぼしていました。外資系ファンドは、福岡の博多駅周辺を「いずれ九州経済圏の要となるスポット」と考えて注目しています。2011年に予定されている博多〜鹿児島間を結ぶ九州新幹線の全面開通がその起爆剤になると見ているようです。

 2004年頃から、福岡市では地価下落に歯止めがかかる一方で、鹿児島市や大分市など九州のほかの県庁所在地では地価下落幅がむしろ拡大していました。「九州新幹線が部分開通したことで、ほかの地域から福岡へ人間が吸い寄せられるストロー現象が起こり、福岡への一極集中の傾向が強まった」というのが、不動産投資家の見方でした。

 現在、この見方は一層強まっています。九州新幹線が全面開通すれば、ストロー現象に拍車がかかり、“福岡一人勝ち”がさらに鮮明になることでしょう。JR九州(九州旅客鉄道)による博多駅の建て替えなども追い風になる。博多駅周辺には外資系ファンドだけでなく、日本の不動産投資家も熱い視線を注いでいます。

 福岡には天神と博多という2つの核があり、元々、ビジネスや商業の中心は天神の方でした。ところが天神への注目度は博多に比べるといま一つ。福岡の交通の流れが大きく変わりつつあることが要因の1つです。天神は九州最大の私鉄である西日本鉄道の本拠地です。これまで市内の移動には西鉄のバスか鉄道を使うのが一般的でした。ところが、九州新幹線の全面開通によって、主要移動手段が新幹線を中心とするJRと市営地下鉄に替わろうとしている。

 それに伴って、ビジネス街も西鉄地盤の天神からJR地盤の博多へとシフトするというのが流れです。物理的に見ても天神には開発余地は少ないが、博多駅周辺にはまだ空きがある。しかも、博多は天神より地価に割安感がある。「これからオフィスビルを建てるなら博多だ」という投資家の読みです。


投資マネーが「四国」をまるごと見捨てた

NBO 東京、北海道、福岡と、公示地価を追うだけでは見えてこない「地殻変動」のようなものがあるようですね。

石澤 ええ。日本全国で、これまでとは様相が違う現象が起きています。

 四国の状況はかなり深刻です。今や、不動産投資対象としては重視されない存在になっています。

 今回の公示地価によれば、愛媛県松山市で10%台の値上がりを示したところもある。松山は来年放送予定のテレビドラマの舞台として注目を集めている。国交省は松山の地価上昇について「地道な街づくりが功を奏した例だ」としきりに宣伝したがっている。しかしですよ、昨年、国交省のそうした見解を引用して松山の地価動向に関するリポートを書いたところ、「いったいどこの街づくりのことを言っているのか」と当の松山市役所から問い合わせがあって、返答に窮したことがありました。

 もっと深刻なのが香川県高松市です。最近、ある日本のREITが高松市内に保有していたビル2棟を売却してしまった。このREITは、分散投資の観点から日本の各経済圏の中心都市にビルを取得する方針でした。四国経済圏の中心を高松と見て市内のビルを購入したのですが、実際に運用を始めて気づいた。「そもそも四国という独立経済圏は存在していないのではないか。むしろ中国・四国経済圏として見るべきでないか」と。それで高松のビルを売却して、投資先を中国地方の第2の都市である岡山市に振り向けることにしたのです。

 岡山の不動産市場には外部資金がかなり流れ込んでいます。既に、いくつかのREITや複数の投資ファンドなどが市内の建物を購入して運用しています。JR岡山駅前の再開発ビルは三菱地所系のREITの運用対象になっていますし、岡山駅近辺のJT(日本たばこ産業)工場跡地の再開発ビルはJT系 REITの運用対象になっています。

 ところが、中国地方の第1の都市である広島市では不動産市況がパッとしません。2000年頃に日本でREITが立ち上がった時には、どこも広島の物件を欲しがったものですが、当時は“出物”がなかった。やむを得ず、岡山に投資先を振り向けたという背景がある。最近になって広島でも物件が何件か出てきたのですが、数が少ない。時機を逸した感があります。


「大阪」の地価上昇は縮小均衡型

NBO 今回の公示地価では、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の大幅な地価上昇が話題になりました。

石澤 新聞などでは「東京の地価上昇トレンドが地方にも波及した」といった論調が目立ちましたね。でも、現実は必ずしもそうではない。1980年代後半のバブル期までは東京が良くなれば地方も良くなるという相関性がありました。しかし今では、東京が上がれば地方も上がるという単純な話ではない。

 大阪市では、延べ面積3万平方メートル以上の大型ビルが2006年には全く供給されませんでした。これは過去10年で初めてのことです。供給に不足感が生じたため、結果的に空室率が減った。地価が上がったとはいっても、全体の“パイ”が縮小しているのです。大阪はビジネス都市としての地力が落ちているために、一般に言われている「オフィス市況が回復した」という見方を額面通りには受け取れません。投資マネーが流入しているわけではないのです。

NBO どうやら、2つの要素がありそうですね。第1に、海外主要都市で不動産価格が高騰する一方で、割安感のある日本の不動産に海外マネーが流れ込んでいる。東京都心や倶知安町、福岡などでは、そうした投資が集中し、過熱気味になっている。

石澤 そうですね。

NBO もう1つは、規制緩和のおかげで国内外の投資銀行や不動産投資ファンド、REITといったプレーヤーが一気に増えたことで、投資判断がかなりシビアになったことですね。


投資先としての都市と地域の選別が加速

石澤 ええ、甘さはありませんね。東京や福岡のように、儲かると判断すれば資金を集中的に投下する。一方で、松山や高松が儲からないと見れば、四国全域を見捨てて資金を引き上げてしまう。その結果、全国で地価の2極化が進行しているのです。投資先としての都市や地域の選別が進み、優勝劣敗が明確になり始めています。

NBO 投資マネーのダイナミックな動きが、そうした選別を加速しているわけですね。

石澤 その通りです。

NBO この流れは止まらないのですか。

石澤 極論を言えば、地方を生かすために都市の開発を抑制するぐらいの大転換をしなければだめでしょう。もちろん、そんなことは非現実的な話です。新幹線や高速道路を整備するほど、地方の人は大都市に吸い寄せられていきます。カネも都市にどんどん集まる。つまり、“選抜”されなかった地方や地域はただ寂れていく運命にはまり込む。そういうシナリオが見え始めているのです。

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