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植草一秀:今週の内外経済金融情勢の展望 = スリーネーションズリサーチ株式会社
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/322.html
投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 5 月 08 日 18:30:23: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.uekusa-tri.co.jp/column/index.html

 日本の大型連休の期間、米国株式市場では堅調な株価推移が続いた。米国経済の減速の程度と原油市況を含めたインフレ懸念のゆくえが鍵を握っているが、両者についての安心感が広がっていることが、株価堅調の背景になっている。
 米国FRBは2004年6月から2006年6月にかけて短期金利を大幅に引き上げた。FFレートは17回引き上げられ1.0%から5.25%にまで上昇した。インフレの未然防止が成長持続の条件であるとの確固たる考えのもとに金融政策が運営された。原油価格が大幅に上昇したものの、一般物価のインフレは見事に遮断された。
 米国では住宅価格が下落に転じ、一部で住宅ローンの焦げ付きが発生し、住宅投資が減少している。住宅投資の大幅な落ち込みが米国経済の失速をもたらすのではないかとの不安が生じたが、現段階では景気失速のリスクは大幅には高まっていない。
 FRBのインフレ未然防止の金融政策運営の成果として、今後の景気失速リスクに対して金利引き下げでの対応のオプションが存在することが大きな安心材料になっている。

 日本の株式市場の今後の動向を考察する際には、以下の三点を注視することが求められる。第一は米国株式市場動向だ。主要国株式市場は米国市場との連動性を強く有している。第二は日本経済の生産活動の足踏み状況のゆくえについての見極めである。本年1-3月期には生産活動が伸び悩んだ。2007年度の企業収益についても弱気の見方が浮上しており、経済活動の変化に対する注視が必要である。第三は財政金融政策の対応だ。緊縮財政政策の方針には大きな変化が見られない。金融政策については、金利引き上げ政策が一巡したと考えられるものの、追加利上げについての憶測が市場に残存している。

 4月27日に発表された米国2007年1-3月期のGDP成長率は前期比年率+1.3%と市場予想を下回った。5月4日に発表された4月米国雇用統計では非農業部門の雇用者増加数が8.8万人と過去2年強で最小となった。米国経済の減速が確認されている。
 しかし、住宅着工件数などに下げ止まりの傾向が観測され、米国経済が失速するリスクは必ずしも強まっていない。住宅着工は年率150万戸ペースを維持している。4月下旬から発表が本格化している本年1-3月期の企業収益も好調を維持しており、米国経済の先行きに対する楽観論が市場を支配している。

 市場が最も警戒しているインフレ懸念については、消費者物価指数、卸売物価指数のいずれについても、食品、エネルギーを除くコア指数が落ち着いた動きを堅持しており、市場のインフレ懸念は緩やかに後退している。原油価格はWTI先物価格が1バレル=60ドル台で推移しており、依然として先行きの価格高騰に対する懸念は払拭されていないが、市場のインフレ懸念は抑制されている。
 住宅投資減少に伴い景気は減速しているものの、一般物価のインフレは抑制されており、金融政策には必要に応じて金利引き下げを実施する余地が存在している。企業収益が堅調を維持しており、個人の所得、消費のプラス循環は大きく損なわれていない。こうしたファンダメンタルズの良好さと金融政策を中心にした政策対応の手堅さが好感されている。

 今週、米国では9日(水)にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。政策金利は据え置かれる見通しだが、現段階でFRBがインフレ懸念と景気減速のいずれに懸念を有しているのかが注目される。FOMC後のFRBの声明に注目が集まる。11日(金)には4月米国小売売上、4月米国卸売物価指数が発表される。
日本では9日(水)に3月景気動向指数、10日(木)に4月景気ウオッチャー調査結果が発表される。また、2007年3月期企業決算発表が今来週にピークを迎える。9日(水)にトヨタ自動車、10日(木)に伊勢丹などの決算発表が予定されている。

 日本の株式市場では、国内経済の停滞観測などの不安要因が存在するものの、長期金利利回りに比較して株式の益利回りが大幅に高い状況が持続しており、株価の強い割安感が維持されている。
米国市場の動向を睨みながらも堅調な株価推移の持続が予想される。日米経済ともに緩やかな景気減速局面にあり、景気指標には十分な注視が必要である。5月17日(木)に日本の2007年1−3月期GDP速報が発表される。どの程度の景気減速になるかが注目される。
 日銀が4月27日に発表した『展望レポート』では、2007年度の消費者物価上昇率見通しが前回2006年10月レポートの+0.5%から+0.1%(いずれも見通しの中央値)に下方修正された。景気減速が見込まれるなか、物価の安定基調が持続するとの見通しが持たれている。日銀による性急な追加的金利引上げの可能性は後退したと言える。米国市場動向、景気の先行き、金融政策動向に注視が必要であるが、日本の株式市場は堅調な推移の持続が予想される。

 米国長期金利が安定した推移に回帰したことを受けて、日本の長期金利も安定した推移が見込まれる。為替市場では日米実質短期金利差を背景にしたドル買い圧力が強いが、近い将来の米国金利引き下げも予想されていることから、ドル下落に転じる際の急激なドル安圧力の表面化を警戒しておく必要がある。
  日本の政治の焦点は7月22日に予定される参議院選挙に移っている。政治の緊張感が高まるためには、参議院での与党の過半数割れが必要だが、民主党が有権者にアピールする政策体系を効果的に打ち出せるかが焦点である。「格差」、「憲法」、「教育」、「政治とカネ」、「天下り」の各論点について与野党が明確な政策を示すことが求められる。

2007年5月7日
スリーネーションズリサーチ株式会社
植草 一秀

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