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トヨタも悩む国内失速・・・ 青森県には、新規出店先にタイ・バンコクを選んだディーラーもある。【日経産業新聞】
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投稿者 hou 日時 2007 年 5 月 13 日 18:40:16: HWYlsG4gs5FRk
 

トヨタも悩む国内失速――若者の車離れ・鈍い買い替え(NewsEdge)=訂正あり2007/05/10, 日経産業新聞, 24ページ, 有, 2176文字


「技術の源」にカゲ
前期営業益2兆円突破

 トヨタ自動車は九日、二〇〇七年三月期連結決算を発表した。「自動車世界一」に向けてラストスパートに入った勢いがそのまま数字になって並ぶ。だが懸念もある。足元の国内販売の落ち込みだ。自動車産業では自国市場で沈滞したメーカーが長く繁栄することはない。トヨタ社内には「国内販売の回復なくして、世界一の実感なし」との声は多い。(関連記事13面に)

 連結売上高二十三兆円、営業利益二兆円、北米での商品力強化、中国市場での急速な基盤整備――。トヨタの決算発表資料には華々しい文字が並ぶ。研究開発費は九千億円前後、設備投資額は一兆五千億円に上る。

 ただ決算発表の席上、質疑が国内販売に関連してくると、木下光男副社長の表情は一瞬険しくなった。「我々はグローバルに仕事をしているが、どこの国に行っても活気がある。日本だけがそうじゃない」。

 日本で新車が売れない。北米一五%、欧州二〇%と両拠点が二ケタの販売増で収益をけん引する中、日本は四%減で二年連続の落ち込み。市場全体の減少が大きいためシェアは上がったが、トヨタ幹部に喜びの表情はみられない。

 〇七年三月期は販売にとって実りの年になるはずだった。量販車種「カローラ」の全面改良や最高級ブランド「レクサス」の旗艦車種「LS460」投入などで盛り上がりを期待した。だが販売減少を食い止めることはできなかった。

商品の魅力課題
 「本当に自動車業界って勝ち組なんでしょうか」。愛知県内のトヨタ系ディーラーの四十歳代のあるマネジャーは、若手社員に居酒屋でこう詰め寄られ、戸惑った。

 足を棒にして営業に出ても、感触は思わしくない。セールスでは「新しい携帯電話を買う。通話料がますますかかるから、クルマは買えない」と返答される。比較対象が違うのではと思いつつ、若年層のクルマ離れは深刻だと感じる。

 嗜好(しこう)の変化以外にも売れない理由はある。特に就職などで新車を初めて購入する人が多い若年人口の急減が深刻に響いている。

 性能向上が販売の足を引っ張る皮肉な現象も出ている。日本自動車工業会によると、乗用車の平均使用年数はここ十年間で二年近く伸びている。「壊れにくく、経年変化によるストレスも少ない」といった、技術者たちが汗水流して打ち込んで築いたものづくりの成果が「まだ乗れるな」と消費者に思わせ、財布のひもを緩めさせない。

 ディーラー側も売れない理由を並べるだけではない。ある店では個別訪問を抑えめにする一方、販売店への来店を促す戦略を進めるなど、きめ細かさを追求している。夜に自宅を訪問しても「不在の若者が増えている」ことへの対応だ。青森県には、新規出店先にタイ・バンコクを選んだディーラーもある。いずれも先行き見通しが厳しいことを象徴している。
 ただ根本的な問題は、魅力ある商品に欠ける点だ。名古屋トヨペットの小栗一朗専務は「パワーウインドーが付くなど、かつてはモデルチェンジや新型車のたびにびっくりする機能があったが…」と語る。

 国内を活性化させようと、トヨタもプロジェクトチームを立ち上げ戦略を練り始めている。「ワクワクするような、消費者の心に訴えかけるクルマ」がキーワードだ。

豊田氏を起用

 さらに、国内販売トップに創業家の一人、豊田章男副社長を近くあてる方針だ。求心力を期待する一方、現在五つある販売チャネルのテコ入れを指摘する声もある。元々、地元名士が多いのがトヨタの販売網。豊田副社長起用が起爆剤となることへの期待は大きい。
 トヨタが国内にこだわるのはなぜか。トヨタ首脳は「日本は単なる一販売地域ではない」と語る。

 愛知県三河地域を中心に部品会社も含め研究開発拠点を集積させ、技術の蓄積を進めている。以前に比べて海外工場の自立が進んでいるとはいえ、その源を作り出すのはやはり日本だ。トヨタは研究開発に年間九千億円前後を投じるが、その多くが三河地域。「比較的自国外にも分散させている」(トヨタ首脳)米ビッグスリーとは異なる。

 その研究開発を生産技術に注ぎ、クルマを生産、そして販売し、需要動向を分析する。「一連の流れがすぐに、研究、生産、販売スタッフがひざ詰めで話し合えるのが強み」(トヨタ幹部)。販売を拡大することで、日本の雇用を維持・拡大する側面も大きい。
 「〇七年は後半から昨年度以上のモデルチェンジや新型車投入をする。残価設定ローンや旅行会社との協力など知恵を出しあいながら様々な手を打っていく」。渡辺捷昭社長は創立七十周年を迎える今年度の国内販売への決意をこう語った。

 実数としては、前期は二百二十七万台と九万一千台減らしたが、今期は二百三十二万台と反転させる計画だ。トヨタ幹部は最近「任天堂がクルマを作ったらどんなものができるか考えろ」と開発担当者に指示した。既成概念にとらわれない頭で考えないと簡単には打破できない――。そんな極めて難しい段階にいるのかもしれない。
 「これ」といった有効打が見いだしにくい中、好調の陰でトヨタの苦悩が続いている。

(名古屋支社 黒沢裕)
【図・写真】魅力あるクルマの開発を急ぐが、光はなかなか見えない(名古屋市の愛知トヨタ自動車高辻営業所)
 <訂正>
10日付トヨタ国内販売台数のグラフ中、一部地域で「軽自動車除く」とあるのは誤りでした。

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