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「国民が拒絶し続けてきたツケ」って意味わかんな〜い。統一番号があったって社保庁人体質は劣悪
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/871.html
投稿者 いわんこっちゃん 日時 2007 年 6 月 19 日 19:35:12: 413lEnvjfcH4E
 

(回答先: JMM [Japan Mail Media]  年金問題の現状を考える糸口 投稿者 愚民党 日時 2007 年 6 月 19 日 05:28:19)

■ 土居丈朗  :慶應義塾大学経済学准助教授

 今般の年金記録問題は、これまで我が国の国民が、統一した「番号」で管理される
ことを(政治的な総意としては)拒絶し続けてきたツケといえるでしょう。住民基本
台帳番号も然り、(結局は真の意味で統一した番号になっていなかったことが今般判
明した)基礎年金番号も然り、アメリカの社会保険番号(SSN)のようには機能し
ていません。そして、納税者番号は未だ導入ができていません。

 今般発覚したことは、統一した「番号」がないために、これまでの年金保険料納付
記録が散逸する羽目になったことです。確かに、初期の手書きの時期に不正確に記録
されていたとか、コンピュータ導入時に誤入力があったとか、信じられないようなお
粗末な社会保険庁の仕事ぶりには開いた口がふさがりません。しかし、それも、統一
した「番号」があってそれにより納付記録が管理されていたならば、今日までこうし
た事態が放置されてしまう結果にはならなかったと考えます。早い時期(例えば19
60年代)に統一した「番号」を導入していたならば、そしてその番号を年金だけで
なく健康保険や納税や住民票の管理などにも統一的に使っていたならば、たとえ年金
制度が一元化されていない(国民年金、厚生年金、共済年金)としても、ある個人が
転職を頻繁に繰り返しても、手続きの都度統一した「番号」の提示を求めれば、毎回
ではないにしても、2回に1度や3回に1度でも「番号」を通じてその都度の状況を
確認する機会に恵まれたはずです。そして、自分の名前や性別が間違って記録されて
いるといった初歩的なミスはいつかは発覚していたはずです。その「番号」が年金以
外の場で用いられていたならば、なおさらです。社会保険庁よりも厳格に本人確認や
過去の記録を求める納税、転入転出の届出、健康保険証取得、さらには(アメリカの
ように)銀行口座開設、といった場面でも、その「番号」を用いていたならば、社会
保険庁でミスがあっても、そのミスに気がつく局面がいつかは訪れたはずです。国税
庁や銀行などが、社会保険庁が犯したミスのようなことを放任できるはずはないので、
「番号」によって管理された個人の基本情報に誤りがあれば、少なくともそれに気が
つくか、場合によってはその誤りを修正することもありえたと思われます。そして、
ミスに気がつく場面に直面すれば、それ以前に納付した年金保険料が正しく記録され
ているか疑義も生じたでしょうから、(ミスを税務署や銀行で気がついたとしても)
社会保険事務所等に赴くなどして納付記録を確認することができたかもしれません。

 しかし、我が国の国民は、それを(政治的な総意としては)拒絶し続けてきました。
(英語の privacy の意味と異なる意味で用いられている日本語の)「プライバシー」
を守ることを理由に、統一した「番号」を拒絶しましたが、結局守られたのは、脱税
者や意図的に保険料納付を拒否する者のわがままな「プライバシー」や、年金保険料
納付の記録漏れが起きていたという事実の「秘密」だったわけで、国民全体で見れば
悲劇としかいいようがありません。

 年金で用いられる基礎年金番号は、納税や転入転出の届出や銀行口座開設の場面で
用いられないものとされてきました。だからこそ、社会保険庁がミスを犯せば、それ
が他の機関によって正されることなく、放置されてしまったわけです。同一の個人で
も、年金番号を2つ以上付されていたケースもあるようですが、それも統一した「番
号」がなかったがゆえに起った事態です。

 今般の年金記録問題を契機に、我が国にも、悪用を防ぐ仕組みを内包した形で統一
した「番号」を導入することが必要です。政府は、(日本版の)社会保障番号の導入
を検討し始めているようですが、導入に向けた本格的な議論を期待したいところです。
アメリカのように社会保障分野だけに限らず、社会的に広く用いることのできるよう
な「番号」として導入するべきです。それと合わせて、国民に不信感を与えないよう
にする説得も必要でしょう。統一した「番号」から、国家による個人情報の一元管理
と惹起する向きもありますが、それは被害妄想です(「番号」を管理する機関が国民
から高い信頼を得られるよう努力することは当然必要です)。情報管理のシステムを
工夫することで、悪用を防ぎながら情報提供・管理の利便性を図ることが可能です。
重要なことは、脱税などの犯罪を犯そうとする者の「プライバシー」を認めることな
く、善良な国民の個人情報を真に必要なときにだけ活用できるようにすることです。
統一した「番号」が使えないがゆえに、年金記録の散逸はもちろんのこと、金融機関
等での口座の名寄せができずに、高額の金融所得稼得者の脱税を放置したり、偽名の
口座で犯罪を助長したりすることの社会的な損失は非常に大きいと考えます。

                    慶應義塾大学経済学部准教授:土居丈朗
                  <http://www.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/>

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