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整理回収機構 地方を衰退させた欺瞞手口 [月刊テーミス]
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投稿者 white 日時 2007 年 6 月 20 日 20:21:22: QYBiAyr6jr5Ac
 

□整理回収機構 地方を衰退させた欺瞞手口 [月刊テーミス]

 http://www.e-themis.net/new/feature/read.php

白井管財人「内幕」を語る
整理回収機構 地方を衰退させた欺瞞手口
再生を謳うが実は債権回収を強行した非情な手法の全てを今こそ告発する!

■「紙くず債権」を札束に変える
 破綻金融機関から買った不良債権を処理する国策会社・整理回収機構(RCC、奥野善彦社長)が、借り手企業や連帯保証人を破産させて回収を急ぐ姿勢を強めている。「債権者破産」(詳細は後述)の連発についてRCCは、「新しい事業再生の手法だ」と喧伝するが、実態は会社乗っ取りに近いことが関係者の証言で浮かび上がってきた。
 国策会社でそんなことがあり得るのだろうか。
 RCCの前身、住宅金融債権管理機構(住管機構)ができたのは'96年のことだ。銀行が設立した住宅金融専門会社(住専)の経営が行き詰まり、その処理に税金が投入されたため国民世論が沸騰。政府は日本弁護士連合会会長を務めた弁護士、中坊公平氏に社長を依頼し、コゲついた住専の債権を回収する国策会社として住管機構がつくられた。
 中坊氏は借金回収という民事行為を「正義による悪の懲罰」であるかのごとく描き出し、“平成の鬼平”と絶賛された。たしかに一部の大口借り手は闇社会と結託していたが、多くの借り手は一般市民。中坊氏も「血も涙もない回収はしない」と公約したが、実際には警察や裁判所と手を組み、「早く返さなければ競売にかける」「逆らったら逮捕する」という脅しを背景に辣腕回収を進めた。
 住管機構は'99年、整理回収銀行と合併して整理回収機構となり、その初代社長にも中坊氏が就任する。取り立ての対象は住専の債務者から、破綻した金融機関の借り手やその連帯保証人へと拡大した。
 住管機構やRCCの成果のひとつに、乱脈融資で不良債権問題を生み出した金融機関やその経営者の責任追及があった。しかし、金融再生法53条に基づいて健全金融機関から債権を買い取り、その回収にあたる業務が加わると、途端に「銀行追及」の旗を降ろした。お得意様に変わった銀行から、無担保債権をタダ同然で買い取り、債務者企業の売掛金や連帯保証人給与にまで差し押さえをかけながら、「紙くず債権」を札束に変えていったのだ。


■「生きた旅館」を売却し回収を
 もちろん、住管機構とRCCが不良債権処理に寄与したことは事実だ。だが、その不良債権処理も峠を越え、金融は平時に戻った。それはそれで問題はあるとはいえ、民間サービサー(民間債権回収会社)も多数できた。
 社会的役割が終わったRCCは、しかし、無理に仕事を作り出している。
'01年からは政府の「骨太の方針」に基づいて、企業再生業務に進出した。
 しかし、「再生」とは名ばかりで、事実上の会社乗っ取りともいえる「債権者破産を活用した事業再生」なる手法によって、新たな悲劇と混乱を生じさせているのだ。その典型事例が栃木県で起きていた。
 2月15日、RCCは、日光市の柏屋ホテル(片山則夫社長)に対し債権者破産を申し立てた。'26年創業の柏屋は川治温泉の老舗旅館だが、バブル崩壊で売り上げが減少し、さらに'94年に建てた新館建築のための借り入れが経営を圧迫。片山社長は私財を売るなどして6億円を返すが、メーンバンクだった足利銀行の破綻で28億円の残債務がRCCに売られた。
 破産の99%は債務者が自ら申し立てる自己破産だ。RCCが行った「債権者による破産申し立て」は異例だが、RCCは柏屋に対する破産申し立てについて、事業再生のために破産手続きを利用したリーディングケースとなると主張している。
 RCCによれば、「債権者破産を使った再生」を始めたのは'05年からで、これまで手がけたのは旅館9件、医療4件、建設1件の計14件だ。
 柏屋処理のスキームは、破産によって片山社長をはずして管財人が経営を掌握、旅館の営業を維持したまま売却先を探し、売却益を回収に充てる、というものだ。RCCは管財人の「補助者」として管財事業にも参加している。土地と建物を競売するより、生きた旅館を丸ごと売ることで売却益を増やそうというのである。会社更生や民事再生と違い、裁判所の決定がすぐ出る点も、RCC側が「破産」という手法を選んだ理由の一つとみられる。
 老舗旅館の破産が全国的に知られたのは、「割引料金で宿泊、飲酒……整理回収機構の『常識』」(『週刊朝日』5月4・11日号)という記事のためだ。同記事は、宇都宮地裁が破産申し立てを認め、柏屋に管財人が乗り込んだ2月21日の「出来事」を暴いた。
 この日、宇都宮地裁によって管財人に選任された白井裕己弁護士と一緒に柏屋にやってきたRCC職員らが、突然宿泊を要求。宴を囲み名湯に浸かり、ビールを飲んで、正規の料金を支払わなかったという一件だ。
 だが、より大きな問題がある。管財人とRCCとの「関係」だ。


■見積もりもカネもお膳立てし
 ここに「運営支援に関する契約書」と題する書類がある。2月15日に、柏屋ホテルの保全管理人に選出された白井弁護士(その後管財人に就任)と、マネジメントサポートという会社が交わしたものだ。柏屋の営業譲渡までの間の営業維持の支援、入札資料の作成等について、保全管理人がマネジメントサポートに依頼する、という内容になっている。マネジメントサポートは'97年設立で、登記簿によれば、「印刷、出版、美術品の販売、企業経営に関するコンサルタント業務」などを目的とした会社だ。
 柏屋処理スキームのポイントは、破産後の営業維持と並んで、売却先探しにある。マネジメントサポートや売却先探しとRCCはどう関わっているのか。RCCの山川隆久常務執行役員は、本誌の取材に「マネジメントサポートとRCCは契約を交わしておらず、関係もない。売却先探しも関与していない」と断言した。
 ところが、である。取材を進めると、マネジメントサポートが2月6日付で、柏屋の運営支援に関する「お見積もり」を作成していることがわかった。費用総額は1千578万9千円にものぼるのだが、破産申し立ても行われていないこの時点(破産申し立ては2月15日)で、一体誰が見積もりを取らせたのか。
 また、「お見積もり」金額の内訳は、日本ベストサポートという会社に約881万円、税理法人ザットに400万円などとなっているが、両社はRCCとともに、長崎県雲仙温泉で「旅館再生」に取り組んだ実績がある。「マネジメントサポートと無関係」というRCCの説明には、疑問符がつく。
 ここは管財人である白井弁護士の説明を聞かねばなるまい。管財人である白井弁護士に本誌がインタビューしたところ、「柏屋破産の内幕」を率直に語った。
 ――RCCを補助者にした理由は。
 白井 管財事業はぶっつけ本番に近いので申立人の協力が不可欠だが、本件ではRCCが申立人だった。
 ――なぜ、マネジメントサポートに運営支援を依頼したのか。
 白井 これは、はっきりいってRCCが連れてきたに決まっている。私のような田舎の弁護士にそんな知り合いはいない。
 ――「お見積もり」は誰が取らせたのか。
 白井 事前準備としてRCCが取らせたのだと思う。私が取らせたものじゃない。
 ――日本ベストサポートと直接契約しなかったのはなぜか。
 白井 「どういう枠組みで回っているか」というのは、管財人の私には正直いってわからない。ベストサポートが直にやるには、なにか具合の悪い事情があったんじゃないか。
 ――「運営支援」費用の1千578万円は誰が支払っているのか。
 白井 RCCが積んだ予納金から払っている。転売益で清算する。
 どういう枠組みで回っているか、管財人にもわからない。見積もりも運営支援もそのためのカネも、すべてはRCCがお膳立てしているのだ。
 管財人の証言は続く。
 ――RCCは売却先探しにも関与しているか。
 白井 そう思う。
 ――地元には、経営者を追い出して旅館を乗っ取り、地元業者を切り捨てて、銀行(RCC)がいっぱい持っていくと考えている人が多いが。
 白井 そういう見方が全部間違っているとは、私は思わない。取引している業者さんはかわいそうな面がある。
 ――要するにハゲタカみたいだと。
 白井 ズバリそうだろう。資本主義とはそういうものだから。
 白井弁護士は柏屋の運営管理を任された「管財人」であり、RCCがそれに協力していることは先に述べた通りだ。RCCと二人三脚といえる白井弁護士がこのような胸中を吐露したのはどういうわけか。事情を知る関係者はこう推測する。
「今回の柏屋のケースやこれまでのRCCの案件に批判が集中していることもあり、そこに巻き込まれたくないという思いがあるのではないか」


■「銀行」に事業再生はできない
 ともあれ、柏屋を破産させて経営者を外し、息のかかった運営業者を送り込み、短期間に転売して売却益を回収に充てる。RCCとその仲間たちが事前に絵を描き、彼らが裏で仕切ってきたとすれば、それが「RCCによる旅館乗っ取り」と映ってもやむを得ない。
 それでも、経営危機に陥った老舗旅館が再生されるのなら地域経済にとってはいいことだ、という考え方もあるだろう。だが、会社を乗っ取って転売し、利益を稼ぐ行為を、はたして「再生」と呼べるのか。
 ――柏屋で「回収」というのはわかるが、なぜ「再生」といえるのか。
 白井 (回収と再生)両方だと思うが、RCCはええ格好したかったんじゃないか。潰すばかりだといわれているから、たまには再生もするんだと。
 ――新しいスポンサーがつくことで本業の収益力が向上する見通しでもあるのか。
 白井 正直いってわからない。
 本業の収益力改善の見通しについては、RCCの山川常務執行役員にも質問したが、明確な答えはなかった。
 東京商工リサーチ情報出版本部の棚瀬桜子経済研究室長はこう説く。
「温泉旅館などを対象に、RCCが破産申し立てをする事例が増えている。旧経営陣と話し合いがつかず回収が進まないために業を煮やして破産に踏み切ったのだろうが、RCCは銀行出身者の集まりだ。銀行は『債権債務の調整』はできても事業はわからないから、事業再生などできない」
 中小企業の事業再生を約4千件手がけてきたセントラル総研の八木宏之社長の見方も手厳しい。
「こんなものは『再生』ではなく『清算』だ。旅館を転売して利益を取り、取引業者に払うものも払わない。すべてRCCの独りよがりで、債権の回収ができなかった取引業者の連鎖倒産を生む可能性もある。破産乱用は事業再生手法を発展させてきた努力を無にするものだ」
 もはやこう結論付けてもいい。「債権者破産を使った事業再生というのは欺瞞であり、実態は会社乗っ取りによる新手の回収法に過ぎない」と。


■もはやRCCに存在意義なし
 FAX1枚で「売掛はもう払えない」と通告された地元取引業者は、「情けも容赦もない」と憤る。柏屋の経理に長年携わってきた平田正春さんも、「地元業者を大事にしなければ旅館経営は成り立たない」という。地方旅館の経営陣に共通する思いだ。
 潰れた銀行の債権を安く譲り受け、債務者や連帯保証人をつぶして取り立てたRCCの回収益は、RCCに群がる弁護士の報酬などに消え、残りは国に「上納」される。
 弁護士の報酬はタイムチャージで1時間2万円だという。過当競争が始まった弁護士業界にとって、RCCは“おいしい公共事業”なのだ。
 もっとも、公共事業と違って、RCCは'00年度に73億円だった納付金を'05年度には2千386億円に膨らませた。ハゲタカの上前を国家がはねているのだ。
 だが、金融情勢が変わった今、RCCで仕事をする弁護士や職員と、その上納を受け取る国庫以外の、つまりは一般国民にとって、RCCは存在意義が見えなくなってきた。
 柏屋をめぐるRCCの振る舞いを国会で追及する前田雄吉衆院議員(民主党)は、こう指摘する。
「カネを貸したら何をしてもいいのか。債権者破産の乱用は目にあまる。不良債権処理も峠を越えた。役割を終えて民間にバトンタッチした産業再生機構のように、RCCも解散するべきだ」
 設立から8年。中小企業の怨嗟の声が広がる中、国策借金取り立て会社=RCCの今後が根本から問われている。
そんな折も折、RCC設立に奔走したが、詐欺的回収の責任を取って弁護士バッジを外した中坊公平・RCC初代社長が、弁護士復帰へ動き出した。
 生きた旅館を乗っ取る回収手法を中坊氏が知ったら、「血も涙もないことはやめなはれ」と諌めるだろうか。それとも「ようやった」と頬を緩めるだろうか。


(2007年6月号掲載)

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