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不良債権を買い取るのであれば早いほうがいい。買い取る資金は米国だけでなく、欧州や日本なども供出していいだろう。 大前研一
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投稿者 TORA 日時 2007 年 10 月 02 日 12:44:15: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu153.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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不良債権を買い取るのであれば早いほうがいい。買い取る資金は
米国だけでなく、欧州や日本なども供出していいだろう。 大前研一

2007年10月2日 火曜日

◆『不動産は値下がりする!』 江副浩正著(評:石山新平)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070926/136011/?P=1

 先日、古くからの友人である欧州のプライベートバンカーと帝国ホテルのバーで酒を飲む機会があった。彼の銀行は長年日本に投資しており、出張して来る時は決まって帝国ホテルに泊まる。そんな彼が興奮気味に言った。

「以前は帝国のスイートは高いと思ったが、今では欧州の四つ星ホテルよりよっぽど安い」

 ほんの数年前に1ユーロ100円以下だったユーロ通貨が180円近くになったのだから、欧州人からすれば、日本のすべて値段は半分近くに下がったことになる。それは日本の土地やビルなど不動産にしても同じだ。

 世界は不動産バブルに沸いている。ロンドンにしてもニューヨークにしても主要な都市の不動産価格はうなぎのぼり。日本も値上がりはしているが、その比ではない。円安ユーロ高も手伝って、欧州人からみれば東京の不動産は「信じられないほど安い」ということになる。

今回の彼の出張の狙いは日本の不動産投資の状況を自分の目で確かめること。1週間ほどの滞在で彼が得た結論は「まだまだ買える。ただし銀座などの都心の一等地か、田園調布などの高級住宅地だけ」というものだった。

 そんな折、良くも悪しくも時代の先を読む眼力を持ち合わせていると思われる江副浩正氏の『不動産は値下がりする!』が目についた。江副さんと言えば、リクルートという先見性のかたまりのような会社を創業し、幅広い人脈を誇ったベンチャー経営者のはしり。リクルート事件で失脚した後も、兜町でしばしば名前が取り沙汰された人物である。そんな江副さんの相場観が示されているのではないか、と期待を抱いたのである。

 確かに、江副さんはこの本で「金利が上昇して不動産バブルが崩壊する」という予測をしている。だがこの本が教えてくれる最も重要なポイントは「土地は生産されている」という点である。

かつて「土地神話」というのがあった。日本の土地は限られている、つまり希少性があるので、決して下がらない。つい一昔前、世代で言うなら50代以上の人たちまでは、そう考えてきた。その「土地神話」世代に属する本書の著者は、実は土地というのはどんどん生産され、増えるのだという“真理”を開陳し、そのうえで、金利との関係で早晩、今の不動産バブルが終焉する、という警告を発しているのだ。

 この5年余りで東京の中心部の姿は一変した。5年前には六本木ヒルズはもとより、東京駅前の丸ビルすら完成していなかった。そうした再開発プロジェクトを通して、ビルの床面積は急激に増えたのだ。一定の広さに建てられる建物の大きさである「容積率」は都市計画で決められている。規制が緩和され容積率が上がれば上がるほど、ビルの床面積が増え、土地の値段は上昇する。今都心で起きているのは、こうした流れだ。

 では引き換えに何が起こるか。郊外など周辺部の土地は下がるのである。当然のことだが、都心の新しいビルが増えれば、周辺部にある古いビルの賃料は下がり、地価も下がる。

 「そろそろマンションでも買うか」とか、「一戸建てはどうかな」などと考えているビジネスマン諸兄にとって、「果たして不動産価格は上がるのか、下がるのか」というのはなかなか深刻な問題だ。親からの遺産でもない限り、多額のローンを背負うことになるのだから、購入物件の価格が大幅に下がることにでもなれば目も当てられない。

「不動産は値下がりする」というタイトルや、帯の「いま、何が起きようとしているのか」というおどろおどろしい文句をみると、江副氏の先見性をたっぷり披瀝してあるのではないかと期待するが、実際はそうではない。土地など不動産価格のメカニズムを実例を引きながら丁寧に説明している。ひと世代前の人間が飛びつく「江副本」ではなく、不動産についてまとめた「お勉強本」なのである。

 もっとも、リクルート事件がすっかり歴史上の出来事になり、江副さんと聞いてピンと来ない若者が増えたいま、「江副本」であることを期待する読者は少ないだろうから、実害はないだろう。

 帯に小さく書いてある「不動産購入前の必読書」というのが本書の性格を正しく表している。「土地は生産されている」と聞いて、その理屈が想像できる人は本書を読む必要はないが、「えっ?」と思う人は読んで損はない。

◆不動産投資はサイクルビジネス バードレポート2005年4月25日 第542号
http://www.bird-net.co.jp/rp/BR050425.html

都市部では選別をしながらの不動産価格高騰が続き、マスコミ紙面をにぎわしています。

今から10数年前の日本には「不動産は値下がりをせず、値上がりを続ける」という土地神話が存在しました。不動産はこの「神話時代」を通過しました。

神話は崩壊しました。日本の人口増や高度経済成長が神話の基礎だったようです。その基礎が崩壊してしまいました。

日本の不動産は「神話商品」から「普通の投資商品」に変わったようです。それは上がることもあれば、下がることもあるという意味です。

アメリカで不動産投資ビジネスは「サイクルビジネス」と呼ばれます。不動産価格は上がって、天井をうって、下がって、底をうって、また上がる、というサイクルを描きます。

そのサイクルを利用しビジネスにするという意味です。つまり安いときに買って、高くなったなら売るのです。

カルパース(カルフォルニア州職員退職年金基金)は140万人が加入し運用資産は20兆円弱とアメリカ最大の年金基金です。

このカルパースがアメリカでの不動産を大量売却しています。(TheWallStreetJornal2005.3.25.日経ビジネス2005.4.11.)

カルパースは過去3ケ月で65億ドルのオフィスビルや商業施設を売却しました。これはカルパースの不動産投資の半分です。

アメリカでは商業用不動産が記録的な高値をつけています。

カルパースはアメリカの不動産のサイクルが天井に近いと認識したのです。安いときに買った不動産を高値で売り抜けます。

一方でカルパースは日本の不動産に資金投入します。2005年には3億-6億ドルを投資します。

カルパースが日本の「神話」を信じているとは思えません。日本の不動産のサイクルが上向きと判断しているのです。

カルパースの不動産投資責任者へのインタビューです。

(日経金融新聞2005.4.15.)

日本の不動産市場の現状は「米国に比べ不動産の証券化、流動化が進んでおらず、オフィスビルなどの運営も非効率で、市場拡大はこれからだ。市場自体は大きいし、日本経済の景気が上向いているため投資先の家賃収入上昇も見込める。高い運用利回りと低い借入金の金利の差が大きいことなども魅力的だ。3-5年は好機だと見ている。」

アメリカの不動産については「景気は悪くなっているのに不動産投資だけは行き過ぎになり、投資効率も悪い。そこでこれまでコアの資産だった米国内の不動産を売却し、海外の不動産を取得している。日本での投資もその一環だ。」

世界中の国別都市別での不動産のサイクルを見まわし、天井となる不動産市場で売却して、底から上向きに転じている不動産市場に資金を投入するというダイナミックな投資戦略です。

日本での最終目標利回りは、ノンリコースローンを7割組み入れることで10%台後半です。

値上がりしている都市部の不動産価格は間違いなく値下がりします。不動産は「神話資産」でなくサイクルをもった普通の「投資商品」ですから、値上がりだけが続くことはありません。

ただいつ値下がりを始めるのか、その時期はわかりませんが。

現在の米国での不動産の売り手はカルパース等の年金基金、保険会社、不動産会社等です。そして買い手はREITです。

日本でも不動産価格下落に向かうときの不動産の買い手はREIT(不動産投資信託)でしょう。

REIT運営元の不動産会社にとりREITは便利な存在です。REITの資金は投資家のものですが、その資金を自由に動かせます。

また運用資金が膨らむ限りREITは不動産を買い進まざるをえない運命です。相場先行きにかかわらず、その時の価格が適切ならREITは買い続けます。

万一値下がりでもREIT投資家の自己責任という結末です。


(私のコメント)
ようやく季節も秋らしくなって外出も楽になりましたが、久しぶりに行った所に超高層マンションがあちこちに林立しています。規制緩和で超高層マンションが建てやすくなったからですが、江副浩正氏の「不動産は値下がりする」に書かれているように、不動産の有限性は神話であった事がはっきりしてきた。

高度成長時代の不動産神話は、土地は生産できないから値上がりし続けると言う神話ですが、庭付き一戸建てでなければ住宅でないと思い込んで、通勤に2時間もかけて会社勤めをすることのバカバカしさに気がついて、都心回帰の動きが本格化してきた。

以前は住宅と言えば庭付き一戸建てに対するこだわりが非常に強かったのですが、現実には庭なし一戸建てであり、軒と軒が接する住宅密集地が東京郊外に広がってしまった。このような乱開発は好ましいものではなく、東京はだだっ広く広がってしまった。

私も建売住宅を見て回った時期があるのですが、土地神話が健在の時は一戸建てのほうが良いように思えた。マンションは時間が経てば老朽化して安くなってしまうが、一戸建ては土地があるから上物は老朽化しても土地が値上がりして良いように思えた。

しかしバブルが崩壊して一番値下がりした住宅は、このような通勤に不便な郊外の一戸建て住宅やマンションだった。土地神話が崩壊して都内でも好立地のマンションが続々建てられるようになり、特に建築技術の進歩で超高層のマンションが話題を呼んでいる。

東京のような大都会はオフィスビルもマンションも超高層化して、だだっ広く広がった東京は都心に集約化していく流れだろう。江副氏の本でも好立地の不動産は値上がりして、不便なところの不動産は値下がりすると言う事です。当たり前と言えば当たり前なのですが、不動産も様々な条件で値上がりしたり値下がりしたりするものであり、買う前には十分な検討が必要だ。

世界的に見れば日本は世界のバブル景気に乗れずに低迷していますが、欧米の大都市に比べると東京の不動産の安さが目立ちます。だからカルパースのような投資ファンドが優良な不動産物件を買いあさっているのですが、いつでも転売できるような優良物件に限られている。

住宅やマンションも同じであり、通勤が便利で立地条件の良い管理のしっかりした物件は値上がりする可能性が高く、立地の悪い不便な物件は売るときも買い叩かれるでしょう。不動産神話が健在な時はどんな物件でも値上がりがして転売も楽でしたが、不動産神話が崩壊した今は優良物件でないと転売したくても出来ないことになるでしょう。

不動産物件が少しでも値上がりしていれば売ってローンを清算して、新しい物件のローンで買い換える事も出来ますが、値下がりしているとローンの清算が難しくなり買い替えもままならなくなる。日本の景気が長い間停滞しているのもローンの清算が出来ない状況が続いているためであり、ローンの返済が終わるのを待たなければならない。

アメリカではサブプライムローンの「徳政令」も検討されているようですが、景気を速く回復させるには「徳政令」が一番手っ取り早い方法であり、だからこそ江戸時代には「徳政令」が何度も行なわれた。江戸時代も昔も今も貸してはならない人に貸すから「徳政令」が行なわれるのであり、バブルの発生の原因は古今東西変わりがなく、打てる対策も「徳政令」しかない。

だから今回のバブル崩壊も大企業への銀行の債権放棄が数千億円単位で行われて、りそな銀行も公的資金注入で救われた。ならば一般の住宅ローンなども「徳政令」で放棄させればその分が消費に回って景気は回復する。先日ブッシュが打ち出した政策もサブプライムに対する「徳政令」であり、日本の失敗例を研究しているから「徳政令」を打ち出したのだ。

7年前の2000年7月30日の「株式日記」に「徳政令」しかこの危機は乗り切れないと書いた事がありますが、この頃はまだ森内閣の時であり、小渕総理は不慮の死を遂げ森総理は優柔不断であった。この頃から竹中氏が経済政策の舵をとり始めて、小泉構造改革で日本企業は自力救済を迫られた。バブル崩壊後10年が経過してバブル企業はとっくに淘汰されたにもかかわらず、健全な企業も不況で倒産に追い込まれていった。

政治は決断する事が仕事ですが、日本政府はなす術を得ずただ問題を先送りにして、長引く不況をさらに長引かせている。日本政府や企業や個人の過剰な債務は先送りしていたのでは回復するには30年はかかることになる。アメリカの大不況も30年近くかかった。この経験があるからブッシュ政権は「徳政令」で短期にバブル崩壊を防ぐようだ。大前研一氏も次のようにブログに書いている。


◆サブプライムには「徳政令」しかない 2007年9月19日 大前研一
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/98/

もし、この問題に対して実効性のある対策を挙げるならば、米国政府全体で債務を抱えて、借り手がしばらくは支払わなくてもいいような対策を取ることくらいだろう。特に支払い不能となっている物件を取り上げて競売に付すことを避けなければならない。住宅価格の暴落から、正常とされているプライム部分のローンにも飛び火する可能性が高いからである。日本でいうところの「徳政令」の発動が必要だ。

 何しろサブプライム問題は米国のみならず欧州やアジアなど世界中の経済に飛び火しているのだ。欧州の一部では取り付け騒動まで発生している。したがって連邦政府が抱え込む覚悟を見せるくらいやらないと収拾もつくまい。実際、ブッシュ政権もそこまで含めた対策を検討していると報道されている。

 しかし徳政令は、一時的には貧乏御家人の窮状を救ったが、その後は商人が貸し倒れを怖れて融資しなくなったため、御家人の生活は一層窮乏したことも併せて付記しておこう。

 米国政府はサブプライム問題を解決するために、数百億円もの不良債権を全部買い取ることを発表した。実は、これについては米国内でも批判がある。サブプライムローンで破綻した人は、言ってみればラスベガスのカジノで大負けしたようなものだ。自分から危ないところに飛び込んで、失敗しただけである。第三者から見たら、なぜ公的資金でその人の損を補てんしなくてはいけないのかと思うのは当然だ。

 わたしもそう思う。資本主義とは失敗した経験を生かすから市場が強くなっていくものだ。自ら損をした人を国が補てんしていては意味がない。損をした人には悪いが、地獄を見てもらうべきなのだ。これこそ自己責任だろう。地獄を見たとしても、必ずよみがえってくるのだから。日本ではつぶすべき銀行をつぶさないで合従連衡を繰り返した結果、生き残った銀行はむやみに大きいだけで特長が無く、かつまた国際競争力もない。預金者にもまともな金利が払えない、不思議な存在となっている。

 とは言っても、損をした人を放置しておけば、状況がますます悪くなるのは間違いない。それを心配している陣営が、不良債権を買い取ることに賛成しているわけだ。日本だって、金融危機を脱出するのに200兆円をかけた。今、米国が国を挙げて不良債権を買い取るのであれば、200兆円はいかないだろう。サブプライムローンは全体で180兆円といわれているのだから。

 しかし、手をこまねいていたら、いろいろなところへ影響が及ぶ。住宅の需要が冷えきってしまったら、その被害額も甚大になる。だから、不良債権を買い取るのであれば早いほうがいい。また、買い取る資金は米国だけでなく、欧州や日本なども供出していいだろう。

 かつて韓国のIMF危機のとき、各国が資金を供出した。できれば、全地球規模の金融安定化機構のような組織を作って、こういう問題に対処できる体制を作るのが望ましい。

(私のコメント)
大前研一氏は日本の銀行は潰せと言っておきながら、アメリカの不良債権は日本の金で買わせてアメリカを救うつもりだ。つまり郵便貯金の340兆円はアメリカの不良債権を買い取る為に使われるのだ。


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