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米経済が抱える「2兆ドル」の不安 市場を震撼させたゴールドマン・サックスの予測 = BusinessWeek
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投稿者 ダイナモ 日時 2007 年 11 月 28 日 19:32:14: mY9T/8MdR98ug
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071127/141617/

Steve Rosenbush (BusinessWeek.comシニアライター、ニューヨーク)

米国時間2007年11月19日更新 「The Economy's $2 Trillion Worry」

 ほんの数カ月前まで、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連の金融商品の暴落による損失は、500億〜1000億ドルと見られていた。巨額ではあるが、なんとか対処可能な規模だ。

 ところが、米ゴールドマン・サックス(GS)の最新リポートでは、損失額は最大4000億ドルにまで膨れ上がっている。しかもそれだけでは済まず、経済全体への打撃は、もっと重大なものとなる可能性があるという。巨額損失を受けて、銀行などの貸し手が投融資を最大2兆ドル縮小する可能性があるというのだ。

 もし、それだけの規模の貸し渋りが起きれば、消費者や企業は力強い経済成長を支えるだけの借り入れができなくなる。「この衝撃は大きい。2兆ドルは米国の非金融部門の債務総額の7%に相当する額で、経済活動を著しく妨げることになるだろう」。リポートをまとめたゴールドマン上席エコノミストのジャン・ハツィウス氏は、こう書いている。

10倍のレバレッジが経済損失にも効いてくる

 信用市場で発生する4000億ドルの損失が、どうやって2兆ドルの経済的打撃になるのだろうか。答えは“レバレッジ(借り入れ)”にある。

 ニューヨーク連邦銀行の試算によれば、銀行やヘッジファンド、プライベートエクイティ(非上場株)投資会社などは、投資に際して、自己資金1ドルに対し10ドル以上を借り入れる。投資がうまくいけば、レバレッジ効果で利回りは大きくなる。投資が失敗すれば、借り入れのせいで損失が膨らみ、貸し手は往々にして、その後の融資に慎重になる。

 ゴールドマンのハツィウス氏はリポートで、ニューヨーク連銀のトビアス・エイドリアン氏と米プリンストン大学のヒョン・ソンシン教授が最近発表した分析「流動性とレバレッジ(原題:Liquidity and Leverage)」を引き合いに出し、4000億ドルの損失の約半分は銀行、ヘッジファンドや証券会社など、高いレバレッジをかける機関投資家が負うことになると試算している。

 通常、こうした貸し手は、融資に対する自己資本比率の規定を維持するために、保有資産の価値が下がった場合には融資を縮小する。損失総額の半分の2000億ドルを損失計上したとすると、貸し手は1ドルの損失に対し10ドルの融資を削減する必要があるという。よって、融資縮小額が2兆ドルに上る計算である。

信用市場で膨らみ続ける損失額

 サブプライム危機で投資銀行は既に大打撃を受けている。米メリルリンチ(MER)は84億ドルの評価損を計上すると発表したが、損失はもっと大きくなるとアナリストは見ている(BusinessWeekチャンネルの記事を参照:2007年11月19日「米メリルCEOにNYSEのセイン氏」)。

 米シティグループ(C)は第3四半期に65億ドルの評価損を計上。第4四半期には最大110億ドルの追加損失が発生すると予想している(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年11月13日「Citi: The Writedowns Are on the Wall」)。

 銀行が融資を縮小した場合、影響はほかの経済分野にも及ぶ。企業が債務の借り換えをできなくなれば、社債のデフォルト(債務不履行)率は上昇するだろう(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年10月26日「Rising Fears of Corporate Defaults」)。

 ほかの専門家も、信用市場の損失拡大で融資が縮小すると見ている。

 「問題は、信用市場の損失のどれだけの部分がレバレッジを効かせたものか、またそれが銀行にどう影響するかということだ。それによって、貸し手は自己資本比率を維持するために融資削減を迫られる」。運用資産2000億ドルを誇るスイスのチューリッヒ・フィナンシャル・サービシズ(ZURN)でCIO(最高投資責任者)を務めるマーチン・セン氏はこう言う。「貸し手が融資を縮小せざるを得なくなれば、米国経済に深刻な打撃を与えるだろう。米国が景気後退期に入る危険性は間違いなく高まっている」。

 今のところ、チューリッヒ・フィナンシャルは米国経済が2008年もプラス成長を維持すると見ている。ただし、成長率はわずか2%と、今年第3四半期の約半分に減速すると予想している。

損失処理にかかる時間でシナリオが変わる

 打撃の大きさは、様々な要素に左右される。1つは、4000億ドルと推定される損失総額が、どれほどの時間をかけて現実のものになるかだ。

 もし損失がすべて1年以内に決算処理されることになれば、“本格的な景気後退”を招く恐れがあるとハツィウス氏は言う。これに対して、2年から4年かけて損失が確定すれば、“非常に緩慢な経済成長”という結果になるだろう。

 経済のほかの分野での予想外の成長や政府の介入によって、この損失が埋められる可能性はある。だが一方で、信用収縮の経済的影響が、ほかの問題と相まってさらに大きくなる可能性もある。

 ドイツ銀行(DB)主席米国エコノミストのジョー・ラボーグナ氏は、「原油価格は大きなリスク要因だ。もし1バレル=100ドルの原油高が続けば、経済には多大な悪影響が出る」と言う。

 今のところ、米国は景気後退を回避できると考えているものの、「信用危機が招く不安は市場に確かに存在する」と同氏。原油価格の高騰により、経済成長率はさらに1.5ポイント低下する可能性があると予想している(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年11月14日「The Oil Bubble Loses Some Air」)。

 少し前まで、アナリストの中には信用市場の問題をひと夏の落ち込みにすぎないと片づける向きもあった。9月初めのレーバーデー後には市場が持ち直すと期待していたのだ。9月に米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切った時には、こうした予測が正しかったかに見えた。だが、市場の早期回復の望みは、夏の浜辺の思い出のようにはかなく消えていった。

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