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「新自由主義」と「グローバリズム」のもとでの21世紀型の金融危機  【前進】
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投稿者 愚民党 日時 2008 年 1 月 10 日 10:17:08: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 「フランス・イタリア・ドイツ・英国の財務相がパリで会合へ、日程は確認できず」  フィスコ 投稿者 愚民党 日時 2008 年 1 月 10 日 09:57:34)

 (2)サブプライム危機爆発と世界金融大恐慌の現実化

 低所得層・貧困層をターゲットとした詐欺的な変動高金利型の住宅ローン=サブプライムローンの問題が、昨年8月以来、世界の金融市場を激しく揺さぶり、米帝バブル経済と世界的バブル経済の崩壊が音を立てて進行している。米欧の金融市場は機能停止状態が続き、米連邦準備制度理事会(FRB)など5中央銀行が緊急に大量の資金供給をしなければ、ドル調達など年末・年始の資金繰りができない事態に突入している。

 サブプライムローンの焦げ付き・延滞問題が焦点化し始めるのは06年末からだが、それが07年の2〜3月と7月下旬に、2度の衝撃波となって金融市場を襲った。そして第3波の8月9日が決定的だった。この日、仏最大手銀行・BNPパリバが傘下の3ファンドの凍結を発表すると、仏株式市場が急落し、同時に信用収縮が発生。この「パリバ・ショック」が欧米から日本、アジアなどにも広がり、住宅ローン債権の証券化市場は機能が停止し、株価も連鎖的に暴落した。

 このヨーロッパ発の信用収縮という重大事態に戦慄(せんりつ)した欧州中央銀行(ECB)、FRB、日銀は、40兆円以上もの資金供給を行い、さらにFRBは8月18日には、17日の公定歩合の0・5%引き下げ(5・25%)に続き、インフレ懸念を押し切って、最重要の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利も0・5%下げて4・75%とした。だが、これで事態は何も鎮静化しなかった。

 第一に、信用収縮の危機が続く一方で、住宅価格の下落や着工件数のマイナス化など住宅市場の縮小と崩壊が止まっていない。住宅ローンの延滞と焦げ付き、差し押さえや競売が激増している。差し押さえは06年は55万件、この07〜08年過程ではさらに200万件と予測されている。

 第二に、こうした中で、昨年夏以降、米欧日の巨大金融機関は、米銀最大手のシティグループや米証券大手のメリルリンチを筆頭に、サブプライム関連で大規模な損失を発生させている。その総額は3千億j(約32兆円)とも4千億j(約43兆円)とも言われる。しかも金融機関本体とは別のSIV(特定目的会社)などが抱える膨大な「隠れ損失」がある。こうした事態を背景に大手金融機関の貸し渋り、貸しはがしも始まった。

 第三に、実体経済への打撃がいよいよ本格化してきた。07年8月の米非農業部門の就業者数が前月比で4千人減となり、マイナスに転じて「雇用ショック」が襲ったが、特に昨秋以降、金融業界や住宅関連を中心にサブプライム関連の大量解雇が「鉄砲水のような勢い」で本格化している。米自動車最大手のGMは、昨年7〜9月期決算で389億j超(4兆4000億円)の過去最悪の赤字を出した。それらは失業者の増大となり、米GDP(国内総生産)の70%を占める個人消費の減退に転化する。

 第四に、インフレ化の危機だ。だぶついた過剰な投資マネーは、米国債に流れたり(「質への逃避」)、いったん株に戻って、激しい乱高下を演出し、金融危機を促進しているが、それは結局は原油や穀物などへの投機に向かい、異常な最高値状態となっている。これにFF金利と公定歩合の引き下げなどが加わり、インフレが現実化してきた。

 第五に、ドル安の進行からドル暴落の危機である。サブプライム問題と米住宅バブルの崩壊が引き起こす事態の最後の結論は、米経済のインフレ化と大不況化であり、ついにはドル暴落だ。今日、ユーロの価値は02年から対ドル比で41%も上昇、外貨準備や決済をユーロにシフトする動きも進む。「基軸通貨」たるドルの信認は決定的に揺らいでいる。

 低所得層から住む家さえも奪う攻撃

 サブプライム危機の歴史的重大性は、米住宅バブルの崩壊、世界経済バブルの崩壊が、ついに世界金融大恐慌の引き金を引いたということにある。

 そもそも現代の末期帝国主義は、74〜75年恐慌で突き出された米帝基軸の特異な戦後発展の終焉以来、過剰資本・過剰生産力の重圧下で本質的停滞にあえいできた。そしてロシア革命―30年代危機以来のケインズ主義・国家独占資本主義政策の破産の中で登場した「新自由主義」と、そのもとでの経済のバブル化・投機化の要素ぬきには、もはや経済成長などあり得ないものとしてあった。86年〜90年の日帝のバブル、98年〜01年の米帝のITバブル、そして03年以降の米住宅バブルこそ、末期帝国主義の典型的なあり方だったのだ。

 米帝はITバブルが崩壊した後、ブッシュ政権のもとで空前の恐慌対策として大規模な企業減税、金持ち優遇の所得税減税と、1%とか1・75%という超低金利政策で個人消費を刺激する景気浮揚策をとり、03年後半以降は住宅建設ブームを演出して住宅バブルに突入した。1人で3軒も4軒も家を建てたり、膨大な借金をして消費したりする異常なバブルが生み出された。だがそれが頂点に達した後、次に金融機関が手掛けたのが、低所得者層に対するサブプライムローンだったのだ。

 サブプライム問題とは、帝国主義の金融独占資本家どもが住宅バブルを極限的に引き延ばし、巨大な利潤を得るために、ラティーノやアフリカン・アメリカン(黒人)を始め低所得層・貧困層の労働者人民に、最初だけ低利で住宅を売りつけ、膨大な借金を背負わせてぼろもうけし、最後は住宅を差し押さえて取り上げるという、とんでもない悪行にその階級的本質がある。ここには、最後の手段として低所得者層・貧困層を食いものにし、ついには「食」も「住」も奪う帝国主義と独占金融資本の反労働者性、末期性がむき出しだ。もはや帝国主義を打倒し、プロレタリア革命をやる以外にいかなる道もない。

 サブプライム危機の歴史的末期性 は、ローン債権を証券化した金融商品が地下茎のように複雑に絡まり、その全容がつかめず、いつどこで「地雷」が炸裂(さくれつ)するかわからないという不安が連鎖し、危機が無限に拡大するという点にある。これは「新自由主義」と「グローバリズム」のもとでの21世紀型の金融危機でもある。


http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no08/f2325b.htm




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