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サブプライムローン問題、米黒人社会を直撃 = AFP
http://www.asyura2.com/07/hasan54/msg/818.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 1 月 29 日 20:54:31: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.afpbb.com/article/economy/2342580/2565411


【1月29日 AFP】米国の黒人はかつて、小さな資産でマイホームを取得する大きな夢を抱いていた。だが彼らの多くはサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題で窮地に追い込まれ、アメリカン・ドリームが「経済アパルトヘイト(隔離)」の悪夢へと変ぼうする現状に直面している。

 サブプライムローンの破たんが引き起こした「嵐」により、国内では多数の国民がつつましい持ち家を追われ、金融取引の犠牲となったことに怒りの声を上げている。犠牲者の多くはマイノリティーに属する。

■ローンに苦しむ有色人種、白人の3倍超

 米NPO「United for a Fair Economy(公平な経済のための連合)」は、「サブプライムローンを抱える有色人種の数は(白人の)3倍超」と推計し、2000年以降の合計で彼らの所有資産が1630-2780億ドル(約17兆-30兆円)失われたと指摘する。

 現在、全米で210万人が住宅融資の返済を滞らせているとされるなか、減速する地域経済とローン利用に慣れた黒人住民を多く抱えるオハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)は、サブプライム問題の申し子となっている。

 クリーブランド市関係者によると、住宅の差し押さえは7万戸におよび、一帯がゴーストタウン化した地区もあるという。

 同市は関係金融機関を告訴。信用力の低い個人に簡単な審査のみで高金利で貸付した、黒人を対象に悪質な融資を行ったと指摘している。

 クリーブランド市では、住民の27%が4人家族で年収2万ドル(約215万円)以下の低所得世帯だ。彼らの多くが、変動金利引き上げ後のローンを払えずにマイホームを手放した人間をごく身近に知っている。

■有色人種が「金もうけの餌食」に

「有色人種が多数を占めるクリーブランド、デトロイト(Detroit)、ボルティモア(Baltimore)に、市民の多くが大規模な差し押さえの大波に飲み込まれた、という共通点が見られる。これは決して偶然ではない」と話すのはクリーブランドの低所得者層の多い地区に住むジェシー・ティンズリー(Jesse Tinsley)さん。

 ティンズリーさんは、「差し押さえが頻繁に起き始めたころ、地域住民は危機を叫んだが、誰も何もしてくれなかった。今では白人の住宅街で(差し押さえが)起きている。市当局はようやく現実を直視した」と言い、「市長はわたしたちの地区のために4年間無策だった。市は(差し押さえを)当然としてきた。今になってやっと、わたしたちが金もうけの餌食になったことを誰もが認めるようになった」と指摘した。

 サブプライム問題に詳しいNPO「Center for Responsible Lending(信頼できる融資実現のためのセンター)」のニキータ・ベイリー(Nikita Bailey)氏は、住宅ローン問題は黒人の資産消失をもたらす危険をはらんでいるとみる。

 ベイリー氏は、「サブプライム市場は現在、米国黒人社会に過去に前例のない大規模な資産減少を引き起こしつつある。まさに『経済アパルトヘイト』だ」とAFPに語った。

■クリーブランドを襲ったハリケーン「カトリーナ」

 クリーブランドの日刊紙、「プレーン・ディーラー(Plain Dealer)紙」のコラムニスト、フィリップ・モーリス(Phillip Morris)氏は、サブプライム問題がもたらした被害の規模は、2005年にニューオーリンズ(New Orleans)を襲ったハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)のそれに匹敵すると述べる。

 モーリス氏はこの「クリーブランド版カトリーナ」により、市内で最も甚大な被害を受けた郊外地帯で2万4000人近くが家を失ったと話す。モーリス氏によれば、「彼らは家具、衣類、家族の写真さえも持たずに家を捨てることを余儀なくされた」と嘆く。

 ハリケーン・カトリーナの最大被害地区では、1万3700家屋が倒壊し、3万5000人が家を失った。

■政府の無策を非難する声

 モーリス氏はまた「ニューオーリンズのセントバーナード(St. Bernard Parish)では被災から2年以上たってから、住宅を失った住民6000人に対し政府が1人当たり平均6万5000ドル(約690万円)の援助金を支給した。だがクリーブランドとその郊外では、復興援助もなければ、大統領の視察もない」と指摘する。

 クリーブランド市議会議員のザック・リード(Zach Reid)氏は、「地震やハリケーンの方が良かったかもしれない。スーツを着た人々による災害よりも、自然災害の方がまだ対応が簡単だ」と語る。

 クリーブランド版カトリーナの「被災地」では商店主、レストラン経営者、住民らのあいだで、州政府と連邦政府への怒りが拡大している。

 住民の1人、ジョン・ブレット(John Brett)さんは、「ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領も上下両院も現状を認識していながら傍観を決め込み、何の手立ても打たなかった」と非難する。

 ブレットさんは市内のバーのカウンターで酒を飲みながら、「氷河が目前に迫っているのに進路を変えなかったタイタニック号(Titanic)のようなもの」と政府の無策にあきれ顔だ。

「政府は、マイホーム取得というわたしたちのアメリカン・ドリームを打ち砕いた。これだけ多くの人々が住居や不動産を手放す事態は、大恐慌の時代でも見られなかっただろう」ブレットさんはつぶやいた。(c)AFP/Luc Olinga
 

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