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「医療経済だけでは国は滅びる」【特集・第2回】 2008年度診療報酬改定(2) [医療・介護情報CBニュース]
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投稿者 XL 日時 2008 年 3 月 26 日 20:27:22: 5Sn8OMNzpaIBE
 

「医療経済だけでは国は滅びる」
2008年03月26日20時02分
【特集・第2回】 2008年度診療報酬改定(2)
筑波メディカルセンター病院院長・石川詔雄(あきお)さん


 2008年度の診療報酬改定は病院勤務医の負担を軽減する取り組みを評価するほか、手術料の一部が引き上げられるなど病院経営の改善を図る内容が目立つ。「可もなく不可もなく」と言われる今回の改定を病院現場はどのように受け止めているだろうか。茨城県の中核的な医療機関の1つである筑波メディカルセンター病院(茨城県つくば市、409床)は地域医療支援病院、救命救急センター、茨城県地域がんセンター、災害拠点病院など幅広い機能を持ち、臨床研修指定病院として若手の育成にも力を入れている。今回の改定や今後の医療の方向性などについて、同院の病院長・石川詔雄さんに話を聞いた。(新井裕充)

――今回の診療報酬改定について、感想をお願いします。
 もう少しプラスになると思っていましたが、トントンという感じです。努力しないとプラスにするには厳しいかもしれません。当院について言えば、DPC(包括支払方式)は「マルメ」の部分(包括部分)が下がっていますので、その分を調整係数などで補っていく必要がありますし、ジェネリック(後発医薬品)に積極的に変えていかないと収入は落ちるかもしれません。そういう意味で、努力が必要でしょう。

――次回の診療報酬改定に向けて、要望などはありますか。
 今回、手術料が少し上がりましたが、下がったものもあります。今後は医師の技術をもっと評価すべきでしょう。例えば、外科医が完成するまでには最低でも10年かかります。臨床研修を終えて外科医になってから、外科の専門医を取得するまでに約5年。その後、消化器外科や心臓血管外科など各分野の専門医を取得するまで5年。専門医を取得するには関係学会が認定した施設で手術をしないと症例数にカウントされませんし、論文や試験もあります。専門的な治療ができる外科医ができ上がるまでには時間がかかるのです。従って、医師の技術や経験などを診療報酬上でもっと評価する必要があるでしょう。

――今回の改定では、外科医の手術経験などを診療報酬で評価することが見送られました。
 私は、医師の技術と結果(アウトカム)との間には相関関係があると考えています。医師の技術を評価して加算するようなアウトカム評価を診療報酬に導入すべきだと思います。当院では、心筋梗塞(こうそく)を合併した大腸がんの患者さんや、脳梗塞後の治療経過中に吐血して胃がんが見つかったような(リスクが高い)患者さんの手術が多いのですが、成績(5年生存率)はかなり良いです。冠動脈インターベンションの症例数は全国でもトップクラスですし、高い技術を持った医師が揃っているため、難しい治療に対応できる病院です。医師の技術と成績は絶対に関係あるでしょう。

――例えば、ドラマに登場する「ゴッドハンド」と呼ばれるような医師は現実に存在するものでしょうか。
 確実にいます。故中山恒明先生は手術が早く、真っすぐに物事を進める人でした。オーラがありました。手術が上手な医師というのは、とにかく目的に向かって真っすぐに進むことができる人です。無駄がない。そして、丁寧であること、3次元で考えられる人です。逆に、寄り道をする人、変なところにこだわる人、バランスが悪い人もいます。手術の上手な医師と下手な医師がいることは確かです。

――どうしたら手術が上手になるのでしょうか。
 技術が高く、優秀な指導医がいるところで勉強することです。しかし、何よりも忙しい環境で経験を積むことが必要です。私の専門は肝臓がん治療ですが、私を含めた4人の医師がたくさんの手術をこなしています。少ない人数で多くの症例をこなしていますから腕は磨かれますし、手術も早くなります。当院は災害拠点病院ですから、のんびりした環境でやっていては災害時に対応できません。臨床研修で全国から若手が集まるのは、忙しく駆け回っている姿を見たからでしょう。

■ 勤務医の疲弊と患者の意識
――今回の診療報酬改定では、勤務医の負担軽減が緊急課題になりました。
 当院は3次救急ですので、重い病気に対応できる医療機関です。しかし、「昼間に来る時間がないので夜に来た」といった患者さんが非常に多いので困っています。当院は高度な機能を持った病院ですので、重い病気の患者さんに利用していただきたい。待合室を「トリアージナース」が回って患者さんの重症度を判断していますが、半分以上は軽症です。2時間待っても順番が来ないので怒って帰る患者さんもいますが、本当に重症だったら帰れません。

――勤務医の疲弊と患者の意識が問題になっています。
 院内で転んでけがをして、「賠償金を出せ」、「傷害罪だ」などと言う患者さんもいるようです。しかし、医療者にそんな悪い人はいません。困っている人を見れば優しい心になるものです。患者さんを陥れようとか、苦痛を与えようなんて考えている人はいません。通常の医療行為をしながらも、一定の割合で合併症などは発生します。現代の医療ではやむを得ない場合がありますので、そこのみをあまり追及するのはいかがなものでしょうか。むしろ、どうしたら医療が良くなるのかを考えるべきです。

――医療を国民全体で考える必要があります。
 ヨーロッパでは選挙の際、街頭に集団がいくつもできて政策について熱く議論していました。日本ではそういうことが全然ありません。話し合わずに国の政治が決まっていく不安があります。民主主義や個人主義が根付いていないと感じます。自分のことばかり考えて権利だけを主張するのは利己主義であって、個人主義ではありません。病院はどんなに看護師を増やしても1人の患者さんにずっと付いているのは無理です。みんなで医療者を共有してほしい。そして、今後の医療について、「お金をかけるべき」とか、「人を増やすべき」ということをみんなで考えないといけません。

■ 新しい医学や治療法をつくる風土を
――これからの日本の医療、どうしたら良いでしょうか。
 私は、新しい医学や治療法をつくることが大切だと考えています。目の前の1人の患者さんを助けることはもちろん大切ですが、もっと人類全体を救うような方向を考えるべきです。そのためには最先端の医学を考える研究者をいかに育成するかが問題になりますが、この部分が抜けているような気がしてなりません。医学研究の道に進む人も少ないと思います。

――研究の分野を志望する医師が少ないのは、なぜでしょうか。
 研究にお金が出ていませんので、優れた先生が集まりません。魅力的な指導者がいなければ若い医師も集まりません。これは問題だと思います。昔、日本人が欧米でもてはやされたのは、勤勉でコツコツと努力するからです。最近では、インドや中国の人が海外から招かれますが、日本人はあまり呼ばれません。今後、国はコツコツと科学する風土をつくっていくべきです。

――医学部を卒業した後、大学に残って研究する人を増やすべきでしょうか。
 いきなり研究しても駄目です。現場で困っている患者さんを見て、「この患者さんを治すために大学に戻って研究しよう」という研究者が増えるようにすべきです。最近、人の皮膚細胞から「万能細胞」を作った京都大学の山中伸弥先生は臨床をやっていた人です。臨床現場から研究に向かう人を増やすためには、出すべきところにお金を出さないといけません。

――ビルや道路など、目に見えるところにはお金が出ますね。
 経済効果が目に映りやすい方向に流れています。これで人が幸せになるとか、困っている人が救えるということは目に見えにくい。科学は1分野が伸びればいいものではなく、全体的に上げていかないと新しいものは生まれません。目に見えない、地道な部分にお金を出す必要があります。医療や福祉を経済の原則だけで考えたら、その国は滅びると思います。

【関連記事】
「第3の診療報酬体系を」 08年度診療報酬改定(1)

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http://news.livedoor.com/article/detail/3569911/

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