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ジョン・ピルジャー、自由主義の神話を糾弾する (Yahoo!グループ・メッセージ)より
http://www.asyura2.com/07/hihyo6/msg/374.html
投稿者 tanbo 日時 2007 年 9 月 11 日 21:46:30: .WPV82c58ZnIw
 


From: "Kana Koto"
Date: 2007年8月30日(木) 午後2時05分
Subject: 速報723号 来るべき自由:映画監督およびジャーナリストのジョン・ピルジャーが語るプロパガンダ、報道機関、検閲そしてアメリカ帝国への抵抗

http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/748


ジョン・ピルジャー、自由主義の神話を糾弾する
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自由主義と民主主義の矛盾と欺瞞を糾弾する、ジョン・ピルジャー監督による講
演のトランスクリプトをお届けします。これはデモクラシーナウ!で放送された
内容をそのまま訳したものです。この演説のビデオは今年の10月か11月頃に
朝日ニュースターで放送される予定です。

翻訳:宮前ゆかり(TUP)/協力:デモクラシーナウ!ジャパン
原文URL: http://www.democracynow.org/article.pl?sid=07/08/07/130258
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来るべき自由:映画監督およびジャーナリストのジョン・ピルジャーが語るプロ
パガンダ、報道機関、検閲そしてアメリカ帝国への抵抗

2007年8月7日(火)

「自由民主主義は企業独裁主義へと移行しています。この歴史的な転換期に、メ
ディアはその仮面に使われることを拒否しなければなりません。逆にそのこと自
体を人々の緊急問題として取り上げ、直接行動を促す必要があります。」こう語
るのはジョン・ピルジャー。「偉大な告発者トマス・ペインは、大衆の大多数が
真実や真実のアイデアを拒否された時こそ、言論のバスティーユ監獄を襲撃する
時だと警告しました。今がその時なのです」。著名なオーストラリアの映画監
督、そして不正暴露ジャーナリストであるピルジャー氏の最近の講演を、1時間
にわたってお届けします。

ルパート・マードックが先週ダウ・ジョーンズおよびウォールストリート・
ジャーナルの乗っ取りに成功しました。その時点で、このオーストラリア人メ
ディア帝王は、アメリカで最も古く、最も重視され、膨大な発行部数を誇る新聞
を自分の巨大なメディア帝国の手中におさめました。マードックのニュース・
コープ傘下メディア複合企業は、175社に及ぶ各新聞社に加え、フォックス・
テレビジョン・ネットワーク、21世紀フォックス映画スタジオ、複数の衛星
ネットワーク、マイスペース・ドット・コム、ハーパー・コリンズ出版社などを
含む企業を所有しています。

帝国構築のためにメディア企業を買いあさるだけではなく、マードックはそのメ
ディア所有権を駆使して自分の政治的なアジェンダを推進している点を、頻繁に
非難されています。2003年にマードックが所有する175社の新聞社のすべ
てがイラク侵略を支持しました。この侵略に先駆け、彼は元英国首相トニー・ブ
レアにじかに話をしており、ブレア政権中枢部側近の中には、彼を「ブレア内閣
24番目のメンバー」と呼ぶ人もいました。

50億ドルの取引を発表した後、マードックは、ウォールストリート・ジャーナ
ルの論説独立性を維持するには相当な利益がなければならないと、ニューヨー
ク・タイムズ紙に語りました。「自由への最初の道は生存能力だ」とはマードッ
クの言葉です。

ルパート・マードックの同国出身者であり、英国に在住するオーストラリア人の
一人がこの意見に強く反撃しています。それはジョン・ピルジャー。彼は著名な
調査ジャーナリストでドキュメンタリー映画監督でもあり、企業メディアに対す
る辛辣な批判者です。ピルジャーはおよそ半世紀前にジャーナリズムのキャリア
を始めました。50本以上のドキュメンタリー映画を制作し、多数の著書を書い
ていますが、最新の著書は「来るべき自由:帝国への抵抗」です。

ジャーナリズム、戦争、プロパガンダ、沈黙などについて、今日は1時間ジョ
ン・ピルジャーの話をお聞きします。

ジョン・ピルジャーがシカゴで開催された2007年社会主義学会で行った講演
です。
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トランスクリプト

ジョン・ピルジャー:この講演の題名は「来るべき自由」で、私の著書の題名で
もあります。この本はジャーナリズムの名を頻繁に騙るプロパガンダに対する解
毒剤の役割を果たすことを意図して書いたものです。今日私はジャーナリズムに
ついて、ジャーナリズムが引き起こすプロパガンダと沈黙と戦争について、そし
てその沈黙を打ち破る方法についてお話をしようと思います。

パブリック・リレーションの父と言われるエドワード・バーネイは、アメリカ合
衆国には姿のない政府があり、それこそが本当の支配権力だと書いています。彼
はジャーナリズム、メディアのことを言っているのです。これはもう80年も前
のことで、企業ジャーナリズムというものができあがって間もなくの発言でし
た。企業ジャーナリズムの歴史は、企業広告の到来とともに始まりました。これ
はほとんどのジャーナリストが知らないか、知っていても話そうとしない歴史で
す。新しい企業群が報道機関を乗っ取り始めると、いわゆる「職業ジャーナリズ
ム」と呼ばれるものが生まれたのです。大きな広告主をひきつけるために、企業
が経営する新しい報道機関は立派な活動をしているように装わなくてはなりませ
ん。そこで、企業メディアを支える基本方針が提唱されました。客観的であるこ
と。公平であること。均衡を守ること。こうしてジャーナリズムに新しい流派が
生まれ、自由中立主義という神話が職業ジャーナリストの間に浸透していきまし
た。そして言論の自由についての権利が、新しいメディアや大企業群の活動と結
びつけて語られるようになりました。しかしこれはロバート・マクチェスニーが
喝破したとおり「まったくのいんちき」だったのです。(笑い声)

ニュースや意見記事は、ほとんどが政府関係者など当局筋を情報源としてきまし
た。そうしなければ、プロのジャーナリストと認められなかったからです。この
ようなしきたりがあることは、当時も今も変わらず、一般市民に知らされていま
せん。いつでもいいですからニューヨーク・タイムズ紙を手にとって、政治に関
する内外の主な記事を読んでみてください。政府やお馴染の利益団体ばかりが情
報源となっていることに気がつくでしょう。それが職業ジャーナリズムのエッセ
ンスなのです。独立ジャーナリズムが排除されていたとか、今排除されていると
か言うのではありません。独立ジャーナリズムは、稀に見る讃えるべき例外とし
て存在してきました。イラク侵略前の段階でジュディス・ミラーがニューヨー
ク・タイムズ紙で果たした役割を考えてみてください。もちろん、彼女のやった
ことはスキャンダルになりましたが、それは嘘に基づいた侵略煽動活動のパワフ
ルな役割を果たした後になってからの話です。政府や利益団体の話をオウム返し
のように報道したミラー記者は、タイムズ紙が輩出した歴代の有名記者と同じ仕
事をしたにすぎません。例えば、名声の高いW・H・ローレンス記者は、1945
年8月に広島に投下された原子爆弾の実際の被害を隠蔽する工作に手を貸してい
ます。「広島の廃墟に放射能はなかった」とは彼の記事の見出しでしたが、それ
は嘘でした。

この目に見えない政府の権力が、どのようにして大きくなってきたのかを考えて
見ましょう。1983年の時点では主要な世界規模メディアは50社の企業に所
有されており、そのほとんどがアメリカ企業でした。2002年にはこの数が
たったの9社にまで下がりました。今、多分その数は5社でしょう。ルパート・
マードックは、世界規模メディア巨大企業としてたった3社だけが残るだろうと
予測しており、そのうちの1社は自分の会社です。このような権力の集中はもち
ろん米国に限ったことではありません。BBCが誇りとする節操のある客観的で中
立なジャーナリズムをアメリカ人が求めているという理由で(笑い声)、BBCは
米国に放送範囲を拡張すると発表し、BBCアメリカが事業に乗り出しました。そ
の広告をご覧になったでしょうか。

BBCはアメリカに企業報道機関が始まる直前の1922年に設立されました。公
明正大であることと客観性がプロフェッショナリズムに不可欠だと信じていた
ジョン・リース卿がその創立者でした。その同じ年、英国の体制側は危険にさら
されていました。組合がゼネストを呼びかけて、保守党員たちは革命が起こるの
ではないかと心配していました。そのようなときに新しく設立されたBBCが急場
を救ったのです。ジョン・リース卿は秘密裏に保守党首相スタンレー・ボルド
ウィンのために反組合の演説を書き、全国にそれを放送したにも関わらず、労働
運動指導者側の意見はストライキが終わるまで放送することを拒否したのでした。

というわけで、パターンが定着したのです。公平さという原則は、主流権力が危
険に迫ったときにはいつでも停止できる原則なのです。そしてこの原則がこれま
でずっと是認されてきました。

イラク侵略はどうでしょうか。BBCの報道について2つの調査があります。一つ
目によるとBBCのイラク関連報道では、反戦の立場で異議を唱える側の報道には
たった2%の時間しか与えなかったことが明らかです。2%ですよ。それは
ABC、NBCや CBSの反戦側報道より少ないのです。ウェールズ大学による二番目の
調査では、侵略への前段階で、BBCが大量破壊兵器に言及した90%の報道内容
でサダム・フセインが実際にそれを所有していたことを暗示しており、当然それ
はブッシュおよびブレアが正しいことをそれとなく示唆したのでした。現在私た
ちはBBCやその他の英国メディアが英国秘密諜報機関MI-6に利用されていたこと
を知っています。「大衆アピール作戦」と呼ばれる戦略を使って、MI-6工作員た
ちはサダムの大量破壊兵器がサダムの宮殿や秘密の地下倉庫に隠されているなど
の情報を流しました。これはすべて偽情報だったのですが、それ自体は重大な点
ではありません。MI-6の工作は不必要だったという点が問題です。なぜなら職業
ジャーナリズムが独自に同じ結果を生んだであろうからです。

侵略直後のワシントンのBBCアンカー、マット・フレイの放送を聞いてみてくだ
さい。イギリスはもとより世界中の視聴者に向けて、「疑問の余地はない」と彼
は断言し、「人々に幸いをもたらし、自らが信じる価値観を世界に、そしていま
中東諸国に、広めようとするアメリカの願いは、アメリカの軍事力によってこそ
成し遂げられる」と訴えました。その同じレポーターは2005年に侵略の立案
者であるポール・ウォルフォウィッツのことを「民主主義とグラスルーツ運動の
力を情熱的に信じる」人物であると褒め称えました。(笑い声)これは例の世界
銀行の事件が起きる前の話です。

これらはごく当たり前に起きていることなのです。BBCニュースは日頃から侵略
を単なる見込み違いであったと説明しています。違法でも不当でもなく、嘘に基
づいた侵略でもない、単なる見込み違いだったというのです。

「失敗」という言葉とともに、「間違い」や「大失態」という表現が、BBCの報
道でさかんに使われるようになりました。つまり、防衛力を持たないイラクに対
して、周到に計画された違法な攻撃が成功していたなら、何も問題はなかったと
言いたいのでしょう。こういう言葉を聞くたびに、エドワード・ハーマンのエッ
セイを思い出します。想像を絶する状況をまるで当たり前のことのように紹介す
る役割について書いたものでした。メディアが流す決まり文句は、まさにこの役
割を果たすように編み出されたものなのです。戦争の残酷さを和らげ、ひきちぎ
られた手足、不具になった子供たちなど、私が自分の目でみてきた想像を絶する
状況を、正常であるかのようにしてしまうために考えられた言語です。

冷戦についての話で、私が気に入っているもののうちのひとつに、米国を訪れて
いたロシアのジャーナリストのグループの話があります。訪問ツアーの最後に、
合衆国のホストがロシアのジャーナリストたちに質問しました。アメリカのメ
ディアからどんな印象を受けたのか。「いや、まいったね」とロシアのスポーク
スマンは言いました。「あらゆる新聞を読んで、一日も欠かさずにテレビを見て
いたんだが、主要な問題に関する意見はどれもまったく同じなんだ。これには本
当にびっくりしたよ。私たちの国でそのような結果を出そうとしたら、ジャーナ
リストたちを強制労働収容所へ送り込むことになる。(笑い声)爪を剥ぎ取るこ
とさえする。あなたの国ではそんなことをする必要などまったくない。いったい
秘訣は何なんですか?」(笑い声)

その秘訣は何なのでしょうか。これはニュースルームや大学のメディア学部、
ジャーナリズムの専門雑誌などでほとんど問われることのない質問です。でも何
百万人もの人々の命にとって、その質問に対する答は緊急を要する問題です。去
年の8月24日にニューヨーク・タイムズ紙は、社説に次のような声明を発表し
ました。「いま私たちが知っていることをあの時に知っていたなら、イラク侵略
は大衆の激しい抗議で止めることができたであろう」。この驚くべき言葉は、自
分たちジャーナリストが義務を怠り、大衆を裏切ったことを認めるものです。
ブッシュどもの発言に疑問を投げかけることもせず、嘘を暴くこともできないま
ま、受け入れてしまった嘘を、もっと大声で、こだまのように何度も繰り返した
と、事実を告白しているのに等しい。タイムズ紙がそこで言わなかったことは、
同紙や他のメディアがその嘘を暴露していたら、今日百万人もの人々が生きてい
たであろうということです。この事実を認めるようになったジャーナリストは、
企業メディアの幹部の中にも数多くいます。しかし、これを公の場で認める
ジャーナリストはまずいないだろう、と打ち明けられました。

皮肉なことですが、いわゆる自由社会で検閲がどのように行われるかということ
を理解したのは、私が全体主義社会から報道活動をしていたときでした。
1970年代に、当時スターリン主義政権下にあったチェコスロバキアで、秘密
に映画を撮影していました。私は小説家ズデナー・ウルバネックを含むチャプ
ター77という反体制グループのメンバーたちにインタビューをしました。その
ときウルバネックはこう言いました。「独裁政治下に生きる私たちにとって、西
側に住むあなたたちより幸運なことがひとつだけあります。私たちは新聞で読む
こともテレビで見ることもすべてがプロパガンダであり嘘だということを知って
いるので、一切信じていないということです。(笑い声)西側にいるあなたたち
とは違って、私たちはプロパガンダの裏を見ぬき、行間を読む習慣がついていま
す。あなたたちとは違い、いつでも本当の真実には、支配体制を転覆させる力が
あることを私たちは知っています」

バンダナ・シーバはこれを虐げられた知識と呼びました。偉大なるアイルランド
の暴露記者クラウド・コックバーンが「正式に否定されるまでは何も信じるな」
と書いているのは当を得ていると思います。(笑い声)

戦争で最初に犠牲になるのは真実であるという、古びた決まり文句があります
が、これは間違っています。最初に犠牲になるのはジャーナリズムです。ベトナ
ム戦争が終わったときに、雑誌「エンカウンター」がこの戦争を取材してきた著
名な記者ロバート・エレガントによる記事を掲載しました。彼は「近代の歴史で
初めて、戦争の結果は戦場ではなく、印刷されたページ上で、そして何よりもテ
レビの画面上で決定された」と書きました。彼は戦争に負けたのは戦争に反対す
る報道を行ったジャーナリストの責任だと述べました。ロバート・エレガントの
観点はワシントンで広く受け入れられた見識となり、今もそれには変わりはあり
ません。イラクでペンタゴンが埋め込みジャーナリストを考え出したのも、批判
的な報道がベトナム戦争に負けた原因だと信じたからです。

しかし真実はまったく逆でした。まだ駆け出しのレポーターだった私は、サイゴ
ンに着いたその日に、おもだった新聞社やテレビ局の編集局を訪ねました。身の
毛のよだつような写真を壁の掲示板に貼り付けているところがいくつかありまし
た。ほとんどがベトナム人の死体と、切り取った耳や睾丸を手でつまんで見せて
いるアメリカ兵の写真です。ある事務所には一人の男が拷問されている写真があ
り、拷問官の頭の上に漫画の吹きだしのステッカーが貼ってあり、それには「こ
れで報道機関に口を割るだろう」という言葉が書かれていました。これらの写真
はどれもまったく出版されませんでしたし、報道配信サービスに流れたこともあ
りません。私はなぜですかと訊ねたのです。一般大衆が絶対受け入れないだろう
という返事でした。それに、これを出版することは客観的でないし、公平でもな
いというのです。最初は私もこのもっともらしい理屈を受け入れたのでした。私
もアングロ・アメリカの世界からすべての邪悪を洗い清めるための倫理的洗礼で
あるとされた、ドイツや日本に対する正義の戦争という物語を聞いて育った人間
です。しかし、ベトナムに長く滞在するにつれ、私たちの犯している残虐行為は
散発的でも異常でもなく、戦争そのものが残虐行為なのだということが分かって
きました。これこそが本当の重大な物語なのですが、ほとんどニュースにはなり
ません。もちろん、軍隊の戦略や効果について非常に優れたレポーターたちが疑
問をつきつけてきました。しかし「侵略」という言葉は一切使われませんでし
た。鎮痛剤として使われた言葉は「巻き込まれる」でした。アメリカはベトナム
に巻き込まれたというのです。善意を持った巨人が失敗してアジアの泥沼には
まっているという作り話が、ひっきりなしに繰り返されました。政権を覆すよう
な真実を報道したのは、本国に残ったダニエル・エルスバーグやシーモア・ハー
シュのような告発記者だけでした。ハーシュはソンミ村での虐殺事件をスクープ
しています。ソンミ村(ミライ)大虐殺があった1968年3月16日のベトナ
ムには、649人のレポーターがいたのに、そのうち誰一人として事件を報道し
ませんでした。

ベトナムでもイラクでも、周到に計画された政策や戦略は大量虐殺と隣り合わせ
になっていました。ベトナムでは、何百万人もの人々が立ち退きを強いられ、無
差別砲撃地帯が設定されました。イラクに対しては、合衆国の強要によって、ま
るで中世の兵糧攻めのような経済制裁が90年代を通じて科せられました。その
結果として、国連児童基金によると、5歳以下の幼い子供たちが50万人も命を
奪われています。ベトナムでもイラクでも、禁止されている兵器が一般市民に対
して使われています。兵器の実験として計画されたものでした。エージェント・
オレンジはベトナムの遺伝的および環境的な秩序を変えました。軍隊はこれを
「地獄作戦」と呼びました。議会がこれを発見したとき、この名前はより無害な
「農場労働者作戦」に変更されましたが、何も変わったわけではありません。イ
ラク戦争に対しても、議会はほぼ同じような反応を示してきました。民主党はこ
の戦争を非難し、名前を変え、拡張してきました。

ベトナム戦争の後に製作されたハリウッド映画も、ジャーナリズムと同じよう
に、想像を絶する状況を正常なこととして描いています。もちろん、映画の中に
は軍隊の戦術に批判的だったものもありますが、すべてが侵略者側の苦悩に焦点
を当てるように気を使った内容だったのです。これらの映画の最初の作品は、今
では歴史に残る名作とされています。それは「ディア・ハンター」で、そのメッ
セージは「アメリカは苦しんだ、アメリカは傷ついた、アメリカの若者は東洋の
野蛮人に対してできるかぎり闘ったのだ」というものです。「ディア・ハン
ター」は作品としての完成度が高く、俳優の演技も際立っていただけに、その
メッセージが及ぼす悪影響は致命的なものになりました。私が映画館で思わず大
声で叫び抗議した唯一の映画だったことを認めます(拍手)。オリバー・ストー
ン監督の名高い映画「プラトゥーン」は反戦映画だといわれていますし、人間と
してのベトナム人を垣間見せていますが、なによりもアメリカ人侵略者を犠牲者
として賛美しています。

この原稿を書き始めたときには「グリーン・ベレー」に触れるつもりはありませ
んでしたが(笑い声)、先日ジョン・ウェインはこの世で最も影響力のある映画
俳優だったという記事を読んで、気持ちが変わりました。私はアラバマ州モンゴ
メリーで1968年のある土曜日の夜、ジョン・ウェイン主演の「グリーン・ベ
レー」を見ました。私はそのころ悪名が高かったジョージ・ワレス知事をインタ
ビューするためにモンゴメリーにいたのです。[注:知事は、南部の保守的で黒
人を差別する風潮に乗じて、人種差別的な政策を訴えていた。]私はベトナムか
ら帰ってきたばかりだったので、この映画があまりにもばかばかしくて信じられ
ませんでした。それでつい大声で笑い出し、笑いが止まらなくなったのです。
(笑い声)すぐに回りの雰囲気がとても冷たく感じられました。一緒に映画を観
ていたのは、南部で公民権運動をつづける活動グループ「自由の騎士」運動のメ
ンバーでした。彼がこう言いました。「さっさとここを出て、思いっきり走って
逃げよう」(笑い声)

私たちはそこからホテルまでずっと追いかけられました。しかし、追いかけてき
た人々は誰一人として、自分たちの英雄であるジョン・ウェインが、第二次世界
大戦で徴兵を避けるために、嘘をついたことを知らないでしょう。ウェインは偽
者の英雄だったのに、彼が演じた模範的な人物像に導かれて、何千人もの若者た
ちが志願兵となり、ベトナムで命を落としました。ただしウェインに感化されな
かった人もいました。この例外的な人物としてはジョージ・W・ブッシュと
ディック・チェイニーが有名です。

去年、ノーベル文学賞の受賞式で、脚本家ハロルド・ピンター氏は歴史的な演説
を行いました。彼はある疑問を提示したのです。彼の言葉を引用します。「ス
ターリン時代のロシアでは、凶暴で残忍な行為が組織的に広範に行われ、国家に
服従しない思想は冷酷に弾圧された。こうした事実は西側でよく知られていると
いうのに、合衆国による国家犯罪については、ただ表面的な記載が残されている
だけで、証拠立てて検証し記録されることは決してない」。合衆国の権力が世界
中で猛威をふるうために、夥しい数の人々が苦しみ、死に絶えていく。「それな
のに」とピンターは訴えます。「誰も気がつかない。そんなことは起きていな
い。何も起こらなかった。たとえいま何か起きているとしても、何もなかったこ
とにすればいい。どうでもいいことじゃないか。つまらない話だ」。ピンターの
言葉はあまりにも現実離れしていて、とても信じることはできない。そう考えた
BBCはイギリスで最も偉大な劇作家の演説を放映しませんでした。

私はカンボジアについていくつかのドキュメンタリー映画を作りました。最初の
作品は「ゼロ年:カンボジアの沈黙の死」です。この映画では、ポルポト政権台
頭のきっかけを提供したアメリカの爆撃を説明しています。ニクソンとキッシン
ジャーが始めたことをポルポト政権が完了したのです。CIAファイルを見ただけ
でも疑いはありません。私は「ゼロ年」をPBSに提供し、ワシントンに持ってい
きました。それを見たPBSの重役たちはショックを受けていました。ボソボソと
内輪で囁きあっています。彼らは私に外で待つように言いました。とうとうその
うちの一人が出てきて「ジョン、君の映画は素晴らしいと思うけど、米国がポル
ポト政権への道を開いたという点については困るな」と言うのです。

それで私は「証拠に疑問がありますか」と言いました。いくつかのCIA文書を引
用して説明したのです。彼は「いや、そうじゃなくてね。僕たちは一応ジャーナ
リズム的な審判判定を行うことに決めました」という返事でした。

この「ジャーナリズム的審判判定」という言葉はジョージ・オーウェルが発明し
たとしてもおかしくない言葉です。実際に、彼らはポルポト政権から招待を受け
たたった三人のジャーナリストのうちの一人を見つけてきたのです。もちろん、
彼はこの映画を認めませんでしたし、それ以来私はPBSから連絡を受けていませ
ん。「ゼロ年」は60カ国以上の国々で上映され、世界一多くの観客を集めたド
キュメンタリー映画だったのですが、米国ではまったく上映されませんでした。
私がカンボジアで撮影した5本の映画のうち一本がニューヨークのPBS局のひと
つであるWNETで放送され、それはたしか夜中の1時に放送されたのだと思いま
す。ほとんどの人が眠っている時間帯のこのたった一回きりの放送で、エミー賞
を受賞しました。なんという不可思議な皮肉でしょうか。賞を受ける価値がある
作品に、観客がいないなんて。(笑い声)

ハロルド・ピンターが指摘した造反的真実は、帝国主義とファシズムとを関連付
け、ほとんど報道されてこなかった歴史的闘争を説明していると思います。それ
はメディア時代の巨大な沈黙であり、現在のプロパガンダの秘密の真髄です。こ
れほど巨大な規模のプロパガンダがありながら、多くのアメリカ人がそれなりの
知識や理解を持っていることに私はびっくりしています。もちろん、私が問題に
しているのはシステムのことであり、個々の人物ではありません。しかし、現在
非常に多くの人々がジョージ・W・ブッシュ一味が問題だと思っているようで
す。ブッシュ一味が極めて危険なのは当然です。しかし、私の経験からすると、
彼らは単に以前から起きていたことの極端な例にすぎないのではないでしょうか
(拍手)。私の生涯で、共和党よりも自由主義の民主党のほうがもっと多くの戦
争を始めてきました。この真実を無視する限り、プロパガンダのシステムと戦争
システムの継続を保証することになります。民主党の一派が過去10年間英国を
支配してきました。(笑い声)自由主義者であるとされるブレアは、近代の歴史
でどの英国首相よりも多数の戦争に英国を引きずりこんできました。もちろん、
現在ブレアのお友達はブッシュですが、彼の初恋の人は20世紀で最も凶暴な大
統領ビル・クリントンだったのです。(笑い声)ブレアの後任であるゴードン・
ブラウンもクリントンやブッシュの崇拝者です。先日、ブラウンはこのような発
言をしました。「英国が過去の大英帝国について謝罪する日は終わった。お祝い
するべきだ」

ブレアやクリントン、そしてブッシュと同様に、ブラウンも歴史に対する闘争に
勝利を収めたという自由主義的真実を信じ込んでいます。大英帝国下のインドで
英国が強要した飢饉で餓死した何百万人もの人々のことは、アメリカ帝国の下で
死んでいった何百万人もの人々のことと同じように忘れ去られるだろうと確信し
ています。ブレア後継者であるブラウンもまた職業ジャーナリストが味方につい
ていると信じています。ほとんどのジャーナリストたちは、あるイデオロギーを
信奉する民衆指導官として訓練を受けてきました。それは、自分たちがイデオロ
ギーの範疇を超越していると思い込むイデオロギーなのです。彼らは自分たちの
立場を自覚しているかどうかに関わらず、現代社会を支える柱として当然のよう
に中心的役割を演じています。制限のない開きっぱなしのイデオロギーは、これ
まで知られてきた中でも最もパワフルで危険なイデオロギーであり、これこそが
自由主義なのです。私は自由主義の価値を否定しているのではありません。その
逆です。私たちは皆その恩恵を受けています。しかし、その危険性、その無制限
な野心、すべてを飲み込むそのプロパガンダの力を否定することは、本当の民主
政治(デモクラシー)に対する私たちの権利を否定することに他なりません。な
ぜならば、自由主義と本当の民主主義は同じではないからです。自由主義は19
世紀にエリート階級のカルトとして発達したものです。本当の民主主義は決して
エリート階級から譲り受けられたことはありません。それは常に闘って勝ち取ら
れてきたのです。(拍手)

反戦連合体である「平和と正義のための連合」の幹部メンバーの発言をここで引
用します。「民主党は現実的な政治活動を行っています」。ここで彼女が引用し
ている自由主義の歴史的観点は、ベトナムのことでした。彼女によると、ジョン
ソン大統領は民主党議会がベトナム戦争に反対の票を投じるようになってから、
軍隊をベトナムから引き上げ始めたと言うのです。それは事実とは違います。軍
隊はその後4年間過ぎてから、ようやくベトナムを撤退し始めました。その間に
米国はそれ以前数年間にわたって殺した人々の合計を上回るもっと多くの人々
を、ベトナム、カンボジア、ラオスで殺戮したのです。それと同様なことがイラ
クで起きています。爆撃は去年から倍増していますが、これは全く報道されてい
ません。この爆撃を始めたのは誰でしょうか。ビル・クリントンが始めたので
す。1990年代に、クリントンは婉曲的に「飛行禁止区域」と呼ばれる地帯に
爆弾を雨のように降らせました。その間に経済的制裁と呼ばれる中世的な兵糧攻
め政策を押し付けました。私が前述したように、数値として記録が残っている
50万人もの子供たちを含め、約百万人もの人々を死に追い込んだのです。この
ような大虐殺があったことなど、まったく主流報道機関では報道されていませ
ん。去年、ジョンズ・ホプキンス大学公共保健学部が出版した調査によると、イ
ラク侵略以来65万5千人以上のイラク市民が侵略そのものが直接の原因で死亡
しました。公式の文書によると、ブレア政権はこの数値が信頼できるものである
ことを知っていたことが明らかになっています。2月に、この調査報告の著者で
あるレス・ロバート氏は、この数値はルワンダの大量殺戮を調査したフォーダム
大学の調査結果と同等の数値であると発言しました。ロバート氏が明らかにした
このショッキングな事実に対するメディアの反応は沈黙でした。世代を代表する
この組織的大虐殺の最も悲惨な物語は、ハロルド・ピンターの言葉を借りるなら
ば、「何もなかったことにすればいい。つまらない話だ」ということなのでしょ
うか。

自分を左派だと考える多くの人々が、ブッシュによるアフガニスタン攻撃を支持
しました。CIAがオサマ・ビン・ラディンを支援していたことなどは無視され、
クリントン政権が秘密裏にタリバンを後押ししていたことも、彼らに対するハイ
レベルの要約説明会がCIAで提供されていたことも、米国ではほとんど知られて
いません。タリバンは巨大石油会社ユノカルと秘密のパートナーシップを結ん
で、アフガニスタン全土に石油パイプラインを構築していたのです。タリバンが
女性を迫害している点を追求されたクリントン政権の役人の返事は「そのくらい
なら許せるさ」というもの。ブッシュがタリバンを攻撃することに決めたのは、
9-11事件の結果としてではなく、その2ヶ月前の2001年7月であったことを
示す説得力のある証拠があります。これは米国内では公式にはまったく知られて
いないことになっています。アフガニスタンにおける民間人死傷者の規模につい
ても同様です。私の知るところでは、主流メディアのレポーターとしてたった一
人、ロンドンのガーディアン紙のジョナサン・スティールがアフガニスタンの民
間人死傷者について調査を行っており、彼の推測では2万人の民間人が死亡した
ものとされ、しかもそれはすでに3年前の話です。

延々と続くパレスチナの悲劇は、いわゆる自由主義左派と呼ばれる人々の沈黙と
追従的態度に大きな責任があります。ハマスはイスラエルの破壊を誓っていると
繰り返し報道されています。ニューヨーク・タイムズ紙、アソシエート・プレ
ス、ボストン・グローブ、どれでもご自由に選んでみてください。これらの報道
機関はすべてこの決まり文句を毎回免責条項に使っていますが、それは嘘です。
ハマスが10年停戦を申し入れたことはまったく報道されていません。もっと重
要なことは、過去2、3年の間にハマス内でイスラエルの現実という状況を認識
する歴史的なイデオロギーの転換が起きている点について、ほとんど知られてい
ないこと。そして、イスラエルがパレスチナの破壊を誓っていることについて
は、口にできないという点です。

パレスチナの報道に関し、グラスゴー大学による画期的な調査があります。英国
内でテレビのニュースを見ている若者たちにインタビューを行ったところ、90
パーセント以上の視聴者が不法移住者というのはパレスチナ人のことだと思って
いることが分かりました。テレビは見れば見るほど、知識がなくなるというの
は、ダニー・シェクターの有名な一句です。

現在最も危険な沈黙は、核兵器と冷戦の復活に関するものです。ロシアは東ヨー
ロッパにあるいわゆるアメリカ防衛機構がロシアを服従させ屈辱を与えるために
考えられたということを明白に理解しています。しかし、こちらの新聞第一面で
は、プーチンが新しい冷戦を始めると報道されています。しかも、従来の戦争と
核戦争との区別をあいまいにし、長い間の野望を果たすために考えられた「信頼
性代替弾頭(RRW)」と呼ばれる新しいアメリカ原子力システムの開発について
は、沈黙が続いています。

それと同時に、自由主義メディアはイラク侵略前に果たした同じ役割を担ってお
り、イランの抵抗力を弱める準備が整えられています。民主党について言えば、
例えばバラク・オバマが、ワシントン権力体制のプロパガンダ機関の一つとして
古くから影響力をふるってきた「外交委員会」の代弁者となっている様子を観察
してください。軍隊を引き上げることを望んでいると発言するオバマは、しかし
次のように書いています。「我々はイランやシリアなど長年にわたる敵国に対し
て、軍事力を使う可能性を排除してはならない」。そして、自由主義者のオバマ
の演説を聞いて下さい。「前世紀の我々の指導者たちは、深刻な危機に直面した
ときにある誓いを立てた。アメリカはそのお手本となる行動によって、世界を導
き、救い、国境を越えて何十億人もの人々が求めてきた自由のために立ち上が
り、闘うのだ」

これこそがプロパガンダ、言い換えると洗脳の核心であり、すべてのアメリカ
人、そしてアメリカ人ではない私たち多くの人間の生活の中に深く浸透している
考えなのです。しかし、右派から左派、非宗教的な人たちから宗教を信奉する人
たちに至るまで、過去半世紀にわたって、ほとんどの人々に知らされていない事
実があります。それは、米国政権はこれまでに50カ国の政府、しかもそのほと
んどが民主主義によって選出された政府を転覆させてきたという事実です。その
過程で、30カ国が攻撃され、爆撃され、無数の人々の命が失われました。ブッ
シュ攻撃は結構ですし、正当なことではありますが、何十億人もの人々が求める
自由のために立ち上がり、闘うなどという、子供だましの民主党の誘惑に惑わさ
れた瞬間、歴史のための闘いは敗北に終わり、私たち自身も沈黙を強いられるこ
とになってしまいます。

では私たちはどうしたらよいのでしょうか。私が講演を行った多くの会合でよく
聞かれる質問ですし、この会議のように知識の豊かな人々が集まる会議でさえも
その質問があるということ自体、興味のある点だと思います。私の経験では、い
わゆる第三世界諸国の人々はほとんどそのような質問をしません。何をすべきか
知っているからです。中には自由や命の代償を払った人々もいますが、彼らは何
をすべきかを知っていたのです。この質問に対し、民主的左派の人々は未だに答
を出していません。

本当の情報、造反的真実はあらゆる意味で最も強力な影響力を持っています。メ
ディアが大衆の代弁をするなどとは決して信じてはなりません。それはスターリ
ン主義のチェコスロバキアでありえなかったことであり、ブッシュ政権下の米国
でもありえないことです。(拍手)

長年ジャーナリストとして生きてきたこれまでの人生で、私は大衆の意識が今ほ
ど急速に高まるのを見たことがありません。もちろん、その方向性や形態はまだ
不明です。それは人々が政治的な選択肢に深い疑いを抱いているからであり、民
主党が左派の選挙民を誘惑し分断することに成功しているからです。しかし、優
越した暮らし方であるとして徹底的に吹き込まれた思想や、アメリカ神話の絶対
的な規模や、現在の作り上げられた恐怖状況を考慮すると、このような批判的大
衆意識の拡大はさらに驚くべきことだと思います。

去年ニューヨーク・タイムズ紙が社説で謝罪をしたのはなぜでしょうか。ブッ
シュの戦争に反対だからではありません。イランに対する報道を見れば分かるで
しょう。あの社説は、人々がメディアの隠された役割を見抜き始め、行間を読み
始めたことを認める稀な表明だったのです。

イランを攻撃した場合は、攻撃に対する反動や引き起こされる激変状況は予測で
きません。ブッシュが国家安全機構および本国安全対策に関する大統領指導権を
発動することにより、緊急事態下にあるすべての政府機能を支配下に置くことが
可能になります。憲法が一時停止されることもあり得るでしょう。何十万人にも
およぶいわゆる「テロリストや敵国戦闘員たち」を拘留する法律がすでに成立し
ています。これを理解することは、パラノイアでも何でもありません。このよう
な危機について、人々はすでによく理解していると思います。彼らは9-11事件当
時に比べ、またサダム・フセインとアルカイダをむすびつけたプロパガンダに騙
された当時に比べ、かなり賢明になってきました。だからこそ去年の11月に民
主党に票を入れたのですが、また裏切られてしまったのでした。しかし、人々は
真実を求めています。ジャーナリストは権力の手先ではなく、真実の使徒でなけ
ればなりません。

私は、企業報道機関を監視し、解体し、それに立ち向かう人民の運動から生まれ
る第五階級の構築が可能だと思います。あらゆる大学で、すべてのメディア学部
で、すべてのニュースルームで、ジャーナリズムを教える教育者たち、そして
ジャーナリスト自身が、にせものの客観性という名前のもとに許してきた流血
に、現在自分たちがどのような役割を担っているのか、問い詰める必要があると
思います。メディア機構の内部でこのような運動があれば、まったく未知のペレ
ストロイカが到来するかもしれません。これは可能なことです。沈黙を破ること
は可能です。英国では全国ジャーナリスト組合が急進的な変化を成し遂げ、イス
ラエルのボイコットを呼びかけました。(拍手)ウェブサイトMedialens.org で
は独力でBBCの責任を追及してきました。米国では、反逆精神に富む多くのウェ
ブサイトがあちこちに広がっています。全部の名前を挙げることはできないけれ
ども、例えば、トム・フィーリーのインターナショナル・クリアリングハウス、
マイク・アルバートのZNet、カウンターパンチ・オンラインやFAIRの素晴らしい
仕事振りなどです。イラクに関する最も優秀な報道は、ウェブで掲載されていま
す。ダール・ジャマイルの勇気あるジャーナリズム(拍手)、ファルージャ包囲
戦の様子を市内から伝えたジョー・ウィルディングのような市民レポーターなど
です。

ベネズエラでは、グレッグ・ウィルパートの調査によって、ウーゴ・チャべスに
向けられた毒々しいプロパガンダが覆されました。勘違いをしてはなりません。
腐敗したRCTVを代弁して西側で行われたキャンペーンの陰で、ベネズエラの多数
派の言論の自由が脅かされていたのです。私たちがここでやらなければならない
ことは、この抑圧されている知識をアンダーグラウンドから引き上げ、一般市民
の人々に届けることなのです。

私たちは急いでことを進める必要があります。自由民主主義は今や企業独裁政治
の形態へと突き進んでいます。この歴史的な転換期に、メディアはその仮面に使
われることを拒否しなければなりません。逆にそのこと自体を人々の緊急問題と
して取り上げ、直接行動を促す必要があります。偉大な告発者トマス・ペイン
は、大衆の大多数が真実や真実のアイデアを拒否された時こそ、言論のバス
ティーユ監獄を襲撃する時だと警告しました。今がその時なのです。(拍手)

www.democracynow.org <http://www.democracynow.org/>

*** *** *** *** *** *** *** ***
備考:デモクラシー・ナウ!ジャパンとビデオ放送に関する情報

デモクラシー・ナウ!ジャパンのホームページ:
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デモクラシー・ナウ!の放送ページ:
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