Commented by exod-US at 2007-06-23 22:50 x
とらちゃん:資料ありがとうございます.時系列で調べたいとき一番確実なのは晴天とら日和をチェックすることというのが定番になったみたいですね.国民年金と厚生年金には「法の下での平等」をかけ離れた実態がありますが,さらに超優遇されているのが公務員の入る共済年金です.とらちゃんはもちろんご存知かと思いますが,共済年金加入者は「確定拠出年金」に加入することができません.これは「確定拠出年金」が危険なイカサマ博打であることを政府が知っていて,政府の従業員(の年金制度)をその危険にさらさないための防護措置です.社保庁解体の真の狙い(の一つ)は公的年金制度を潰して外資の求める「確定拠出年金」に資金を移動することですね.
>年金不払いが40%以上居て、そんな状況の中でまともに年金が機能すると思われますか。
制度的には完全に破綻していますが,厚生年金(共済年金を含む)だけなら,給付を引き下げることでまだ対応可能です.国民年金世帯が統計的にどのくらいか把握してませんが,仮に国民の1/4だとすると,現政府は完全にこの1/4の国民を「棄民」しようとしています.その受け皿になるのは,「民主護憲連立政府」しかありません.→元記事のコメント欄参照
Commented by exod-US at 2007-06-28 05:03 x
とらちゃん:おはようございます.前にとらちゃんから,「年金不払いが40%以上居て、そんな状況の中でまともに年金が機能すると思われますか。」と尋ねられて,「制度的には完全に破綻していますが,厚生年金(共済年金を含む)だけなら,給付を引き下げることでまだ対応可能です.」と答えてますが,撤回します.「厚生年金は給付の引き下げで対応可能」というのは,私が考えたのではなくて比較的最近のニュースで読んだものです.ちょっとソースは今見当たりませんが,責任(権威)ある筋からの情報です.確かにこれはある意味でウソではありません.
2004年に政府・与党は年金改革というのをやっていますが,この時点で年金会計は600〜700兆円ほどの(将来)債務超過(公式数字では420兆円)になっていました.これに対して政府は@ 給付水準の引き下げ,A納付金額の引き上げ,B税負担率の増加,などでほぼ債務超過ゼロの水準に修正しました.しかし,これには大きな落とし穴があります.
というのは,数字では確かにバランスが取れるようになったのですが,実際はある年代から給付額と受給額が逆転するということが起きるという仕掛けになっていたのです.これには人口増加率とかいろいろなパラメータが関係しますが,政府の予測はつねにもっとも甘い数字を使っています.いずれにしても,現在の設計では遅くとも1965年生まれの世代から後はかけた金額より受け取る金額の方が少なくなるということが発生します.これはもうダメですね.確定です.

しかもこれは,誰一人脱落しないという想定上のことですから,(パートタイマ・非正規雇用が増加している現状では)実際にはもっともっと条件は厳しくなります.厚生年金の適用範囲外の事業所あるいは,適用範囲内であるのに年金を組めない事業所は増加する一方です.こんなのに入る人がいるわけがありません.総脱落します.こんなことは2004年の年金改革時から知れ渡っていたのですが,政府与党は例によって強引に強行採決で突破したというわけです.ちなみに私自身はこの時期はまったく「政治」を見てませんでしたので蚊帳の外です.私が政治をチェックし始めたのは2005年の郵政解散からですから...
資料:厚生年金をバランスシートで斬る(高山憲之)
いや,ほんとに国家を丸ごと民営化した方がましなんじゃないかと思えてきました.皇国何千年か知りませんが,明治維新の前よりもっと悪いと思います.
昨日の記事で書きましたが,ロシア革命後ソ連邦が全土強制収容所化してゆく方向に進んでゆくのは「食糧独裁=穀物割当徴発」に対するサボタージュとそれに対する弾圧・取締りから始まっています.現在の政府の政策を見るとほとんどその坂道を転げ落ちて行ってるように見えます.何とかしないと本当にダメですね.
田中直毅という人がいます.顔は見覚えがありますが,普段どんな発言をしているのか分かりません.この人が理事長をやっている21世紀政策研究所というのがあります.経団連が設立した公共政策のシンクタンクです.ここが1999年に「〜日本経済再生のカードとしての年金改革〜」という提言を書いています.基本的には「厚生年金民営化」を主張するもので多分現在の社保庁解体の動きなどのベースラインになっているのではないかと思うのですが,この中で年金会計を一度リセットするための手順を提案しています.まだよく読んでませんが,いずれにしても年金会計を一度完全に破綻処理させないとダメだと思います.
この両者(高山憲之,21世紀政策研究所)に共通しているのは,年金会計再建の原資として永久国債の発行(100〜200兆円)を提案している点です.永久国債というのは償還期限のない国債ですから,本質的に「株式」と同じです(株式は償還期限のない変動利息社債).つまり,これこそ究極の「国家の民営化」と呼んで差し支えのないものです.2つ上のパラグラフでは冗談に「国家の民営化」と書いたのですが,連中はすでに「本気」でその事業に取り掛かっています.究極のキャピタリズムかもしれません.
私の対案は「政府貨幣の発行」です.現行法制でも可能だとは思いますが,私はむしろ日本銀行を国営化した方がよいのではないかと考えています.私のイメージでは政府貨幣(自由貨幣と呼んでいますが)は国民経済共同体を通用地域とする地域通貨です.
もう一つ,「消費税」に代わる代案として「取引税(transaction tax)」を提案します.消費税は最終的には最終消費者が全額負担する課税方式ですが,取引税は貨幣的取引の全段階に「超低率かつ定率」の賦課を課するものです.当面はたとえば,銀行口座間の取引に限定してもよいと思いますが,要はお金の移動(決済)に対して課税する方式,つまり一種の貨幣の使用手数料のようなものです.全銀ネットを通過する資金は1日300兆円くらいはありますから,営業日を年200日として1%の課税で600兆円もの税収になります.1%では大きすぎるとしても0.1%でも60兆円で,ほぼ現在の歳入規模に匹敵します.この方式なら一度システムを立ち上げてしまえば後は完全にオートメーションで動きますから,国税庁がまるごと不要になります!政府貨幣・取引税については,こちらに私の小論文(2003年)があります.
内閣は民主党議員が要求する数字をすべて隠しこんでボーナス返上くらいでお茶を濁そうとしていますが,そんな小細工が通用する時期はとっくに過ぎました.5000万件の不明データなどの問題をクリアすることは年金会計を清算する前段階で片付けなくてはならない作業ですが,まずそれに全力で取り組む必要があります.どのくらいの時間がかかるか分かりませんが,本気でやれば1年でめどは付くと思います.しかし,最終的には統合できないデータ,さらにそもそも未入力で台帳すら紛失しているデータが残ります.厚生年金の場合,ある会社にある時期勤務していれば原則として納付していたとみなすというルールを設ければある程度カバーすることはできると思いますが,いずれにしてもどこかに消えてしまったデータを回復することはできません.しかし,少なくともその総額の推計値を計算することはできます.
この消えた年金には2種類あります.金額は国庫に入っているが納付者を特定できないものと,納付されたお金自体がどこかに消えてしまったもの(ネコババされたもの)です.いずれにしても,(最終段階になりますが)これらの事故金額の推計値を確定する必要があります.
責任問題はその時点で発生します.金額に見合っただけの責任の取り方を見せてもらうしかありません.現在の内閣がやっているのは,その総額にフタをして(過小に見せかけながら)(彼らにとっては)小額の賞与を辞退するフリでごまかそうというものです.もちろん可能ならば刑事訴追されなくてはならないし,またそのようなケースも出てくると思います.
社保庁を6つに切り刻んでというのはまったくバラバラ殺人事件の犯人が刻んだ死体をあちこちに分散して捨てるというのにそっくりで胸糞悪くなりますが,民営化の眼目は結局は何百兆円という年金資金の運用権の問題(誰が運用するか?)です.私は下手に民営化するより,共済年金組合にそっくり移管するのが一番確かだと思います.ここでは(他の機構ではほとんど失敗していますが)年金積立金を実に賢明に(何十年も)運用してお金を(計画通り)増やしている実績があります.禿ゲタカのエサに呉れてやる必要はありません.
「社保庁解体」は「バラバラ殺人事件」であるというのは比喩というより,もっと真実に近いものです.年金会計帳簿の一行一行が彼らが過去に犯した犯罪の記録であり,犯科帳とでも呼ぶべきものです.郵政資金のマネーロンダリングは完了していますが,特殊法人に注ぎ込まれた財政投融資の原資はほとんど郵政ないし年金資金です.彼らが食い散らかした宴の後,連続強盗強姦バラバラ殺人事件の凶行現場としてのワンビシ倉庫を封印するというのはある意味で当然です.屍姦,人肉嗜食の世界と言っても言い過ぎではありません.