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≪GOOD NEWS≫ やった!アラン・ジョンストンが帰ってきたよ!
http://www.asyura2.com/07/idletalk24/msg/394.html
投稿者 馬場英治 日時 2007 年 7 月 06 日 02:24:25: dcAX/x0KhXeNE
 

http://exodus.exblog.jp/6033594/

114日間囚われの身となっていたBBCガザ特派員アラン・ジョンストンがとうとう釈放された!おめでとう,ジョンストン!

3月12日にガザ市の自宅に帰る途中マスクした犯人たちに銃を突きつけられて何処ともなく連れ去られ,以来4ヶ月近く武装グループによって監禁され所在不明となっていたBBCのガザ特派員アラン・ジョンストンは水曜日(4日)早朝イスラム軍(Army of Islam)を名乗る民兵グループの手からガザ地域を実効支配しているハマス政権に引き渡された.ジョンストンはこの日午前2時頃アジトからフードで目隠しして引き出され猛スピードでガザ中心地まで移送されて自由の身となり,パレスチナ自治政府元首相のイスメイル・ハニヤとともにガザ市内で記者会見を行った.武装グループはガザ地区でもっとも有力なマフィアの一つドグムッシュ一族の傘下にあり,アルカイダの影響を受けているとも噂されるが,ハマス政権との間でどのような取り引きが成立したかについては公表されていない.


Alan Johnston's father Graham, sister Katriona and mother Margaret met BBC staff at Bush House, London, and were attending an awards ceremony on Wednesday night. Alan was yet in Jerusalem at this moment.

イスラム軍は1年前のイスラエル兵士ギルアッド・シャリットの拉致事件に関係するグループのうちの一つである.イスラエル首相エフド・オルマートは,ジョンストンの釈放を歓迎する声明を発表しながらも,その中でシャリット伍長の釈放を求めることを忘れていない.ハマスの政治指導者ハニヤもこのことに言及し,「ギルアッド・シャリット伍長の解放についての交渉がまとまることを希望する」と述べた.ジョンストンはBBCのインタビューに答えて,「112日間の活きた悪夢でしたよ.生き埋めにされた気分です.自由になるってのはもう最高にファンタスティックですね.ガザにすぐ戻ることは考えてません.特派員として3年間ガザをカバーしてきたしそれから4ヶ月も独房暮らしですから,ガザはもう沢山!って感じで.あそこがEUに加盟したら戻ってきましょう.」 BBCサイトの救命嘆願署名には世界中から20万人を超える署名が集まった.

何はともあれコーヒーで乾杯!
ジョンストンはガザでの記者会見の後直ちにエルサレムに移動し,遅い時間に記者会見を行った.この写真を見るとジョンストンは多分この記者会見の前(か後)に,床屋に行ってバスに入り着替えをしたようだ.スキンヘッドになってしまった.アムネスティ・インターナショナルはこの日待ち兼ねたように,アラン・ジョンストンを即行で表彰したが,アラン自身はもう一度無名の人(obscurity)に戻ることを誓っている.(最後の数時間を除けば)手荒なことはされなかったようだが,24時間鎖に繋がれていたそうだ.居所は4度ばかり変わったという.監視はいつも一人でほとんど同じ男が付いていたみたいだが,かなり感情の起伏の激しい男であまり一緒にいてうれしい相手ではなかったようだ.アランが監禁されている4ヶ月の間に,パレスチナには大きな変動があった.

犯行グループからは3度ビデオテープが公開された.最初のテープにはジョンストンの身分証明書の写真が映っていただけだが,後の2本は正面を向いて解放を訴えるアランの実写が映っていた.最後のビデオでは自爆ベルトを着用されてしゃべらされていた.最初のビデオが出た時期に犯行グループから「ジョンストンはすでに殺害された」という声明が流れた.しかし,私はこの情報がガセであり,「ブラフ」であることに確信を持っていた.この結論はいくつかの状況証拠と声明文の解析から得られたものである.私はこの時期にすでにどのような形で手打ちを行うことになるかについての見通しを持っていた(後述する).私がこの事件を知ったのは事件発生からかなり経ってからだった.そのころ私はBBCのWTC7倒壊予告編事件を追いかけていた.BBCサイトが炎上しネットがBBCの虚報事件で沸き返っている時期にBBC記者が誘拐されるというのは決して偶然ではない.私はこの設問を解析して次のような仮設を立てた.

『WTC7が崩壊する』という確定情報をBBCに流したのは誰か?
それは,BBC記者を誘拐し,殺害を企てた者である.

これで突然ニューヨーク,ロンドン,パレスチナが一挙にリンクすることになった.当初は私が見る限りBBCを含めて各国のメディアの取り扱い方は不当に小さいように感じたが,「WTC7倒壊予告編事件」の真相究明のための署名活動がネット上で始まったのと前後して,BBCもようやく救命キャンペーンに乗り出し始めた.ロイターに全面広告を打ち,その延長でBBCサイトでの救命嘆願署名が始まった.しかし,この署名は開始して何日も経たないうちに閉鎖されてしまった.わずか4日間で署名数は8000に達したから所期の目標を達したとは言えるのかもしれないが,本人がまだ帰っても来ないうちに打ち切りというのはいかにも腑に落ちなかった.この時期辺りから私はほとんど直接英文のみで発信するようになった.

BBC記者誘拐事件の4日後には国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)の責任者を乗せた車両がガザで待ち伏せ襲撃を受けるという事件が発生している.ガザ市の人口は140万人,そのうちの70%はUNRWAの援護対象の難民である.考えるまでもなく,これらの事件がパレスチナの民衆にとって何の利益にもならないことは明らかだ.実際パレスチナ現地のジャーナリストたちはアラン・ジョンストン救命のためほとんど連日ビジルを開き,政府にデモをかけ続けた.これらの事件がパレスチナ挙国一致内閣の成立を阻止するために外部勢力によって引き起こされたと推定するのは道理がある.このような妨害工作が続く中で,3月17日にパレスチナ挙国一致内閣が発足する.この時期のエントリに私は次のような警告を書き込んだ.

「大詰めのドラマがどのような展開になるのか?私は知らない.しかし,一つだけ忠告することがあるとすれば,もし,犯行グループのアジトを強襲するという作戦があるとすれば,その部隊のメンバーの選択は十分吟味する必要があるということだけだ.最後の土壇場で味方の方から発射した銃弾が救出を待っている人間に命中するようなことがあってはならないからである.」

UNRWA車両を襲撃したグループもアラン・ジョンストン誘拐グループもどちらも外部勢力に通じていることはほとんど明らかである.だとしたら,ハマスの部隊内(この時期はまだ政府治安軍だが)にもスパイが潜入していることは覚悟しなくてはならない.従って,強襲部隊を編成するためには慎重に人選しなければ失敗するという警告である.しかし,英国はハマスにもっと強い要求を出していたようだ.つまり「実力で奪還する作戦を回避せよ」という要請である.ハマスがファタハとの武力闘争に勝利してガザを完全に実効支配するようになってからの話だが,待ちくたびれた私は「もういいから突っ込んで救済しろ!」と何度も叫び出しそうになっていた.しかし,ハマスは英国からの要請に従って最後まで自重した.「忍耐の勝利」と言えるだろう.

BBCは私の「抗議」に応えるかのようにジョンストン誘拐から1ヶ月を経過した記念日から救命嘆願署名を再開した.上記したようにこの署名は最終的に20万人を超えるという大きなうねりを作った.ファタハとハマスの武装勢力は指導部のコントロールを超えてあちこちで突発的に衝突し最終的に全面的な内戦に突入した.イスラエルは深入りはしなかったが境界線を超えてガザ地域に侵入し内紛を深刻化するのに効果的な役割を果たした.アメリカとイスラエルはファタハに肩入れして資金と武器をふんだんに供給し始めたので,このバトルはもはや後戻りのできない段階に達してしまった.最終的にハマスはガザ地域にあるパレスチナ政府機関を制圧し,ファタハを追い出してガザ地区の実権を握った.イスラエルはガザ地域を封鎖し,欧米諸国はハマスへの援助資金をすべて停止している.ハニヤ首相は「我々は塩とオリーブがあれば生きていける」と宣言した.<同じことが沖縄や岩国でも起きている>我々にもその覚悟が必要だ.

4月16日,聖戦統一旅団と名乗るパレスチナ武装グループがBBC記者を処刑したというニュースがネットを駆け巡っている頃,私は以下のような手打ちのスキームを提案している.以下では,イスラエルを[I],パレスチナを[P],ジョンストンを拘束しているグループを[J]とする.

手順1.[J]はジョンストンを解放する.見返りに[I]はパレスチナ人捕虜X名を釈放する.
手順2.[P]はシャリットを解放する.見返りに[I]はパレスチナ人捕虜Y名を釈放する.

英文記事では,これをもう少し詳細化して3段階の手順を紹介した.

手順1.[J]はジョンストンを解放する.見返りに[I]は女性・年少・病弱の囚人を釈放する.
手順2.[P]はシャリットを[M]に移送する.見返りに[I]は追加の囚人を釈放する.
手順3.一定時間経過後[I]はパレスチナ指導者を含む追加の釈放を行い,シャリットが帰る.

ここで[M]は媒介者でエジプトを想定している.ジョンストンはすでに実際に解放されているのだから,スキームは既に確定していなくてはならない.これまでに犯行グループから出された要求には,@イスラエルに抑留されている捕虜の釈放,Aイギリスに収監されている政治犯の釈放,B身代金の要求(500万ドル)の3種がある.ジョンストンはイギリス人(スコットランド)であるから,Aの要求は対応し易いかも知れないが実行されるとしたらジョンストンと交換でなくてならないから,タイミング的にもはや実現する可能性はない.むしろ私はイギリスから(というよりおそらくBBCから)は身代金が出ていると思う.従って,[B]を英国ないしBBCとして,

手順.[J]はジョンストンを解放する.見返りは?[B]が身代金を支払う.

ということになる.これはこれでトランザクションとして完結してしまっているから,これで閉じてもよいのだが,上記でも触れたようにイスラエルとパレスチナの首脳がいずれもシャリットの釈放について言及している以上,これがこの機会に進展しないということはあまり考えられない.この場合,どの程度の規模の交換が行われるかが問題である.イスラエルには現在1万人を超すパレスチナ人が抑留されていると推定されるが,メルケルなどが関わった過去の交渉経過では,そのうち400〜1500人くらいの交換条件が出されたという話もあるので,1000人くらいで手打ちということはあるのではないだろうか?この中にはパレスチナの主要な政治指導者が数名含まれることになるだろう.また,女性・年少・病弱の囚人を優先的に釈放するということもあるかも知れない.もし,このような人道的措置が取られるとすれば,ほとんど絶望的に見える現在のパレスチナ情勢にも薄明かりが見えてくるかもしれない.

ここまで書く必要はないと思うのだが,あえて書いてみよう.身代金500万ドルは日本円で6億円に該当する.ハマスはこの一部を仲介料としてピンハネできるだろう.その配分比は分からない.ドグムッシュ一族とハマスの力関係によって決まるパラメータである.しかし,半分より少ないことはないだろう.パレスチナで3億円がどの程度のバリューがあるか分からないが,この政権が今後数年間命脈を保つに十分な資金となるのかどうか?HAARETZなどイスラエル系新聞はこの誘拐事件全体を「八百長」として説明しようとしているが,無理がある.しかし,私は身代金の一部がハマスに入る可能性は合理的に考えて十分高いと思っている.(馬場英治)

Meshal: Johnston's release shows Hamas brought order to Gaza (HAARETZ, 2007-07-05)
BBC's Alan Johnston is released (BBC, 2007-07-04)

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