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日本医師会の大罪 その2 :「日医の取り組みについてご理解、ご支援をお願いしたい」なんて言われても、正直同意しかねます。
http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/140.html
投稿者 どっちだ 日時 2007 年 11 月 30 日 19:30:14: Neh0eMBXBwlZk
 

----DrPoohの日記 から転載--------------------------------
http://d.hatena.ne.jp/DrPooh/20071130

2007-11-30 Fri
日本医師会の大罪2

医療と司法, 私見

来年度の診療報酬改定に関する交渉の中で,初診料と再診料の引き下げは見送られるようです。いまのところ引き上げられるかは不明ですが,据え置きだとしても引き下げよりはましなのは確かです。ただその一方で他のいくつかの論点について,日本医師会をはじめとする医療側代表が厚生労働省案を受け入れています。結局は初再診料の交渉を有利にするための取引のように思えて,どうにも釈然としません。

その中でも診療関連死に関する第三者機関については,パブリックコメントで多数の異議申し立てがあったにもかかわらず,医療側代表が厚生労働省案に同意してお墨付きを与えています。この点について小松秀樹氏が「日本医師会の大罪」として批判され,その他表立たないところでも日本医師会執行部への批判が巻き起こったことは想像に難くなく,医師会側も釈明せざるを得なかったようです。

刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案−第二次試案 −(厚労省)について」 - 日医白クマ通信No.794

 日本医師会は、11月21日付で診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在 り方に関して「刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み−診療行為に関 連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案−第二次試案−(厚労省)につい て−」と題して、現在までの取り組み等について、都道府県医師会・郡市区医 師会宛に文書を発出するとともに、『日医ニュース』12月5日号に掲載するこ ととした。

 その中では、今回公表された試案に対するパブリックコメントでの問題点の指摘について、試案の表現では真意を伝えていない箇所があることから、試案についての問題点を解説することにより、刑事訴追からの不安を取り除くための日医の基本姿勢を改めて明らかにしている。

日本医師会も同意しているところの試案について「誤解」があるようなので,その真意を伝えたい,ついては「日医ニュースを読め」ことのです。HPで公開して誰でも見られるようにするべきだと思うのですが,会員以外にはあまりお見せしたくないようです。まあ正直なところ日医ニュースなんて普段はゴミ箱直行なんですが,今回は読んでみました。「日医委員会提言」「試案の問題点」「刑事介入を避ける新しい仕組みの法制化が目的」の3章からなるのですが,第1 章は既出の内容ですし,第3章は上のリンク先とほぼ同内容です。もっとも問題があると思われる「試案の問題点」を拾ってみます。


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問題1 義務化とペナルティ

 診療関連死の届出先を警察ではなく,「委員会を主幹とする大臣とし,当該大臣が委員会に調査を依頼することとする」ことはよいにしても,思案の表現のなかで,最も大きく問題にされた点の一つは,「医療機関からの診療関連死の届出を義務化する。なお,届出を怠った場合には,何らかのペナルティを科すことができることとする」であった。

 この表現は,検討会の席でも問題とされ,「義務化でなく,原則届けること」とし,また,「ペナルティは外すべきである」と,強く主張したところであった。しかし,警察庁の主張によれば,「現在,最高裁判決によって,医師法二十一条で届けるべき異状死に診療関連死が含まれており,それは憲法に違反しないとされていることから,今回第三者機関の設置により,診療関連死を異常死から外して届出先を警察以外の組織にすることは認めるにしても,届出義務まで外すことは認められない。そして,義務化とする限り,それに違反した場合は,ペナルティは科すべきである」ということであり,検討会の他の委員も第三者機関が国民から信頼すべき機関として活動を開始するためにも,第三者機関への届出は義務とすべきだという意見が出された。ペナルティという言葉については,それが刑罰を意味するものではないことは左記の通りである。

ーペナルティの意味するところー

 この問題に対しては,”ペナルティ”という言葉そのものは厳しいものの,実際の運用では,医師法二十一条違反のように,刑事罰ではなく,指導,勧告,命令,さらに悪質であれば行政処分などという内容を想定していることが,検討会の座長からも解説され,各委員の了解を得ているところである。

問題2 診療関連死

 診療関連死の届け出先を,警察からそれ以外の機関に変更する場合には,診療関連死の範囲についての明確化が必要である。異状死と同様,医療関連死を定義づけることはきわめて困難である。

 しかし,具体的事例を挙げるのではなく,「診療に関連した思いがけない死亡に際して,医師は,原因が不明で,死亡診断書が書けず,剖検して死因を究明する必要があると判断し,遺族も同意した場合」あるいは,「医師は,医学的に死因を究明できるが,遺族が納得せず,第三者機関に,死因究明を求めた場合」等を,われわれは想定しており,およそ,あらゆる診療関連死の届け出を要するものではない点をできるだけ明らかにするため,今後,検討会では,この問題を詳細に検討し,関係者の合意を得る計画である。

問題3 委員会報告書の活用

 第三の問題点は,「行政処分,民事紛争及び刑事手続きにおける判断が適切に行われるよう,これらにおいて委員会の調査報告書を活用できることとする」という部分であった。

ー調査報告書の目的ー

 調査委員会は,専門家集団としての医師が中心となり,医学的に死因を調査する場である。

 その調査報告書の書き方には,真相究明から,今後の再発防止と医療安全の向上に力点を置く場合と,真相究明から,事故の時点での責任追及の当否を判断する場合がある。

 診療関連死の原因究明の目的は,医療安全に資するべきであり,医療安全の視点から,前者に重点を置いた調査報告書が求められている。そして,この報告書に基づき,仮に,それまでは刑事訴追の対象になる可能性があるような,明らかに医学的に重大な問題があった場合でも,刑事訴追に代わり,再教育の考慮など,新たに,強制処分の方向性を具体化することが,検討会内で検討されている。

 このような調査報告書を遺族と病院へ戻したあとに,これが,民事あるいは他の法的手続きに用いられることがあるとしても,国民の合意に基づく制度である以上,このことを,否定することはできない。

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1番目については強引にまとめると「届けなかったときのペナルティといってもたいしたことないから心配いらないよ」ということのようですが,そんなことはそもそも問題の本筋ではない上に,そんなことを言ってしまったらむしろ信頼は得られないような気がします。2番目に関しても「全例届ける訳じゃないよ」と言っているだけで答えになってません。

多くの医療者が問題にしているのは3番目だと思うのですが,真相究明は責任追及のためではなく再発防止に重点が置かれるべきと言いながら,

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 このような調査報告書を遺族と病院へ戻したあとに,これが,民事あるいは他の法的手続きに用いられることがあるとしても,国民の合意に基づく制度である以上,このことを,否定することはできない。
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という一文には目を疑いました。「国民の合意に基づく制度」というのが現在の司法制度のことを指しているとすれば,そもそも厚生労働省の土俵ではどうにもならないのは分かり切った話です。それならどうするかという議論をするならまだしも「仕方ないから同意しました」というのではあまりにも無策だと思います。

いまさら日本医師会を叩いても水に落ちた犬に石を投げるようなものかも知れませんが,あんまりな内容に思わずエントリをたててしまいました。これで「日医の取り組みについてご理解、ご支援をお願いしたい」なんて言われても,正直同意しかねます。

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