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諏訪中央病院が訴えられた。 長野日報に記事が載っているが、書き方はあんまりだ。
http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/198.html
投稿者 どっちだ 日時 2007 年 12 月 23 日 15:02:56: Neh0eMBXBwlZk
 

----がんになっても、あわてない から転載------------------------------
http://air.ap.teacup.com/awatenai/510.html


2007/12/20
「病院が訴えられた!」  ニュースへコメント
 諏訪中央病院が訴えられた。昨日の長野日報に記事が載っているが、書き方はあんまりだ。(追加:20日付の信濃毎日新聞はまとも)

記事は次のとおり。

諏訪中央病院を提訴 遺族が損害賠償求め
2007-12-19 長野日報

 茅野市玉川の組合立諏訪中央病院で、胃がんの治療を受けていた同市内の男性=当時(84)=が、入院から約2カ月後に多臓器不全で死亡した際、病院側が余命を認識しながら、適切な治療と家族への説明義務を怠ったとして、遺族が同病院を運営する諏訪中央病院組合相手に、慰謝料約2000万円を求める損害賠償訴訟を地裁諏訪支部に起こしたことが18日、分かった。

 訴状によると、男性は1997年10月上旬に大量の血が混ざった排便をしたことなどから、同病院を受診し、進行性の胃がんで余命3カ月程度と診断され入院。手術を想定した胃バリウム検査や腹痛を抑えるモルヒネ投与などの治療を受けたが、11月下旬に死亡した。

 病院の治療のうち、バリウム検査では、事前に肺機能などのチェックをしなかったため、バリウムが気管に流入。男性に肺炎を発症させた。一方、モルヒネ投与では、呼吸回数の減少、無呼吸状態や意味不明な言動の増加など、過剰投与による副作用の症状が現れていたにもかかわらず、漠然と投与し続けた。

 急変後の患者の苦痛軽減のため、心停止後に蘇生措置を行わないとした方針は、一部の家族に延命治療と蘇生措置との区別をあいまいに説明し、患者やほかの家族のはっきりとした意向を確認せずに決めた。

 原告は「病院は治療方針、緩和医療、延命及び蘇生措置について十分な説明をしないまま治療を進め、患者の医療に対する自己決定権と人間らしい死を迎える権利を奪った」と主張している。

 提訴について同病院は「病院としての対処に間違いはなかったと考えている。訴状の内容を検討し、対応したい」としている。

 第1回口頭弁論は来年1月10日に開かれる。
(記事ここまで)

 この患者さんに直接関わってはいないが、状況を少しは知っている。私がこの記事を読んで感じたのは「これは原告の主張をただ並べただけで、報道ではない」ということだ。「何があったのか」について、独自の取材をおこなった形跡が見られない。

 訴状や原告の訴えをもとに記事を書くなら「原告はこう主張している」と書くべきである。しかしこの記事では、原告の主張をすべて、事実であったように書いている。事実であったかどうかの認定は、これから法廷で行われるのであって、訴えた段階でこのような記事にするのは、医療機関の信用を著しく毀損することになりかねない。

 諏訪中央病院の主張は「病院としての対処に間違いはなかったと考えている。訴状の内容を検討し、対応したい」とだけ書いてあるが、これは新聞のパターンとして「ただの言い訳」として付け足す書き方で、全体のバランスとしては明らかに原告に大きく肩入れしているように感じられた。

 長野日報は、諏訪地域では圧倒的な部数を誇っているローカル新聞である。地域住民の間での信用度はどれくらいかわからないが、影響力は小さくないと思われる。地域で頑張っている病院も、ひとたびこのような報道があれば、患者減少により一気に崩れ去ることもある。今の激安診療報酬は、少しの動揺にも医療機関が耐えられないぐらい、余裕が設定されていない。

 実際にそのような影響が起きれば、報道による医療破壊である。事実に基づいてバッシングされるのなら納得がいくかもしれないが、結果的に事実ではない記述によって病院に損害が生じれば、それは「風評被害」である。

 長野日報は、何を根拠にここまで諏訪中央病院の信用を傷つける記事の書き方をするのか。訴状や原告の主張がそのソースだというなら、報道機関としての中立性やバランス感覚が大きく不足している。記事が与える影響への配慮も、著しく不足している。
 仮に記事に書かれたことすべてを事実だと確信しているのであれば、諏訪中央病院は長野日報社とも戦わなければならなくなるだろう。間違っても「地域の新聞に足もとをすくわれる」ような医療にならないように、良い医療の提供を日々心掛けているつもりではあるのだが、何か長野日報社に恨まれるようなことをしてきていたのだろうか。

(12月20日午後0時20分記事追加:信濃毎日新聞はまとも)
 1日遅れの12月20日付信濃毎日新聞朝刊にも同じ提訴の記事が載っているが、こちらは報道の形を成している。記事は次のとおり。

10年前の父親の入院で病院提訴 茅野の遺族男性
2007年12月20日【信濃毎日新聞】

 諏訪中央病院(茅野市)で1997年、末期の胃がんで約2カ月間入院していた父親=当時(84)=が適切な治療を受けられず、家族にも病状などの説明が不十分だったとして、茅野市内の三男が19日までに、病院を運営する組合に総額2000万円の損害賠償を求める訴えを地裁諏訪支部に起こした。病院側は全面的に争う構えだ。

 訴状によると、父親は97年10月上旬、胃がんで余命約3カ月と診断され、入院した。痛みを和らげるためにモルヒネを投与する緩和医療などを受け、同年11月下旬、多臓器不全で死亡した。

 その際、父親はモルヒネの過剰投与の副作用で無呼吸状態になるなどしたが、医師は漫然と投与を継続した―と主張。緩和医療の方針についても家族に十分な説明がないことで父親が治療上の自己決定権を失い、精神的損害を被ったなどとしている。取材に対し三男は「今は答える時ではない」と話した。

 同病院は「手術などの治療は困難であることを家族に伝え、治療方針についても医師や看護師を集めた会議で決定した。モルヒネ投与の結果とされる症状はがん末期の症状と考えられ、診療行為や家族への説明に関しても落ち度はない」としている。
(記事ここまで)

 同じ内容を報道するのに、ここまで書き方が違うと、読む人の印象は全く違う。昨日の長野日報の記事について「これはおかしい」と感じたことが、信濃毎日新聞の今日の記事ではきちんと客観的に、整理して書かれている。

 諏訪中央病院が緩和ケアに力を入れ始めたのは、世間一般の平均に比べればだいぶ早いと思う。その諏訪中央病院にまだ緩和ケア病棟がなかった今から10年前の医療に対して、現在のレベルに基づいてとことんまで納得のいく緩和ケアを要求されても、それは無理というものだ。
 当時の医療水準から考えれば妥当で今の医療水準よりは劣る医療だったとして、それが責められるようであれば、ジャンケンの勝負の相手に常に後出しを認めさせられているようなもので、どうやったって勝ち目はない。
 当時の平均的な医療水準に照らして、病院に明らかに非があれば、それは認める。そうであるかどうかはっきりしない段階では、長野日報のような記事の書き方は許せるものではない。信濃毎日新聞も同じような記事を書くようであれば、長野の報道との全面対決への発展も危惧していたが、そんなことにはなりそうになくて良かった。

 たかが地域のローカル新聞の配慮の足りない記事にいきり立って、こんな記事を一本書いてしまった私が悪かった。
 ↑こんなことを書かれて悔しかったら、もう少し記事の質を上げて下さい長野日報さん。
投稿者: hirakata

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メディアの姿勢 2007/12/23 14:37
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071223
「がんになっても、あわてない」の本を書かれ、諏訪中央病院緩和ケア科で日々奮闘されている平方眞先生がおられます。平たく言えば日本の緩和ケア医療の大先生です。この先生も忙しい仕事の合い間を縫ってブログで情報発信されているのですが、直接ではありませんが、訴訟に
新小児科医のつぶやき


ていそ  2007/12/22 10:23
http://ssd.dyndns.info/Diary/2007/12/post_462.html
「病院が訴えられた!」にTB。諏訪中央病院を提訴 遺族が損害...
ssd's Diary


84歳、余命3ヶ月なのに、適切な治療と家族への説明義務を怠ったとして2000万円・・・
2007/12/20 17:52
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/19646449.html
諏訪中央病院を提訴 遺族が損害賠償求め
2007-12-19 長野日報

 茅野市玉川の組合立諏訪中央病院で、胃がんの治療を受けていた同市内の男性
=当時(84)=が、入院から約2カ月後に多臓器不全で死亡した際、
病院側が余命を認識しながら、適切な治療と家族へ
うろうろドクター


コメント


投稿者:hirakata
2007/12/20 18:50
うろうろドクターさま、こんばんは。
この事例があったのは、鎌田先生がまだ院長だった頃で、今回原告になった人とも、鎌田先生が直接会って話をしているはずです。その時は提訴に至らなかったのですが、今回なぜ提訴に踏み切ったのか、私にはよくわかりません。

鎌田先生は、おそらくこの提訴にびっくりはしないと思います。ある程度の大きさの病院ですから、院長時代にも訴訟に対応することは何回かあって、一つ一つに誠実に対応していましたが、いってみれば百戦錬磨の強者です。

それよりも、このような報道によるイメージダウンの方を、より心配されるのではないかと思います。信濃毎日新聞は報道の危険性をある程度わかった記事の書き方ですが、長野日報の書き方は地域医療を破壊します。そのことに気付いてもらえるように、一応「ご意見メール」は書いてみました。


投稿者:うろうろドクター
2007/12/20 17:57
この訴訟を耳にして、
生涯を地域医療・高齢者医療に捧げた鎌田先生は
さぞかしショックを受けられていることでしょう…

こんなトンデモ訴訟が連発するようでは、
これからの医療は、患者のためではなくて、
訴訟を避けるためのものになっていくことでしょう。

マスコミはこういう悪意のある記事が、
地域医療を破壊していることに
気付いてはいないのでしょうね…

http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000


投稿者:hirakata
2007/12/20 17:32
とおりすがりのななしさんさま(重ねると変?)、こんにちは。
マスコミは強大な権力ですよね。その力をよくわかっていないのに、十分な判断力のない記者が何となく記事を書き上げてしまう。その責任の重さ、影響力の大きさをきちんと認識できた人だけが記事を書けるようにしないと、マスコミに人生を台無しにされる人は減らないでしょう。

ssdさま、こんにちは。
こういう記事を見ていつも思うのは「この記者は何のためにこの記事を書いたのだろう」ということです。「スクープをものにしたぜ」みたいな自己満足が、記事を出す大きな原動力になっているのではないかと疑っています。そういう意味でも、あとから付け足した信濃毎日新聞の記事は、双方の言い分を書いていて、原告の言い分はそのことがわかるようにしてあるので、昨日の長野日報より良く書けた記事だと思います。これでも風評被害が生じる可能性は十分ありますが。


投稿者:ssd
2007/12/20 16:47
簡単なことなんですよ。

「提訴」の段階でニュースにするなと。
判決が出たら、かきゃいいだろと。

提訴の段階で書けば原告の言い分しかかけないのは小学生だってわかることです。
いつもいつも馬鹿の一つ覚えみたいに、「訴状を受け取っていないのでコメントできない」とか書く記者は自分の仕事が恥ずかしくないのか。


投稿者:とおりすがりのななしさん
2007/12/20 15:02
僕は、マトモなヤツ?が、
すりきれて、つぶれていくのを、
一番望まない

部外者の、素人だけど

マスゴミは、一度、自分たちが、事実を伝えているのか?、という、本質に戻った方がいいと思う
なぜなら、まだまだマスゴミ?の、影響力は、小さくないから

伝聞、と、事実、は、イコールではない
そのためには、マスゴミが、自分たち自身が偏見の塊、の可能性があることを、常に念頭に置かなければ


投稿者:hirakata
2007/12/20 12:40
orzさま、れいさま、ssdさま、こんにちは。

今日の「信濃毎日新聞」の記事を追加しました。こちらはまともです。信濃毎日新聞は、この提訴を記事にするかどうか判断しかねていたところ長野日報に先を越されたので、慌てて出したようです。その割には信濃毎日新聞の方が数段まとも。
でもこれだけ諏訪中央病院を悪し様に罵る記事を出したのですから、長野日報にはそれだけの自信があるのでしょうね。根拠のあるなしにかかわらず。これからの展開は、どうなることでしょう。


投稿者:ssd
2007/12/20 12:33
まあ、そうなんですが、少なくともこの記事を読んだ医者は、

「大変ですね」

と同情的な感想しか抱きませんよ。

問題は素人さんなんだけど・・・。


投稿者:れい
2007/12/20 12:01
長野日報に限らず、日本のマスコミは弱者(に見える)を正義、強者(に見える)を悪とした対立構図を作り上げ、弱者の味方よろしくその構図を強調するのが常套手段です。その方がセンセーショナルで読者に受けると考えているのでしょう。お腹立ち、身に沁みて判ります。


投稿者:orz
2007/12/20 10:18
これはあまりにひどい!
少なくとも、

>病院の治療のうち、バリウム検査では、事前に肺機能などのチェックをしなかったため、バリウムが気管に流入。男性に肺炎を発症させた。一方、モルヒネ投与では、呼吸回数の減少、無呼吸状態や意味不明な言動の増加など、過剰投与による副作用の症状が現れていたにもかかわらず、漠然と投与し続けた。
>急変後の患者の苦痛軽減のため、心停止後に蘇生措置を行わないとした方針は、一部の家族に延命治療と蘇生措置との区別をあいまいに説明し、患者やほかの家族のはっきりとした意向を確認せずに決めた。

この2節は報道に全く必要性がないばかりか、まだ提訴の段階であるにも関わらず、既に事実として認定されたかの様な断定的な記述。どう考えても病院に対する悪意の元に書かれた記事としかなく、先生のお腹立ちはごもっともです。

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