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4月からの医療改定で始まる地獄絵(続・nanayaのひとりごと)
http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/562.html
投稿者 尾張マン 日時 2008 年 3 月 15 日 07:50:53: YdVVrdzAJeHXM
 

http://nanaya-dokugo.jugem.jp/?eid=14

 今年4月から医療制度が大きく変わることは、まじめなブログや政治関連のニュースサイトを読んでいる方ならすでにご存知だろう。具体的・詳細なことは別にしても。

 今、どこの医療機関もこれまでにない程うろたえている。今回の改定の詳しい内容は(いつもなのだが)実施直前のギリギリにしか発表されず、4月1日から一気に変わる体制にどう準備を整えていいやら・・・。今度の改定の内容はあまりにひどすぎる。我々医療従事者のやる気を根本から削いでしまいそうで、本当にこの仕事を辞めたくなった。

 新しい医療改定内容から私が読み取ったこと。(端折って概要だけ)

1. 膨れ上がる医療費の社会負担コスト削減のために、医療機関は無駄を省き、目に見える形で医療の質を検証しながら、丁寧な診療を行なえ。

2. 高齢者の治らない病気にあっては、積極的治療をすることで、命を引き伸ばすことのみに力点を置くと単に苦痛を長引かせてしまいかねないし、また無駄な医療につながりかねない。よって、安らかな終末を迎えられるよう支えていくことも医療側の使命と考えるべき。

3. 進む高齢化社会の日本で、後期高齢者(75歳以上)の医療費は膨らむ一方で、現役世代の保険料負担を押し上げている。よって受益者である後期高齢者にも負担を願うと同時に、医療機関側の診療抑制努力をも期待する。

4. 40歳から74歳までの世代が受ける特定健康診査は、加入している保険者(国保は自治体、社保は事業所・団体)が、被保険者に受けさせる義務を負う。その目的は、近年増加傾向の生活習慣が原因と見られる病気の発症リスクを押さえるためで、健診の結果を予防医学に結び付けていくというもの。健診とその結果で必要となる保健指導はくっついて回るのである。医療機関には、健診後の生活改善指導を徹底させ、改善プログラムは目に見える形の成果が医療機関と共に本人にも求められる。特定保健指導という改善プログラムは半年から数年単位で経過が追跡され、我々医療機関は個人の生活に積極的に関わっていかなければならない。患者に対しては、電話や電子メールを使ってでもアプローチせよと。


 後期高齢者医療の600点包括診療は、特に医療機関を動揺させている。糖尿病、脂質異常症、高血圧性疾患、認知症といった慢性疾患を主病とする患者の診療報酬を月に600点(6000円)とは、高齢者は丁寧に診るなということである。28日処方の月に1回限りの診療で、検査も処置も敬遠する医療機関が増えるだろう。

 ネット上では「こんなやり方ではもうお年寄りの診療はしたくない。まともにしようとすれば持ち出しが増えて、赤字になる」と言った声も聞かれる。負担が増えた患者サイドが診療抑制すると同時に、医療機関側も診療抑制しなければいけないのである。

 小泉純一郎の言った「三方一両損」はこういう結果に形を成した。

 ひと月に何回もやって来るお年寄りは多い。我々も通院回数を減らせばいいと思う面はあるが、訴えがあるからやって来るのだ。こちらから受診拒否はできない。しかし、月に1回の診療では悪い方への変化や服薬状況など細かい管理はできないし、責任は持てなくなる。

 あるお年寄りには事情を話した。「私たち年寄りは元気(健康)が一番の願いである。(保険が利かないのなら)自腹で払ってもいいが、それはできないのか?」いくらか経済的余裕のあるその人が言ったのである。
 
 これこそが中央政府の狙いであろう。

 診療報酬改定で診療抑制を仕掛け、思うような医療が出来ない、受けられないといった不満が充満していく中に、「だったら診療報酬外の部分で自費ででも医療が受けられるようにして欲しい」「自由診療を希望する者への医療の制限をなくして欲しい」・・・・と、じわじわと国民の中から混合診療を望む声が大きくなり、医療サイドを動かし、制度の変更が行なわれる。

 一旦、混合診療が認められると、中央政府はますます診療報酬部分の制約を強め、保険で診られる病気を減らすであろう。薬や検査にも制限をかけるだろう。まず、風邪は自費扱いになると思う。

 そのうち、アメリカのように言い値医療が横行し、不安に煽られた国民は民間医療保険に加入しなくてはと強迫心理に陥る。外資系医療保険会社が虎視眈々と狙っている姿でもある。

 お金のある人とない人の医療に大きな格差が進むはず。貧乏人は治せる病気も診てもらえなくなるだろう。

 しかし、中央政府は「医療コストの負担は平等に」などと言う。

 日本は、世界に類を見ない「後期高齢者専用の保険制度」を設立し、都道府県単位で運営させ、受益者である高齢者の負担を強いる形に持っていく。広域連合はほとんどが都道府県単位で形成されるが、病院にかかる高齢者の数が多いほどその地域内での医療費が多くなるわけで、しかも高齢者の頭数で割るわけだから医療を受ける人受けない人に関わらず、保険料は上がっていくはず。

 「平等に負担せよ」とはこういうことなのだ。
 
 一番の問題は当事者である被保険者たちがこれらの事実を知らないということ。保険料を年金から天引きされることさえもよく分かっていない人が多い。

 郵政民営化衆院選挙で自民党を勝たせ、小泉政権にやりたい放題させた結果であるから文句も言えないだろうが、今回の医療改革が日本の未来を明るくするとはどうしても思えない。保険料を払えない高齢者、診療を拒否する医療機関、年寄りを見捨てる子ども世代が増えるだろうと想像する。

 厚生労働省の引導は現場が分からない人間が作ったものだとは思えない。分かっていて、設計図を描いたのだと思う。冷血な人間たちである。

 これらはすべて国が示した設計図であり、政治と医療とビジネスの悪いところをつなぎ合わせた結果でもある。国民が選んだように国の行方が決まるとは言え、自業自得と言うのも納得できないのである。 

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