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保険指導を問う/「歯科医自殺事件」はなぜ起きたのか/きっかけは患者通報、指導官の言動で追い詰められ…(日経メディカル)
http://www.asyura2.com/07/iryo01/msg/633.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 4 月 08 日 07:43:24: KbIx4LOvH6Ccw
 

 昨秋、都内のオフィス街で開業していた歯科医が自殺した。社会保険事務局が行った威圧的な個別指導(個別面談方式の保険指導)と監査によって、精神的に追い込まれたことが原因だと見られている。同様の事例は1993年、富山県でも起こった。当時37歳の内科医が、指導医療官の威圧的な指導を苦に投身自殺をした事件だ。当時の厚生省は指導・監査のあり方を見直したが、全国保険医団体連合会の調査によれば、いまだに、指導時に大声を出して机を叩いたり、人格を否定するような発言をする指導医療官もいるそうだ。15年前の教訓が全く生かされていない。

可視化が必要なのは警察の取り調べだけではないようだ。

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以下は http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/200804/505991.html からの転載(登録しないと開けない)

2008. 4. 5

保険指導を問う
「歯科医自殺事件」はなぜ起きたのか
きっかけは患者通報、指導官の言動で追い詰められ…
吉良伸一郎=日経メディカル

 昨年秋に、東京社会保険事務局の個別指導を受けていた歯科開業医が自殺し、新聞でも報じられた。指導医療官の威圧的な指導があったとされ、以前から指摘されてきた“密室性”の問題が露呈した形だ。またこの事件では、患者からの通報をきっかけに個別指導が行われたが、こうした通報に基づく個別指導が増えてきているのも最近の特徴だ。

メールに残された指導の中身

 個別指導は、医療機関や医師に対して社会保険事務局が行う保険指導で、個別面談形式で行われる。厚生労働省は対象者について、「支払基金や保険者、被保険者などから情報提供があり個別指導が必要と認められた場合」、「集団的個別指導の結果、大部分のレセプトが不適正だった場合」など、7つの選定基準を設けている。指導に当たるのは、医師免許を持つ指導医療官や事務官など。指導の結果、不正請求が疑われる場合などは「監査」の対象となり、悪質と判断されれば保険指定取り消しなどの処分が下される。

 自殺したA氏(享年57)は都内のオフィス街で歯科医院を開業していた。最初の指導が行われたのは、2006年4月のこと。東京社会保険事務局は「個別の件についてはお話しできない」としているが、A氏は、所属していた東京歯科保険医協会にメールでこう伝えている。「2人の指導官から次のような発言がありました。1.こんなことをして、おまえ全てを失うぞ! 2.今からでもおまえの診療所に行って調べてやってもいいぞ、受付や助手から直接聞いてもいいんだぞ!」、「最初の指導は、まさに恫喝で終始しました」。

 A氏は同協会の担当者に、「なぜあそこまで人権を無視したことを言われなければいけないのか」と涙ながらに話し、2回目の指導まで「今まで経験したことのない苦しい時」を過ごしたと訴えていたという。

 翌07年1月に2回目の指導が行われ、その8ヵ月後の9月6日、A氏の元に監査を行う旨の通知が届く。「A先生が、指導により精神的に追い込まれていたことは知っていたので、監査の呼び出しを受けたと知ったときは『危ないな』と思った」。同じ地区で開業し、A氏と親交のあった東京歯科保険医協会会長の中川勝洋氏は、こう振り返る。

 中川氏の予感は的中する。監査通知から4日後の昨年9月10日、A氏は自殺を図り、このときは未遂に終わった。だが、自殺未遂から5日後の9月15日、A氏は、監査のための書類を整理すると言い残して、自宅を後にする。なかなか戻らないA氏を心配した夫人が診療所に出向き、そこで変わり果てたA氏の姿を発見した。

「富山事件」の教訓が生かされず

 自殺事件の直後から、東京歯科保険医協会や全国保険医団体連合会(保団連)は、A氏に対する個別指導のやり方に問題があったとして、厚生労働省や東京社会保険事務局への抗議を開始した。中川氏は、「厚労省は威圧的な指導はなかったとしているが、メールのやり取りなど一連の経過を見れば、指導・監査で精神的に追い込まれて自殺したとしか考えられない」と語る。

(写真省略)
自殺事件を受け、全国保険医団体連合会が開催した抗議集会の模様

 中川氏によれば、A氏の保険請求には確かに不正請求とみられる部分があったという。だが、「問題のある請求があれば、それを正しい方向に導けばいいのであって、恫喝まがいの言動でプレッシャーをかけることが許されるわけではない」(同氏)。

 保団連はその後、各地の保険医協会を対象に、保険指導の実態を尋ねるアンケートを実施。「急に大声で威圧して机を叩く」「人格を否定される発言があったとの報告あり」など指導医療官の威圧的な言動に関する報告が複数寄せられた。

 個別指導には、第三者を立ち会わせる「立会人制度」がある。指導を受ける医師が医師会員の場合は、地域の医師会の役員が立ち会うことが多く、A氏のケースでも歯科医師会の役員が同席していた。だが、埼玉県保険医協会理事長の青山邦夫氏は、「怒鳴っている指導医療官がいても、立会人は黙っているだけということが多い」と指摘する。埼玉県では保険医協会の働きかけもあり、立会人とは別の医師や弁護士の帯同が認められており、同協会に頼めば顧問弁護士も紹介してもらえる。しかし、こうした仕組みが整えられている地域はほとんどない。

 個別指導を受けた医師の自殺事件としては、1993年の富山県の事例が有名だ。このときは、指導医療官の威圧的な指導を苦にした内科医が37歳の若さで投身自殺した。その後、厚労省は指導・監査のあり方の見直しに着手したが、「結局、富山の事件の教訓が生かされていなかった。厚労省は、各地の指導医療官が適正な指導をしているのかチェックすべきだ」と保団連理事の田辺隆氏は話す。

 なお、A氏への個別指導は患者からの通報をきっかけに行われたが、田辺氏は、「通報に基づく個別指導は、全国的に増加傾向にある」と指摘する。医療機関の領収書発行義務化や保険者の医療費通知発行など、医療費の情報開示が進んだことが原因だ。領収書などを見た患者が、その中身を不審に思い、通報に至っている例が多いのではないかとみられる。個々の医療機関にとっては、請求ミスがないか再点検したり、患者の誤解を招かないよう医療費の説明を行うことがこれまで以上に必要になっている。

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個別指導の動向の詳細は、『日経メディカル』最新号(2008年4月10日発行)をお読みください。



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